072. 中島 一五式 水上偵察機 [日本-海軍]           
       NAKAJIMA Type 15 Reconnaissance Seaplane[JAPAN-NAVY]

   
全幅:13.52m、全長:9.56m、翼面積:44.0u、
発動機:三菱ヒ式水冷V型8気筒 300馬力
総重量:1,950kg、 最大速度:172km/hr、
武装:7.7mm旋回機銃、 乗員:2名、 
初飛行:1927年
 
                           Illustrated by KOIKE, Shigeo  , イラスト:小池繁夫氏1982年カレンダー掲載
 

  1923年(大13)海軍はハンザ水偵に代わる新型の水上偵察機の競作を企画し、その試作を海軍横須賀工廠(横廠)のほかに愛知、中島にも指示した。 新型機の狙いは戦艦や巡洋艦のカタパルトから射出できる艦載用の近距離偵察機であった。 横廠と愛知は、ともにハンザの形式を発展させた低翼単葉機として1924年に完成させ、横廠の試作機を「辰号水偵」、愛知のものを「一五式甲型(巳号)」と呼んだ。

 中島は吉田孝雄技師を主務者として取り組み、ハンザ式の欠点を克服すべく、新設計の一葉半の主翼形式とし下方視界の広い機体を開発して、「一五式乙型」と呼ばれた。 そして飛行性能も他に比べ格段に優れていたことから、中島の機体の採用が決まったが、その後もさらに各部の改修が続けられ、国産初の艦載カタパルト用水偵として制式採用されたのは1927年(昭2)になった。

 上のイラストは二型で複式操縦装置を持つ水上練習機で、後部操縦席には幌をかぶせて盲目飛行の訓練が出来るようになっていた。(イラストはまさにその飛行状態) 本来の偵察機である一型は後部座席に旋回機関銃架を備えていた。

 中島では1930年まで約50機を生産、ほかに川西で約30機を生産し、次期の九○式2号水上偵察機が登場するまで活躍した最後の全木製の水偵であった。 また中島では海防義会の発注で、これをベースに漁業用水上機(第8および第9義勇号)や遊覧用の機体も製作した。さらに退役機体が民間に払下げられ郵便輸送などに広く使われた。
 

 

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