17日目                 出会い  お接待

2017年4月30日   晴     6:20〜18:28   39.7Km    70,258歩    BH オータ
人力キャンピングカー
 
   
   
宇和島から始発で務田駅に到着。駅の駐輪場で大きなリヤカーの傍で何やら作業をしている男性がいる。菅笠があるのでお遍路だとわかり、話しかけました。特製の高床ベッドがあり、小屋を作れる支柱を積み、ボンベなど諸々の生活雑貨やいくつもリュック、生活用水か何本ものペットボトルが積み込まれている。それにしても内部の見えないところには何があるのかと思う。
一周を半年かけて回っているという。山道は進めないので、基本的には道路を歩いている。従って、札所の麓にリヤカーを置いて、打ち戻ることがしばしばらしい。どんな切っ掛けで、始めたのかは聞かなかったが、定年後に始めて9年目である。18回目だという。その間、一度も医者にかかるような病気はなかったらしい。人はホームレスとか職業遍路と呼ぶかもしれないが、手作りの人力キャンピングカーで旅をしているともとれる。彼は毎日に冒険の要素があると言う。わかるような気がしました。
42番を過ぎてすぐの所に、立派な民家があり、連絡の取れない『とうべや』であった。近くで立ち話をしていた女性たちに、あそこに泊まりたかったのだが、『電話が通じなくてダメでした』と伝えると、よくご存じのようで、「儲ける気のない人だから」と笑って返ってきました。
歯長峠の手前に少し大きめの休憩所があり、そこにはバッグが置いてあって、中には寒さ対策用の毛布が入っていました。愛媛の休憩所にはこのようなバッグをよく見かけます。
鳥坂峠に向かう途中、暑さが厳しいので休憩所を利用しようとすると、同じタイミングで逆打ちの男性と一緒になった。「冷たいものはどうですか?」と言う。道路の向こうにある自販機で奥様らしき人が飲料を買っていた。「水が良いです」と言うと、伝言で奥様に伝わり、購入したペットボトルを戴いた。代金を払おうとすると、「お接待です。断ってはいけないんですよ」とたしなめられた。「でも、お接待は地元の方がするのでしょ」と言ってはみたが、遠慮なく戴いた。沖縄の多良間村の方で、横浜の緑区にいたことがあるらしい。私が歩いて行ったことのない市町村、第2号である。秋に石垣島に行く計画があるので、宮古島と多良間島も歩いてみたい。サインをお願いするとご夫婦の名前以外に『ももこ』とある。おそらくご主人がお腹の前に抱えていたペット(犬)の名前だろう。
43番を過ぎ、西予市街地に入ると、古い旧家の並ぶ地域があった。卯之町と言う重要伝統的建造物群保存地区である。
今日のコースは歯長峠が大変だろうと思っていた。それはそれなりに大変だったが、鳥坂峠が予想以上にきつく、特に長い下りが果てしなく感じました。歩けども歩けども市街地にたどり着かない感覚です。『とうべや』に泊まれたら、内子まで行けたが、急遽大洲のビジネスホテルに泊まることになった。宿の近くで食料品を調達したり、ホテルで紹介されたレストランで夕食を摂る。