中国黒竜江省酪農乳業発展計画
top › 中国黒竜江省酪農乳業発展計画 › トピックス(目次) › 2004年

プロジェクト
のトップ
概 要 関係資料等 トピックス リンク
飼料生産
管理
飼養管理 原料乳
品質管理
乳製品
製造
乳酸菌

    2001年  
    2002年  
    2003年  
    2004年  


2004年度トピックス


酪農サイト事務室前に植樹(2004.4)

酪農サイトの事務室周辺は、これまで緑に乏しい殺風景な状況であったが、少しでも潤いのある業務環境にすべく2004年4月に植樹を行った。

当地では冬季に凍結した土が融け、しかしまだ樹木の芽が伸び始めない4月が最も樹木を植え付けるのに良い時期とされている。

植樹を行う場所の土はアルカリ性が強いため、この土を掘り取り、比較的アルカリ性の弱い土を持ってきてここに入れた。アルカリ性の強い土のままでは多くの木は生育できないためである。

植え付けには酪農サイトがある友誼牧場の作業員の他に日本側の長期専門家も加わって行った。

なお、今回植えたものは事務所前の一郭及びその周辺の道路脇であり、今後も計画的に植樹を進めることにしたい。

植樹関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

乳業セミナーの開催(2004.4)

2001年7月より発酵乳の製造技術を移転中であるが、中間期を経た2004年4月に、技術の普及・啓蒙活動の一環として「ヨーグルト製造技術(プロバイオテックス(益生菌)利用」と題して、以下の要領でセミナーを開催した。


セミナー名称  ヨーグルト製造技術(プロバイオテックス(益生菌)利用
 
開催期間 2004年4月12日〜4月16日
 
主催 黒竜江省科技庁
国家乳業工程技術研究センター
黒竜江省乳品工業培訓センター
JICA中国黒竜江省酪農乳業発展計画
 
講座内容 自家培養スターターを用いた発酵乳製造技術
プロバイオテック(益生菌)を用いた発酵乳製造技術
各種の発酵乳の試作と評価
発酵乳に用いる安定剤
 
受講者数 32名
(他社の乳業技術者、カウンターパート)
 
成果
  • 講義と実技指導により、幅広い技術がカウンターパートや他の乳業会社から参加した乳業技術者に移転できた。
  • 微生物培養や試作技術のデモンストレーションが効果的に行える場所を作り、今後のプロジェクト活動に活用できる。
  • 講座内容を約100ページの手冊にまとめ、今回の教材として作成した。今後のプロジェクト活動のなかで技術マニュアル、また、訓練センターのチーズ講習の教本として活用できる。
  • 外部受講生の人数が少なかったが、この原因は、準備期間や募集期間が短かったのと、参加費が高額であったためで、反省点の一つである。

哈爾濱の5月を彩る梅とライラック(2004.5)

黒龍江省の春は遅く、地面に緑が見え始めるのは4月の中旬以降になります。そして華やかな花の季節となるのは5月です。

中国では5月の1日は「労働節」。「五一節」とも言いますが、これは「メーデー」です。労働者の国中国では5月の初めの1週間は「五一黄金週」(黄金週とはゴールデンウィークのこと)で連休になります。同じく秋10月の月初めは「国慶節」でお休みになるのと対をなしています。

五一黄金週に入ると公園や大きな道路脇に植えてある梅があでやかに咲き、春の到来を告げます。哈爾濱市では松花江沿いの公園や、市内各地にある公園等に多くの梅が植えてあり、この5月上旬をピンク一色に彩ります。それまでの寒さに震え華やかさの全く無い灰色の季節の反動のように華やかさとあでやかさに覆われます。

そして梅が終わると、それ追いかけるように咲き出すのがライラックです。哈爾濱ではライラックは5月上旬の終わりの頃から中旬の花です。色はやや淡い赤紫色のものが多いのですが、白い花のものもあります。

梅とライラックの写真
(下記の項目をクリックしてください)

飼養管理担当長期専門家が黒龍江省科学技術庁主催の「科技列車活動」で飼養管理技術等を講義(2004.5.15〜17)

2004年5月15日から17日にかけて黒龍江省科学技術部等の主催により科技列車活動開催された。これは農業、農民、農村の向上を図る三農対策の一環として行われ、黒龍江省内の複数箇所において農民への科学技術普及を図ることを目的としたもので、今回は牡丹江市、佳木斯(ジャムス)市の2カ所において講演会を開催した(省内を列車で移動して活動を行うので「科技列車活動」と称している)。

当プロジェクトの飼養管理担当長期専門家はこれに講師として参加し、飼養管理技術及び搾乳衛生管理に関する講演を行った。これに併せて当プロジェクトの紹介、PRを行った。


JICA中国事務所の現地調達機材管理確認調査(2004.5.19-20)

JICA中国事務所による当プロジェクトの「現地調達機材管理確認調査」が2004年5月19日から20日にかけて行われた。5月18日に空路哈爾濱に到着した中国事務所職員(2名)は19日に安達に移動し、酪農サイトの調査を行った。調査後哈爾濱に戻り、翌20日にはメインサイト、乳業サイトの調査を行い、同日夕刻に北京に戻った。

今回の調査に基づき「堆肥舎のより一層の有効利用が必要」等の指摘が行われた。当プロジェクトとしても指摘に基づき改善を図っていくこととしている。

機材関係調査関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

侵華日軍731部隊安達特別実験場遺址(2004.6.3)

「731部隊」とは1933年(昭和8年)に日本陸軍が細菌戦研究のための特殊部隊として、黒龍江省哈爾濱市近郊に設置したものであり、ここにおいて多くの捕虜の人達や一般の人達までもが犠牲となった。この実験場跡は現在も哈爾濱市南部に残されているが、安達市郊外にも731部隊の実験場が設置され、ここで野外実験が行われていた。

6月3日、飼養管理分野及び飼料生産分野の農家調査が行われたが、調査する農家がこの近くであったため、この「実験場遺址」に足を向けた。

現在は当時の建物や施設は残っておらず、施設を建設した際の基礎の土盛りがあり、そこに施設名等を書いた碑が立てられているのみであった。すぐそばに建物があり、本来はパネルや展示物を置くためのものであろうと思われたが、現在は何も展示されてはいなかった。

周囲は草原となっており、乳牛が放牧されていた。建物の中には「保護区内放牧禁止」の看板があったが、これは本来放牧を禁止するために外に設置しておくべきものであろうと思われた。

731部隊安達特別実験場遺址関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

酪農サイト、十八村草地の調査(2004.6.1)

酪農サイトの長期専門家2名(飼養管理、飼料生産)、カウンターパート1名、友誼牧場長及び通訳2名で十八村草地の調査を行った。

十八村草地は友誼牧場が採草地として使っている草地であるが、友誼牧場からは約50km離れたところにある。道路も十分に整備されておらず、調査等でここに行くのも1日がかりとなる。この日は草生状況の調査とともに、簡単な施肥試験を行うことを目的としてここに出向いた。

ここは無施肥で採草を行っており、生産量は年々低下してきている。この時期は草の生育が旺盛な時期ではあるが、日本の牧草地に比べると収量はわずかである。このようなことから、施肥の効果を調べるために、30m四方の区画を3つ設け、それぞれの区画に尿素、化成肥料(15-15-15)、化成肥料(16-47-0)を10kg施用した。また、このすぐ脇に堆肥約10kgを約10mの面積に施用した。ここは頻繁に訪れることはできないため、牧草の生長の経過は観察できないが、牧草収穫時に収量調査を行うことにしたい。

なお、十八村草地に行く途中で、きれいな花が多く咲いている所(花の名前は不明)や、「狐の巣」ではないかといわれているもの等を見ることができた。

また、帰路には大慶市の用水を貯える人工湖の脇を通ったが、大型の水鳥(鶴か?)を見ることができた。

十八村草地調査関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

日本側メンバーの「家族会」(2004.6.4)

日本側メンバー(専門家及び家族)及び通訳による「家族会」を時折(1〜2ヶ月に1度)行っているが、6月4日には翌日の「運動会」参加のために酪農サイトがある安達市に出向いたので、この度は安達市での家族会開催となった。なお、この度は特別に酪農サイトの中国側の主要メンバー数人が参加し、誕生日を迎える人を祝った。

家族会関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

友誼村小学校の運動会に参加、飼養管理担当長期専門家は名誉校長に(2004.6.5)

2004年6月5日に安達市先源郷友誼村小学校で運動会が開催された。プロジェクトの日本側メンバー(チーフアドバイザー夫妻、専門家及び専門家の家族)がこれに招かれた。

開会式では酪農サイトの飼養管理担当長期専門家がこの運動会における「名誉校長」に就任した。また先源郷書記らとともにチーフアドバイザーも運動会開催に対する祝辞を述べた。

運動会の競技は生徒による短距離走、中距離走(グラウンド1周)、縄跳び競走、リレー走が行われた。

また当プロジェクトメンバーチームと先源郷関係者チームとの綱引き(各男性チーム対抗、女性チーム対抗)が行われた。男性チーム対抗戦では当プロジェクトメンバーチームはチームワークの強さを見せて勝利したが、女性チーム対抗戦では先源郷関係者チームが体格の差にものを言わせて勝利した。

またプロジェクトメンバーチームが男女それぞれのリレー走にも参加したが日頃の運動不足が身にしみたメンバーもあった。

なお、運動会の後、先源郷政府、友誼村政府及び友誼小学校関係者と当プロジェクトメンバーとの懇親を深めるための昼食会が安達市内において行われた。

運動会関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

飼養管理担当及び乳製品製造(発酵乳)担当新任専門家着任

当プロジェクトの長期専門家(プロジェクトリーダー以下、計6名)のうち、2名(飼養管理部門及び乳製品製造(発酵乳)担当専門家)がこのたび交代することになり、新任の乳製品製造(発酵乳)担当専門家は6月27日に哈爾濱に到着した(26日に日本から北京、27日に北京から哈爾濱)。また新任の飼養管理担当専門家は7月1日に日本から北京へ、そして同日哈爾濱に到着した。

当プロジェクトの日本人メンバー及び通訳の人達で1〜2ヶ月に1回、「誕生会」と称して、その月に生まれた人の誕生日を祝うこととしてるが、7月2日に二人の新任長期専門家の歓迎会がこの誕生会を兼ねて行われた。ちょうど新任の専門家の奥さんと子供が7月生まれということであり、歓迎と誕生祝いの2重のお祝いを受けることになった。

また、7月5日に二人の新任長期専門家は当プロジェクトの中国側機関であるの黒龍江省科学技術庁及び黒龍江省畜牧局に出向き、科学技術庁国際合作処副処長、畜牧局副局長らに着任挨拶を行った。

新任専門家着任関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

削蹄講習会(2004.7.2)

削蹄講習会が7月2日に友誼牧場において行われた。指導を受けたのは地域の飼養管理部門のカウンターパートを含む指導者及び友誼牧場の職員等である。講習会ではまずビデオ及び教材を用いた講義が行われ、削蹄の必要性等について飼養管理担当長期専門家より指導を受けた。

次いで実技講習が行われ、予め指導を受けたカウンターパート及び友誼牧場の獣医等が模範を示した。また注意する点等について飼養管理担当長期専門家が指摘した。

当地ではまだ削蹄はほとんど行われておらず、乳牛の爪は伸びすぎ、牛の行動に支障を及ぼしている場合が少なくない。今後指導をうけた人達が更に農家を指導することにより、当地でも削蹄が行われるようになることが期待される。

削蹄講習会関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

モニタリング委員会(2004.7.20)

7月20日に酪農サイトがある安達市において第5回モニタリング委員会が行われた。モニタリング委員会は半年に1回開催され、プロジェクトの進捗状況を確認し、今後のプロジェクトの進め方について協議するものである。

2004前半の活動については、概ね順調に進んでいることが報告された。また後半の活動及びこれに必要な日側、中国側の投入計画(予算、長期・短期専門家、カウンターパートの訪日研修等)についても説明が行われ、了承が得られた。

なお、8月には日本側長期専門家2名が交代することから、両名の帰任挨拶及び既に着任している後任者の着任挨拶が行われた。

モニタリング委員会関係写真
(下記の番号をクリックしてください)
   


短期専門家によるアルファルファ栽培採種技術指導

7月12日〜8月23日の日程で短期専門家によるアルファルファ栽培採種技術の指導が行われた。アルファルファは高栄養牧草として当地での栽培普及が望まれているものであり、またそのための優良な種子生産が重要であるため、日本の家畜改良センター長野牧場に在勤する専門家による指導が行われた。

アルファルファ栽培に関しては酪農サイト(安達市友誼牧場)において飼料生産関係C/Pに対して指導が行われ、適期の刈り取り、雑草除去、根粒菌接種の有用性、調整利用方法等についての技術移転がなされた。アルファルファ採種に関してはアルファルファの育種及び増殖用もと種子の生産を行っている黒龍江省畜牧研究所のC/Pに対して指導が行われ、採種用アルファルファの栽培、採種、精選、検定についての指導が行われた。

短期専門家の指導により、今後、アルファルファの栽培技術の向上とこれにより栽培普及が促進されること、及びそのための種子生産が円滑に行えるようになることが期待される。



短期専門家によるアルファルファ栽培採種技術指導関係写真
(クリックしてください)

JICA中国事務所職員のプロジェクト視察(2004.9.13-14)

2004年9月13日から14日の2日間、JICA中国事務所で、当プロジェクトも担当している職員が、当プロジェクトを視察した。

13日にはメインサイト及び乳業サイト、14日には日帰りで安達市にある酪農サイトを訪れ、プロジェクトの実施状況を調査した。

酪農サイトでは、酪農サイト事務室が置かれている友誼牧場に加えて、近くにあるプロジェクトのモデル農家や、地元の先源郷が建設している酪農団地(入植している農家、搾乳所、酪農団地の事務室)も視察した。

JICA中国事務所職員のプロジェクト視察関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

「第1回チーズ製造技術」講座が開催される

2004年9月に、技術の普及・啓蒙活動の一環として「第1回チーズ製造技術」講座と題して、セミナーを開催した。

開催期間 2004年9月13日〜9月17日
主催者 黒龍江省科学技術庁
国家乳業工程技術研究センター
黒龍江省乳品工業培訓センター
JICA中国黒竜江省酪農乳業発展計画
開催場所 国家乳業工程技術研究センター、黒龍江省乳品工業培訓センター
講師 C/P、長期専門家、短期専門家
講座内容 微生物分析(講義と実習)
理化分析(講義と実習)
ナチュラルチーズの製造(講義と実習)
プロセスチーズの製造(講義と実習)
チーズの官能評価技術(講義と実習)
チーズフォンデュの試食会
受講者数 32名(中国全土からの参加で、乳製品製造業に携わる方が多かったが、乳製品機械関係や香料製造業の方も参加していた。)
成果
  • チーズの製造技術、各種分析技術及び品質の官能評価技術を講義と実習で指導し、参加者にそれらの技術が移転できた。
  • 講座内容を約100ページの手冊にまとめ、今回の教材として作成した。今後のプロジェクト活動のなかで技術マニュアル、また、訓練センターのチーズ講習の教本として活用できる。
  • 受講生からは、実習もあり非常に有意義な講座であったとの評価を得た。
  • 実習がもう少し多くてもよいとの意見もあり、期間については丁度いいとの意見が多かったが、少数の方から5日間は長いとの意見もあった。

第3回酪農セミナー開催(2004.12.7)

第3回酪農セミナーが2004年12月7日、安達市先源郷政府会議室において行われた。

プロジェクトの中国側弁公室室長、日側からはプロジェクトのチーフアドバイザー等関係者の挨拶の後、講演に先立って、先般新しい技術の普及のための核となるべくモデル農家に指定された3戸の農家に、譲与される機材の目録と「鍵」が手渡された。

今回のセミナーでは、次のテーマ、講演者により講演が行われた。特にこれまで当地では「酪農経営」の視点から解析し、提言を行うということは行われてこなかっただけに、今回のこの講演は、酪農経営を「経営」の視点から見るというきっかけになることが期待される。しかし講演の後の質疑で、全く的はずれな質問が出る等、実際に経営を営む農民に「経営的視点」を持たせることは容易ではないようにも思われた。

  1. 酪農経営コンサルタント(短期専門家(酪農コンサルタント))
  2. サイレージ調製方法及び訪日研修報告(C/Pの高富友氏)
  3. 飼養管理技術(飼養管理担当長期専門家)
酪農セミナー関係写真
(下記の項目をクリックしてください)

第6回モニタリング委員会/第4回合同調整委員会開催(2004.12.21)

第6回モニタリング委員会及び第4回合同調整委員会が2004年12月21日、哈爾濱市の福順天天大酒店会議室で開催された。今回はJICA中国事務所において当プロジェクトの担当にも参加していただいた。

モニタリング委員会では、王委員長(プロジェクト実施管理室長)及びチーフアドバイザーによる挨拶の後、酪農サイト、乳業サイトそれぞれの「活動と成果」について概要報告があり、次いで各部門毎のモニタリング報告がそれぞれの部門のカウンターパートの代表よりなされた。また業務調整員からは2004年度投入実績報告が、中国側からは実施弁公室より予算執行状況報告がなされた。

これに引き続き、第4回合同調整委員会が行われ、黒龍江省畜牧局張副局長及び黒龍江省科学技術庁董副庁長(合同調整委員会委員長)及びJICA担当者による挨拶の後、モニタリング委員会での検討結果が報告された。また、プロジェクトを円滑に運営する上での問題点等についての検討も行われた。

これら検討結果に基づき、プロジェクトリーダーと黒龍江省科学技術庁董副庁長との間でミニッツが取り交わされた。

モニタリング委員会関係写真
(下記の項目をクリックしてください)
第4回合同調整委員会関係写真関係写真

    このページの冒頭へ  
    2003年トピックスへ  
    プロジェクトのトップへ