きょうは――
なつやすみがおわって、
ようちえんに行く――
さいしょの日。
さくら、ちょっぴり――
……
こわいの。
9月に入り、小学生組以外の姉妹達も2学期突入! それは幼稚園も同じではありますが……なんと、久しぶりというのが問題なのか、さくらが怖がり始めてしまわれましたよ!
……
こわいの。
うぅ……
ようちえん――
こわいこわいこわい――
こわいよぅ……
ううむ、夏休み明けに行く学校や幼稚園というのは確かに独特の感覚があるわけですが、いかにさくらとはいえ、これほど怖がるというのは……。
さくらはもともと、幼稚園とかに行くのが怖い子なんでしょうね。まだトゥルー年齢的に、幼稚園に通い始めて一年目でしょうし。日中を家から離れて知らない子たちでいっぱいなところで過ごすということ自体が、よくよく考えてみればけっこう辛いことだというのは、確かに頷ける話。きっと、幼稚園に初めて通うことになったときは、こんなぐらいの怖がり方ではなかったのでしょう。幸いにも、この家には一年違いで同じ幼稚園に通うお姉さんが二人も(それも、姉妹の中でも精神的に頼れる真璃と観月が)いてくれたので、それでようやく通えるようになったんじゃないかと想像できるわけで。
いざ通い始めてしまえば、さくらもそれなりに慣れてきたのでしょうが……きっと、夏休みに家で過ごすようになって、最初の頃の怖さを思い出してしまったんでしょうね。
とまあ、一度乗り越えられた事なのですから、いかにさくらが怖がりといえど、すぐに乗り越えてくれるとは思っていたのですが……乗り越えてくれたのは期待通りながら、その動機が……
でも、ようちえんに行かないと
おばかさんになってしまうから――
……
ぐすんぐすん。
そんなのいやいや!
さくら、おばかさんには
なりたくないの。
……おおう? これはまたさくららしからぬ――怯えが動機っていうのは実にさくららしいですが――厳しいものの見方。いや、立派といえば立派なんですが、おっとりしたさくらがこんな発想をするのは……といぶかしんだ瞬間、疑問が解決。
だって、つららお姉ちゃんが
言ってたの。
おばかさんになるのは
とーってもとーっても
こわいことだって――
大納得。いや、これはいかにも氷柱らしい言い含め方。ちょっとシビアなものの見方って感じも受けますが、さくらは甘やかすとどこまでも甘えてしまう子なので、どこかで自発的に動くような思い込みを植えつけるっていうのは上手いやり方であり。怖がりなところをあえて刺激するよう、こんな風な言い方を狙って言ったのだとしたら、氷柱株が俺内部で急上昇です。……そういう狙い一切なしの素の発言だったとしても……ま、まあ、氷柱らしいといえば氷柱らしく。ゆとり云々と言われるこの世の中では、こういう意識も確かに必要であり。基本、甘いお姉ちゃんが多い家族なので、こういうことを言ってくれる人がいるっていうのも大事ですよね。お母さんと子だけの家でこれだとちょっと考え方がかたよっちゃうかもですが、ここんちには無縁の心配でもありますし。
とまあ、そんな氷柱の教育の影響もあったようですが、基本的には心配するほどのことでもなかったようで。
お兄ちゃんが、えらいって
ほめてくれるもの♥
さくら、お兄ちゃんに
なでなでしもらいたい!
こうナチュラルに、愛情といっしょに褒められることを貪欲に求めてくれているぐらいですからね。
そんなわけで、何事もなく初日の幼稚園には通えたようで。そんな初日、避難訓練をおこなったとのことですが――まあ、怯えますよねそりゃ。で、怯えるだけならばいいんですが……
うわぁ―――ん!!!!
こわいこわいこわいよぅ――
お兄ちゃん――さくら、
こわくてこわくて――
……
トイレいきたいよぅ。
……さりげなく一刻一秒を争う事態が発生していたり。さくらをトイレに連れて行くまで、間に合うか、さくらの我慢。
ついに長かった
夏休みがおわって――
家の中に日常が
戻ってきて。
ふっと――
一息つく、こんな時期は――
ふっと一息つくのが似合う社会人な海晴姉さん! ええ、社会人には学生にとっての夏休みは遠いものになってしまいますからね。もともと妹たちを見守る立場な海晴姉さんですが、この時期に関しては更にそんな風な見方が強くなっていることでしょう。
さて、夏休みが終われば、一般的には秋の到来ということで、海晴姉さんもそんな感じで風情を楽しみたかったようですが――
――の、はずなのに!
ああん――もう。
自分で天気予報を
しておいて――
こんなこと言うのも
少し、気が引けるんだけど――
やっぱり言わずには
いられないわ!!
んもう――
なんだって、こんなに
毎日毎日暑いのよ――っ!!!!!
ですよねー。いやホント、今年の猛暑は、誰でもイヤになるでしょうけれど、こと気象関係の仕事についている人には、より重い話題となって圧し掛かってくるわけでして。
しかしながら、この海晴姉さんの可愛いキレ方を聞けた事には、この酷暑に少し感謝かなという気もしないではないです。「太平洋高気圧のバカァ!!」……そ、そのご褒美を、リアル俺のほうにもちょっぴりお分けいただきたく。
それはさておき、やはりテレビの前で、毎日毎日同じような猛暑情報を伝えなければならない事に、いささかウンザリ気味の海晴姉さん。思わず――
私って本当は飽きっぽい性格なのに。
そろそろ、たまには――
「今夜は急な冷え込みにご注意ください」
とか――
「昨日とは一転、雨による気温の低下が心配です」
とか――いろいろ言ってみたいのにぃ!
等等、いささかフリーダムな海晴姉さんの本性が暴走しかけてしまっております。そこはそれ、社会人として、長女として、責任のある立場な海晴姉さんですからして、十分すぎるほどに大人な理性も構築されてはいるわけですが、その下には間違いなく、トゥルーの血ならではのフリーダムな本性が存在しているわけでして。
まあ、そのような本性は、普段は主に、海晴姉さんの愛する家族たち、特に――トゥルー俺にこそ発揮されるわけでして。そんなわけで今日も――
ねぇ――
私のかわいい弟くん?
キミが私を癒してくれるんでしょう?
……と、いつもながらもたまらぬセリフでトゥルー俺の青少年部分をドキドキさせてくれるのでした。ああもう、この人、トゥルー俺をからかうことでどれだけ精気を吸ってくれているんでしょうか。まっとうな意味でご褒美すぎですよホントに。
そうだ、一緒にかき氷でもしよっか♥
こっそり深夜の大人のかき氷――
フフ♥
キミの熱でそっと溶ける――♥♥♥
今年最後のかき氷になると――いいわね?
……とりあえず、「かき氷」という言葉に性的な響きを感じたのは、生まれて初めての経験でした。……だからなんで「深夜の」とか「大人の」とかって表現するんですかもう! 「キミの熱で――」とかも。海晴姉さんはこうやって、直接的な性的接触なしに――むしろ言葉の上だけだからこそより新鮮に――トゥルー俺とのスキンシップで精力を吸ってリフレッシュするのでした。
夏休みがおわって、
新学期のサイショの
お楽しみは――
なんてったって、
やっぱり、
オ・ミ・ヤ・ゲ・交換っ♥
だよネ?
二学期開幕早々、大変なリア充発言を行ってくれちゃってますよこの立夏さんてば! ……ええ、そりゃあ立夏ですからして、学校のみんなにどんだけ愛されてるかは押して知るべしと言ったところですが、それにしてもこの学校生活の充実っぷりは、リアル俺からしてみれば少々眩すぎです。まあ、それを差し引いても、女の子ならではといった盛り上がり方なんでしょうけどね。
……さて、夏休み終了に際しましては、小学生組の宿題に大いに注目が集まっておりましたが、ある意味渦中の人だった夕凪さん以上に心配だったのがこの立夏。しかしながら、とりあえず今日の日記を見る限り、今年の宿題に関しては問題なく終えられていたようですね。……あえて話題にしてないだけかもしれませんが……。
とまあそんな推測はさておき。さっそくその友達とのオミヤゲ交換の様子をこの上なく楽しげに語ってくれる立夏さん。ナカヨシ度によって貰うプレゼントの内容に差が出てくるといったあたり、シビアだなあという印象もあるわけですが、そこはそれ、そういうネガティブなところにいちいちひっかかったりしないのが立夏の立夏たるゆえんであり、本当の意味でのリア充とも言えるのではないかと。
それどころか、むしろ立夏的には、その「そうでもないクラスメイト」たちから貰う大量のアイテムが大変嬉しいようで――というのも。
ウシシッ☆
ほぅら、見てみて!!
この――
両手にイッパイの
すっごい大漁っ♥♥♥
リカってば、人気者ッ!
ご当地オカシ! それも大量の! ……なんというか、立夏さんマジ人気者。そりゃあ、いくら友達が多かろうと、親友レベルの子っていうのはどうしたって限られますからね。そういう意味では、リア充度やコミュ力の高さを示す上で、この「そうでもないクラスメイト」ぐらいの友達の多さこそが注目すべき要素なのでしょう。
そういう子たちがくれるのが、ちょうど立夏にとって非常に嬉しいアイテムすなわちお菓子の類っていうのは、そりゃあ夏休み明けが待ち遠しくもなろうってものですよね。
やだ、そんな顔しなくっても、
ちゃぁーんと――
オニーチャンにも分けて
ア・ゲ・ルって♥
……い、いや、別にそんな欲しいだとかは……と思いつつも、この積極的な思いやりに水を差すようなことは無粋ですよね。「自分の大好きなものは、好きな人にも存分味わって欲しい」というのは、愛情を示すための基本的な行為ですし、ここはひとつ、立夏の兄とお菓子への愛情を存分に堪能しようかと。……それにしても、本当に幸せそうだなあ立夏さん。お菓子大好きという点においては本当、『みつどもえ』のみっちゃんと並ぶ逸材ですよ。……忍び寄る雌豚化の恐怖に苦しめられているところまで含め。
あ、ホラホラ――
地獄鼻の夕凪ちゃんに
見つかる前に早く食べちゃお♪
みんなで食べれるほどないから、
トッテオキはリカとオニーチャンで
ダイジョウブだヨ、
ぷっちょやプリッツはちゃんと
あげるんだから――
……そしてまた、さりげなくシビアな発言が再び。いやまあ、相手はこの手のことには一切遠慮がなさげな夕凪さんですし、きょうだいの間ではごくごくありふれた光景といえばそうなんでしょうけれど、このケースにおいては、トゥルー俺を「大事な異性」として見ているというあたりが、単なるきょうだい同士のやりとりという以上の深い意味合いがあって、シビアだなあと感じさせる次第。
立夏はあれで、姉妹の中でも「女の子度」がシビアな形で現れやすい子なんですよね。ちょうどそういう年頃ですから、それもまた頷ける話ですが、その愛情を受ける「お兄ちゃん」としては、ちょっぴり気が気ではないというところもあったりして。
……などと、立夏の「女の子」な部分にちょっとだけドキドキヒヤヒヤしつつも、
楽しかった夏休みの思い出も
本当の本当にコレでオシマイッ!
ダイエットなんて――
アシタからで全然いいのだ〜
……ある意味安心のオチに心を和ませるのでした。そのうち走るときの擬音が「ぽてちてと」になっちゃうのではないでしょうか。まあ、みっちゃんと違って、基本身体能力がふたば並みなので大丈夫か。
暦はすでに長月を
迎えたというのに――
なんじゃ!
毎日毎日のこの暑さは!!
この今年の暑さには、さすがの観月も憤慨しておられます! そりゃあ誰でもこの暑さは嫌になるでしょうけど、観月の場合は、この巫女服状態だと暑いなんてもんじゃないでしょうからね。まあ、この服でずっと過ごしているわけではなくて、もっと子供らしい普通の服もたくさん来てすごしているって知ってますけれどね。
ともあれそんな暑さも、観月にとっては、「暑神」なるものがとどまっているせい、という解釈に。詳しくは無いのですが、八百万の神様の中にはそういうのもいたりするんでしょうね。というか、森羅万象すべてのことがそれぞれ担当している神様がいるって考え方・認識の仕方なんでしょう。こういうものの見方、個人的にもけっこう好きではありますが……
よほど居心地が
いいのやもしれぬ。
なにしろ――
この国には、わらわの――
兄じゃがおるからの♥
……なんかトゥルー俺のせいだという恐るべき話まで聞かされては、さすがに心穏やかなままでもいられないような。なんというか……やっぱ好かれるんでしょうか。そういうもの全般に。
まあ、好意的に見ると、トゥルー俺に好感を抱いている観月が認識している「そういうもの」だから、みんな結果としてトゥルー俺を好んでいる、という風な理屈があったりするのかも知れませんが。
いずれにせよ、日ごろから姉妹からの愛情、特に強めの春風に年中吹きつけられている身としては、暑神さままで受け入れられるキャパもないので早々にお引取り願いたいわけですが、
ほれほれ、もそっと
近う寄ってたもれ――♥
うーん、良き気持ちじゃ!
やはり兄じゃのオーラは
わらわと極近の――
モノノケ臭がする♥♥♥
こんな良き物は、絶対に
暑神には譲ってはやらぬぞよ?
フフフ――♥
も、モモノケスメル……。それはともかくとして、暑神さまはご遠慮願いたいところではありますが、これが観月にまとわりつかれるというのであれば、多少暑苦しかろうと、むしろご褒美として確実に認識できる身でありますからして、もっと汗ぺたぺたになるぐらい密着祭りを所望であります。大人びているとはいえ観月も幼児ですから、さぞや体温も高いとは思うのですが、ええ、なんども言ってますがご褒美ですゆえ。
まあ、トゥルー俺がよくとも、観月のほうが大変だという気もするわけですが……
しかし、こう暑いと――
そろそろ皆のお肌が心配じゃ。
とにかく――
ブラウスの中も
Tシャツの中も。
スカートの中も、
はかまの中も――。
パンツの中も、
オムツの中も――
夏のおなごのお肌は
いつだって――
ムレムレなのじゃ♥
……………………こ、これはまた、トゥルー俺というよりはリアル俺のですが、フェチズムに満ちた性癖を直撃しまくる事実を……! ええ、この表現からして、観月に限らず姉妹みんなのことを指しているということは明らかでして。G's本誌でもあさひさんのお尻周りに発疹っぽいものができていたようで、ちょっと心配だったりもしたわけですが、他の子にもそういうトラブルが生じていたりするかもしれません。運動をよくするヒカルあたり、ちょっと危ないかも。あとは小さい子たち。トゥルー俺がラナケインをぬりぬりするのに駆り出されることもありそうな気配ですが……
あせも退治のパタパタを――
今日も兄じゃに
やってもらわねばの。
兄じゃ――
わらわは今日は――
背中がかゆかゆじゃ!
直接ぬりぬりでこそありませんが、さっそくお声がかかりました。……服のすそから風を送り込む作業……ご褒美以外のなにものでもありません。直接かきかきするのもそれはそれで!
昨日の――
観月の日記を見て。
立夏が言ったの。
夏の間は――
いつだってムレムレで
困っちゃう場所。
それは――
まさかのムレムレ話継続! それもよりにもよって氷柱ですか! ……このイラストのせいか、氷柱がいつもはいているブーツがなんだかすごく蒸れそうだなあと常々思っているトゥルー兄としては、ちょっとこの組み合わせにときめかざるを得ません。いやまあさすがに、夏場にこのブーツを実際に履いてることはありえないでしょうけれど。
さて、氷柱というと、立夏とは正反対の、体のお肉とか代謝が控えめって感じのイメージがあり、他の姉妹と比べても、蒸れる被害は少なそうだなあ――ってイメージがあるわけですが。そんな氷柱が立夏と語る、蒸れてしまって困る場所。
それは――
ブラウスの中にTシャツの中。
スカートの中にはかまの中。
パンツの中に、オムツの中――
それに――あと、もう一つ、
大事なポイント、あるよね?
って。
やけにニヤニヤした
嬉しそうな顔で。
……ご、ごめんなさい話を聞いただけでニヤニヤしてしまって! ……って、俺のことではないようですが、いや、正直、スカートとかパンツとかオムツとかの単語を聞いてしまっただけで、顔が、顔が意思に反して反応を! いやはや、女の子のかく汗というのは、妄想男子にとっての特濃ドリーム素材でありますからして。
とはいえ、そこはそれ、これはあくまで女の子同士での話。……もっと生々しい話題であり、それはそれで我々大興奮な様子でもありますが、当人達にとってはもっとさりげない話でありまして。
つまり、立夏がここでニヤニヤしているのは、そういうフェチズム溢れる俺たちのそれとはちょっと違う意味を持っているということ。……まあ、ちょっと想像してみると、それはそれで俺たち的にニヤリング必死の方向なんじゃないかというイメージが即沸いてきますが……ともあれ氷柱の反応はというと、実にピュアであり。
でも、その時は――
普通に――
……
考えちゃったんだもん。
……この反応といい、一生懸命考えている姿といい、普段は即、思考に答えを出しそうな氷柱にしては、大変可愛らしい一面が出ていたのではないでしょうか。想像するだけで大変微笑ましい状態です。色々考えて最後に「うんうん」なんて頷いちゃってるところとか。
もう、下僕も――
ただでさえ、男っていう
ハンデを負っているんだから
余計にいつも気をつけて、
汗や何かで臭くなる前に
体をきれいにしておかなくちゃ
ダメよ――
………………「何か」。まだ加齢臭などとは縁遠いトゥルー俺にとって、女の子にはない「何か」ってなんだろうなあ……と、顔のフヒヒ笑いが止められない勢いではありますよ。まったく意識していないであろう発言なのがまた余計に!
……と、その部分を思い切り指摘したいところではあるのですが。やはり今回の話のオチというか肝はというと――
は?
「ジャーン♪ ほら、見て!
答えはモチロン、胸のタ・ニ・マ〜♥♥♥
立夏今年はなんかギュウギュウで――
もう汗が流れちゃうヨ! 氷柱ちゃんはダイジョウブ?
リカ、そろそろ新しいブラ買った方がいいのかな――」
……嗚呼。やはり、そういう……。
「今思い出しても、ムカつく立夏のにやけ顔に――バカだったマヌケ顔の私」という氷柱の発言はありますが、立夏もそこまで、すでに「ぺったん胸」設定が明らかにされてしまっている氷柱のコンプレックスを刺激しようという悪意はなかったように思えるわけですが、まあ少しぐらいなら。
それよりもまず、立夏の場合、最近わりと膨らんできた自分の胸が嬉しくてたまらないって感じなんでしょうね。それでつい、誇らしさのあまりこのような言い方を。これがまあ、ホタあたりに言ったのならば、何も問題はないんですけれど、これが氷柱だと……ねえ? まあ、話していた相手がたまたま氷柱だった、という感じなのでしょう。
ともあれだからといって氷柱の慰めになるかというと――
……
傷ついた。
……
だから――
今日はもう、
――寝る。
……いじけた! かわいい!
いやもう、いつものように真正面から怒るのもいいけれど、こういう反応はちょっとレアなこともあってますます可愛らしいというか。たぶん立夏に悪意が無いんだってわかっているからこその反応でしょうねこれ。
もちろん、こうして傷ついてしまった以上、それを慰めてあげたいと言う気持ちもありますが、たぶん氷柱にとっては、そんな恥かしいことをわざわざトゥルー俺に話している時点で、ある種のウサ晴らしみたいなところがあるんでしょうね。トゥルー俺がそれを知ったからって、絶対からかってきたりしないって信頼があるがゆえの。そう考えると、いとおしさもひとしおです。
おそら――
ぞうさんいろ。
ぴゅうぴゅう。
かぜさん、
あそびにくると――
あめこん
ふってきた!
青空がフレディ色に!? ……と、トゥルーならではの誤解を二重に思わず。ええ、ここんちで「ぞう」という単語を出されるとつい。まあ、青空が自分を「おそら」とか言うのも、ドリフターズの豊久みたいでちょっと可愛いですが、ピンク色だろうと通常の象の肌色であろうと人間の肌としては非常事態以外ありえない色なので、ここは普通に通常の空模様として受け止めるが吉。
ぞう色の空……いや、ピンク色の空という異常事態もありえないわけではないのかもですが、とりあえずリアル北海道民としてあh、現実とリンクした大荒れ空模様のことだと即座に認識しにくいところもありまして。
さて、そんな大雨模様で、各地の被害もなかなかに大変だったようですが……
あめ、あめ!
うわぁ――
おにわ、
びしょびしょ!
青空さん案の定大喜び。この子にしてみたら、大概のことははしゃいで楽しめる事柄って気がします。小さい子だからという以上に、青空だからっていうのが大きいですきっと。
とりあえず、土や草木が雨をごくごくっていう感性はさすがに鋭いものの見方だなあ、と感心したりもするわけですが……って、自分で飲むのだめー! いかにトゥルー世界とはいえ、雨水が飲用に適しているはずもなく。
おそらに、あーん♥♥
いっぱいいっぱい
はいってくるよ♥
うわあ!
そらも――
びっしょびしょ!!
……ここで即、アレな方向に妄想を繰り広げないだけの年季は積み重ねてきたつもりですが。でも、日記タイトルの「ごっくん」などと組み合わせられると、さすがに少々危ないところも。……っていうか、こんな話をわざわざしている時点でアウトですかそうですか。
あ。
おにいちゃんにも
そらのじゅーす
あげなくちゃ!
うわぁ〜い!
……大丈夫。俺、俺はまだ、だいじょうぶ。そらじゅーすと聞いて、塩っぽい味などの想像は決して。ともあれそんな汚れた思考は青空の無邪気さを見ることで消毒しておく方向で。
今日は星花たちの
通っている小学校で、
歯科検診がありました!
トゥルー家族は歯が命! ……と思わず口ずさんでしまいましたが、なにもトゥルー家族に限った話ではありませんよね。とはいえ基本小さい子ぞろいのこの家ですからして、歯磨きの習慣を印象付けるためにも、そういう意識を持ってもらうことは大事なわけで。
もっとも、基本的にここんちの子はみんな歯磨きとかはしっかりやってそうなイメージなんですけれど、あえて言うなら――まあ、夕凪さんあたりがいくらか気になりますね。
お菓子や甘い物が
大好きな夕凪ちゃんは、
昨日の夜くらいから
そのことでけっこう、
おびえていたけど――
うふふっ♥
星花も、夕凪ちゃんも、
ちゃーんとピカピカ☆
今年も――
虫歯ゼロのいい子だって
ことがわかりました!
本当に良かったです♥
……とはいえ、本人自身も心配していたにも関わらず、結果は星花と同じく、実に健康優良な歯を保てていたようで。色々自由な夕凪さんではありますが、そこはやはり躾にうるさいトゥルー家族、しっかりとお姉ちゃんたちが歯磨きの習慣は身に付けさせていたようです。……夕凪さんも、自分が色々フリーダムだという自覚はあるんだろうなあ、こういうところを見ると。
とにかく、そんな夕凪さんでさえ歯には心配がなくなる勢いのトゥルー歯磨き状況。語る星花の様子も実に誇らしげで微笑ましいですね。
そんな小さい頃からの歯磨き指導エピソードに、ちょっと興味深いお話も。
星花がまだ――
さくらちゃんくらいの頃、
お姉ちゃんのおひざにごろんってして、
仰向けに大きくお口を開けると――
霙お姉ちゃんがね、
あの低い優しい声で
大事な大事な星花ちゃんの歯、
ピカピカになれ〜って、
歯みがきマホウをかけてくれるの。
夕凪ちゃんはそれが大好きで
いーっつも大はしゃぎしてたっけ。
……み、霙姉さんがマホウとか言って夕凪さんをあやしていたと……! いや、霙姉さんはご存知の通り、あれで頼れる面倒見の良い人ですからして、このエピソードそのものは不自然でもなんでもないんですが、さすがにそのマホウうんぬんの様子は、想像するとなかなかに特異っていうか……あ、このころだと霙姉さんもまだ小学生なのか。うわー、それはそれでまたなかなか想像しにくい状態だなあ。ウチのお姉さん組、春風さんやヒカルは想像がつきやすいんですが、霙姉さんや海晴姉さんは、ちょっと未知の領域なんですよね。海晴姉さんには麗みたいだったって情報がありますけれど、霙姉さんの小学生時代……ううむ、興味深すぎる。もっとも、今と同じく、頼りになる人だってことは変わらないでしょうね。このエピソードを聞く限り。
……と、そんな過去に思いを馳せていましたら、星花がなにやら素敵な申し出を。歯みがきマホウ☆――今話してくれた、霙姉さん直伝の、あの。……同じ姉妹なのに、妹と先祖が違うのはどういうことかとかを気にする暇もなく――
大好きで大切なご主君さまのために――
ご奉仕させてくださいませ♥
星花のおひざは少しサイズが
小さくて申し訳ないですけど――
こちらへ――ごろんと!
ぜひ、どうぞ♥
ご奉仕! ……う、ううむ。星花さん、その言葉の持つ意味をちゃんと認識しては……いるんでしょうね。ごくごく真っ当な意味においてのみ。ああ、そのまっすぐでひたむきな優しさと思いやりが眩いばかりですが、悲しいかな、俺の思考はその甘美なシチュエーションと、ちょっとまだ肉付きが豊かとはいいがたい星花ふとももの感触とかぬくもりとか匂いとかで占められてしまっており、つまりこの「どうぞ♥」を誘惑と認識してしまう1秒前であり!
あれから色々
考えたんだけど。
私だって――
今、成長期――
だと思うの。
一応。
あろうことか、自分自身でその貧乳ネタを引っ張る氷柱さん色々な意味で度し難い! そしてそれ以上にいとおしい! ああもうこの子は本当に、その学力に反してどうしてこうも可愛らしい方向に突撃していくのか!
……というわけで、冒頭の時点で顔面のニヤリングが全力全開にならざるをえない今日の日記。ええ、ええ、つい先日、胸の話についていたく心を傷つけた氷柱でしたが、それで懲りたりめげたりしないのが氷柱らしさ……ってことなのでしょうか。ううむ、この涙ぐましいまでの執着……本当、いい性格してますよこの子は。愛されるに相応しい猪突猛進っぷり。
とはいえ、とりあえず主張していることは至極もっともな感じでありまして。中学二年生……そりゃあ、女性らしい体へ成長する可能性は、それこそ無限に秘めているといっても過言ではない時期ではありますが。“身長”以外の部分に関しても……フヒヒ。
……
個人差があるのは
しょうがないことよ。
でも――
基本的な遺伝情報は
かなり似てるはずなんだもの。
私にだって望みはあるわ。
なにしろ姉妹なんだから。
私と立夏は――。
……うん。うん。分かります。言いたいこと、言ってること、とてもよく分かります。まったくもって、間違ったことは言っていないと思います。
思います……が。……どうしてだろう。これだけの条件がありながら……豊かに「成長」した氷柱の姿がまるで想像できないというのは……。なによりも「お約束」が重視されるトゥルー世界だからでしょうか、氷柱がこの先どんな努力を重ねようと、豊かな胸を手に入れているという可能性が存在していないような……そんな確信が持ててしまって仕方ありません。「今はただ、ほんの少し――何かの理由があって」というのは、たとえほんの少しであろうとも、決して覆ることのないような、そんな確信が。
とはいえ、だからといって諦めがつかない氷柱は、なにやら意を決して、とあるチャレンジを試みようとしている模様。「この週末は行ってみようと思うの。正確な測定をしに。」――と。もしかしたら成長してるかも――そんな蜘蛛の糸にすがるかのような願いを込めて。
しかしながら、あまりにもその現実が重過ぎるせいか、氷柱の発想が――とんでもない方向に。
ええ、その「測定」のために、トゥルー俺にも付いて来いと言っているわけなのですが……
フフッ。
もちろん――
あなたには、下僕として
一緒に付いてくることを命じるわ。
……
だって――
恥ずかしいじゃない!
大人用のブラジャー売り場に、
中学生が1人で計りに行くなんて!!!
氷柱さん、その発想おかしい!
ち、ちょ、一体何を!? 何を言っておられるこの子は!? いや、「恥かしい」とかなんとかって、一人がやだからといったって、たとえ家族であれなんであれ、男連れで行くという発想がちょっと次元を超越しすぎてやいますまいか! この思考の飛躍というか暴走は、今週の『ノノノノ』に匹敵しますよ! いや、その決意のまえにちょっとその行動をまず振り返るべきというか!
とりあえず、極めて妥当な発想であるところの「お姉ちゃんと一緒に」というのは、どういうわけか氷柱的に受け入れられないご様子。……このあたりは、そもそものきっかけが、姉妹である立夏にコンプレックスを刺激されたからっていうのが働いているのかもですね。まあ妹である利立夏や、歳の近い蛍あたりならまだしも、ヒカルや春風さんなら何も問題ないように思えるんですが……これが霙姉さんや海晴姉さんだと、からわわれそうでイヤって思うのも分かるんですが。
そしてなによりもまず異常な、「トゥルー俺を伴ってブラジャー売り場」というその発想……いや、これはもしかすると、氷柱の潜在的な「女」としての部分が、無意識に暴走した形で発揮されているのかも知れませんよ? ええ、トゥルー俺は氷柱にとって、意識せざるをえない「異性」なわけですから。あまり理屈ではなく、そういう女の本能というべき部分で、そういうことを発想してしまったのかも知れません。
ええ、その暴走を具体的に言葉にすれば、トゥルー俺を彼氏扱いしたいという欲求が見て取れるわけでして。……そもそも、女の子が男といっしょに下着売り場に行くなんて、それが彼氏でもなければありえませんから。お姉ちゃんたちと行くのがイヤというのも、渡したくない、独り占めしたいという意識のなせるわざだったのかも。テンパって暴走してるからこそ、そういう部分が出てきてしまったと。
明日はみんなにみつからないように
こっそりバラバラに家を出て――
外で待ち合わせよ?
わかった?
遅刻は絶対に許さないからね!!
最後の念押しのこの発言も、明らかにお付き合いしてる男女を思わせるシチュエーションなわけですが……まあ、そういう思考に至った理由はさて置くとして。……いざ下着売り場に行った後、耐えられるんでしょうか。氷柱自身も、トゥルー俺も。どちらかの、あるいは両方の思考沸騰は必死って気が凄くするんですが! 売り場の人絶対彼氏扱いするでしょうし! うあああああああ!
あっば♥
あばばばばば――
うんばっ?
おっばばお――
きゃーっはははは♪
にゃにゃにゃにゃにゃ――♥
あさひさんの日記はいつもそうなんですが、実にYASEIが満ちておられる――! いやまあ、「あばばば」とか「うんばっ」とかの発言が大半なので当然といえば当然なんですが。
さて、そんなYASEIはいつもながら、なにやら今日はいつもよりもご機嫌そうなあさひ日記。タイトルの「ぱい」という部分でなにやら即物的な妄想を行ってしまいそうではありますが、さておきさっそく訳を――
つららがなんかかくしてたのみたぞ♥
なにかいいものかな、だしてやれ――
なんじゃこりゃ?
おやまがふたつ――
かぶってみたらめちゃにあう♪
おにいちゃん、ねこちゃんきたぞ――♥
――なんということでしょう。
嗚呼、氷柱の胸ネタが終わらない! ……って、そりゃ氷柱自身で引っ張ったわけですから、ある意味仕方ないとは言えますが――って、結局言ってた通り、胸を計りに売り場に行って、手ブラ……ならぬ手ぶらで買えることが出来なかったんですね。その場に居たトゥルー俺がどういう扱いだったかはもう想像もつきませんが、とにかくミッション達成というか。
さて、あさひさんにさっそく略奪されてしまったこの「おやまがふたつ」。明らかにブラではありますが……む、む? 氷柱のブラで、明確に「おやま」と認識できるカップが存在していた、と!?
……まあ、氷柱の胸が控えめと言っても、まだ中学三年生の女の子ですからして、ホタとか他の姉妹がわりと規格外なだけで、実際にはごくごく普通かやや小さめ程度の胸……だったりはしないものでしょうか。いわゆるスレイヤーズ中におけるリナの胸理論。……いや、ないな。そう思いたいトゥルー俺心。
とはいうものの。一応新しいブラを買って帰ってきたということは、計ってみたらそれなりにサイズアップがあって、それで現在の胸にあったブラをつけたほうがいいって流れではあるように思えます。……あるいは、全く数値が変わっておらず、気まずさのあまりつい必要の無い新ブラを買ってきてしまったか。さすがにそれは切なすぎるので、前者のほうで認識しておきますが――だとすれば、氷柱も案外いい気分でこのミッションを達成できたのかもしれません。
売り場にともなったトゥルー俺を彼氏扱いされたイベントは多分あったと思うのですが、きっとその場ではパニックになりつつも(多分その状況を想定してなかったでしょうね。氷柱だから)、後から思い返すとそれはそれでハイテンションになってくれるような気がするというかそうであってほしいというか。
まあ、それで上機嫌であっても、さっそくあさひさんによる略奪&新ブラ公開の憂き目にあってしまったので、きっと再びパニック状態になっているであろう氷柱さん。本当にかわいいのうかわいいのう。
リボンにレース。
透けるシフォンや
ツヤツヤのサテンの布地。
ふわふわ揺れる
ハネ飾りに――
お洒落関係の話題の匂いをかぎつけて、我らがマリーが颯爽と日記を! ……って、ここ最近の日記の内容からして、すなわち氷柱の胸orブラ話題が今日も続いているということをこの冒頭部分で即理解できてしまったわけですが、それはまあ、きっと全トゥルー俺の望むところでもあり、マリーさんアリガトウと内心で思わずにはいられますまいて。
そんなマリーが嬉しそうに語る、いわゆる「女の子の憧れアイテム」の諸要素。
ウフフッ――♥
だからマリーは。
氷柱お姉ちゃまの気持ちが
とーってもよくわかるわよ?
……はい。氷柱の新ブラは、すでに家族みんなの知るところであり、それどころか大いに話題になっておられる模様。まあ、一名除いて女の子ばかりの家ですから、特に問題はないというか、実に女の子らしい話題であってほほえましいばかりなのですが。
女の子であればだいたい誰もがお洒落は好きでしょうし、ブラというのも女子として必ず付き合っていかなければならないアイテムでもありますからして。話題としては当然盛り上がるものなのでしょう。
そんな家族の中でも、特にオシャレセンサーの鋭敏なマリーではありますが、生憎とばかりに、まだまだブラジャーには手が届かないご年齢でもありまして。そんなマリーとしては、当然――
マリーだって、
まだ幼稚園児じゃなかったら。
絶対すぐにほしいもの!
リボンやレースがたっぷり付いた
ふわふわのゴージャスな――
ブラジャー♥♥♥
こういう意見になるわけですが。……ただ、今回の氷柱に関しては、はたしてそんなマリーと同じ気持ちでブラを買ったのかが判断しかねる状況でもありまして。いや、氷柱だって人並みにオシャレはするでしょうけれど、今回のはもっと切迫した状況だったというかなんと言うか。氷柱は「大人用」と強調してましたが、ブラ売り場って、そんな明確に分かれているものなんでしょうか。
まあそれはさておき。今回の氷柱が、必要もないのにブラを買ってしまっていたとか、それどころか、とてもサイズがあわないようなカップのブラを勢いで買ってきてしまったという可能性だってあるんですよね。(だからあさひが「おやま」と認識できたとか)
……とまあ、氷柱がどういう状況でブラを買ったのかは、情報が出るまでは想像するしかないので、今は置いておきましょう。
氷柱お姉ちゃんは
いつもわりとシンプルな
服を着てることが多いし、
実際、そういう服がとーっても
よく似合っているから、
それでマリーも良いと思うんだけど。
ほら、自分がどう見えるかを
よく知ってるっていうのは
オシャレの基本でしょ?
だからそれはいいんだけど――
そんな氷柱に対し、マリーのこの超的確かつ冷静な意見! ……本当、この子の落ち着きというか貫禄は、今のこの年齢の時点でさえ、姉妹の中でもトップクラスですよね。将来大物になるのではなく、今すでに大物。この子が家族にいるってだけで、なんかこう、安心できる感があります。小説5巻でもすごい機転で助けられましたし!
とまあ、そんな氷柱の自己認識を評価したうえで、「氷柱お姉ちゃまだって――女の子なんだ・か・ら♪ うふふっ――♥」と。……うーむ、幼稚園児なのに、この目線。これで全く背伸びしていないというのがすごいですよね。氷柱もマリーにこう言われたなら、わりと素直に話を聞きそう。器大きいなあ。
……とまあ、器そのものは大きくとも、やはり肉体的には幼稚園児なマリーさん。当然のように、かわいいブラジャーというものには憧れてやまないわけで。小さい子なら誰でもそう思うことでしょうが――
ねぇ、フェルゼン――
どうしたら、胸が早く
大きくなるの?
教えてくれたら――
マリーに似合うゴージャスな
レースたっぷりのブラジャーを
すぐに買って、その姿を――
見せてさし上げてよ?
ウフフッ♥
きっとすっごく
似合っちゃうんだから――。
……こうやってナチュラルに話をふってドキドキさせてしまえる時点で、もう今の時点でブラ以上の武器をお持ちであるなあ、としみじみ。いや、あと5年ぐらいしたらもう、非常に堂に入った下着姿になるであろうとは確信を持って言えますが! その時点でもう、家族であろうと男子が見ていいようなものではないということも明らかであり!
すっかり――
スネちゃったネ。
氷柱ちゃん。
べつに、あーちゃんが
氷柱ちゃんの新しいブラ
かぶってみんなの部屋を
ハイハイしてまわった
コトなんて――
ゼンゼン気にすること
ナイと思うんだケド。
……氷柱のブラネタが、さらに被害を深めてしまっておりました。嗚呼、氷柱はどうしてこうも、こういう面白……もとい、いじられる運命なのか。まさにトゥルーお約束の法則が全開って感じでありますが、あさひさんによるこういう被害はまあ、トゥルー家にとっては日常的でもあり。
ついでに言えば、約一名を除いてみんな女の子ばかりのこの家で、別にブラをみんなに見られようと、本来ならば何も問題ではないのですが……まあ、今回のブラはその、色々と、氷柱的に。
とまあ、そういう氷柱の事情をきちんと把握しているのは、家族とはいえ少々難しい状況でもありそうなのですが――
……
そーゆーコトを言う
リカは、やっぱり――
氷柱ちゃんの言うトオリ、
ものすごくザツで、
人の気持ちのワカラナイ
女なのでショーカ……
……うむむ、珍しいことに、立夏がしゅんとしておられる。そして、普段から氷柱にはけっこうこういうキツいことを言われてるのかもですが、それを思い出しつつ自省などを。
氷柱の言ってる事も普段に関してはもっともと言えるのですが、今回に関しては、どっちかといえば立夏のほうに理があるかな、とも。まあ、そもそものきっかけが立夏だったわけですし、そのときの発言はさすがにちょっぴり配慮がなかったかなとも思いますが。
しかしまあ、大事なのはそういうことではなくて、この奔放かつ自由度の高いこの子が、きちんと自分のことを省みて、反省しようとしていることそのものですよね。ここは兄として、もう無言で頭をなでてあげたいぐらいなのですが……
でも――
氷柱ちゃんだって、
シンケーシツ過ぎなとこ
あるよねぇ?
あーちゃんがブラをかぶって――
少しくらい食べたことなんか。
よくあるコトじゃん?
……まあ、これはこれでもっともでもあり。っていうか、あさひさん改めて恐ろしいな! 無論、あさひさん自身が危険なのでという心配もありますが、以前にもヒカルがおろしたての制服をヨダレ爆弾でダメにされて泣いちゃった事がありましたしね。赤ちゃんがいるっていうのは本当に大変なのです。
などと、そのあたりのことは置いておくとして。問題は、氷柱がブラに関して神経質すぎという点。……この件に関して、詳しい情報がつかめていない以上、今の氷柱に対してどう接するべきかがちょっと見えて来ていないわけではありますが――
リカなんて、ブラ姿
見られたってゼーンゼンッ、
平気だヨ?
オニーチャンも見たい?
フフフフフ――♥
――って、油断してたらいきなり! いや、以前にもパンツをチラリとかしてきたことありますし、ブラだっていつ見せ付けられてもおかしくないというデンジャラスレディなのであります立夏は!
あろうことか色などの説明までしてくれちゃってますし、ツンツンしてOKとか、「今日もふんわりマシュマロ味だよ〜♪♪♪」などと、え、味わえと申すかとトゥルー俺を即座に悩乱せしめんばかりの勢いであります――が。
なぁーんて、やってるのが
今、バレたら――
氷柱ちゃんにコロサレル
ってことくらい、
リカもわかってるヨ――
……
しょぼん。
……長年の経験か、YASEIの本能か、危険を察知し踏みとどまられた模様。このへんはさすがに歳が近いだけあってきちんと読めているんでしょうね。これが夕凪さんであれば、何も気にせずGO!GO!してしまうところなのでしょうが。
とまあ、いつものようなスキンシップタイムはこのぐらいとして――
こうなったら――
氷柱ちゃんのゴキゲンを直せるのは
オニーチャンしかいないカモ♥
がんばれっ!
オニーチャン!!
リカもオニーチャンの背中に隠れて――
オーエンしてるヨ〜〜〜♪
この、こじれにこじれた氷柱ブラ問題は、トゥルー俺の肩にけっきょく委ねられることになった模様。……って、男の子の身なんですが当方。いやまあ、買いに行くのに誘われたのは他ならぬ自分ですし、氷柱の内面を鑑みるに、やっぱ自分しかいないのかもなとは思いますが!
生々流転。
行雲流水。
この世にある
全てのものは――
常に行き過ぎ、
流れ去り――
変化をし続けている。
氷柱のブラ災禍がいよいよ盛り上がりすぎている中、霙姉さんの霙姉さんらしい語りから始まる今日の日記! 霙姉さんなら、うん、霙姉さんならきっとこの事態を収拾……してくれるのではなく、ほどよいアドバイスを与えてくれるであろうという期待(?)が即座に沸いてきました!
……と、微妙に褒めていないようにも思える表現ですが、今回の騒動を考えてみると、こういう霙姉さんのようなスタンスが一番適切なんじゃないかなあという気もしてきているわけなのですよ。
そして事実、霙姉さんも今日は、そんな感じのことを言ってくれておりまして――
氷柱のバストサイズに
変化が起こることなど――
当たり前のことだ。
そんなに大騒ぎするような
ことではないのだから、
オマエも放っておくがいい。
……なんと。マジで氷柱π、成長しちゃってたんですか。……い、いや、自分でもいったように、だとしてもごく自然なことなんですが、いや、自分で言っておいてなんですが、ちょっとビックリ。氷柱=ペタというイメージが思っていた以上に自分の中で強かったようで。
しかしなるほど。納得しましたよ。氷柱があれだけ恥かしがっていたのは、思っていた以上にバストが膨らんでいて、それはそれで家族に知られるのが恥かしかった……とか、そんな感じの照れだったのでしょうね。うわー、超思春期。本来男の子関係に多そうな過剰反応ですが、まあ氷柱の性格を鑑みるに、こういう反応もむべなるかな。
そしてトゥルー俺以上に氷柱の性格を熟知している霙姉さん、期待通り、実に的確なアドバイスを。うん、まあ、そういう思春期直撃なネタは、むやみにつつかないに限るというのは大いに頷けるわけですが――
知らん顔をして放っておけば、
やがて――
物足りなくなって
自分から――
出てくるだろう。
まるで――
だだっ子と一緒だな。
フフ。
……って、とことん難儀な性格してますよね氷柱。かわいすぎるなあもう。そんな氷柱を霙姉さんは「頭の中がまだコドモ」と評してますが、まさにまさに。小説5巻で、お尻ペンペンされた日には、ちょっと脳がクラクラするほどでしたよ本当に。
個人的にはそこが氷柱の可愛さであって、兄としては一挙一動にニヤリングを止められない勢いなわけなのですが、
案外、そこが変われば――
もっと体の方も
育ってくるのかも
しれないな?
フフフ――♥
……と。心が体を成長させる。……なるほど、誰にでも言えることではあるのかもですが、特に氷柱の胸は、心の成長と密接に関連しているような気はしますよね。つまり、今の段階では超お子様πでありお子様精神、と。……それが少しずつ成長してきているという事実もまたつきつけられたわけで、兄としては嬉しいような寂しいような。
とにかく、それも含めて、これ以上刺激するなという、実にうなづける霙姉さんの指摘で、この騒動は治まりそうですね。
さて、それとはまた別に、霙姉さんからなにやら頼みごとが――
昨日から急に秋の気配で――
蛍と春風が、ついにようやく
栗ごはんの季節が来たと――
大騒ぎしている。
オマエも一緒に――
栗を剥くのを手伝ってくれないか?
え!? クリ――って、なんでもありませんごめんなさい。
はい、昨日から突然寒くなったのを受け、季節に敏感なトゥルー家はさっそく秋の味覚モードに。この手の作業はなんだか霙姉さんに回されることが多いですよね。……具体的な調理とか、この人が携わっている姿というのがなんか想像もつかないわけですが――
なぜか、この家では栗を剥くのは
私に回ってくることが多いのだ。
なぜだろう――。
栗ようかんが――
好きだからか?
……なんか、思わず笑ってしまうようなほほえましいオチが。霙姉さん、自分でも餡子・ようかんキャラだって自覚はあるんですね。まあ実際には、そういう男手的な仕事は霙姉さんに、ってイメージがみんなにあるからなんでしょうけれど。
もうすぐ
ようちえんの
うんどうかいです。
……
――ぐすん。
どうしよぅ。
運動会が前になると胃が痛くなる症候群! リアル俺の小学生時代をいやがおうにも思い出さずにはいられないッッ! そんなわけで、さくらのこの気持ちは痛いほどにわかるわけなのですよ。そのうえかけっこの練習で転んで泣いてしまったりと、もうお約束どおりすぎるさくらの辛そうな様子に思わず胸がしめつけられつつも――
うわーんうわーんって
ないちゃった。
でも――
なきながら――
ちゃんとさいごまで
はしったよ。
……と。なんだかんだで、えらいんですよね、さくら。泣いちゃうことは泣いちゃうけれど、結局くじけてやめてしまうっていうことがあまりないというか。
そんな風に力を出せた理由というのに、「かぞくのひとが」ってところが来るあたりに、いつものことながら面映くも誇らしい気持ちにもさせてくれるわけですが――
お兄ちゃん――
さくら、ないちゃったけど、
でも――
がんばったの♥
なにより。このさくらのがんばりこそが、何よりの宝です。ああ、我が事のように幸せ。
……などと、微笑ましい気持ちに浸っておりましたら。
おうちにかえってきたら――
おしりが――
まっさお!
どうしよぅ。
おしりがあおいなんて――
さくら、こわいよぅ――
――うわあああああん!
……オオウ。これをご褒美と認識する事自体が踏み絵とも言える状況が。自分のお尻とかどうやって気付いたんでしょうとふと疑問もあるのですが、お姉ちゃんか誰かに指摘されたのかな。転んだときのあざだと思うんですが、なんとなくさくらには蒙古斑というのも似合うなあと。まだ消えてない年齢ですよね多分。
今日もまだ、
夏が続いている
みたいに暑いけれど――
やっぱり。
夕方になると――
すっと涼しい風が
吹いてきて。
ひんやり。
秋の気配ですね♥
いや、本当に突然やたらと涼しくなってきた感じですが、春風さん日記がなにやらやたらと静かかつ穏当に始まった事に、なんともいえぬ不安を即座に覚えてしまった俺はちょっと怯えすぎなんでしょうか。は、春風さんだって、別に常にきゅんきゅんしてるわけじゃないんですしね。……た、たぶん。
とまあ、そんな季節を感じさせる話のつかみから語りだしたのは、やはり食事の秋モード化について。先日霙姉さんが言ってた栗剥きの成果も見受けられるようですが――
ウフフッ――♥
霙お姉ちゃんと
王子様がむいてくれた
栗の残りでシロップ漬けを
作っておいたの。
甘い甘いシロップ漬けは――
王子様の甘いくちびるの感触――♥
きゅん――♥
……嗚呼。さっそくきゅんきゅんモードが発動に。まあ、これだけであれば、単にテンション高いだけって話ではあるんですが、春風さんの場合、ごく普通の会話をしていたら、ふとさりげなくとてつもない濃厚アプローチを交えてくる事があるってところがデンジャラスなんですよね。
とまあ、そんな家族の秋模様のお話もしつつ、どうやら今日の本題――というか、その話が行き着いた先が、季節と切っても切れない間柄である職についている海晴姉さんについて。
今朝の海晴お姉ちゃんの
天気予報でも言っていたけれど――
本当かしら?
ウフフッ♥
海晴お姉ちゃんったら――
ああ見えて実は。
今朝出かけるギリギリまで
心配していたのよ。
……ううむ。普段は非常にネアカで能天気な感じさえある海晴姉さんですが、やはり責任の重い仕事についているだけあって、こういう心配は常に心に抱いているんでしょうね。トゥルー俺や家族に対するあのお茶目&ゴリ押しモードも、そんなストレスが一因になっていることも多分間違いないんじゃないかなと。いや、半分以上は素の性格でしょうけれど。
しかしながら、そんな海晴姉さんでさえ――
テレビに映っているときは
いつの余裕のスマイル♪ の
海晴お姉ちゃんだけれど――
一歩舞台裏へ下がれば――
うわ――言っちゃった
どうしよぅ――
これでまた予報が外れたら
抗議の電話が〜〜!!!
って、恐怖に震えているの。
……おお、なんかすごく新鮮なリアクションが。いや、気持ちとしては、すごくよく分かりますよね。いかにあの海晴姉さんだからって、まだ二十歳前の女の子でもあるわけですし。しかし、家族の前ではまず見せることのない表情でしょうねこれ。春風さんがそれを知ってるのは、さすがは三女ということなのでしょう。この家ではわりと絶対者に近い立場の海晴姉さんですが、こと歳が近い妹たちの中でも、春風さんに対しては、クールな霙姉さんとはまた違った意味で、色々とさらけ出してしまうこともあるんでしょうね。
……などと、姉妹の関係に思いを馳せておりましたら。
くすっ。
意外と――
臆病なところもあるんだから♥
かわいい――お姉ちゃんでしょう?
あ、でも――海晴お姉ちゃんに
目移りしたりしちゃあ、ダ・メ・よ?
王子様は――いつだって
春風のモノ♥♥♥
おお、やっぱ春風さんから見る海晴姉さんって、もっと下の妹たちとは違う見え方がするんだなあ……となんだか感慨深い意見を言ってくれて、ますます感慨が深くなっておりましたら――なんか色々すごいこと言われてる。あ、いや、「目移りしちゃダメよ」はまあ分かるんですが、問題はその後というか……え、所有権がすでに? ……ふ、深くは追求しないほうが……いいんでしょうか。領有権は先に主張したものの勝ちという最近の社会問題をふと感じつつ、果たしてこのフライング意見にどう対処すべきか、トゥルー俺脳内における外務省の内部がフル稼働で思考中であります。
こんなに涼しい予感の
秋の始まりの夜には――
2人で一緒にゆっくり
お風呂にでも入りましょうか?
これこそ、秋の、おたのしみ――
ですよね?
王子様っ♥
きゅんっ♥♥♥
そして、なにやら微笑ましく締めてくれるのでした――って、さり気にさらにとんでもないことをこの人は! って、本当にさりげなく強烈なトラップを! あたかも「一緒にお茶でも」みたいなノリでこんな爆弾発言を放っているのは、計算によるものなのか、あるいは素――春風さんにとって、トゥルー俺とお風呂に入ることはお茶するのと同じぐらいいつでもOKなこと――なのでしょうか。これもまた深く考えるのがちょっと怖いので、なすがまま――というか、考えない方向で!
明日は秋分の日。
それと一緒に――
ようやく本格的な秋が
訪れるみたいで――
楽しみですね♥
名前に反して、いかにも秋と相性が良さそうな小雨がうれしそうに秋の訪れを語っておられます。今年は特に猛暑だっただけに、秋の訪れには大歓迎ムードが強いでしょうしね。
……と、「雨」って季語的には夏なんだと思うんですが、その傍らでオールシーズン通用する言葉でもあるわけでして。そんな小雨にとっては、一年を通じて常に名前と雨との関連性を意識してしまうのでしょう。
こんなに毎日暑いと、
いつもなら嫌われる雨でも、
何だかちょっぴり――
歓迎されているみたいで――
小雨まで嬉しい気持ちがします♥
ウフフッ――
小雨は何にも、
関係ないのに――
変ですね。
とはいえ、こんな風にポジティブに受け止められるのであれば、それはそれでいいことですよね。とにかく、小雨がいる前では、なるべく雨に対してはポジティブトークを繰り出して生きたいところです。わざとらしくない程度には。
さて、そんな秋の話題で、いわゆる「〜〜の秋」というお話が。小雨にとってはまさにイメージどおりに「読書の秋」が真っ先に出てくるようですが、トゥルー家ではかなりの子が「食欲の秋」が出てきそうだなあ……って思ってましたら、
ちなみに――
小雨と同じ部屋の
麗ちゃんと立夏ちゃんにも
聞いてみたら――
麗ちゃんは鉄道の秋、
立夏ちゃんはカレーの秋、
なんだそうです。
……
2人とも質問と全然違う答え……。
……うん。トゥルー家の子たちは、そんな型にははめられない個性派揃いなのでした。不ぞろいなのはまあ人によるから当然として、両者とも別に季節を問わずに自分が好きって感じのお答えであり。特に麗なんて四季のそれぞれ全てに、違った鉄道の情緒を感じているでしょうから、それが無理やりな意見ってわけでもないのでしょう。
問題は、カレーの秋なる立夏さんの主張ですが……さすがに小雨もツッコミを。とはいえ立夏の場合、特別にカレーだけが好きってワケではないので、何か意味があるのだろうと考え込んでしまいます。あえていうなら、ジャガイモの季節ってことなんでしょうか。
……とまあ、こまけえことはいいんだよ的なノリがきっと立夏の行動全てには当てはまると思いますし、小雨もそのへんは弁えたものなのでしょう。こういう声があれば、今晩のメニューはあっさり決まってしまうと言うところもありますしね。
そんなわけで、今夜のトゥルー家の夕食はカレーということになり――
私も――
やっぱり秋のカレーって
なんだか不思議な気がしますけど。
お兄ちゃんと一緒に――
にんじんやジャガイモの皮
などをむいたりするのは――
とっても楽しみです!
さりげに役得を当然とばかりに行使する小雨さんに、ちょっと逞しさも感じられて、嬉しくなった次第です。収穫の秋とオチをつけてくれることも忘れない小雨さんは、よく物事を弁えたできた子ですよ。
……
っくしゅん!
くしゅんくしゅん
くしゅんくしゅん――
うおおおおあああ虹子が風邪気味さんになってしまわれている! 二歳児の子が風邪とか、たとえ風邪気味ってだけでもちょっと心配すぎるというか、ましてやそれが大事な虹子であったりしたらそれはもういてもたってもいられません。
とまあ、大人の立場からすれば心配極まりないですが――
くしゅんっ。
あ。
おはな――
たれてきた――
――っくしゅん!!
あ、おにいちゃん♥
うわぁ〜い!
……とまあ、くしゃみの仕草が気を失いかねないほどに可愛らしかったりするのはさて置くとして。なんだかわりと元気っぽいのは、ある意味子供の風邪ならではってところでしょうか。ほら、小さい子って、そこそこの風邪ぐらいだと、あんまり気にしないで遊んでたりする事ありますしね。実際、大人の風邪引きは洒落にならないのに比べ、子供のひく風邪はわりとそんな傾向があるような。
そんなわけで、おはなが出てきたことにもそれほど気にせず、むしろトゥルー俺にこそ反応してくれる虹子さん。そのこちらとしてはむしろ、こんなにも可愛らしい虹子が体液を流してしまっているという事実に、思考が変な方向に向かわないよう必死に自分で抑えないわけにはいかないところだったりするわけですが――
でも、おにいちゃん
きてくれたら、
もうなおったの♥
だーいすき、
おにいちゃん♥♥
……はい。俺死んだ、今死んだよ! などと修造も認定してくれることでしょう。ああ、もう。この王道すぎる天使っぷり。俺の抱いた穢れた雑念などすっきり払い落としてくれるぐらいにその愛くるしさは清らかで――
にじこ、おにいちゃんに――
ぎゅうぅぅ――って
くっついたら。
にじこのおはなも――
おにいちゃんの
おようふくに――
ぎゅうううぅ!
………………。
はい。真に心が清らかならば。ここでごくごく冷静な対応も出てくるのでしょうが……ああ、俺の頭の中は「ご褒美」の言葉が渦巻いており。もっとぎゅうしてぬちょぬちょにしてください虹子さん!(←何か大切なものを捨てた瞬間)
雨の日は――
……
嫌い。
のっけからネガティブオーラな麗日記! なんだか世の中に嫌いなものが多そうな麗ですが、やはりというかなんというか、雨の日もそれに含まれるようで。
っていうか、ついこのあいだ、自分の名前で色々気にしている小雨が気にしていたことを真正面から突いてきてしまっておられますよ。ああ、小雨がまた微妙に気にしてしまう……。もっとも、麗と小雨の仲の良さと、互いの思いやりっぷりは、トゥルー俺ならばご存知の通りなわけで、そこのところはまあ、あまり気にするほどのことではない……のかな?
とはいえ、麗の気性はちょっと猪突猛進すぎて、気付かないうちに小雨を傷つけている……ということも、この場合がどうかはともかくとしても、もしかしたらあったりするのかも知れません。意識上では誰よりも小雨のことを思っている麗ですが、それゆえに見えないところもあるっていうか。そんな不器用なところもいとおしいんですけれどね。たぶん小雨もそう思っているはず。
とまあ、それはさておき。「可愛い」と表現していながらも、お姉ちゃんから貰ったレインコートなどまでも「嫌い」に含めてしまう麗。それどころか、こう雨の日の世界そのものが自分の敵だとばかりに沈み込んでおられます。
この世の中の
ありとあらゆる物が
じとっと湿って――
私の手や髪を――
中途半端に
濡らしてゆくの。
……なんかこの表現に色々よからぬことを感じてしまっていることはひとまず置いておくとして。麗って子は、「世界は基本的に私に優しくない、私の敵」って考え方が根本的にありそうですよね。鉄道好き、まして女の子なのに――って目に対するうち、そんな考え方が身に付いてしまったのかもしれません。
これだけ聞くとちょっと深刻そうですが――まあ、麗に限った話ではなく。思春期までの子には、多かれ少なかれ抱いていてもおかしくない考え方でありますからして、あまり極端に走ったりする事だけは注意しつつも、温かい目で見守っていきたいものです。
まあ、プラレールの変形を気にするあたり、やはりここでも直接鉄道ネタが関係してくるのが麗だなあと思うわけですが、こないだまでの暑さは「もうたくさん!」で、それが冷え込んできて雨になったら「陰気な雨の日」――と。なんか麗って、こういうダイレクトな拒否反応が、誰よりも普通の女の子らしいっていうか――うん。個人的には、こういう姿を見せてくれるのも、この子の大きな魅力なんです。
おまけに――
知ってる?
雨の日の鉄道は
より効率重視になるせいで――
乗車人数の少ない
古い車両の出番が
全く無くなるのよ。
私の好きな、
3000系や5000系は
きっと今日は車両基地で
お留守番。
まったく――最悪な
陰気な秋の雨だわ。
……と、唐突に専門的な面での雨嫌いの理由を語られまして。うん、多分、「おまけ」ではなく、かなりメインに近い雨が嫌いな理由でしょうねコレ。
もうすぐ――
秋休みだな。
10月の――
7日からだっけ?
秋休み! そういうのもあるのか――と、リアルにいい年なリアル俺としては、トゥルー家族と接するうちに知ることとなる事柄がわりと多すぎであり、為になるやら恥かしいやら。
とはいえ、これはあくまで秋休みがある、すなわち二学期制の小学生組にのみ通じる話であり、語ってくれてるヒカルやトゥルー俺たちには関係ない話のようで。
大型連休には家族でどこか遊びに行くのが通例なトゥルー家としては、少々残念という向きもあるのでしょうが、まあ、それはそれで新鮮な感じのお休みになるんじゃあないでしょうか。この家で、小学生の子たち+虹子たちだけが家に残っているという状態はあんまりないでしょうしね。……い、いや、なんとなく不安なような気も……ま、まあ、一日中家が空くわけではないので、心配には及ばないでしょうが。
――とまあ、そんな休みのお話をしつつ、秋の風情――今日は雨模様――を語っておりましたら。
……
――ぐすっ。
……
あれ――?
やだ。
なんか――変。
おかしいよ――
なんで――私。
悲しくもないのに不意に――
涙が出るんだろう?
不意にヒカルの乙女的感受性が反応してしまわれ――。
いや、なんというか、やっぱヒカルって。どう表現すべきか――ええ、やっぱ。「乙女」――ですよね。
もちろん、他に何か理由があったりするんじゃないかと心配もしてみたりするわけですが……
やだ、誤解するな――
別に――私は、
自分に秋休みがないのが悔しくて――
泣いてる訳じゃあ――
絶対にない、んだから――
ええ、ええ、それはもう……っていうか、もし本当にそれが理由で泣いているのだったら別の意味で噴出しますが。そんな、立夏とか夕凪さんみたいな素敵理由での涙――いや、それをヒカルに当てはめてみたら、噴出すのを通り越してシュールすぎて何も反応できないというか!
ともあれ――意味もなく涙が出て仕方ないのだったら、それこそトゥルー俺は、意味なくヒカルの傍にずっといてあげたいな、と。
大変!!!!!
地震が来る――
と、思ったら。
蛍たちの住む街では
ほとんど揺れませんでした。
トゥループチ地震! いや、道民であるリアル俺のところには来ませんでしたが、なにやら揺れた地方では携帯電話に災害警報の特殊呼び出し音がなったようで。そんなタイムリーなネタまで日記に取り入れるだなんて、トゥルーとリアルのシンクロ具合恐るべしと改めて思った次第なのですが、まあそのような事情はさて置き、別に被害が出るようなレベルのゆれではなくて一安心です。
さて、この手の自然災害は恐ろしいものですが、別に被害が出るレベルのものじゃなくても、人によっては怖がったり怖がらなかったりと、感じ方のレベルには差がありますよね。
ここんちはみんな女の子ですからして、わりと怖がる子が多そうですし、そこはそれ、トゥルー俺がしっかりしないとという気分にはなるわけですが、今日のこのことを語るホタ自身はというと、あれでこういうときには歳相応のかよわい女の子って面が強く出てきそうなんですよね。日ごろの家事などではそこらのお母さん以上に頼りになるのとはまた別の面が。
とはいえ、今回のはそんなホタでも怯えきるようなものではなく――それでも怖がらざるを得ない小さい子たちを守ってあげる、いつもどおりのお母さん役が務められた様で。
蛍もすごくビックリして
ドキドキしたけど――
チビちゃん達も
みんなビックリ、
おめめまん丸になって――
蛍の胸にぎゅう〜って、
くっついてました。
その様子はとっても――
かわいらしかったけど。
でも、きっと、
あと――
もう少しで。
泣き出しちゃう
ところだったから――
何事もなくてよかったです♥
ううむ、確かにそれは失神しかねないほどに可愛らしくいとおしい光景であり、それを目の当たりにしたホタと全く同じ感慨が。ええ、かわいいとは思うのですが、まずは何事にもならずによかったなと。
地震に備え、トゥルー家にも非常食などが備蓄されてはいるようですが、この人数分の非常食って……なんかそこらのシェルター並みになりそうでちょっと想像するにすごいものが。あれって賞味期限があるので、定期的に食べて交換したりしないといけないようですが、そういうこともきちんとやっていたようで。
とまあ、そんなとりとめもない話もしつつ――
……
でも♥
こんな時――
お兄ちゃんがお家にいてくれると
蛍たち、本当に本当に心強いです♥♥♥
こんな風に、とことんトゥルー俺を奮起させてくれるような嬉しい事を、改めて口にしてくれるわけですから、こちらもトゥルー俺としての自覚を新たにしなければなと思わずにはいられませんですよ。
頼れる大好きなお兄ちゃんに――
もし今度本当に地震が起こったときには――
蛍が――今日のあーちゃんみたいに、
ぎゅうって♥♥
くっついちゃっても
いいでしょうか?
うふふっ――♪
ましてやこんな甘えん坊攻撃まで! ホタさんホタさん、その「ぎゅう♥」っていうの、あさひさんと同じといえば同じ感情もあるのは間違いないでしょうけれど、たぶんイコールではないというか、そこに♥マーク分の何かがプラスされているような気がするっていうか確信が! ああもう、女の子だなあ改めて!
忙しい忙しい、
忙しい〜っと!!!
えへへへへ――♥
なにしろ――
今日でいよいよ、
9月も終わり!
タイトルの時点でY=夕凪さんが何かアレなことを、と瞬時に理解できてしまった今日の日記! 早くもwktkが押さえきれないぐらいですが、なんというか夕凪さんは、秋のこの時期になると、なにかやらかしたくて仕方なくなってしまうのでしょうか。ええ、去年のトゥルー兄拉致事件はまだ記憶に新しく。
ともあれ、夕凪さんのこのうきうきっぷりには、不安とそれと表裏一体のわくわくを否応無く感じてしまうわけですが、それはさておき9月終了のお知らせ。ううむ、時間が経つのが早すぎると思いつつも、どうやら夕凪さん的にはそれがトリガーでもあるらしく。
そして――
いよいよ!!
――エヘンッ♥
エヘンエヘンエヘンッ!!!
なんとぉ――
明日からは!
10月がっ!!!
始まっちゃうのです〜♪
……俺のリアル人生においても、10月の到来をこれほどまでに嬉しそうに祝福している人というのを初めて見ました。いや、エヘン連呼とか可愛すぎるとは思うのですが、さすがにこの状況では、そんな可愛らしさに酔いしれるよりも先に、「……なぜ」という言葉が口をついてしまうのも無理なからぬ話。
さすがにこの唐突さは夕凪さん自身も理解しているようで、可愛らしくフォローしつつ、説明してくれるわけですが――
ねね、あのね。
お兄ちゃんに――
すっごいヒミツを
教えてあげるっ☆
あのね――
10月はね、すごいんだよ?
10月はね――なんとぉ!
魔女の月!!!!
なのだ♥♥♥
………………お、おう、魔女の月でありましたか!
……トゥルー俺がはたして、この夕凪さんの発言に対し、適切なリアクションを取れたか不安なのですが、まあ夕凪さんですから、こちらの反応はわりと繊細に気にしつつも、それ以上に自身の勢い任せに突っ走ることのみと何の疑いも無く突き進んでくれることでしょう。そこが夕凪さんの夕凪さんたるがゆえん。
とはいえまあ。要はハロウィンのお祭りの月、という意味においては、素直に嬉しい月であるというのは別に不自然でもなんでもないですね。マホウうんぬんを抜きにしても、小さい子にとって心躍るイベントであることは間違いないですし。
さて、夕凪さん的には、例のトリックオアトリートでお菓子が大量摂取できるという点も大いに大事なのでしょうが――真のお目当てはやはり。
みんなみんな――マホウの世界から
この世界に現れてきたんだよ♥♥
こんなに――魔女とお化けの出てくる月は
もっちろんマホウパワーも無限大だもんっ☆
だから――夕凪のこの秋の
スペッシャルマホウ計画!
その準備で――今、夕凪は
とぉーっても忙しいのです!
……とまあ、事情としてはこのようなところでして。確かに、マホウ使いを名乗る夕凪さんにとっては、極めて大事なつきなのだと俺もなんだか理解できてきたような気がしないでも有りません。そういうことにしておく。
しかしながら、肝心の「何をするか」が明らかになっていないのが、不安というか、きっとアレなことになるであろうという確信があるというか――ええ、氷柱に知られたらきっと殴られるであろうという類の。
そんなトゥルー俺の心境を見抜いてか――いや、きっと関係なく――その「プロジェクトY」に、夕凪さんは当然とばかりにトゥルー俺を誘ってくれるのでした。
あ、お兄ちゃんも入る?
夕凪のマホウ計画、プロジェクトY☆♥☆
絶対誰にもヒミツにする誓いを守れるなら、
教えてあ・げ・る♥♥
誓いの印はモチロン――
チュウ♥だよっ☆☆☆
さあ、どうぞっ♥♥♥♥♥
ああ、このハートマークの乱舞っぷり……夕凪さんのはしゃぎようが最高潮であることを端的に示しております。個人的にはむしろその誓いの印そのものを目的にしたいぐらいであり、夕凪さんにとってもむしろ単にちゅーしたいからという欲求のみでその場で思いついた条件という気がすごくするわけですが。
ただ一つ、思うところがあるとしたら――多分絶対、夕凪さん自分自身で秘密をナチュラルにバラしまくるのだろうなあ……と。遠い目をしつつ、この無垢すぎる愛しい妹のはっちゃけを見守ろうかと。
べびプリ日記への感想や、誤字・ミスの指摘などございましたら、こちらからどうぞ。(返信)
↑今月の最初へ
← 前の月へ / べびプリトップ / 次の月へ →
→ 『好き好き大好きっ』へ戻る