ロックアップを手動で2

 これまでの半手動ロックアップ制御は、ロックアップ制御のパラメーターに水温があることを利用し、ECMに入る抵抗値を変えて水温が変わったかのように誤魔化して制御していた。
 しかし、よーく配線図を見ると、ある配線をグランドに落とせばロックアップすることがわかった。この方式は既にF−BODYにてKIDさんが実践されている。C3の場合、トルコンクラッチ(以下TCC)の制御ラインはEGRソレノイドの制御ラインと一緒になってリレーで制御されるため、一見複雑に見えただけなのだ。
 ロックアップ制御はいたって簡単。ドライバーサイドのコンソールサイドカバーをはぐるとワイヤーハーネスが沢山見える。その中に黒いコネクターが埋もれているはずだ。これはTCCの診断用カプラーで、実はECMのTCC出力につながっている。ロックアップするとき、ECMはグランドレベルを出力し、TCCラインをグランドに落とす。

診断カプラー
この診断用カプラーにスイッチを付ける

 都合の良いことに、このカプラーには診断用の端子が付いているので、そこに平型端子を用いてスイッチを繋ぎグランドに落とせば、ECMがやってきたことを手動制御に出来る。 コンソールを剥がすのが嫌なら、TCCリレーのカプラーにスイッチを付ければよい。TCCリレーはドライバーサイドのバルクヘッドにある。このカプラーの一番パッセンジャー側の端子をグランドに落とせばロックアップするので、ここにスイッチを繋いでも先述と同様の結果が得られる。配線の美しさから言って、やはり診断カプラー制御をお勧めする。
 但し、完全ノーマルC3でこロックアップ制御すると、同時にEGRも働いてしまうため、場合によっては若干のパワーダウンを招く恐れがある。EGRも一緒に制御されたくない場合は、ミッションに入っている配線で制御するしかない。
 ここで、直接ロックアップ制御をしても、走行にはなんら支障はない。2速以上(物によっては3速以上)にならないと、ミッション内部のスイッチが入らないので1速のままロックアップしてエンストなんてことは起こらない。またブレーキスイッチも生きているので、ブレーキを踏めばロックアップは解除されるので、危険はない。コンピュータで制御していたことを手動にしただけなので当然と言えば当然だ。

TCCリレー
TCCリレー

配線
一番上の端子をグランドに落とすとロックアップ

ミッションマウント   ロックアップを手動で   目次へ   ホームに帰る