ナビ取り付け

 ひょんなことからDVDナビを頂いたので、早速装着したのだ。それまでは、コルベットを入手した時にすぐに取り付けたカロッツェリアのカード式ナビを取り付けていた。当時としては最も小型で画期的なナビだったが、今となってはソフトの供給も終了しており化石同然。現在位置を知るのとテレビを見るのとゲームをする(唯一素晴らしい機能)だけの道具になっていた。当時はナビはおろかテレビが見られる事さえも珍しく、ましてやコルベットにカーナビなんて装着している輩はいなかったのだ。しかし各方面から役に立たないとクレームが寄せられており、丁度良い機会なので引退してもらうことになった。
 頂いたのはアルパインのDVDナビ。製造から4年落ちではあるが、カードナビに比べれば月とすっぽん。その機能は世界初の真空管電子計算機ENIACと現在のPCくらいの差がある。私にとっては9年という歳月を知るに十分な進歩ぶりなのだ。テレビチューナーも付属しており、今と同じオーディオ環境が得られるのだ。液晶画面もワイドで嬉しい。

 取り付けの前に、旧ナビを外す。本体の他に電源ユニット、TVチューナー、ハイダウェイユニットがあり、外からは見えないが配線はもうメチャクチャ状態になっている。それらとは綺麗さっぱりお別れをする。新ナビの取り説を見ると、使用しない配線がダラダラとくっついている。どうせ使わないのでコネクターから抜いてしまう。しかし、万が一元に戻せるようにコネクターに刺さっていた順番はメモしておく。
 まず本体とTVチューナーの配置場所を検討する。チューナーは旧ナビと同じ位置、助手席の後ろに配置することにした。問題は本体。色々悩んだが、配線長との兼ね合いからラゲッジルームに置こうと考えていた。しかし、実際に配線するうちに非常に美しく配置の形跡をも残さない最高の場所を見つけた。それは、リアコンパートメントボックスだ。普段はガラクタがいっぱいで気にも留めなかったが、本体もピッタリ収まり、配線もメインハーネスが通っている穴を通して、更に箱の穴も通せる。蓋をすると配線も本体も全く見えなくなるスバラシイ場所なのだ。配線長も余裕で、コルベットは車内が狭いので延長配線を使用することなく配線できた。

 今回の懸案事項は車速パルスをどうするか?であった。国産車では4パルスだとか8パルスだとか色々あるようだが、はたしてコルベットのパルス数は?出力レベルは?と疑問に思っていたが、パルス数については、ナビがGPS情報を元に勝手に補正してくれるようで、パルス数の設定も必要ないので助かった。あとはパルスの出力レベル。国産車は恐らくTTLレベル(+5V)だと思うのだが、コルベットの出力レベルは不明。車速パルスバッファの電源は+8Vなので、それ以下であることは間違いない。
 コルベットの車速センサーは、スピードメーターの軸に取り付けられた羽が鏡になっていて、フォトトランジスタとLEDの組み合わせにより、光の反射を読みとるようになっている。羽(メーター)の回転数は何キロの時に何回転するのか不明(実測1パルス/タイヤ1回転くらい)。フォトトランジスタの出力レベルではECMが直接扱えないので、途中にバッファアンプが入っていて、ナビの車速センサーの配線はこのバッファの出力に繋げばよいはずだ。

 さて取り付けだが、配線しやすいように助手席は取ってしまう。配線はセンターコンソールから中央を突き抜けて、シートの後ろに隠れているECMのハーネスが通っている穴を通してコンパートメントに持っていく。

助手席
助手席は外してしまおう

ハーネス
ハーネス
シート後ろに隠れているハーネスを通す穴

 問題の車速パルスであるが、前述の通りVSS(ビークルスピードセンサー)のバッファから取る。運転席側のセンターパネルを外すと、青いプラスチックの物体が見える。これがVSSのバッファ。3本の配線が出入りしているが、コネクターで刺さっている配線の茶色の一本が車速パルスの出力。後の2本は8Vの電源とグランド。あまりやりたくないことだが、カメ(配線泥棒)で車速センサー用配線と接続する。

VSS
VSS
茶色の配線が車速パルス
配線泥棒で接続する

 その他の配線は常時接続とACCとディマーとパーキングブレーキのありきたりの配線。お約束のパーキングはグランドに落とす。一部のナビではこのパーキングには一度12Vを入れてグランドに落とさないと機能しない物もある(旧ナビがあそうであった)。ノーマル配線の配線色アサインはカーステ換装を参照されたし。
 ナビ本体はコンパートメントボックスにピッタリのサイズで、絶妙なフィッティングなのだ。配線は箱に穴が空いているのでそこを通し、ECMのメインハーネスが通る穴を通して前方のオーディオ周りから電源を取る。チューナーと本体を繋ぐ配線ものこ穴を利用し、筐体はおろか配線も全く見えない仕上がりになった。

本体
ナビ本体

 モニターは、既存のフレキシブルタイプのステーを使い取り付け。ステーはシートレールのボルトと共締めとしてある。システム全体で外から見える配線は、ステーの雲台部分からモニターに入る10cm足らずの配線だけという実に美しい仕上がりになったのだ(^^ゞ 旧ナビ取り外しから新ナビ取り付けまで4時間の格闘であった。その殆どの時間は配線の取り回しと本体の配置場所の検討に費やされたのは言うまでもない。

モニター
モニター

 さて、問題の車速パルスであるが、実際に使用してみてちゃんと動作しているようだ。大体1パルス/タイヤ1回転ってところだろうか?ナビ自身もちゃんと補正してくれており、ナビが示す車速もほぼ正確だった。
 ただ、現状で問題が一つ。イグニッションのノイズがモニターに乗ってしまうことだ。画面に若干縞が出て、スピーカーからはピューピューと音が出る。写真の通り、モニターはグローブボックスの直前に配置されている。グローブボックスの中にはMSDが格納されているのだ。どうやら、その強烈なノイズを拾っているらしい。また、電源はノーマルハーネスから取ったので、比較的インピーダンスが高くそこからもノイズが回っているのだろう。ラインフィルターを入れるか、グローブボックスをシールドするか、常時電源をバッテリーに直接配線するしか回避方法はなかろう。

オルタグレードアップ   エアコン現代化   目次へ   ホームに帰る