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もうパソコンはいらない!? |
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目 次
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もうパソコンはいらない!?(1) エコピュータ |
『S−Report』 10/18号
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もうパソコンはいらない!?(2) ソフトはどうする「StarSuite
6.0」 |
『S−Report』 11/ 1号
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もうパソコンはいらない!?(3) OSはどうする Linux |
『S−Report』 11/15号
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もうパソコンはいらない!?(1) エコピュータ
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いつの間にか秋はパソコンの秋モデルがでる季節となってしまいました。そう簡単に買い換える訳にもいかないのにメーカーが年何回もモデルチェンジするのはパソコンぐらいです。
今回から継続的にパソコンやOSの新商品が必要なのかというテーマでおおくりしたいとおもいます。理念的なお話ではなく現実に使えるようなお話にしたい思っています。
この度リースの終わったメーカー製パソコンを再生したパソコン「エコピュータ」が発売されました。信頼のサポートシステムによって、これまでの中古品に対する不安を解消。低コストで気軽に導入でき、安心してご利用いただけます。
たとえば、正規のOS再導入はもちろん、同一機種で、まとめて導入したい、IT化コストを抑制したいなど、お客様のさまざまなニーズに対応。 また、信頼あるシステムインテグレーターとの提携により、トータ
ルシステムとしてのご提供にもお応えします。
http://www.ecoputer.com/
この事業は、昨年8月から個人向けにパソコンのリサイクル事業 を展開していた東電環境エンジニアリングとコンピュータのリースを行っている住商リース及びOSを含めた各種ソフトやハード部品等を販売しいる三井物産デジタルの三社が共同で始めたものです。
今までもパソコンの中古販売も行われていますがその保守・アフターサービスなどはその販売店によってずいぶん差がありました。
また、パソコンの部品のリサイクルも部品の中には極めて環境に有害なニッカド電池等があり、産業廃棄物として単純に処理すること難しくなっています。
大手メーカーを中心に販売・リース契約を結んでいる企業ユーザーの出す使用済パソコンをメーカーが回収し部品として再利用していますが残りはやはり産業廃棄物となっています。
日本アイ・ビー・エム(IBM)とソフマップは10月4日,日本IBM製の使用済みPC下取り回収とリユース販売で協業すると発表した。 日本IBMが,直販サイト「ibm.com」でPCを新規購入したユーザーを対象に特定機種の下取りを行う。回収したPCを日本IBMがソフ
マップに転売し,ソフマップの中古販売網で販売する。
「日本IBMとソフマップ,中古PC下取り・販売で協業」
http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0110/04/ibm_sofmap.html
リサイクルには「部品・素材の再商品化」は重要ですが、そのことを強張するためにリサイクルの重要な役割としての「丸ごとの再利用」より、現在は「部品・素材の再商品化」のみがクローズアップされてます。大量消費社会を反省し、「循環型経済社会」を目指す
ならば「部品・素材の再商品化」ばかりでなく、「丸ごとの再利用」 するリサイクルが重要になります。(「ワインの緑色のビン」3/29号)
その意味でもこれらエコピュータの試みは重要です。こればかりでなく、メーカー自身もパソコンの長寿命化やリサイクル率の向上を図ることも必要です。
しかし、パソコンの場合は資源として「リサイクルされるもの」と 「最終的に産業廃棄物として処分されるもの」の分かれ目は新しいOSやソフトに対応できるスペックがあるかです。
つまり、リサイクルされるパソコンは新しいソフトが使えるかどうかで決まるのですが、これらの「エコピュータ」商品では最新のソフトが使えないことはないですが、使うと非常にスピードが遅いです。しかし、用途によっては充分に使えるものです。
ここで、ひとつの問題が浮かび上がってきます。普通の商品では別に最新式でなくてもいいものが多いです。ではなぜパソコンだけに最新を求めるのか。そしてハードと同じように、OSやソフトも最新のものでなければならないかということです。
このことは「エコピュータ」商品を使う上で非常に重要なことです。
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もうパソコンはいらない!?(2) ソフトはどうする「StarSuite
6.0」
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前回はリサインクルパソコン「エコピュータ」のお話でしたが、そこで問題になったのはそのパソコンに入れるソフトはどうする かということでした。
ここでいうソフトには「パソコンを動かすためのソフト」である「O S」とワープロなどの「パソコンで使うソフト」である「アプリケーシ ョン」があります。
今回は「アプリケーション」についてで、「OS」 については次回にお話します。
「アプリケーション」を導入する場合にいろいろな入手方法があ ります。
まず、既に持ってる「アプリケーション」をパソコンに入れて使うことができます。これは当たり前のことですが、新しいパソコンを買うと既に入ってる「OS」が変わっていて持ってる「アプリケーション」が使えなくなる場合もあります。別に最新のものでなくても使い慣れたものでいいわけですから今の「アプリケーション」が使えなくては困ってし
まいます。
次に、必要な「アプリケーション」を購入するという方法がありま すがこれはコストがかかってしまいます。そこで、お勧めは新品ではなく前のバージョンの「アプリケーション」を買うことです。ただ、これは一部のショップでしか買えないのですべての人が買えるわけではありません。(ただし、ひとつ前のバージョンの「アプリケーション」は定価の60〜90%OFFで買えます。)
そして、一番いいのはフリーソフトやシェアウェア(Shareware)の「アプリケーション」を使うことです。フリーソフトは無償で使えるソフトです。シェアウェアとは無償で使用できるフリーソフトとは違って使用に対価が必要なソフトのことです。
これらの「アプリケーション」は個人等が作っているものが多くソフトウェアベンダー(企業)が提供してる有償の「アプリケーション」 とはサポートなどで異なりますがそれらと遜色ないものも多いです。
そうはいっても、今まではフリーソフトやシェアウェアは信頼性やサポートに不安があるものもあり、ある程度のシェアでしか使われていませんでした。
今年10月2日にSun Microsystemsは「StarOffice 6.0 Beta Software」 (アジア地域では「StarSuite
6.0」と表記。以下、このように表記)を公開し、ダウンロードすれば無料で使えるようになりました。
この「StarSuite 6.0」はMicrosoft Officeとほぼ同等の機能とデータ互換性を持ち、いろいろなOS、Windows
95/98/ME/NT/2000、Solaris、Linuxで動作します。 (非公式にMacOSにも移植されMacでも作動します。)
サン・マイクロシステムズ http://www.sun.com/
つまり、現在実売価格で3〜5万円程度のものと同じ機能のものがタダで使えるわけです。その上、サン・マイクロシステムズがバックアップしているという信頼性があります。実際に海外の企業では本格的に導入しビジネスユースに耐えられるかどうかの評価も始まています。
実際に「StarSuite 6.0」をWindows、Linuxで使ってますが好調です。今までにも広告の入るTHINKFREE等のこの種の「アプリケーショ
ン」を使っていましたがはるかに優れています。詳細と評価につい ては下記のサイトを参照してください。
「StarSuite 6.0 ベータ版詳報 −これは使いやすい!!」
http://linux.ascii24.com/linux/news/today/2001/10/04/630157-000.html
「StarSuite 6.0」はサン・マイクロシステムズが開発元の独StarDivisionを買収し、無償で配布してます。この理由をサン・マイクロシステムズはこう説明しています。
「StarSuite 6.0」(「StarOffice」)を扱う目的が、ソフトの販売によって利益を得る事にあるのではなく、最終的にサン・マイクロシステムズのサーバ製品購入につながることを見越していると説明した。
サン・マイクロシステムズ(株)ソフトウェア事業部部長 纐纈昌嗣
http://linux.ascii24.com/linux/news/today/2001/09/28/629997-000.html
「Windowsユーザーに警告」(8/23号)をはじめとしてこのレポートでも何回か指摘してきましたが、マイクロソフトの商品やサポートが価格に見合ったものかは疑問です。サポート打ち切りや、OfficeXPの
欠陥などを考えると、この「StarSuite 6.0」の登場によって今後はい っそう「使えるソフト」が無料で入手できるような傾向になっていきます。
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もうパソコンはいらない!?(3)
OSはどうする Linux
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このところパソコンの新しいOSが登場しています。アップルのマッキントッシュでもOSX(ver10.1)がリリースされマイクロソフトのウインドウズの最新版であるWindows
XPも11月16日に発売 になります。
(もちろん既にWindows XPがプリインストールされたパソコンは販売されています。)
さて、前回はワープロなどの「パソコンで使うソフト」である「アプリケーション」のお話でしたが、今回は「パソコンを動かすためのソフト」である 「OS」のお話です。
OSX(ver10.1)もWindows XPも共に最新のテクノロジーを導入し、新型CPUのパワーを有効に使うものです。また、プロードバンドに対応し今までより早くネットにアクセスでき、動き遅くなる原因であるシステムリソース不足を解決するものです。
米Microsoftは、10月25日に発売された最新OSのWindowsXPが、2週間で700万本以上の売上げを達成したことを発表した。
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/11/12/25.html
これなら日本でもユーザーはすぐに導入するでしょうか。
はっきり言ってOSのアップグレードは「危険がいっぱい」です。インストールに失敗して「泥沼状態」に陥らないためにも、自分が使っているハードソフトがWindows
XPで問題なく動くのか、事前の徹底した情報収集を行ったうえでインストール作業に臨んでください。それでは、皆さんのアップグレード成功をお祈りしています。
「特集2 Windows XP導入ガイド」 日経バソコン11月12日号
登場以来、最大のバージョンアップを予定しているWindowsだが、はたしてユーザーはすんなりと乗り換えてくれるのだろうか? Windowsは95でその地位を確立したといってもいいのだが、その後のバージョンにおいてはア
ップグレードしないユーザーが増えつつある。1つには、アップグレードする 理由がないアップグレードが困難なハードウェアである、アップグレードが うまくいかない可能性もあるといったことが理由らしい。
(中略)
こうした状況を考えると、ここでWindows XP、Office XPに移行しないユーザーがかなり増える可能性もある。だとすると、業界全体の構造が少し変わってくるのではないだろうか。Windows関連市場では、WindowsやOffice
がバージョンアップすると市場全体が対応して移行していた。いまでは、Windows95やOffice95を入手することも困難だし、Windows
95をサポートしない周辺装置なども多い。アップグレードしないユーザーが増え、一定以上の数になったとき、業界全体としては、旧バージョンも引き続き対応せ
ざるを得なくなるだろう。
「XPに移行する? しない?」 塩田紳二
http://linux.ascii24.com/linux/news/column/104/2001/05/12/625986-000.html
「もうパソコンはいらない!?(1)」(10/18号)で「普通の商品では別に最新式でなくてもいいものが多いです。ではなぜパソコンだけに最新を求める
のか。そしてハードと同じように、OSやソフトも最新のものでなければならな いかということです。」 と書きましたが、このようにはっきりとしたメリットがなければもう誰もパソコンメーカーやソフトベンターの目論見通り新しいOS
に移行しないということです。
さて「StarSuite 6.0」(「もうパソコンはいらない!?(2)」11/1号)を無料で提供しているサン・マイクロシステムズはこのOSも
サン・マイクロシステムズが、同社の最新UNIXである「Solaris8」を発表した。 (中略)だが、最大の特徴は、なんといっても、このOSが無償で提供されるという点にほかならない。同社の発表によると、今回のSolaris8では、ソースコード
をオープンにするとともに、8CPUシステムまでのバイナリ・エンド・ユーザー・ラ イセンスを無償にするというものだ。同様にUNIXを母体としているLinuxが無
償で配布されているだけに、Solarisも同じ道を歩まざるを得ないともいえるが、メーカーがしっかりと保証した上で、無償で提供するというのは、Linux以上にインパクトがある。しかも、8CPUまでの重厚なサーバー環境においても無償で配布するのだから驚きだ。(中略) さて、話を戻そう。それではなぜサン・マイクロシステムズは、マイクロソフトには不可能な、OSおよびオフィススイートソフトの無償提供ができるのだろうか。
急速に拡大するインターネット市場で、まずは市場シェアを確保することを狙った先行投資なのだろうか。いや、そうではない。実は、サン・マイクロシステムズ
は、ソフトウェアで利益を得なくても成り立つ体質がすでに出来上がっているのだ。
「なぜサンは最新OS「Solaris8」を無償提供できるのか? 」 http://pcweb.mycom.co.jp/column/gyokai/gyokai115.html
こればかりではありません。「Linux(リナックス)」というOSもまた広く無料で使われてます。
(Linuxとは)ヘルシンキ大学のLinus B. Torvalds氏により、i386以上を搭載し たPC互換機をターゲットプラットフォームとして、スクラッチ(何もない状態)から開発されたUNIXクローンOS。DEC
AlphaなどのIntel以外のプラットフォームへの移植も行なわれている。(中略) なお、Linuxとして開発されているのはカーネルなどの基本的な部分だけであり、
シェルや各種コマンドなどのユーザー環境は、Internetで公開されているフリーソフトウェアが使われている(その多くはGNUから配布されているもの)。
そのため、 Linuxカーネルと各種コマンド、エディタ、コンパイラ、ウィンドウシステムなどをまとめたパッケージが、複数のディストリビュータからリリースされている。
主なLinux ディストリビューションパッケージとしては、「Redhat」、「Slackware」、「Debian」、 「TurboLinux」、「Vine」、「S.U.S.E」などがある。
Macintosh用としては、OSF(オープンソフトウェア財団)とAppleの共同作業によるPower Macintosh用のMkLinux、急速に普及しつつあるLinuxPPCがある。
「アスキー デジタル用語辞典」
これ以外でもやはりUNIX系のFreeBSDというOSもLinuxと同じようにまた広く無料で使われてます。
米 University of California at Berkeley(UCB:カリフォルニア大学バークレイ校) のWilliam/Lynne
Jolitz夫妻を中心に、BSD版UNIXのNET/2リリースをベースに、i386以上のCPUを搭載したPC互換機対応版として開発されたBSD系UNIXからさ
らに派生した、AT&TのライセンスからフリーなBSD系UNIX OSの1種。
「アスキー デジタル用語辞典」
このようにUNIXというコンピュータ汎用OSから派生したSolaris・FreeBSD、または互換性を持つOSであるLinuxは無料、廉価であるばかりでなくパソコンが最新のスペックでなくてもそのアプリケーションは充分に動きます。そのため、リサイクルパソコンばかりでなく、パソコンメーカーがWindowsの替わりに新製品のパソコンに搭載を始めています。
さらに、これらのOSやアプリケーションは「ソースコードをオープン」にしています。 これは簡単に言うとユーザーが使いやすいように改造できるということです。つまり、今までのお仕着せのものとは違ってユーザーが使いやすいように使えるものになるということです。
Linuxを低価格で販売しているソフトベンダーのパッケージには必要なアプリケーションがいっしょになっており、Microsoft Officesを始めとするアプリケーションと
同じ仕事が出来ます。
だから、前回取り上げた「StarSuite 6.0」(「StarOffice 6.0 BetaSoftware」)やこれらのLinux・FreeBSD・Solarisの普及によって欧米などでは
“Windows + Microsoft Office”から“Linux + StarSuite 6.0+etc”“Solaris+ StarSuite
6.0”への移行が進んでいます。
「Windowsユーザーに警告」(8/23号)でも指摘しましたようにソフト特にマイクロソフトの商品はユーザー満足度で言えば評価の対象にすらないものです。このような
状況でOSを独占していることで成長してきたマイクロソフトがその優位性を失うと同時にソフトベンダー(メーカー)の地位も危うくする可能性もあります。
そして、重要なことはマイクロソフトに限らず、このようなユーザー志向のOSやアプリケーションの普及によってメーカーやソフトベンダー(メーカー)の言うとおりにOSやアプリケーションをユーザーが更新するという今までのビジネスが成り立たなくなりつつあるということです。
ここまでで既存のメーカーやソフトベンダーが勝手に作っている「今までのパソコンはもういらない」というお話は終わります。これからは「パソコン」という形態のマシン自体がその役割を終えて次の形態に移行しつつあるという意味での「もうパソコンはいらない!?」についてのお話になります。
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