感想の続きです。
全体の展開については、あまり詳しく書くとネタバレになっちゃうんで書けませんが・・・うーん、どうなんでしょう。俺は面白かったですが、宗教とかに興味がない人には難しいだけなのかな。逆に、その分野を真剣に考えている人にとってはアマいのかもしれませんね・・・。
ただ、少なくともテキスト量は膨大で、満腹。単に多いだけでないのも間違いなくて、特に、「人間の負の部分」も容赦なく触れられているのが胸に響きます。各キャラのエンディングについては、自分が見た範囲では、オルフェウス・ノエル・サラ・ルカが良かったですねえ。
残念なのは、クムランやティアラの「その後」がほとんど描かれていないことかなー。あるいは、続編の伏線だったりして。
また、マルチシナリオなようで、実はあまり分岐はないんですよね。キャラの相性が変わるのが主です。この辺りも好みが分かれそうです。
個人的には、マルチシナリオには別段魅力は感じず、一本道であろうがそれが良くできているなら全く不満はありません。そして、このゲームはそういう一つなわけですが、最近、一本道=自由度がない=単調という風潮がありますよね。ここらへんも「一般ウケ」は狙ってねえなーという感じを受けます。まあ、万人ウケを狙ったゲームなんて全くもってやりたくねえですけどね。
グラフィックは、緻密で見やすいです。また、デフォルメキャラの動きが非常に細かく作りこまれているのが、すばらしい。しかし、派手さはなく、これまたイマドキではない。ラストは目がくらむほどでしたが(笑)
ところで、そのキャラグラフィックに関してどうでもいい話をちょっと。クムランの猫背っぷりも見事に表現されてますよね。それを見て思い出したのが、エナジーブレイカーなんです。エナブレもクォータービューで何故かキャラが猫背に見えるし、生き生きしたシナリオも似てるんで、スタッフが共通かと思ったんですわ。
キャラデザは・・・んんー、典型的なアニメ絵で、悪くはないんですけど、これまたこれまた地味ですわな・・・。よく言えばクセがなくて感情移入しやすいです。ヘタにリアル路線に走られるよりはアニメ絵の方がずっといいですし。女性キャラはかわいいです・・・ってこれは、バイアスがかかってるか。女主人公を含めて、割と巨(美)乳なのも目を引きます(笑・バカだな俺)
音楽については、相変わらず、とやかく言える耳は持ってないんで、なんとも。どこかで「荘厳」と書かれてはいました。
システムは、いろいろと面白いものがあるんですが・・・。うーむ、生かし切れてないと言えばいいのか、もどかしいと言うのか・・・。
例えば、回復アイテムの高価さ。これはおそらく、「ダメージは避けるもんだろ! 回復なんか当てにすんな!」という男気あふれる思想からなんじゃないでしょうか。(そうでなかったら、回復魔法を使えるキャラが少なすぎ) 男らしいのはいいんですけど、俺のような単なる「RPG好き」にはコタえます。 あるいは、攻略本見てない人が、最初に細剣や短剣を選んだりしたらかなり大変だと思います。
また、いろいろなキャラと一緒に戦えるのは楽しいんですけれど、ミッションに入ってみると使えないことが判明するキャラもいます。特に一週目でミッションが連続しているところだとやり直しにイラつくのは否めません。
少なくとも、トラップ設置の間は時間を止めておくだけでもずいぶん印象が違ったんじゃないでしょうか。そうじゃないせいで、せっかくのトラップシステムがあまりいかせず、結局特定の場面でしか有効に使えません。
あるゲーム雑誌のシューティングゲームの攻略に「とりあえず、避けろ!」と書いてあった、という笑い話(実話?)があります。それと同じニオイを感じます。「出来る者の論理」です。もっとも、あまりユーザーフレンドリーだと今度は歯ごたえがなくなってしまうわけで、難しいところではありますが。
当たり判定など、アクションゲームという面でもきっちりしてるのは確かだと思います。また、慣れると(且つ、効率の良い稼ぎ方をすると)無理しなくても5,6時間でもクリアできちゃうんですけどね。
この辺りの感触、「ファイアーエムブレム」にやっぱりよく似てると思います(ジャンルは当然ながら全く違います)。システムはシビアだけれど、魅力的な世界やキャラに引かれて、それを乗り越えたときに感じることが出来るカタルシス。また慣れてくると効率の良いプレイも出来るようになっていくという。
いろいろと書いてきましたが、非常に楽しめたというのが結論です。売れて欲しいけれど、人を選ぶゲームかもしれません。俺が好きなゲームってあんまり売れないことが多いんですよねー・・・(「売れないゲームが好き」なわけではないです。念のため) 同人誌とか出るでしょうか。エロいヤツ(女性向けも含めて)でも、もし出たら即買っちゃうかもなあ。
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