バンテージ装着

 ヘダースにサーモバンテージを巻いた。エンジンルームの遮熱にも効果があるが、バンテージ本来の目的はパイプを高温に保ってガスの流れを良くし、パワーアップを狙った物だ。排気ガス(気体)は粘性流体と見なされるので、温度が高いほど粘性は低下し、その結果排気抵抗が下がる。バンテージによって排気管を高温に保つことで排気抵抗が下がるのだ。勿論遮熱効果も期待できる。

 用意したバンテージはサーモテック製の2インチ*50フィートのロールだ。V8エンジンのヘダースにはこのロールが2巻必要になる。あと、バンテージを固定するためのスナップストラップが必要になる。

バンテージ
バンテージ

 ヘダースへの巻き付けだが、ロールのままではパイプの隙間を通すことができないので、巻き付ける長さを計算してあらかじめ切っておかなければならない。必要な長さの求め方だが、巻き付けるパイプに重ね代も考慮しながらバンテージを当てて、何回巻くか数える。そしてパイプを一巻きした長さを求めて、先ほど数えた回数分だけ同じ長さで折り曲げていけば必要な長さが求まる。
 大体の必要な長さをまとめると次の表のようになる。重ね代は1/4インチとした場合、パイプの長さ33センチ巻くのに必要なバンテージの長さだ。

パイプ径・バンテージ必要長さ対応表
パイプ直径(インチ) 必要なバンテージ長さ(センチ)
1・3/8 76
1・1/2 84
1・5/8 89
1・3/4 96
1・7/8 104
112

 実際の巻き付けであるが、バンテージはガラス繊維の織物なので素手で取り扱うと繊維が皮膚に刺さりかゆみを生じる。薄手のゴム手袋を用意する。また空中に相当量の繊維が撒き散らされるので、目や口は塞いだ方がよい。埃を出さないためにも先述の要領でロールから切ったバンテージを水で湿らせる。水で湿らせることで乾燥したときに張りが出て綺麗に仕上がる。熱で固まる薬品も染みこんでいるようで、それをまんべんなく広げる意味もある。しかし、湿らせる程度で全体が濡れてびちょびちょにしてはならないと取り説に書いてある。準備できたら後はパイプに巻き付けていくだけだ。パイプの隙間が狭いところは2本まとめて巻いても良い。


巻き付け終了

 ヘダースを取り付けてエンジンをかけるとしばらくモウモウと煙が出るが問題ない。一度過熱するとパリパリに硬化して定着する。
 遮熱効果は期待通りで、短時間ならパイプを素手で触っても大丈夫だ。排気効率が向上したかどうかは体感できないが、やはり見た目がレーシーになって良い。欠点はプラグ交換時にガラス繊維が手に突き刺さる事だ。


ヘダース取り付け後

 今回、ヘダースとYパイプのジョイントも多少グレードアップした。以前はブリキ板とマフラークランプによる適当な取り付けだったが、今回はシールバンドでスッキリさせた。取り付け方法自体は前回と変わらないが、見た目がスッキリした。


ヘダースジョイント部改良

50ccポンプ   ヒートシールド   目次へ   ホームに帰る