夏休みには――
マリーを誘惑してくる
モノがいっぱい。
まったく――
不届きなヤツラよね?
――フフン♥
むしろ日ごろ、かくいうマリーに誘惑され続けている側の立場であるにも関わらず、このいきなりの王女様発言特に「不届きなヤツラよね? ――フフン♥」という部分に敏感すぎるほど反応してしまうトゥルー俺! 不届きな俺にもっと弄ぶような視線を!
……と、いきなりスイッチが入ってしまいましたが、そんな俺のアレさはさておき、さっそく「夏」を満喫しておられるマリーに喜びを感じる次第ですよ。
さて、夏休みに飛び込んでくる誘惑の数々――これがもし、真璃の年齢がもっと上であるならば、すわ一大事とアンシャン・レジーム時代のフランス大陸軍を動員しようと思えてしまうわけですが、さすがにまだ実年齢が幼稚園児である以上、その単語にも安心感が。
その誘惑の中身については、おおむねの予想はつくわけですが、それよりもその前置きの――
なんて、ダイタンで――
思い上がっているのかしらっ♥
やり方がずるいのよ。
だって、なにしろ――
マリーは本物の、
カイラクシュギシャ
なんですもの――
誘惑にはものすごく弱いのに。
……このへんの単語にビンビンになってしまう次第。ええ、本物の「カイラクシュギシャ」と来ましたか――いや確かにニュアンス的にマリーの気質は(この言葉を穏当な意味で捉えた場合)そんな感じだなと思うわけですが、これに「〜弱いの」的な表現がつくだけで……こんなにも俺を悩乱せしめる効果が!
なんというかこのセリフ、マリーが成長を遂げて、もっと色々な快楽をしった後にも、同じことを言ってくれそうで、もうどうしたらよいでしょう。
……と、そんな煩悶はさておき、やはりマリーを誘惑する輩というのは、夏に恋しくなるアイスやジュースの類。「だめだめ、そんな冷たいモノばっかり食べてたら、また蛍お姉ちゃまに叱られる――」って即座に思うあたり、ああ可愛いなあという思いとホタのしっかりした躾けへの感心などが心に浮かんできます。
のみならず、新しい服などまで誘惑に参加してくるようで、さすがに女の子度の高いマリーとしては大変なようです。
ああ!
夏はかわいい女の子を
誘惑するものが多すぎるのよ!
マリー、クラクラしちゃう♥
……このへんの、時代がかったリアクション、やはりfrom海晴姉さんなのでしょうか。それともママンなのか。
ねぇ、フェルゼン――
マリーを誘惑してくる
不届きなあのワンピースを
どうやったら懲らしめられるの?
教えてくれるかしら♥
そしてこの締めの無茶振りは、「お、思いつかない」と言葉を濁さざるを得ないトゥルー俺を懲らしめてあげるための、俺のM属性をしっかり踏まえたうえでの高度な前ふりであると確信する次第です。
ナツは――
立夏の季節!!
クフフフフッ♥
コレは誰がなんと言ったっテ――
もうゼッタイにそうなんだモン。
だって、ほらナマエにも
「夏」が入ってるシ☆
いやもうまさに、うちの姉妹で一番夏のイメージがあるのは誰かと問われれば、ほぼ全員が立夏の名前を挙げることでしょう。そのあたりは本人も自覚済みなうえに誇らしいところでさえあるようで、この暑さの中でも大変ご機嫌です。ここんちの子はみんなわりと、名前に入ってる季節の漢字に自覚的なんですよね。
暑くて晴れてて、お日さまイッパイで、ピカピカ光ってて、シゲキテキ――そして、なんだかわからないけどヤケに元気になっちゃう夏と言う季節。自分で言っているように、確かに立夏そのものって季節であるなと実感いたします。……あまりまっすぐ褒めると照れくさいので、あえてアレな方面でいうなら、近くにいるだけで暑苦しそうなところとか。立夏体温高そうだものなあ。夕凪さん以上に。
……とまあ、そんな説明も、実はこれから行う行為の前ふりにすぎなかったわけですが――
なので――
こうして、ナツの勢いで
オニーチャンをハグして、
元気にしてあげちゃう
立夏ちゃんなのでアッタ〜!
ギュウ〜♥♥♥
あ、もう元気に
なっちゃった?
なんて。
エヘヘ♪
――「元気」。「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」「元気」……って、いやいや落ち着きなさい俺。
いや、立夏にハグされてしまったトゥルー兄なら、それこそ「元気」にならないわけがないとは、どのような場合でも言うことができるでしょうが……どういう意味で「元気」なのかが、ちと、その。……いや、立夏がその、あまり特定的な意味で「元気になっちゃった?」と尋ねているわけではないと思うのですが。……と、思いたいのです! 常識的に考えば、中学1年生ならもう男性的な意味での「元気」とかも使いこなしそうな気はしますけど! あえて!
まあそのあたりは、「ピース♥♥♥」の無邪気さから、きっと無垢なほうであろうという思いを固める事ができるのでよしとして。昨日マリーが言っていたようなユウワクの類を、そもそも拒絶するという発想すらないという勢いで、ラムネなどを補給しておられるようです。
すっぱい梅も用意していたり、自分で飲むだけでなく、兄にも分けてくれているあたりは、おお、立夏中学一年のお姉さんだな、って感じでもあるのですが……
うわ〜い、んじゃあ、
立夏がラムネ開けてアゲル!
立夏はチャレンジャーだからネ。
ラムネはちょっぴり振ってから――
手のアツリョクで押さえ込み!!
これが女のタタカイなのだ〜、行くゾッ!
ぶしっ――
ウッキャァアアア〜〜〜!!
……なんというか、唐突に予想を超える蛮行をこうもあっさりと。
いやまあ、この子がいわゆる「チャレンジャー」であることは前から思っていましたが、思い切り自覚しておられました。……いやまあ、こういう結果が思い切り想像できるにも関わらずチャレンジするというのは、少々エクストリームすぎるという気もするのですが。きっと「コーラにメントス入れたらすごいよ」って教えてあげたら、全力でやってくれるに違いありません。
ともあれ今回は、手で押さえすぎて大噴出状態になってしまったようで……うわ、立夏の汗=ラムネ汁というイメージが俺内部で確固たるものに。みつどもえのみっちゃんの汗が塩キャラメル味であるのと同じようなノリで!
で、そんな全身が甘ったるいお汁まみれ状態になってしまった立夏さんですが――
うわぁ――ん、これじゃあ
ブラまでびしょ濡れだヨ――
オニーチャン、拭いて拭いて!!
……そうでした。ブラ。それはもう、中学一年生ですからして。しかも濡れ透け状態。……それを拭けというのは、少々ブラまで着用できる女子として無防備すぎるのではないでしょうか。……いや、自覚的だったとしたら、逆に女子度高すぎですが!
にじちゃん、とっても
おえかき上手〜
みんなみんな
ほめてくれるの!
にじこがはく♪
画伯! ……この単語には少々、某声優さんのおかげで多少アレなイメージが個人的についてまわってくるような気がしないでもないのですが(まして画伯ボイスの虹子なんかを想像してしまった日には)、まあそのような余談はさておき、久しぶりに虹子のお絵かき能力が発揮されているようです。
なんでもいいもの
カキカキしてくれるのよ?
うふふふっ♥
……という言葉にちょっと不埒な方向に思考が向かってしまった人は反省するとして(俺)、とにかくお絵かきのことになれば、虹子はいつも以上にノリノリというか、得意満面って感じですよね。
実際に、あのフレディの絵を描いたのが虹子であれば2歳児ってレベルじゃありませんし、いつぞやのコンクールネタで、小学5年生の麗よりも絵が上手という風に読み取れる部分もあったわけで(それだけ麗の絵が致命的なのかもですが)、なにはともあれ、そんな風に絵の上手さを褒められる事も多いのでしょう。画伯っていう表現も、誰かに言われたのを気に入ったんでしょうねきっと。
「みんなみんな
もりのなかまも
おおよろこび♥」の、もりのなかまって一体どんなだろう……と気にしつつも、虹子はトゥルー俺のためにその画伯能力を発揮したくてしかたない様子。
何か描いて欲しいものを尋ねてきてくれてはいるのですが、なにやら選択の余地もなさげに「リボン」を。……いやまあ、オシャレ大好きな虹子自身が描きたくて仕方ないのでしょうから、それはそれでもちろん良いのですが、
おにいちゃんの――おかお、
かーしーてっ!
ほっぺにきゅきゅきゅ♪
まじっくぺんでかくの。
そしたら――かわいい
とれないおリボン、
できあがり!
――さりげに大惨事が。マジック! 恐らくは油性! ……あわわ、夏休みでよかったとまずはそんなことを思ってしまいますが、それにしても数日は後が残りそうな。
さすがにこれは、駄目だよといってあげなきゃいけないことのように思えますが――
おきがえしても、
ごしごししても、
ずっとずっと――
ついてたらすてきなの!
おにいちゃんのすきな色は
なぁに?
にじこがはく、
すきなぺん、
してあげるの!
……この様子を見てしまうと、なかなかに難しいところ。虹子 do pen!
夏休みって――
楽しいね!
お兄ちゃん♥
なんてったって――
毎日がお休みなんだもん☆
たとえ夏休みじゃなくっても、夕凪さんって毎日がエブリデイって雰囲気が……っていくらなんでも失礼な印象はリアル俺の心のうちにだけ留めておくとして、さすがに遊び大好き夕凪さん、先日の立夏と並び、実にフリーダムかつ欲望に忠実な形で夏休みをエンジョイしておられる様子が手に取るように思い浮かびます。
ふとここで、「毎日がお休み」という言葉、社会人になってしまうと、ある意味違う響きを帯びるようにもなってしまうのですが、そこはそれ、トゥルー俺はまだ高校生ということで、そのへんもなるべくトゥルー内では忘れる方向で。
休んでも休んでも休んでも――
またお休み!!
きゃ――、ちょー素敵すぎ。
こーんなに楽しいコトって
他にないよね?
エヘヘヘヘ――♥
とまあ、はしゃいで喜ぶ姿がたいそうかわいらしいので、「そのままだと将来マホウ使いって名前のニートに」という発想もあえて俺内部で封殺することにいたします。……なんか夕凪さんの前だと失礼な発想ばかり思い浮かんでしまうのはどういうことか。……夕凪さんだから、という結論はなるべく遠ざける方向で。
……とはいえ、
というわけで――
夏休みの夕凪は、
毎日毎日!
遊んで――
食べて――
ゴロゴロ♪
もう、最高に幸せですっ!!
……このへんの発言からして、そういう印象を抱いてしまうのも無理なからぬことではないかという気も。ああしかし、これこそが夏休みの過ごし方ですよ。夕凪さんには本当に生々しい小学生ならではのダラダラ夏休みを過ごす姿がよく似合います。
とまあ、ダラダラしてる中でも、恒例の夏旅行に思いを馳せたりなどもしておられるのですが――兄と一緒に過ごせるのが一番嬉しいとか、星の砂を探したいとか、なかなかに女の子らしい発言も飛び交い、さりげなく乙女度をアップしていたり。
お星様の形をしてて――
願いを叶えてくれるんだって!
すご〜い!
たくさん集めて1トンぐらい
持って帰ろう!
これで――一生分の
お願い事は困らないぞ☆
っていうのが――夕凪の作戦!
……前言撤回。夕凪さんはどこまでも夕凪さんらしいフリーダムな発想一色でありました。だがそれがいいんですけどね。夕凪さんかわかわ。
とまあ、それが果たして自由研究のテーマになるかどうかは疑問ではあるのですが、一応やる気があるという点は評価いたしたく。……とか思ってましたら、
これで研究がバッチリうまく
いったら――
もうすでに――
7月28日で止まっちゃってる
絵日記のことなんか――
先生もきっと気にしない――よね?
ね、ねねねね――????
どこまでも期待を裏切らない夕凪さんでありました。いや、今からならまだ日記もそれほど問題なく追い付けるというのに! 今日挽回するのをサボったら明日はもっと大きな労力が必要に……って話を聞いてるそばから本能に忠実に遊んだりゴロゴロしてそうな夕凪さんの姿が鮮明すぎるほど脳裏に。ああ、今年もまた31日が修羅の地獄に……
おんばーおんばー♪
おんばっば――♪♪
うんぱっうんぱっ♪
うんぱっぱ――♪♪
うんばば、にゃーにゃ――
ちゃるあっぷー!!
にゃーにゃ、おっぱお。
あーぶっぶ♥
いつも以上にノリノリでござるあさひさん! やはり夏休みというのは家に家族が多くいてくれることから、よりご機嫌になりやすい時期なのかもしれませんね。
ともあれこれだけご機嫌な姿を見せてくれるのは、兄としても嬉しいかぎりなのですが、とりあえずはいつものように訳を。
来週から旅行でうれしいな♪
遠くにおでかけうれしいな♪
旅行の間はお兄ちゃんに
ずーっと抱っこって決めてるぞ!!
この旅行の間にお兄ちゃん
食べちゃうのだ♥
あさひさん、ちゃんと旅行に行くのだと言うことを認識しておられる――! さすがは超0歳児。このトゥルー生活もいいかげん長いので、あさひさんや青空の認識力の高さについては改めて驚くことも少なくなってきましたが、それでもこんな風にときおりその凄さを思い知ることがあります。まあ、0歳児である以上、旅行というものの知識や経験すら本来はないはずなのですが、そこはそれ、トゥルーの法則ということで。
それはさておき、「お兄ちゃんにずーっと抱っこ」と、いつもYASEI的な形で愛情を示してくれることばかりのあさひさんにしては、ダイレクトに愛くるしいリアクションが。……まあ、その後食べちゃう発言もあるわけですが。
いよいよ始まりました旅行シーズン! そしてこの連休モードでは定番となった、ユキ先生によるイラスト更新が。ありがてえ本当にありがてえ。
さて、イラストはどうやら出発前の観月たち。お出かけ用の服&スパッツが大変普通に可愛らしいうえ、沖縄そのものはもちろんのこと、飛行機に乗ること自体もかなり楽しみみたいですね観月。……後ろで麗が、案の定残念がっているのが印象的ですが、あちらではモノレールに乗れればいいなと。マリーは当然のように楽しみモード全開のようですが、お洋服がなにやら気合入りまくりっぽく。とにかく夏のよそ行きお嬢様スタイルというのは良いものです。明日から各姉妹のが拝めると思うと実に幸福であります。
到着早々水着! トゥルー水着パラダイス! ヒカルの水着がビキニでセクシーカッコよかったり、星花の水着が思ったとおりの可愛らしさだったりと、さっそくトゥルー俺は眼福天国を味わっている事でしょうが……まず、この目の前に立ちはだかる春風さんが、あらゆる意味で障壁というか行き止まりの天国というか!
春風さんの水着はまさに期待通りの、フリフリたくさんの可愛らしい系なのですが、スタイルが良いだけあってなかなかにセクシーでもあり。……さて、この差し伸べられている手を取ってしまったら、どんなことになってしまうのか。サンオイルぬりぬりイベントぐらいは当然覚悟するとして……え、水着の下まで!? なんてことも十二分にありそうであり、俺の理性が陥落寸前になる予感が大いに。
流 さ れ た 三 角 再 び か !
しかも期待通り氷柱ですよ被害者は! もう、どんだけお約束の神様に愛されてるんですかこの子は! 慌て方がやや落ち着き気味なのは、もしかしてビーチごと借り切ってるとか、もともとのプライベートビーチだったりするのでは……という想像も浮かびますが、とりあえず立夏さんそれ食べ物でも打ち上げられたクラゲでもないので至急戻してあげてください。
……しかしそれにしても、やっぱビキニって、押さえてる部分がフラットだと外れやすいものなんでしょうかね、と氷柱に全力で蹴られても仕方ない感慨を抱きつつも、紳士なのでトゥルー俺は全力で視線逸らし中であるに違いありません。
ユキイィィィィィッ!! 美女! 天使を超えてこれはもう単純かつ純粋に美女の領域! 髪型とか雰囲気のせいか、こういうのがドキッとするほど似合うなあ。純粋な和装よりも、こういうアジアンテイスト強めのほうがユキにはしっくり来るのかもです。
うしろのさくらもバッチリ可愛い衣装が似合っていて、そりゃあもう、ホタでなくとも破顔しますともこれは。
シーサーを見つめる吹雪! 暑い沖縄で大丈夫かと心配だったんですが、考えたら都内とかのほうがキツいでしょうね。とはいえ真夏の外を出歩くわけでやはり心配なんですが、この分だと心配はいらないかな。シーサーについてどんな思考を巡らせてるのかちょっと興味が。
そして背後におわすあさひさんがしっかりシーサー仕様の赤ちゃん服に身を包んでおられるわけですが、これは果たして現地で売っているものか、それともホタが現地でこしらえたものなのか。
ゆーなさんのパイパイ! ……じゃなかった、パパイヤおいしそうです(^p^) うむ、やはり夕凪さんの南国ライクな雰囲気と南国フルーツとは良く似合う。まだ水着なあたり、まだまだトゥルー旅行もバカンス気分の真っ最中のようで何より何より。
後ろには虹子がいて、頭の上にフルーツをのせて遊んでいたりと、ちょっと危なっかしくもあるんですが……よう、久しぶりだなピンク色。ってかフレディ今までどこに存在していたんですか。そしてえらい久しぶりに姿を現したのがよりにもよって沖縄って……こちらにいつのまにか移り住んでいたのか、それとも単純についてきたのか、あるいはやっぱこいつ、虹子のスタンド的存在だったのか……相変わらず、単に登場するだけで俺たちを悩乱せしめるクリーチャーですよ。
霙姉さんが本気を出すとガチ美人すぎるから困る。和美女! ……これほどまでに和服が似合う美女そうはいないっていうか、ショートの黒髪で長身でクールな雰囲気のこの人が浴衣を着こなすと本当にしゃれになりませんね。頭の花飾りや花火って小道具もまた風情度120%に。……いつもの餡子がらみのネタもばっちりなわけですが、今はこれすらも和テイストのブースターとして活きているように思えます。
……で、どうやらトゥルー家族は今夜花火遊びを堪能中のようですが、後ろの小雨がなんかこれまた小雨的定番イベントに襲われております。なんか花火とかやると、こういうトラブルに見舞われやすそうだよなあ。夕凪さんあたりがマホウのステッキ気分で振り回した火の粉がかかったりとか。……小雨も霙姉さんに負けじと浴衣姿が似合いそうな子なのにちょっと惜しい喃。微笑ましいけれど。
8日間にわたる沖縄旅行もとうとう終わり。帰途につくトゥルー家族ですが……さすがに疲れて眠ってしまっている青空が可愛すぎて、見つけ次第拾って家までお持ち帰りたくなるレベル。……ってまあ、トゥルー家族の一員ならば、何の問題もない行為ですが!
しかしこうして見ると、天使としか言いようのない寝顔……いや、起きていても天使なんですが、ときに「しんだあり!」とかのYASEIをむき出しにする天使でもあるわけでして。ああもう、特に誰に言われなくとも率先して抱っこかおんぶで装備してしまいそう。
……って、さりげに一緒に荷物がたくさん置いてあったり、後ろの海晴姉さんがいかにも「よろしくね♥」ってな感じn表情を浮かべていたりする時点で、おおよそのところは察せられるわけですが、それはもう、男手でもあるわけですし、荷物ごと青空も大切に持ち帰らせていただく次第。沖縄よ、ジャイアントさらば!
はぁ〜〜〜♥
ただいま♪
ただいま――
帰って参りました!
1週間とちょっとぶりの――
おうちです♥
トゥルー家族、お家に帰還! そしてリアル俺たちにとっては通常トゥルー日記の帰還でもあります。もちろん、旅行中には土日も含めてユキ先生によるイラスト更新があるわけで、ある意味ではむしろ通常時以上に充実したトゥルーライフを過ごせているとも言えるのですが、やはりなんだかんだでテキストによる姉妹の発する言葉を受けられないと、どこか寂しく物足りなくなってしまうわけで。
……とまあ、リアル俺たち側の感慨はその辺にしておきましょう。長い旅行から帰ってきた後の独特の感覚に対してホタも色々感じるところがあるようですが――
ちょっぴり懐かしくてホッとして、
でもやっぱりドキドキするように――
幸せな感じ♥
うん。この「幸せ感」こそ、このトゥルー家には満ち満ちているものですよね。
とはいえ、旅行先での楽しさは、それはそれで大満足のものだったようで。そりゃあこの家族での沖縄旅行、楽しくないわけが無いんですけれど、ホタをはじめとする、みんなの面倒を見る立場だと、楽しい以上に大変だった気もするんですが、そのあたりの苦労はまず表に出さないあたりが偉い……っていうか、ますますいとおしくなってしまう一因であり。
ところで……
最終日になっても
帰りたくないって、
みんなが大騒ぎして
泣き出しちゃう子も
いるくらいに――
楽しかった旅行でも。
この「泣き出しちゃった子」って誰でしょうね? 幼児組であればわりと誰もが該当しそうな気もするんですが(観月やマリーすら含め。大人びているという以上に感受性高いですからあの子たち)、やはり真っ先に思いつくのは、夕凪さんとか立夏あたりでしょうか。……このへんの子には、「帰って宿題に追われたくない」っていう事情も絡んで来てそうですが。
個人的には、普段は理性的でいい子な星花あたりがそんな風に泣き出してしまっていたら、たまらなく胸がきゅんとしてしまいそうなのですが、まあそのあたりはさておいて。
やっぱり――
我が家は特別で♥
みんなも――
ほら♥
何だかウキウキした顔で、
お家にただいまを
言っているみたいです!
……このみんなの様子はもちろんのこと、それを説明するホタ自身の視線がたまらなく家族愛に満ちていて、聴いてるだけでこっちも幸せに。
ちなみに、「旅行先のホテルの素敵なジャグジーや素敵なベッドも良いけれど」というお言葉。たしかに、トゥルー家族が泊まったホテルですから、相当にゴージャスなところだったんでしょうけれど、この家の場合、その豪華ホテルばりの施設があったりしてますし、家具やなにやらもさりげなく相当にいいモノを使っているでしょうね。……まあ、たとえそうであっても、旅先というだけで、何もかも新鮮で豪華に見えるんだとは思いますが。
見慣れた自分のお部屋の
ベッドにぬいぐるみ、
おもちゃに本に――
庭の木々やお花や風。
みんな――元気にしてたかな?
蛍のお城のキッチンも――
ちゃんと異常はないかしら?
早く見に行かなくっちゃ――
ウフフッ♥
ホタの城……いやもう、この表現がこれほど相応しい人も他にいないかなと。なんだかんだで、家の中でもホタにとっては最も愛着のある場所なんでしょうね。
そんなホタ城から、さっそくコーヒーを入れてもらって一息入れつつ、明日からのいつもどおりのトゥルーライフを送る英気を養わせていただく次第です。
いもむし、
ご〜ろごろ!
おふとんあそび。
すっかりいつもどおりのトゥルー生活が戻ってきた事を確認させるかのごとく、青空のお遊び日常の日記が。いつだってこんな風に遊んではいるんでしょうけれど、基本的にみんなまだ家にいる夏休み中なので、青空たちにとっても嬉しい時期であり、こうやって遊ぶのにもより適しているんでしょうね。
やっているのは、ごくごく普通の寝転がり遊びのようですが、「ごろごろ」つながりで、青空にふと疑問が浮かんだご様子。
かみなり、
ご〜ろごろ!
おへそをまもれ!
……
おへそ、
なくなると――
どうなる?
こまる?
……うむ、さすがに小さい子の疑問は、ある意味世界の確信を付くかのごとき鋭さが。ってまあ、単純にヘソの存在意義ってだけなら、もう必要ないって言ってしまってもいいんですけどね。青空の場合、つい(トゥルー時空を廃した)一年前までお世話になっていた部分ではあるんですけれど。
とまあ、そんな疑問もすぐに、
おすな、つめる?
おはじき、いれる?
ぷりん、つめる?
ししししし♥
そしたら、
そら――
おーこられるぅ!
ゆかい発想のお遊び方向に行ってしまうのが、なにやらほのぼのとした気分にさせてくれるわけで。……しかしプリン詰めるとか、ちょっとマニアックな一部のトゥルー俺が反応しそうな気も。それはさておき、イタズラして怒られるというところにスリルや面白さを感じてしまっているのも、このぐらいの小さい子には特有ですよね。ホント、怒られるとわかっててやるのが小さい子ですからね。そこがまた可愛くとも、やはりしかるべきときにはしからなければという思いも。
さて、へその使い方について尋ねられつつ、のんびりと構えていたら――
かみなり、
ご〜ろごろ♪
おなかも、
ご〜ろごろ♪♪
おなか、ごろごろ――
といれにいそげ!
「おへそを隠すのは、お腹が冷えないようにするため」という、本来の意味を思い出しつつ、ちょっとひやりとするシーンに出くわしてしまった次第。
せっかく旅行から
帰ってきて――
夏のイベントノルマも
これで終了。
ようやく落ち着いて――
ダラダラとした夏を
過ごせると思ったら。
開口一発「ダラダラ過ごせる」とかの発言が飛び出す霙姉さん……うん、最近とみにこの方面の色が目立ってきたように思えてなりませんが、まあ霙姉さんも、その性格はもちろんのこと、服のイメージとかからも、夏がいかにも苦手であろうことは伝わってきますよね。さすがに吹雪のような致命的なレベルでの苦手さとは違いますが。
もちろん、今年の暑さは例年以上であり、そりゃあ霙姉さんでなくとも疲れてしまうのは仕方ないでしょうね。今年の暑さにナチュラルに対応できるのは立夏とヒカルぐらいではないでしょうか。
チビたちは
この暑さにも
めげずに毎日
元気に遊んでいるが――
……と思っていたら、小さい子たちはさすがです。しかしながら、この子たちがこの調子だと、本人たちの意思とはまた別に、熱中症などが心配されてしまうわけですが。
などと思わず気を揉んでしまうトゥルー俺ではありますが、
夏は外に出ないと
決めてすっかり冷房に
慣れたこの身には――
なかなかきつい。
……少なくとも、霙姉さんに対しては熱中症の心配はなさそうですね。ならないような生活しか送ってなさそう。霙姉さんのこのニート気質、とどまるところを知りませんが、いざというときに格好良ければそれで良し。ライオンの雄みたいなノリで。
さて、そんなダラダラモード以外の顔も見せてくれる霙姉さんですが……
アレしかないな。
フフ。
それはもちろん――
……
怪談だ!
……と、また夏らしくもお茶目な方向にベクトルが。しかしまあ、霙姉さんの語る怪談というのは、子供だましではなくそれなりに本格的で楽しそうかも、などとこのときの俺はノンキにも思っていたわけです。
――実際に放たれた言葉が、予想外すぎて超効果的だったわけですが――
最近、春風が妙に――
気分が悪いと
言っているらしい。
有り体に言えば――
毎日吐き気がするらしいのだ。
炊きたての飯が特に――
良くないらしいぞ。
オマエ、心当たりは
あったりするのか?
フフフ――。
ヽ:r‐'、 __
〉‐r '´ `丶
/:::ヽ ヽ ━━┓┃┃
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. l:::::::::::::::/ .,、z:ュ、,_. ,、=, ┃ ┃┃┃
l;:::::::::::/ ´ ,r'ャ、`' i'rャ;| ┛
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ヽ ヽ::::::! ,ィ _. ', .l
ヽ_λ:i. ' `'゙`'‐'i゙ ,' ゚ 。
l ヽ`'. , ‘-,,' ≦ 三
l ` 、 、 ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚
,rヽ、 ヽ', .ヽ`ァ, ≧=- 。
,.イ \.丶、`' .、,_イレ,、 >三
. / .', \ 丶、 l.Vヾ ヾ ≧。゚ ・
,. -.'´ \ \ \ ! イハ 、、 `ミ
……い、いやちょっと霙姉さん! そんなよりにもよってシャレにならない別の意味での怪談を! ……い、いや、こ、心当たりなんて、そんな。……バレンタインはすんでのところでセーフでしたし。
とりあえず、真っ先に想像してしまった「そちら方面」の心配については、トゥルー俺の理性を信じるの一言しか言えない訳ですが、この意図的なミスディレクションを誘う気マンマンの霙姉さんのお言葉がいかに効果的だったかが実感をもって理解できました。……っていうか、霙姉さん的にももしかして、ちょっと思うところがあって、カマをかけてみたという部分があるのかもですが。
ともあれ、ひごろ春風さんの春風を真正面から受けている身としては、この霙姉さんの最後「フフフ――」で〆られているお言葉に、冷や汗を禁じえませんでした。
しかしながら……霙姉さんは思い切り意図的にそう思わせようと言ったこの言葉ですが、よくよく考えてみると、この時期に「気分が悪い」っていうのは、やっぱ……熱中症の類ではないかと。そういう意味ではやはり心配なんですが……そこを突っかかってみたら、「おや、私は最初からそのつもりで言ったんだが」とニヤニヤ笑われそうでますますドツボに陥りそう。
まあ、こうして冗談に交えて言えるぐらいの症状なので、すぐさま深刻なことにはならないでしょうが……旅行から帰ったばかりで、しかも日々家事に追われている春風さんですから、それこそ別の意味で気分が悪くなってしまっている女性と同じぐらいにいたわってあげなければ。
今日が終わって――
週末が過ぎたら。
夏休みの終しまいまで――
いよいよ、
あと1週間です!
おお、もう夏休みの終わりがカウントダウンできる時期になってしまわれてましたか。リアル社会人俺の時間感覚とはまたちょっと違うのでしょうけれど、それにしても子供たちにとって夏休みの間っていうのは、あっという間な感じなんでしょうね。それと同時に、学校へ行くのがやたらと久しぶりに思えるのですが、そちらは社会人にはなかなか味わえない感覚であり。
……などと加齢臭漂う感慨はどうでもいいとして、夏休みの終わりが見えてきたこの時期、なにやら小雨が気合を入れておられます。「過ぎてしまえばあっというまで――」という感慨は、休みのある学生には誰しもに共通しているのでしょうが、
でも、なんだか――
もっともっと♥
お兄ちゃんと
もっといっぱい――
楽しいことしたかったなって
思ってしまう小雨は――
やっぱり、ひどく
欲張りな――
いけない子でしょうか?
……などと、実に慎ましやかな思いを抱きつつ、それを自省もしている小雨の精神性が高潔すぎてまばゆいばかりですよリアル俺にとっては! そんな慎ましいお願いで罪深いとか、聖女レベルですよほんとにもう。
この小雨の控えめすぎるところはいくらか正しく是正されるべきだと思うので、トゥルー俺としてはすかさず、残された夏休みの時間を小雨のためにもっと費やしてあげたいと即座に決意するわけですが……
でも――
……
今日だけは。
夏休みの終わりくらいは――
少しだけ、わがままに
なってもいいかなって、
思っちゃったりして――
えへへ♥
なんて思っていたら、小雨自身が積極性を出してきましたよ!? えへへの可愛さに悶絶しつつも、なるほどさっきの控えめアピールはこの前ふりだったのかと感心。いやいや、これはまた感心できるとともに、ういやつういやつ的なニヤニヤが沸いてきますね。
ちなみに、小雨がそんな積極性を出せたきっかけは、小学生組の中で最初に宿題を完走しおえたという自負から生じたもののようです。おお、六年生の宿題が一番大変そうだというのに、さすがは小雨。宿題をきちんとまじめにこなすという意味においては、やはり小学生の中でも一番だって思ってましたよトゥルー俺は。星花あたりも相当マジメなんですが、やはりアウトドア派とインドア派の差が少しだけ出たのかな。吹雪は算数とかなら規格外に早いでしょうけれど、読書感想文や自由研究には手間取りそうですし、なにより夏の暑さでダウンしたりとペースダウンの要素も。ユキもマジメな子なのですが、過保護な誰かがつきっきりで、無理の無いペース配分を行っていそう。麗はそのマイペースさで心配なところもありますが、まあ問題というほどでは。うんうん、小学生組はみんなマジメですね。
……今、意図的に誰かの事を思考から除外しましたが、いずれ向き合わなければならない日が確実に訪れると思うので、そのときにじっくりと。より年上の立夏さんとか、霙姉さんのこともありますが。
まあそれはさておき、「だって――小雨だけなんだもの」「がんばってよかった♥」の発言の可愛さにクラクラしつつ、これは全力で褒めてあげねばなと思う次第ですが――
来週は、お兄ちゃん――
1人だけおヒマな小雨と
遊んでください♪
あの、2人っきりなら――
やっぱりデートっていうことに
なるのでしょうか?
小雨、嬉しい――♥
絵日記に書かなくちゃ♪
――期待以上のしたたかさを発揮してくれておりましたよこの小雨っ子! ホホウ、トゥルー俺とのデート目当て……なんて積極的になってくれたんでしょう。それも、宿題のごほうびを最初から当て込みつつ。……さっきの聖女認定は取り消しですね。ええ、小雨はもっと地に足の着いた、等身大に可愛らしすぎる妹ですとも。
わーい!!
星花が2等賞です!
えへへ♥
にわかに日記が宿題競争の様相を呈してきたっぽい!? そんなわけで、さらに夏休みの終りが近づいてしまった今週は、先週に引き続き、これまた宿題の話題です。
完走二番手は星花……ううむ、まさに予想通り。マジメさでは姉妹の中でも、小雨と星花がツートップという感じですからして、大いに頷けるところですね。二番手になったのは前にいったように、星花のアウトドア属性の分なのでしょう。……ええ、外で遊ぶのが多いからといって、宿題が遅いという言い訳は通じませんね、星花の存在があるので。
お兄ちゃんに――
なかなかエライ、って――
言ってもらえるかな?
うふふっ――
だって、あの吹雪ちゃんより
早く終わったんですよ☆
そしてこちらもご褒美とばかりに微笑ましいおねだりを! ……ああ、宿題を終える子が出るたびに、こんな甘えられ方をされる環境、天国以外のなんと表現したらいいのでしょうか。二番手ということで、「なかなか」って表現になってるのがまた慎ましいというか。
しかしながら、基本勉強が得意というほどではない星花としてはやはり偉業ですよね。本人的にもそれが誇らしいらしく――特に、あの吹雪よりも早かったというのがポイントのようで。
とはいえ――吹雪はやはり、夏の暑さがネックになっていたようで、そこのフォローも忘れないのは星花の心優しさというか美徳というか。
加えて吹雪の場合、やはり小学生レベルの宿題はむしろはかどらないって理由もあるみたいですね。高校数学とか科学なんて、誰よりも早く終えられそうな気が。
さて、ここまで順番の話をした以上、残りの順についても予想したくなってしまった星花さん。ええ、それはもう、先日リアル俺もここで書いていたぐらいですし、気持ちはわかりますが――まあ、とりあえず4番5番はというと。
その次の4着が――
氷柱お姉ちゃんと一緒に
毎日1ページずつ規則正しく
宿題をやっているユキちゃんで、
その次の5着は――
ドリルは得意なんだけど、
夏の思い出の絵に苦戦していた麗ちゃん。
ううむ、これまた予想通り……っていうか、ほぼ消去法になりつつありますね。っていうか、ユキの宿題には、氷柱が付きっ切りでペース配分してくれてるんですか。さすが氷柱、溺愛モード全開。それも、直接教えてあげたりするのではなく、むしろペース配分で体調を崩したりしないように見ていてくれているのでしょう。氷柱の勉強に対する考え方はもちろんのこと、そもそもユキの性格自体、自力で解くことを強く望むでしょうしね。むしろ分からなくて困っているところに助け舟を出そうとした氷柱を遮って自力で頑張りそうな根性をユキは見せてくれそう。
麗は……あ、そういえば。ええ、絵方面という弱点がありましたね。これは相当に苦戦しそうですが、その一方でドリルは得意というあたりは、なんか麗らしいなとも。将来、理工系に進んで鉄道関係のお仕事を、なんて願望もあったりするのかもしれませんが、それを抜きにしても麗は理系っぽいイメージが。
……とまあ、ここまでの子たちについては、まあ何も心配はいらないわけですが。
いよいよ、夏休みの宿題話で、避けては通れないあの子について言及しなければならないときが……
そして――
最後の6位が――
……
う〜ん――
やっぱり――
これは、口にしないで
おいたほうがいいのでしょうか――
……
……星花の気遣いが逆により痛ましさを……まあ、5位まで言っちゃった以上、すでに言ったも同然なわけで、こういうところは星花もなかなかにお約束に忠実なトゥルー姉妹だなあと思ったりするわけですが。……って、直接言っちゃいましたね。
お兄ちゃんの予想はどうですか?
あと1週間で終わりの夏休み。
星花は、みんなで楽しい週末を
過ごせると良いなって思ってます♥♥
……………………。(苦い表情を隠しきれず)
恐ろしいのは、次の週末ってまだ28日なので、夕凪さんとか立夏あたりは、残っている宿題を一切気にしないという形で楽しい週末を過ごしてしまうのではないか、と。星花のこの純粋な願いが、そんな形で実現しないことを祈りますが……
ウフフッ♥
今日はユキが――
夏休みの宿題、
ぜ〜んぶおしまい!
の――いい子に
なった日です♥
小学生組の宿題レースは今日も続く! 三番手は綿雪でありました。この子も基本的にマジメであるうえ根性もやる気も人並みを超えていますからね。むしろ1位だったとしても全くおかしくは無いぐらいなのですが、まあ順番なんてこの際関係なしに、まだ1週間も余裕があるうちに宿題を終えられたその努力を大いに褒めてあげたいところ。「いい子になった日です♥」のこの自称、ユキになら全力で許せますね。ええ、ユキはたとえいかなるときでも自分のことをいい子と主張して良いです。このトゥルー俺がそれを貫かせていただく所存。
まあ、見守る立場としては順番なんて何着であろうと全然問題ないわけですが、ユキ自身が話題に出すのであれば、それはそれで何も問題はありませんよね。
3着ということで、昨日の星花の予想をちょびっと覆せた事になったわけですが――
氷柱お姉ちゃんったら。
「こうなったら、絶対に
吹雪ちゃんには負けられないわ!
ユキ、スパートかけるわよっ!!」
って――
今日はずいぶん張り切って。
氷柱さん自重ゼロ! ……いやもう、ここまであからさまにユキ専門に肩入れしていると、いっそ清清しいぐらいというべきか。本当なら、姉妹の間でえこひいきって問題にもなりかねないんでしょうけれど、ここんちの姉妹全体としてみれば、みんなそういう愛情のバランスは極めて良好なので、むしろ氷柱みたいな尖った子がいるぐらいがむしろ健全ってぐらいなのかもしれません。そもそも人数が多いから、極端なひいきは成立しにくいですし。
……とまあ、そのひいきっぷりを抜きにしても、自分以外に対してもこんな風に競争心を発揮するとは……このゆとり時代において、氷柱のこういう精神はむしろ輝かしいものなのかも知れません。……まあ、愛する妹とはいえ自分以外にまでそれを発揮してしまうのはちょっと危なっかしいですけど、まあ、それもまた家族の中でのバランスの良さがカバーしてくれるわけで。
それまでは、ユキは絶対に
無理しちゃダメって言って――
どんなに簡単な問題の日でも
1日に1ページしかやっちゃいけないって
言っていた氷柱お姉ちゃんなのに。
うふふっ――♥
そしてこの、競争心が刺激される前の過保護っぷり。さすがにユキも笑っていますが、こういうちょっと尖り気味な愛情も何事も無くおおらかに受け入れられるユキは、やっぱり出来た子だのう。天使だのう。そんな氷柱の期待に応えられるのがなにより喜ばしいと思えるこの子の心、本当に健やかに成長してますね。
それにしても、「1日に1ページずつを絶対に守らせる」というのは、むしろ夕凪さんあたりに課すべき制約って気も。ええ、全く逆の意味で。まあ、それができないからこその夕凪さんなのでしょうが。そして氷柱も、そんな夕凪さんだからこそ、自発的にやらせるべきと思ってしまうこのジレンマ。お約束という名前の。
それはさておき、「だってユキね――意外と――算数得意なんだもんっ♥」と胸をそらすユキが可愛すぎて卒倒しそうな勢いなわけですが、そんな子供らしい可愛らしさを発揮するだけでなく――
あ、でも――
星花お姉ちゃんの予想も
半分は当たっていたの。
だって、ユキが終わった
30分後に――
吹雪ちゃんも終わったの。
だから――
ほとんど一緒の
ゴールイン♪
ユキ、知ってます。
こういうの――同着って
言うんですよね?
……この、発達した大人な精神性。謙譲の美徳が年不相応に身につきすぎですよユキ!
夏休み最後の週末のお祭りも――
これでゆっくり楽しめますね、
お兄ちゃん♥
ユキにまた金魚をたくさん
とってください♥
と感心している傍から、今度は遠慮の無い甘えを要求してくれるとか、この子はあらゆる意味で天使。マジ天使。子供らしいところも大人びた精神性も、さりげに甘え上手な女の子なところも。
小学生の子達はただいま、
夏休み恒例の――
宿題レース中!
みたいですね。
うふふふふっ――
かーわいい!
小雨の1着から始まった小学生組の宿題レース話ですが、昨日でおおよその順位は決定してしまったと言うこともあって、今日は観戦者であるところの春風さんがそれに言及するという形に。
ええ、もう4着まで決まってしまったということは、後に残るは、苦手な絵とかだけは最後まで渋って残してしまいそうな麗と……まあ、その、なんだ、全般的にアレそうな夕凪さんだけですからね。どっちも最終日まで引っ張りそうであり(夕凪さんはきっと最終日どころか……)、レースもすでに一段落といってもいいのではないでしょうか。
さて、そんな小学生組を見てトゥルー俺と同じような感慨にふける春風さんですが、こちらはもう「学校の」ほうは終えているみたいですね。……「それ以外」についてはオチにかかわるので触れませんが。
そんなわけで、余裕ありげな春風さんは、小学生時代の思い出モードに。
小学生にとっては、
いつも人生の一大事で――
ウチなんて特に
姉妹が多いでしょう?
だから、どうしても――
誰かがもう終わった、とか
次はもうすぐ誰かが
終わりそうとか――
そういうことがすぐに
話題に上って――
なんだかドキドキ
しちゃうの♥
……なるほど。今に始まったことでもないんですよね。ここんちの大人数生活は、リアルに考えればいろいろ大変なことも多いんでしょうけれど、そこはそれ、「トゥルーだから」ってこともあって、本当賑やかで嬉しかったり楽しかったりという部分こそが強く味わえたり想い出にできたりって感じで、本当に幸せな家族だなあと。
もともと気弱な子供で、競争とかもあまり得意ではなかったであろう春風さんですから、ドキドキしちゃうっていう感想も、今だからこそ和やかに語れていますが、その当時の春風さんにとっては、本当にドキドキ胸が苦しくなってしまうような思いもあったのかも知れませんね。
ちなみに、いかにも文型そうな春風さんですが、感想文とかだけではなく、ドリルも得意とのこと。まあ、小学生の宿題ですから、文系理系とかで語るほどのものではなく、純粋にマジメに勉強してるか否かが響いてくるんでしょう。その点、マジメさはそれこそ今の小雨ばりでしょうからね。
しかしながら――自分で何をやるかを考えなくてはならない自由研究が苦手だったというのが、子供の頃の春風さんのイメージにピッタリ重なりますね。
今でこそ――というか、トゥルー俺の前でこそ、常に春風びゅんびゅんといったノリの、ゴイスーな乙女度120%な春風さんですが、小さな頃はすごく気弱な子だったというのは、すごく良く分かるんですよね。海晴姉さんが小さい頃は麗みたいな子だったというのと同じように、春風さんもきっと、小学生時代は小雨みたいな女の子だったんだろうなあ。
……とまあ、そんな小学生時代の春風さんに思いを馳せていましたら、
もしあの頃に――
私の王子様がいてくれたら。
きっと一緒に――
手伝ってくれたはずなのに。
春風は虫なんて大の苦手だけど、
王子様は男の子だから、
一緒にやろうって誘われて、
虫の研究したりして――
虫に近づくたびに、春風ったら、
怖くて仕方がないから、震えて――
きゃあっこわい、王子様
助けて――♥♥♥
なんてくっついちゃったりして♥
――きゅんっ♥
……そんな和やかな気分に浸るよりも、もっとラブい思いを抱いてとばかりに強めの春風を吹き付けてきてくれました。……いや本当、「今の」春風さんはちょっと揺らぎが無さすぎですね。逞しすぎるほどに。
春風さんがこれほどまでに逞しくなれたのは、やっぱ、「恋する乙女」な属性が、本来の気弱な女の子部分を塗り替えるほどに強い個性として定着したからなんでしょうね。それプラス、姉妹で3番目のお姉さんであるという自負と経験、あとは単純な心の成長と。今はすっかりこんなノリの春風さんですが、そこに至るまでのものに思いを馳せると、それはそれで感慨深い気持ちにも浸れますね。
……などと、春風さんに対して微笑ましい気分に浸ろうとしているトゥルー俺ですが――
そういえば――今年は、
春風の個人的な宿題が――
まだ済んでなかったの!
王子様――
もう夏バテもすっかり治って
元気になった春風です♥
今年こそは絶対って決めてた
春風の初めて――もらってくれますか?
春風、大人になるの♥♥♥♥♥
――どうあってもゆったりとした感慨に浸らせてはくれないご様子ですよ!
……ってか、これはまた過去にないレベルの暴風春風が! 「初めてをもらって」「大人になるの」とか、切り札レベルのハニートラップをいともたやすくこの人は! ……まあ、バレンタインのときのことを思えば、そりゃあ隙あらばいつでもってモードに入っておられるであろうとは想像できるわけですが! それにしても、本当に揺ぎ無さすぎですよ春風さんてば。毎回このレベルの超強力な押し攻撃の中、たまに「あれ、いつもと違う……?」みたいな面を見せつけたりすると(それこそ、子供の頃の気弱モードみたいな)、剛速球投手のチェンジアップばりの劇的な効果があるような気もするわけですが、それをやられると本気で陥落してしまうことは間違いないので、むしろこういう日常モードこそがありがたいといえばありがたいのかも……ですが。いやいやそれにしたって、こんな発言を連発されているとやはりトゥルー俺の理性が危険でありすなわちクライシス!
……さて、この発言。言葉通りに受け止めれば、まあどう考えてもピンク色方面のアレしか思い浮かばないわけですが……それこそ、霙姉さんの先日言ってた春風さんのつわr……と誤認させるかのような夏バテの説明と同じように、今日言ってるこの「宿題」とやらもその手のトラップである可能性が大。……と見せかけて、純粋に「求めて」おられるだけだという可能性もあり、どの方面であっても予断を許しません。ううむ、なんたる刺激的な日々か。
最近の夏休みは――
あっちでもこっちでも。
もうスタンプラリーだらけ。
ポケモンに
仮面ライダー、
プリキュアに
NARUTO、
ディズニーに
しんちゃんまで――
まったくもう!
イヤになっちゃう。
おお、ジャンルや畑こそ違いますが、麗が抱いている憤りはなにやらリアル俺たちに通じる、オタクならではの感情という気がものすごく!
ええ、ひとまず宿題レースのお話はお預け……というには麗も小学生組に思い切り該当するわけですが、今はとりあえずそれどころではないようですね。まあ、麗の場合、残っているのはせいぜい苦手な絵の宿題ぐらいでしょうし、さほど心配してはおりませんが。
そんなわけで、麗が語っておられるのは、大型連休にはつきものの、キャラクター商品と鉄道とのコラボ話。本来、子供たちには喜ばれるであろうこの手の催しではありますが、そこはそれ。この辺の対象年齢からは少し上の年齢でありしかも女の子、そのうえわりとガチなテツであるところの麗にとっては、ありがたいことでもなんでもないキャンペーンである模様。まあ、単純に「子供っぽいから」っていうのもイヤなんでしょうけれど――
それなのに――
それなのに――
鉄道スタンプラリーまで!!!
もうすっかりキャラクター物に
蹂躙されて――
ああ、もう私ったら泣きそうよ。
だって、そんな子供だましな
賞品つけなくったって――
スタンプラリーには
それだけで――
十分な魅力があるのに!!
バカ!
うむ、この憤り。あたかもアニメオタクが劇場版にゲスト出演する一般芸能人のキャストを毛嫌いするかの如くであり、テツ趣味の無い俺としましても、そのあたりの怒りは大いに共感できるところであります。
まあ、さっきも言った様に、対象年齢よりも上の歳なうえ、女の子でもある麗にとって魅力的ではないというのもあるわけですが――
JRに、東急に西武、
東京メトロに都営地下鉄、
みんなみんなオリジナルグッズを
作ってくれればそれが1番なのに!!!!
……うむ、やはり麗は筋金入り。
そんなわけで、麗の興味はもっと本格的な鉄道スタンプラリーに向かっているようなのですが……いかに夏休みとはいえ、やはり小学生の身には難しいものである様子。そこで麗は、いつものように諦観を漂わせつつも――
でも――せめて1枚で良いから――
欲しいの。
どうしても――
欲しくて欲しくて――
私――
……。
……ええ、ええ。もう……ねえ? いかに甘いと言われたって、こんな目で見つめられてしまった日にはもう。この子きっとトゥルー姉妹の中でも、一番の甘え上手であろうことは、多くのトゥルー諸兄が頷いてくれるところでありましょう。
1期は31日で終了するの。
1人で行ったら怒られるし。
もしかして、今度の週末――
夏休み最後だし。
一緒に――
乗りに行けないかな――
やっぱり――無理、よね……
……こんな風にしょげかえって諦めかけてしまっている麗。……こういう姿をわざわざトゥルー俺に見せ付けるっていうのは、あざといことにも思えるかもしれませんが、麗の場合、これは完全に無意識であり素なんですよね。決して、「私に甘いこの兄に頼ろう」なんて思ってはいないわけなんですよ。いや、本能的にはそういう部分もあるかもしれませんが、少なくとも意識的には決して。
とまあ、そんな欺瞞ではない心からの嘆願が、この子が大好きなトゥルー俺に届かないはずもなく。今週末は、ユキたちみんなが楽しみにしているお祭りがありますし、小学生組では麗(と約一名)にはまだ宿題も残っているわけですし。週末は無理でも、月曜火曜を使うという手もありますが、そこは夕凪さんにとっての鉄火場という気がするので……ぐむむ、難しいスケジューリングが求められそうです。
パーティーはいつだって
夜も更けてからが――
楽しいのよ?
ウフフフフッ――♥
なにやらアダルティな雰囲気の発言が飛び出すマリー日記! ……しかしてそのパーティとは何かといえば、それはもうここ数日のお話に出ているように――
この土日の――
こども祭り♪
夏休みの最後を飾る、
とっておきの――
街の商店街と子ども会の
お祭りなのよ!
……うん。「子ども会」という単語がこの子の口から出るのは、本当になんだか似つかわしいというか、安心するっていうか。やたらと大人びた精神性を持ちつつ、嗜好レベルにおいては見事なまでに歳相応の子供らしさを発揮していて、それがかえって「背伸びなんて必要ないんだから」的な風格を漂わせているマリーならではですよね。
さて、誰もが楽しみにしてるであろう(他に行きたいところのある麗はさておき)お祭りで、マリーは何が楽しみかといえば、
マリーの勝負欲を
かきたてる――
ギャンブルがいっぱいなの♥
なんで知ってるのかしら?
やっぱり――
カンペキな王妃の
唯一の弱点といったら――
賭け事にはどうしたって
メがないってことを――
ウフフフッ♥
ギャンブル! この言葉を聞いた瞬間「ざわ……ざわ……」と俺周辺の空気がにわかに福本化したかのような錯覚に捕らわれましたが、マリーアントワネット的な観点から見ても、これは確かに傾国の趣味であり、だからこそマリーに相応しいかなと。そのへんの自覚もバッチリあって、それゆえこのような表現をしているのでしょうね。……本当、この子は「深い」よなあ。
さて、そんなお祭りにトゥルー俺を同伴するのはもはや当然とばかりなノリで、射的は得意かと尋ねるマリー。「マリーを守るためには」とか、このあたりのセンスもまさしく王女様なノリがナチュラルに漂いまくりなのですが……
知ってる?
ドラえもんに出てくる
のび太くんだって――
唯一の特技は射撃なのよ。
のび太くんに負けるような
ウデじゃあ、マリー……
許さないんだから♪
……と、ごくさりげなく言ってのけてくれたマリーですが……さりげにとんでもなく高いハードルを課せられたのだというこの事実に、シモ・ヘイヘならぬトゥルー俺はどう対処するべきか。
いや、のび太の射撃の腕前はなんというか……冗談抜きでゴルゴ13が引き合いに出されるレベルのものであり、マリーははたしてそのあたりまで踏まえたうえでそう要求したのか否か。……どっちにも取れるのがかえって恐ろしいのう。
さて。ともあれこのように、すでに心は楽しいお祭りに向かっている最中ではありますが。……やはりというか、なんというか……
それにしても、
こんな楽しいお祭りに――
行けないかもしれない
夕凪お姉ちゃまってば、
かわいそう――
宿題なんてさっさと7月のうちに
終わらせておけば良かったのにねぇ。
……嗚呼……ついに、宿題と、残り日数僅かという現実が、夕凪さんを捉えてしまわれた。いつか必ず訪れる時であり、必ず乗り越えなければならない事柄ではあるのですが……ともあれこれで、休みを満喫しまくる小学生としての夕凪さんの夏休みは幕を下ろした。ここから先は悲惨の一言……とばかりの雰囲気が漂って来るかのごとくです。まあ、夕凪さんのことですから、休みはまだ月・火曜日まで残ってるから大丈夫、と気にせずお祭りを堪能しまくるという可能性も大いにありますが。
そしてさりげに、「7月のうちに終わらせておけば」と難易度の高いことをここでも要求しているマリー。……やはりさっきの発言は、のび太=ゴルゴクラスの腕前と認識した上での発言だったように思えてなりません。7月のうちに宿題終わらせられるの、ここんちではきっと氷柱ぐらいのものだと思いますが――
今日から新学期。
と言っても――
小学生の子達だけだけど。
ゲゲーッ! あと数日あると思っていた休みがもう終わりだったというこの恐怖シチュエーション!! ええ、リアルな日常生活においてもしばしば存在する超恐ろしいシチュエーションでありますが、まあさすがにこれはリアル俺側からの視点であって、実際にトゥルー内で生活している姉妹たちはちゃんと弁えていた事実でありましょう。……夕凪さん、ち、ちゃんと覚えていてくれただろうか……。
リアル俺は北海道民でありますゆえに、内地の学校はすべて8月いっぱいまで夏休みなんだという思い込みがあったんですが、実際には小学校とかだとそうでもないみたいですね。そんなリアル事情に合わせてか、トゥルー小学校は今日より平常運転な模様。
そんな、一足早い日常の復帰を眺めるのは、まだまだ夏休みが続いている高校生組のヒカルの視点。
フフ。
体の小さな子なんて、
もう背中のランドセルが
埋もれてしまうほどの大荷物で――
この暑い陽射しの中を
ふうふういいながら、
出ていったよ。
ううむ、確かになんだか感慨深い光景ですよね。特に俺らリアル成人組にとっては、すでに遠く懐かしい光景でありますが、まだ現役高校生のヒカルにとってもそういう思いは変わらないようで。ここんちの場合、姉妹が多いので、上の子になるとどうしてもより大人側からの視点になるのかもですね。
「文句を
口ではブツブツ言いながら――
それでもなんだか顔は
みんな、どことなく
嬉しそうに輝いていて――」と、そんな風にしている小学生組の子たちが眩く見えるのは、間違いなく大人側からの視点でありまして。本当、ヒカルはここんちの長兄って感じですよね。
とはいえ、実際にはそんな小学生たちとそれほど年が離れているわけでもないヒカルですから、当時の生々しい思いも、鮮明に思い出せるわけでして。
「私にもなんとなく覚えがあるな。あの感じ――」と続く言葉には、大いに頷けたり、感慨深さを呼び起こされたりと、なんだかとてもいい話をしてくれているなあ……と、なんともいえぬ幸せな気分になった次第です。大人な視点ってだけじゃなく、ヒカルのこういう感性はやっぱとても繊細です。
……さて。小学生組だけがちょうど居ない、残りの夏休み中のトゥルー家。微妙に静かな感じがする独特の感覚――それが、センチメンタルな雰囲気に弱いヒカルに、こんなことを言わせたのでしょうか。
もう少しだけ先の私達の出番が
来る前に――
今日は久しぶりに――
オマエと一緒に過ごせるかな?
夏の間は――妹たちに
独占されていたものな。
フフ――♥
……なんかちょっと。これはちょっと。さりげない発言のようでいて……なんだかとても嬉しいような、気恥ずかしいような……!
ええ、これが「妹」だったり、明確に「姉」だったりする人の言葉であれば、嬉しいながらもわりと普通に受けとめらるのですが。こと、「家族」でありながら、姉でも妹でもないフラットな間柄である彼女に言われたとなると。……いやまあ、今更といえば今更なんですが。家族でありながら、家族以上みたいな関係みたいだなーと、思ってしまうわけなのですよ。
もちろんヒカルにしてみれば、学校がある平日は、同じ学年である以上、他の誰よりもトゥルー俺と過ごす時間が長いわけで。たぶんヒカルの意識的には、それ以上のことを言ったつもりではないのでしょうね。……無意識に働いている心の動きこそが重要なわけですけれど。
夕凪姉の宿題は――
結局。
ギリギリで――
間に合ったようで
良かったですね。
……ミラクル! ミラクルが起こりましたよ! い、いや、夕凪さんだってやればできるんだよという思いもありますし、そこまで決め付けてしまうのもどうかとは思うわけですが、そこはそれ、トゥルー世界においては、いわゆる「お約束」が極めて強く働くという法則もありますし。ともあれほっと一息。
さて、そんなギリギリっぷりを発揮した夕凪さんについて語っているのが吹雪ということは、きっとトゥルー俺とともに、土壇場での助太刀に共に加わったということなのでしょう。「本来ならば――」と道理を前置きしつつも、
提出日前日の夜になっても
仕上がっていないのでは――
多少の手助けを
必要とするのも――
致し方ないでしょう。
……と、やはりそのような感じ。夕凪さんを当日の夜中まで手伝ったというトゥルー俺をねぎらう言葉すらかけてくれる吹雪は、知識のみならず精神面でも実年齢を超越していますね。そしていい子。ひたすらいい子ですよ。
一方の夕凪さんはというと――
まさか――
もう宿題は終わったと言って
珍しく、週末のお祭りにも
晴れ晴れと参加していた
夕凪姉が――
ドリルと感想文の存在を
1冊まるごと全部――
忘れているとは。
誰も思いもしなかった
ことですから――。
想像していた以上にスケールの大きいピンチを迎えておられました。さ、さすがは夕凪さんッ! 普通はできない忘れ方をあっさり実行してのけるそこに痺(略
いやまあ、自分の意識の中だけとはいえ、ちゃんと宿題を終えてから遊びに行ったというのは褒められる……のだろうか否か。大変判断が難しいところです。まあ、夕凪さんはとってもいい子なので、意図的に忘れたのではなく、本当に素で忘れていたとは思うので、悪気はないというのはいいんですが……しかしながら、保護者側の立場からすると、むしろ心配になってくるところも。
まあ、認識の仕方によっては、「大物すぎるから」と結論づけることも可能なわけですが……
あの。
これは常々、思っていた
ことなのですが。
……
夕凪姉の記憶能には
どこか不思議な回路が
あるのではないでしょうか?
……吹雪らしい、ある意味容赦のなさすぎる意見ではありますが、確かに的を得ているところもあるっていうか――ある意味事実そのものというか。
自分に都合の悪い記憶は
きれいさっぱり痕跡なく
消されてゆくような――。
これ、これなんですよね。吹雪の認識どおり、夕凪さんは本当にポジティブオーラが強すぎるというか。こういう特性、さっきも言ったとおり、ある意味では大物の証とも言えるんじゃないかとも思うわけですが――そこはやはり、科学的思考の吹雪というか、別の見解というか意見が湧き出てきたようです。
1度条件を整えて、
きちんと調査してみたら――
エビングハウスの忘却曲線を
完全に否定するデータさえ
取れそうな気がします。
その時にはキミも
ぜひ協力してください。
共に作業をするのは
きっと楽しいでしょう。
一緒にこの姉妹の秘密を
解き明かしましょう――♥
人 体 実 験 ! ?
……思わずショッカーに改造される夕凪さんみたいな構図が脳裏に浮かんできてしまいましたが、ここで言ってるのはあくまで統計をとって調べてみよう的なことなんでしょうね。……つまりどちらかというと、吹雪がどうのというより、トゥルー俺側に夕凪さんに対してそういう意識を抱いているということの現われ!? い、いやいや、大事な妹に対してそんなインモラルな。
……はい。正直に言いますと、吹雪と一緒に「夕凪さんの体の謎をすみからすみまで調べちゃおう」的な妄想がさっきから頭の中から離れません。だって吹雪は吹雪で、ハートマークまでつけて嬉しそうに言ってくれるんですもの! これは、トゥルー俺の共同作業が楽しいということなんでしょうけれど。はい、吹雪と二人がかりで夕凪さんを無理やり……って、いやいやいやいや。猛省!
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