周囲を断崖絶壁に囲まれた島は、仮面神「ボゼ」に象徴される神々の島であり、温泉の島でもある。
島内各所に神々が祭られている。島内の鬱蒼とした亜熱帯植物の森は大切に保護され、「神山」として聖地の扱いを受けている。
第二次世界大戦も終戦に近い頃、沖縄から本土鹿児島に疎開する学童を乗せた輸送船「対馬丸」が、アメリカ軍潜水艦の魚雷によって沈没し、1,000人以上の学童が犠牲になった。「やすら浜港」近くの「対馬丸沈没慰霊碑」は、学童の遺体を海から引き揚げ手厚く葬った島民のてによって、その霊を慰めるために建立されたものである。こんな秘境の島にも戦争は影を落としていたのである。
悪石島は、トビウオやタケノコの代表的な産地としても知られている。トビウオは梅雨の頃、鮮魚のままか、干物として出荷されている。
島根県の「トビウオの燻製」は全国的に美味として有名だが、この「トビウオ燻製」こそ、トカラにあこがれ、悪石島にきていた島根の人が、悪石島の「トビウオの干物」からヒントを得て作り出したものである。彼は、故郷の島根に帰ったのち、この「トビウオの燻製」を売り出し、全国的に有名となったものである。
|