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困った行動 
         

  

悠くんの困った行動は、

  すぐに噛み付くこと
  木やプラスチックのおもちゃをかじり壊す
  ビニール袋を引き裂いて、一日で20枚から30枚のビニール袋を部屋にばら撒く


本当に問題行動かどうかを考える

 問題行動の定義は・・・
  1.自分の身体・健康上に著しい危険をもたらす
  2.他者の身体・健康上に著しい危険をもたらす
  3.誰もが有意義と認める学習、労働、レジャーへの参加を著しく妨げる

         参照 『発達障害児の問題行動 その理解と対応マニュアル』
                   志賀利一著   エンバワメント研究所発行


  では、問題行動の定義にはあてはまらない困った行動をどうするか。
    1.迷惑はかからないからと割り切って、 本人の好み、趣味として認め、
      時間と場所を区切ることで、本人が楽しめるひとつの活動にする
    2.こだわり続けているものは本人の興味、関心の強いものなので、 適切な
      (迷惑がかからない)行動に変えていく。
          例えば、水遊びが激しい→お風呂洗い、お米とぎ、花の水やりなど



問題行動の原因は


   1.コミュニケーションが取れない
       要求が伝わらない
       嫌な事を拒否できない。
       何を言われているのかわからない。

   2.見通しが持てない
      今していることが、いったいいつまで続くのかわからない
      いつになったら、好きなこと(物)が手に入るのかわからない。
 

  この1と2が原因で起きていることがすごく多いです。
  ということは・・・
 
      要求や拒否をする手段を身に付ける
      見通しが持てるように、「終わり」を明確にすること、「いつ」「どこで」
      「なにを」「どれくらい」「どうやって」「終わったら何があるのか」と
      いうことと、「本人が関心を持っている活動がいつ出来るのか」を本人
      に解る方法で伝える。

  これらをきちんとすることで、ずい分と本人が落ち着いてきます。




悠くんの場合


  言葉は伝わりませんし、本人もしゃべれません。
  具体物や写真、身振りなど、悠くんに解る手段で、やり取りをします。

    拒否の手段
      拒否は身体の前で左右の手をクロスさせて、大きな×を作って拒否をします。

    要求の手段
       写真を使います→「コミュニケーション」のページをご覧ください。

    見通しを持たせる
      「終わり」を明確にする
     活動などは、目で見てわかるように、ねじり式のタイマーを使って、
      「タイマーがピーと鳴ったら終わり」ということにしました。

    「いつ」「どこで」「終わったら何があるのか
      一日の活動を写真で提示しました。→「スケジュール」のページをご覧ください。

   「本人が関心を持っている活動がいつ出来るのか」
      カレンダー(習慣スケジュール)の提示

   「何を」「どれくらい」「どうやって」
       写真などで手順書を作って、その方法を示しました。
                           →「歯磨きジグ」「身体洗いジグ」など


    これで突然のパニック、噛み付きがぐっと減りました。
    ビニール袋に関しては「問題行動」当てはまらない困った行動なので、本人の好きな
    活動として認めました。ただし、1日に20枚も30枚も使われると困るので、枚数の制
    限と、ちぎったものをばら撒くのではなく、かごの中に入れるようにしました。
    おもちゃをかじることは、本人が落ち着いてきてずい分減りましたが、「問題行動」には
    当てはまらないので、全部を禁止せずにかじっていいおもちゃをかごに入れ、「かごの
    中の物はかじってもいい」ということにしました。


                                        → 氷山モデルについて 

      

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