今日から7月。
まったく――
あのバカくさい、
ジューンブライド、
とかいうたわごとの季節も――
やっと終わりね。
ホワイトデーだけじゃなくってジューンブライドも嫌いだった氷柱! なんというか、氷柱が心安らかに過ごせる季節というのがなかなか見当たらないように思えます。なんにもない11月とか好きだろって言ったりしたら、それはそれでなんかすごく嫌がりそうな気もしますしね。とにかく難しいお年頃の氷柱でありますが……
これで夕凪のジューンブライドマホウの
かけ声を聞かなくてすむようになるかと思うと
せいせいするわ!
またも夕凪さんと氷柱の組合せが。これはなんというか、性格的な相性っていうのもあるんでしょうけど、逆に言うと、ツッコミ体質の氷柱と、誰かにかまって欲しげなところのある夕凪とで、ある意味正しく補い合ってる関係なのかも知れないなーと思ったりも。仲が悪いとかそういうことでは決してないですからね。
まあそれはさておき、「本当にバカみたい!」と、日本でジューンブライドをありがたがることの愚かしさを熱弁する氷柱。まあ実際、これだけ蒸し暑い日々が続くと、そんな風にも思ってしまいますよね。そんなわけで、うんちくを述べつつぷりぷりしてる氷柱の姿を眺めつつ、ああ、今日も氷柱は可愛いなあと、日常風景のごとくまったりできるぐらいにはリアル俺もトゥルー的経験値が備わっては来ている今日この頃。
……などと思っていたら、どうやらただただニヤリングしているだけでは収まらない事態が、なにやらすでに生じていたようで。そもそもなんで唐突にジューンブライドの話なんて出てきたかってことなのですが……
だから――
こんなことで浮かれるのは、
年中頭にマホウがかかってる夕凪と――
やっぱり年中頭に春風が吹いてる
春風姉様くらいかと――
思ってたのに。
まさか――
まさか――
……
ヒカル姉様が――
やばい思い切り聞かれてた。いやまあ、聞いた聞かない以前に、これ一応交換日記ですからね。基本的にやり取りは他の姉妹に筒抜けとなるのが当たり前ではあるのですが、時折そういう理論を超越した感じの存在になるので、そのあたりのことをちょっぴり忘れがちにも。
まあともあれ、先日のヒカルの一件については、昨日の発言で「勢いで言っちゃったのは確かだけど、別に全く思っていないことってわけじゃないよ」っていうことが本人の口から判明したわけですからね。トゥルー俺的にも衝撃的でしたが、それは周りの子にとっても同じなわけで――そして、真っ先に反応したのが、多分姉妹の中で、一番独占欲が強くて甘えん坊な――氷柱だったというのは、ニヤリングしつつも大いに頷けるところ。
……
ウソよね?
やっぱり、私の空耳よね??
……
バカ!
こういうときはイヤでもウソって
言いなさいよ!!!
ほんと、気の利かない下僕。
……さて。ヒカルのあの発言で、大いに焦りつつ当り散らしつつも、なんだかんだでおおよそのところをキチンと冷静に把握しておられる氷柱。分かっていながら、こうやってトゥルー俺に罵声と言う形で寄りかかってきてくれるのが、可愛いんだよなあ……って、のほほんと喜んでいる場合でもないのですが、つい思ってしまいます。
あの「ケッコン」が、もし本当に行われるとしたら、そりゃあ姉妹としては、慌てるのが当然といえば当然。氷柱にとって、大事な姉と、常に下僕下僕と呼んで縛り付けておきたくて仕方がない存在であるトゥルー俺とが、両方いっぺんに遠いところに行ってしまうというのと同じことですからね。こういう方向での焦燥感、ほんと、妹らしい可愛らしさです。
言っておくけど――あんな約束、
1年で時効だから。
まさか信じて待つほど――アホじゃないわよね?
とりあえず、俺理論を提唱しつつ、釘を刺してくる氷柱。何が基準で一年なのかはさておき……ああもう可愛いなあ!
もうすぐ、たなばた!
にじこ、しってるの。
ささのは、さらさら♪
して――
おりがみで、
うみのかざり――いっぱい!
まずタイトルの「おりしめさま」で即悶死したわけですが、その後の「ささのは、さらさら♪」でさらにダメ押しされましたでござる!
っていうか、虹子って今までお姫様とかの「さ行」ってちゃんと発音できてたような? いやまあ、実年齢を考えたらこのぐらい口が回らなくてむしろ自然なぐらいなんですが、そういう理屈以前にそもそも、この舌っ足らずさが反則レベルの可愛さなのでその時点で思考停止を俺の本能が選び取りました。
さて、ちょうど七夕季節ということで、トゥルー家もさっそく行事モードに突入しておられるようです。虹子にこんな可愛く「なんでも――おねがいがかなう日――なのよ♥」とか言われた日には、そりゃあ俺が七夕だ!と全力で主張したくなるわけですが……ううむ、何度聞いても虹子の「おりしめさま」は……父性直撃しすぎて寿命が縮みそう。
にじこのおねがい――
かきかき、します♥
でも――
にじちゃんは、
じ、かくの、
むずかしいから、
おえかきで――
かきかき♥
…………ううううううううう!(←悶絶中) こういうときにさりげなく自分を「にじちゃん」って言っちゃう虹子マジ天使な小悪魔!
さすがに字を書くのはまだ難しいという虹子ですが、絵を描かせてみれば、少なくとも麗以上というのはすでに証明されてますよね。というか俺たちがよく知ってるフレディのご尊顔は虹子が描いたものそのまんまという気が。
見てみて!
おにいちゃん――♥
にじこ、すっごいじょうず?
おしめさまの絵!
ピンクのドレス――
ふわふわのお花のようせいさんみたい?
クスクスクスクス――♥
そんなこと言ってたらなんか虹子の可愛さ即死攻撃が猛ラッシュで来ておりました。……い、生き残れない……! この、なんともいえないおしゃまさんっぷりと、自分の可愛さを褒めてもらいたくて仕方ないというこの女の子オーラが、いつものことながらたまりません。幼児の可愛さと小悪魔系女の子というのが同居しうるということを俺に教えてくれた子ですよ虹子は。
そんなわけで、お願いするまでもなく虹子は世界一かわいいおしめさまだよと思いつつ、法改正さえ通ればすぐにでもお婿さんに、とも。
明日は――
夏のプール授業の日です!
プール授業! すなわち水着水着水着……と即座に星花たち小学生組の授業中における生々しい水着姿の妄想を脳内で展開させるリアル俺ですが、そんな煩悩はさておき、やはり星花はプール大好きって感じですよね、いかにも。
しかしながら、屋根のないプールの学校にはつきものの悩みとして、やはり雨による中止がかなりあるようで。「あるんだもの――」という言い方にちょっと女の子らしいなあという印象を抱きつつ、星花の語る雨の日のプール授業の様子に、なんだかノスタルジックな気分にも。
今にも降ってきそうな
どんより灰色の空の下、
何回も空を見上げながら――
それでも――いつの間にか
水しぶきに夢中になって、
みんなで大歓声のプール。
でも気がつくと――
パラパラぽつぽつ。
大きな雨の粒が――
頭のてっぺんに降ってきて。
うわあ――
みんな大騒ぎになっちゃう。
上がるかどうか迷っているうちに
雨で体が冷えてきたら――
思い切って水の中に飛び込むと――
雨よりもあったかいプールの水が
とぷんって――優しくて。
……星花って、こういう雰囲気の語り方が、なんというか……上手いですよね。ここんちの姉妹はみんな感性豊かなので、星花に限った話ではないような気もしますが、星花は特にこういうものの感じ方が率直で、透明感が高いというか……ちょっといいなって思います。
そんな雨の日のプールの感覚に思いを馳せているうち、ダイビングに思い至る星花。この子はもう少し大きくなったら、こういうアウトドアスポーツにどんどん手を伸ばしていくんだろうなって気がしますよね。またそれが似合いそう。
その時のバディはお兄ちゃんにぜひ――
お願いしたいなぁ、なんて♥
えへ☆
そして、さりげなく鋭い可愛らしさを見せてくれるのもまたいつもどおりの星花! 星花ほど「えへ☆」が似合う子、探してもなかなか見つからないような。
にしても――明日は星花のプールです。
学校で着替えるのが恥ずかしいから、
やっぱり、家から水着を着ていった方がいいかなぁ……
……とか思って浸っていたら、なんか非常に生々しい発言が。……これって、男の子でもけっこうムレるのに、女の子の水着でやっちゃうと、どうなんでしょうね。まして今は梅雨どきなワケですし。男の子の身では窺い知れぬ女子世界のミステリーです。
明日はいよいよ
七夕で――
家の中は――
みんなが学校や幼稚園から
持って帰ってきた――
笹の飾りでいっぱい!
トゥルー家族の中では、こういう行事のたびに飾り物でいっぱいになる光景、もう定番って感じですよね。とはいえ、トゥルー時空的に、この手の催しを体験するのは1年+αということになってしまうのでしょうが、リアル側からするともう定番という感さえ。
とまあ、そんな風に行事には全力なトゥルー家族ですが、さすがに長女の海晴姉さんは、そんなみんなを見守るのが当然って感じのスタンスであり。まあ、海晴姉さんが本気で短冊にお願いしてたりしたら……いや、それはそれで!
とはいえ、やはり海晴姉さんの楽しみは、そういうのとはもっと別の方向であり、
もちろん願い事を書いた
短冊もびっしり♥
目の前で見ると怒ったり
恥ずかしがったりして
隠す子もいるから――
みんなが寝てから――
こっそり♥
寝る前にちょっと1杯☆
おいしいモノなんて
飲みながら――
ゆっくりチビちゃんたちの
お願い事を見るのが――
お姉ちゃんのお・た・の・し・み♪
ウフフフッ――♥
……ううむ、まさに海晴姉さん! まあ、短冊のお願い事は、見えるように飾るものですから、別に海晴姉さんがピーピング的なことをしているわけではないのですけれど、普段が普段なだけに、こっそりトゥルー俺の部屋にあるベッドの下を除いちゃおう的なノリを感じてしまいます。ともあれ、麗あたりモロに怒りそうですよね。恥かしがりそうなのは、小雨とか。
それはそうと、寝る前の一杯……海晴姉さんってまだ二十歳前……まあ、何を飲むかは明言されてはいませんけれど。しかしそれにしても、海晴姉さんがやたらと年上に思えてしまうのはこういうところに原因があるような気も。
みんなのお願いは、それぞれに「らしいなあ」って感じの微笑ましいものですが、「ドラミちゃん」……夕凪さんからは少々ギリギリ感も。まあこれでこそ夕凪さんではありますが。
キミのお願いは――
なにかな?
ほら 短冊はコレで最後の1枚。
締め切りは今日までよ?
なんでもいいから――
お願い事書いておいたら?
と思ってたら、トゥルー俺に話が振られまして。ああ、お願い事を書かされる羞恥プレイ……という見方も出来ますが、「もしかしたら、かなうかもしれないじゃない♥」の言葉には、からかうよりもっと、素直に素敵な気持ちが感じられるので、ここは照れたりしない方向で。
海晴お姉ちゃんのお願いは――
今年もやっぱり。
家族のみんなが健康で幸せで
ずっとずっと一緒にいられますように――
かな?
もちろんキミの分も入ってるよ♥
ほら、こんなに立派なお姉さんなんですから。
ぷぅ♪
ぷぅ♪
おしりがぷぅ?
おならがぷぅ♪
すわ、トゥルー家族おなら祭り!? ……と思ってしまう書き出しですが、いかに青空とはいえ、そういうことではないようでちょっと一安心。いやまあ、青空ぐらいの子なら別になんの問題もないのですが、虹子あたりからそういうお尻からのガス関連の事柄を関連付けて想像してしまうと……ち、ちょっとヤバいので。……はい、虹子から上の子の放つそれに関して、リアル俺は、性方面の感情を抱かないでいられる自信がまったくありません。
どうやら青空以外のみんなが「ぷぅ」してるのは、せっかくの七夕だというのに、雨模様……どころの話じゃない天気に対してのようですね。そりゃあ、昨日の海晴姉さんの口ぶりからしても、相当の準備をしていたでしょうから、気持ちはよく分かりますが……はたしてどのぐらいの子が、こうやって分かりやすく「ぷぅ!」してるんでしょうね。夕凪さんあたりはまっさきに思いつきますが、他は……立夏さんも中学生ではありますが多分含まれ、あとはマリーたち園児組。麗もきっとむくれっつらがふと自然に。これでユキあたりが「ぷぅ」してたらいいなあ俺が幸せだなあ、と。
しかしながら、そんなみんなの不機嫌を、まだ1歳で、七夕というのを自覚するのが恐らくは初めてであろう――トゥルー3年目なのはさておき――青空には理解できないようですね。それどころか、ふくれっつらを面白がっている様子。
あめこんさん――
こないでこないで、って。
みんなのおくちと
ほっぺが――
ぷぅぷぅぷぅのすけ!
おこりんぼさん♥
……いくら怒ってたって、青空のこんな楽しそうな姿を見たら、それだけで気が済んでしまいそうな。とか思ってたら、トゥルー俺にもリクエストが。
おにいちゃんも――
ほっぺ、ぷぅ♪
そら、ぶぶぶって――
つぶすのすけ!
おくち、かゆかゆ、なるよ☆
……あー。これはやるなあ小さい頃には。とはいえ、思いっきりやってしまうと、口がかゆかゆどころか痛くなってしまうので、ほどほどに。
昨日は不快指数が
80%を超えていたって――
今朝の天気予報で
海晴お姉ちゃんが
言ってましたね。
定番の世間話であるお天気の話について、海晴姉さんという身内を常に絡められるのは、この家の持つ大きな特徴の一つですね――と、話の切り出しの時点でふと感心した次第。ええ、天気の話ってホント会話の中では基本みたいなものなんですけど、この家ではそれが身内の話としても通じるあたり、実に特徴的で面白いなあ、と改めて。姉妹の名前にそれぞれ天気が絡む子が多いのもそれを助長してますよね、小雨とか。
そんなわけで、この日記で天気の話題が語られることがおおいのも、そういう要素があるからなのだろうなあ……と思いつつ、今日のお話は、ここ最近の蒸し暑さについて。
七夕にして生憎の空模様だったことについて、「夢の中だけでも――会えてるといいんですけど♥」と思いを馳せる優しいホタではありますが、そんなホタをしてさえ、このジメジメ天気には参ってしまう様子。体も服も湿り気を帯びたホタ……と思うと、なんだかいけない気分も同時に高まってきますが、それはそれとして。
制服のスカートも
すっかり湿って
重くなって――
なんだかもう――
さすがの蛍も――
少し疲れてきそう。
……とのことですが、ホタってわりと、自分がタフだという自覚というか、自負があるみたいですね。そりゃあもうまさに事実ですし、もっと誇って良いぐらいですが、普段が常に控えめなホタなので、こういうさりげない無意識の自己主張がちょっと珍しく、同時にいとおしくもあり。
ただ、逆に言えば、普段は言いそうもない自負さえ口をついてしまうぐらい、蒸し暑さでグロッキー状態ということでもありそうで、兄としてはただただ感心しているわけにもいかず。当然何かしてあげたいと思うわけですが――
……
ああ、こんな時は――
もう、やっぱり――
お兄ちゃん。
ちょっとお背中貸してください♥
ちょっとだけこうして――
……
くっついていさせて♥
ああ――ホッとするな。
パワー充電って感じ♥
突然の密着スキンシップ! ホタはときどき、突然こういう大胆な行為に走る子ですが……いや、それはまあ、余計蒸し暑いのではという思いはありますがたとえそうだとしてもトゥルー兄側に断る理由は一つもないわけであり、しかしながらそんなにピットリとくっつくと、ホタのその豊満な成長振りからして、ちょっとした問題があるようなないような、それにもしや気付いてないんじゃという焦りが生じるわけでして。
……などと、動揺しまくるトゥルー俺の気持ちなどお見通しとばかりに――
あ、ホタの胸が背中に当たるのは
気にしないでくださいね。
ちょっと熱くて、
ごめんなさい――♥♥♥
―― 自覚、 しておられた ――
すわ、ホタ、「あててんのよ」技能体得!? ……いや、この反応は、なかなかに判断が難しいところ。背中に当たる感触で脳がパニックになっていることを考慮しなくてもこれはちょっと難解というか――
とりあえずホタに、「自分の肉体でトゥルー俺を誘☆惑」みたいな意図は、ない……はず。ないと……思いたいわけで。いやまあ、女の子はすべからく魔物でありますからして、ありえない話ではないのですが!
しかしながら、俺たちのイメージするホタという子からすれば、「別に家族だし、気にしなくていいよね☆」という、いわゆる天使的なまでに無垢な意識から、純粋にスキンシップでやる気補充を、と考える方が妥当かなと。……ええ、それを受けるトゥルー俺のほうが、そこまで無垢ではいられないという大問題こそありますが。
うらっぱ!
らっぱ!
らっぱぱぱ――
うんばっ!!
あびぼびばぼえ――
荒ぶるあさひさん! ……いやまあ、この赤さんはいつも大抵、荒ぶっておられるといっても過言ではありませんが、今日はなにやら激しそうな口調が見て取れます。「あびぼびばぼえ――」とかなんてYASEI――!
ともあれ、翻訳先生にさっそく訳していただきますと、
あつすぎるよ!
あついよ!
おむつのなかに――
あせもができるじゃないかっ!!
あ〜、だれかかいてくれないと、
おむつべりべりとっちゃう――
……うむ、流石のYASEIぶり。のみならず、さりげなくクライシス状況じゃあないですか。赤ちゃんの肌は宝石よりも大事にしなければならないものですし。ここ最近の蒸し暑さのせいでしょうが、至急対策を施さねば。あさひさんが自力で「クロスアウッ!(脱衣)」してしまわれる前に!
今日も暑いですね。
おまけに雨も降ったり
止んだりで――
やっぱり、じめじめ。
お肌もじっとり
なんだか気持ちの悪い
梅雨のお天気。
むう、ユキにとって天候の話は、体調に絡んでくる分、たんなる話題としてだけ受け止めるわけにはいかないので、この不快指数には少々気を配らねばという思いもあるわけですが……まあ、今のユキなら、大きな問題ってわけではないですね。ユキ自信が言っているのも、あくまで話のつかみであり、本題はというと――
だって――
いよいよ今週が
終わったら――
知ってましたか――
お兄ちゃん♥
……「お兄ちゃん♥」。
あのね――
くすくす♥
……「くすくす♥」。
小学校は――
いよいよ、
夏休みに入るん
ですもの!
うふふっ――♥
……「うふふっ――♥」…………って、このハートマークつきの喜びはにかみ三連撃ッッ!! ユキさんあなた、自分の笑顔がまさしく天使の微笑みであり、兄に対して効果的すぎると知っての行いですかそれは。もちろん、無垢なユキはごくナチュラルにそうはしゃいでいるのでしょうが、無意識レベルでは、こういう自分の姿で、兄をたくさん喜ばせてあげられる……という思いがあるのも確かじゃないかなあとも思うわけでして。ああ、天使にして魔性。その矛盾をあっさり内包するユキという子はなんという逸材か。
まあそれはさておき。学校のお休みが近づく事に、喜びを感じられるユキというのも、これはまたとても感慨深い。そのことは本人も言ってますが……ええ、たとえ友達と会えない日々であろうと、やっぱ小学生にとって夏休みは奈ににも変え難い喜びですからね。あのユキが、そんな普通な喜びを味わえるようになったことに、改めて幸せを噛み締めないわけにはいかず。
でも――やっぱり♥
毎日お兄ちゃんと
いっしょにいられる
夏休みは、
とおーっても、
とぉーっても、
1番しあわせ!!
――ですもん♥♥♥
――そして放たれる超天使砲。
こ、このはしゃぎ方……テンションが昂ぶりすぎて、「いっしょにいられる」と「夏休みは」を溜めて区切ってしまうほどに楽しげなユキの姿は、本来極楽浄土とかでないと味わえない類の法悦をトゥルー俺にもたらしてくれるわけですよ。ああもう、ユキと夏休みに思う存分ユキユキしてもいいと?
とりあえず、「みんなの夏休みを
お祝いしてるみたい」という捉え方に高濃度の天使性を感じつつ、花火に浴衣に、ユキの夏休みへの思いは昂ぶって昂ぶって仕方ないようです。
お兄ちゃん、手をつないでいこうね♥
そしてとどめとばかりにこのセリフ。幸福夏休みが近づいてきています。
あーあ。
つーまんない!
つまんないったら
つまんない!
だって――
今日も学校の
プールの授業が
ナシになっちゃったんだもん。
夕凪さんがたいそう可愛らしいリアクションでプール授業を受けられない不服を訴えておられる! それはまあ、夕凪さんでなくとも、小学3年生ぐらいの子で、プール授業が潰れて不満に思わない子はそんなにはいないと思いますし、これも先日星花が危惧していたとおりというべきか、想定されうる事態ってことで。
それよりも個人的には、もっとびっくりな事実がさらりと明かされていたわけで。
せっかく――
水泳カードも忘れずに
持って行ったし、
いっつも高めな夕凪の
お熱も36.8度で、
問題なーし! だったのに。
ちょ、36.8度いつもより低めな体温で問題なし!? いや、それって普通の子だと風邪寸前もしくは直りかけの温度っていうか……夕凪さん平熱めちゃ高いんでしょうか。なんというか、ネコみたいな……うん、まあ、医学的な面からはわかりませんが、イメージとして夕凪さんの体温が実に高そうっていうのはよく分かる話。そりゃあ夕凪さんあたりが抱きついた日には、吹雪が一瞬で眩暈を起こしそうですものね。
ともかく、夕凪さんの体温については、これがおおむね常態ということで、別に今ことさら心配する必要はないのかもですが……まあ、心配してもしょうがないですよね。今はそれよりも、「もう!
にくったらしい、
ポツポツ雨のヤツ〜っ!!」と、ふだんの体温以上に夕凪さんの怒りが有頂天なことを気にするべきか。
ここのところこの日記でも頻繁に話題にされる、この時期の天気について夕凪さんも語っているわけですが――
ホントにもう!
ハッキリしないんだから。
ハッキリしないヤツは
男子も女子もモテないんだぞ?
ご、ごめんなさい。……って、なんか思わず謝ってしまいました。夕凪さん、この手のおしかりモードなノリも似合うなあ。普段自分が叱られる側なのですが、その逆のノリも可ということを新発見。
その他にも、「よけいがっかりしちゃうよぅ」「プンプン!もう、夕凪怒っちゃう」と、実に夕凪さんらしい可愛い怒り方を見せてくれてもいるのですが、やはり上記のちょっとおませな(対男の子風)お説教モードがいいなあ。ちょっと新しい何かを開拓させられた気分です。
とはいえ――
ザンネンムネンすぎるよぉ〜!!
だから――
ね〜、おにーちゃーん♪
こんな、がっかり夕凪に
元気出す力をわけてわけて〜♥
夕凪ね、お兄ちゃんが――
夕凪にちゅーしてくれたら、
そこから、お兄ちゃんの元気が
流れてくるような気がするんだけどなっ♪
お兄ちゃんもそう思わない?
えへへ♥
いつもの傍若無人な甘えモードに突入ですよ。ああもう、この数年で何度も何度も味わってきたとはいえ、夕凪さんのこの高い体温を感じつつ擦り寄られることの喜びよ……。「わけてわけて〜♥」で脳が溶かされそうになりつつ、ちゅーの誘導尋問に思わず乗ってしまいそうであります。
昨日から――
全国各地で大雨のニュースで、
海晴お姉ちゃんもなんだか
少しピリピリして――
忙しそうです。
日本国内で天候に異変が起きた場合、トゥルー家族にとってはそれは即、身内に降りかかる大変な状況となりえるというこの現実! はい、海晴姉さんお天気お姉さんですからね。他人事どころかまさしく自分のお仕事そのものなわけで。
そりゃあまあ、直接被害にあってる人とは比べられないでしょうが、全国のあらゆる天気が自分の仕事に関わってくる以上、さすがの海晴姉さんも社会人としての重責にピリピリしてしまうのもやむなきこと。「朝の予報が終わってからも
今日は何があるかわからないから」って言葉が事態の重さを伝えてくれます。
そこは当然、家族としてフォローしてあげられることは全力で……と思うわけですが、海晴姉さんの場合はたぶん自分からトゥルー俺や妹たちに癒しを求めてきてくれると思うので、そこはいくらか安心かな、と思う次第。……ええ、わりととんでもない癒され方を求めてくるので、その後トゥルー俺がわりと大変なことになることは今は考慮しない方向で。
……などと、海晴姉さんの大変さに思いを馳せる俺ですが、そこはそれ、小雨だって、他のみんなだって、気持ちは同じ。
だから――こんな時には
ただお家の中ににいて
ヤキモキするばっかりで、
何の力にもなれない私達だけど――
少しでも海晴お姉ちゃんを
見守るような気持ちで――
テレビをつけます
……こういうところに、家族の絆をはっきりと感じます。いつも感じているといえば感じているのですが、こういうときにしか見えないものだってありますしね。
しかしながら、テレビから伝わってくるのは、各地の深刻な状況。そりゃあ、小雨でなくとも胸が詰まってしまいそうですが……
こんな時――
何にもできない自分の
無力さが身に染みます。
って――
やだ……
何言ってるんでしょう、
小雨ったら。
小雨なんかが何かの役に
立てるはずもないのに。
……と。この小雨の意見……というか、感じ方。実はすごいって思うんですよ。決して、他人事として見ず、自分に何かできるかということを前提にこういう映像を見ることが出来るっていうのは。
そして、そんな小雨だからこそ、「もし小雨が大きくなったら、その時には――やっぱり困った人の役に立てるようなお仕事ができたらいいなって」という将来の夢を語れるわけで。なんとなく小雨には、看護婦さんっぽい印象がもとからあるんですが、まさにそういうイメージどおりの思いを抱いてもいたんですね。
お医者さんや看護婦さん、そして自衛隊の人……こちらはたまたまテレビに出てきたから出てきた名前なんでしょうけれど、小雨の自衛官姿というのを想像して、「……む、む!?」と思わず俺内部で小雨イメージのレボリューションが。これは……案外……。
小雨はひどい臆病者ですけれど、
将来それを克服して――
そんな立派な仕事ができるようになるでしょうか?
……自分が臆病だと自覚できる人は、本当は臆病なんかじゃない、という言葉を持ち出すまでもなく、きっと小雨にはそういう立派な仕事が相応しいだろう――というのは家族としての意見ですが、決して的外れでもないと思う次第。さすがに自衛官を選ぶかどうかは分かりませんが……それはそれで。
まあやはり、本命は看護婦さんで、「お兄ちゃんがお医者さんで、小雨が看護婦さんとかなら――」などとさりげなくアピールしてるのも、小雨らしいなあと微笑ましくもありますが。
せめて――今夜は。
これ以上雨の被害が出ませんようにって。
お祈りしながら眠ります。
天使――というよりも。人としてあるべき優しい姿、みたいな。小雨のイメージってそんな感じですよね。
今日も――
暑いですね!
この週末は、
町内のお祭りです。
……最近ですね、春風さんの言動を目の当たりにするたびに、即座に「さあ、この単語から、一体どんな春風さん的解釈でトゥルー俺に迫ってきてくれるのか」と思ってしまう自分がいるんですよ。まあ、実際の春風さんによる今までの言動を見る限り、そういう条件反射を会得してしまったとして、一体誰が俺を責められるかという思いもあるわけですが、そこはそれ、トゥルー俺はいつでも紳士たれという信条からすると、やはりどこかで自重せねばな、と。たとえ春風さんの方がどれほど自重しなくても!
などという状態ですからして、今日のこの出だしのお言葉からも、(「暑い」……薄着になって、恥かしがりつつも見せ付けてくる!?)(「お祭り」……浴衣を着て、下着を着けてないんです的なアピールを!?)という紳士にあるまじき妄想が一瞬で沸いてきてしまうわけなのですよ。ああ、なんという許されざるトゥルー俺。
しかしながら……恐ろしい事に、その即座に思い浮かんだ妄想が、実際の春風さんの言動とさほど差がないというこのトゥルー現実に、俺は一体どう立ち向かっていくべきなのでしょうか。
はい。お祭りの話を切り出した春風さんは、わたあめという女の子らしい単語も出しつつ、やはり一直線に、「浴衣」の話題に全力疾走してしまわれまして。そりゃあもちろん、可愛い浴衣は女の子ならたいてい誰でも好むところでしょうが――
だって――
それはもちろん!
私の大切な王子様に――
春風のかわいい浴衣姿を
見てもらいたいから♥
――きゅん♥♥♥
――真夏の春風(はるかぜ)、猛風速でさっそく襲来。まあ、このいわゆる「頭に春風」モードにはさすがにもうなれたものではありますが、さりげに「かわいい浴衣姿」と自負が見受けられるところが侮れません。そりゃまあ、「浴衣姿」のことを指してるわけですが、そもそも春風さんぐらいの美少女があまり自分を卑下していたらそれこそちょっと嫌味ですしね。
まあそれはさておき。浴衣そのものではなく、浴衣のときの髪型のお話が。ええ、春風さんの長くてふわっとしてそうな髪型は、もうすっかりお馴染みではありますが、それをアップにするというのですから、そりゃあトゥルー俺とて男子としてドキリとせずにはいられないということは言われるまでもなく。
ただ、春風さんの解釈は、そんな領域をはるかに超越しておりまして――。はい。髪の毛をアップにするということを、まさか……こんな……
いつも大事に、
隠しているところを――
丸出しにしちゃうって
全部――
見られてしまうんだわ…
って思うと――
ちょっぴり恥ずかしいですけど――
……
でも、あなたに、なら♥
――さすがのリアル俺もこの領域には手が届いてませんでした。
……春風さん、あなた、髪の毛について、そこまでの発想……。いや、これは、本気で、リアル俺も変態紳士としていささか自負がありましたけれど、これはちょっと、やられました。ええ、発想できなかったうえ、確かにこれはそそられてしまう……どんだけ逸材なんですか春風さんは!
「あなたに見せたい、
夏のうなじ♥
良い匂いがするように――
石けんは何を使おうかな♥」……なんて、ご機嫌に思いを馳せている春風さんはもう、何かを超越した逸材としか表現しえないお姿なわけですが――
あ、もちろん――
ぜんぶ王子様だけのモノだから、
好きなだけ――
さわってもいいんですよ……
春風、もう覚悟は出来てますから♥
だから、いつでも、
きて――♥
強烈極まる直接攻撃もすかさず放ってきてくれました。……いや、もう、本当に。トゥルー俺は、この春風さんのきゅんきゅん攻撃に、どうしてこう何年も耐えていられるんでしょうか。いやまあ、他の姉妹の手前とかもあるとは思うんですが、この勢いはそういう障壁を乗り越えられるレベルですよ。
もし、声が出ちゃっても
許してくださいね?
――きゅぅうううん♥♥♥
……この「声」も、わりと生々しく想像できてしまうのが……。
おにいちゃあ――ん!!
見てみてみてみて!
にじこのうで。
おひじの上の
ここんとこ――
ぽっちり、ぼっこり。
まっかのポッチン。
できちゃった!
よし、落ち着け。まずは落ち着くんだリアル俺よ。
……い、いつものこと、このような表現はトゥルー日記においてはいつものこと……だ、だいたい、虹子のぽっちりと言われたって、そもそもこの子は一応二歳児であり、それこそ蚊に刺されたあと程度のものでしかないわけで。……と、そこで俺の頭の中には、「女の子の肌に虫に刺された痕があると興奮する」というジョニー・ジョースターの性的嗜好を思い出し、ますます取り乱してしまうわけですがとにかく落ち着きましょう俺。
ええ、今の俺がなすべきことは、「うわぁーん、かゆかゆ!!」と泣いている虹子にラナケインなどを塗りこんであげることであり、蚊に刺されたところと別のぽっちんを間違えて大変なことになってしまってさあどうしようという煩悶に――だから落ち着きましょう俺。
にじちゃんのこと、
さすなんて、ひどい!
わるいわるい、虫さん!!
めっ!
……などと思っていたら、虹子によるおしかりの表現に、これまた新たな自分が開拓されていくかのような快さを覚えてしまうわけでして、この二歳児はどうして一挙一動で俺の心をこれほどまでに乱してくれるのだろうと改めて。
ええ、虹子みたいな、ちょっとオーラのある幼児に、「めっ」ってされたり、誰かに「めっ」することを強要されることの喜び……ちょっとした新次元ですよこれは。
虫さんたいじ!
えいえいえ〜い、の
ぺっちんこうげきっ!!
うふふふふっ♥
かっこいい、おにいちゃん♥
にじちゃんを守ってくれる、
ナイトさん♥♥♥
……これはまたなんだかゾクゾクするシチュエーション。まあ、虫に対して容赦ないのは、青空をみても分かるとおり、小さい子特有のものなわけですが、虹子にはそれにこの……なんだろう、男心をくすぐる要素がこれでもかというほどに付与されておりまして。……ああ、この頼られ方が心地よいような、逆に虫そのものになってぺっちんと圧死されたいような……とにかく虹子は次々に新しい俺を目覚めさせてくれる逸材です。未だに新たな発見があるのだからこれはすごい。
あとは――
おくすり、ぬりぬり
したらいいの。
おにいちゃん、おくすり、して!
――そしてまた、大人の受け取り方次第では爆弾どころではない発言が飛び出す虹子発言。……「して!」……い、いやいや、この一言だけで性的なものを感じて動揺してしまう時点である意味紳士失格であり――
こういうときはね――
ぺろぺろぺろりん♪
なめなめしたら、
なおっちゃうんだよ!
おにいちゃん、
なめなめして――
――もう駄目だ。
……ペロペロ(^ω^)
昨日と一昨日と、
その前の日の――
花火やらお祭りやらで。
いっぱい蚊に喰われて――
気分が悪いわ。
ほら。
こんなに大きく腫れちゃって。
醜い跡。
週が明けても蚊のお話が続いている――!? って、この週末は春風さんも言ってましたとおり、恒例の町内のお祭りがあったんですよね。ええ、浴衣姿であれば、それはもう必ずどこかは食われるというぐらいにつきものではあるのですが……いやまて、麗が浴衣をはたして着たのだろうか、と。
そのあたりはひとまず置いておきますが、なんか麗の肌って、ひときわ白くて柔らかそうで、蚊にとっても食いつきやすそうな印象ですよね。けっこう外には出る子なんですが、肌を晒したがらなさそうですし。
そんなわけで、お祭りはきっと堪能してきたであろう麗は、どこか解放的な上機嫌いなっていそうな雰囲気です。なにせ、蚊に刺された跡をこんな風に気安く――
や、ちょっと――なにするの!?
舐めたりしたら――
私、死ぬから。
私は――もうちびっこじゃないのよ?
子ども扱いしないで。
……と、すんでのところで防衛反応を取り戻したご様子。い、いや、それにしても、また「死ぬもん」的リアクション。これって麗にとっては、必ずしも嫌じゃないけど恥かしすぎる的な行為に対する反応なので、案外悪くないのかも。
というかそれ以前に、ふ、普通は見せ付けられたからって、舐めたりはしませんよ……って、あのとき。やっちゃったようですねトゥルー俺。やはり我慢できず、虹子のポッチンをペロペロと……! 恐らくは麗の過剰反応もその現場を見たがゆえのリアクションなのでしょう。まあ、確かに、いかに二歳の子が「なめてー」って頼んでたとはいえ、実際にやってしまったらそりゃあ引かれてもおかしくはなりませんが……逆に、麗の内心で、どこかそういうスキンシップを望んでいるような感じもあるんですよね。そういうあたり、この麗って子の面白さではありますが、本当に舐めたりしたら、それこそ小説4巻のラストなみの惨劇が繰り広げられる事請け合いですので、麗に対するペロペロ(^ω^)は控える方向で。
とまあ、蚊のことはさておき。恐らくはトゥルー俺にも手を引かれたりしながらお祭りを楽しんだであろう麗。言葉の上ではなんだか恨みがましい表現になってますが……「人混みは嫌いだし、夜も蚊も、
汗も、たこ焼きも、みんな嫌い。
浴衣だって――
別に」……と。……これもまた、麗らしい表現っていうか……素直じゃないから逆に素直、って子ですよね。本当に。
それに私は、1人だけ――
別の学校に通ってるから。
小雨ちゃんや立夏ちゃんや、
みんなみたいに地元に――
友達がいるわけじゃないし――
……
結局、しばらくあなたと
2人で回ることになって――
……
…………ちょっと。続くこの言葉が、わりと重く兄心に圧し掛かってきてしまうんですが。いや、学校でならそりゃ友達がいることも知ってますが、それにしても麗みたいな子の性格で、友達の話は……ああああああ。その分兄が寂しくないように!と急速に思い立つまでも無く、どうやらこのお祭りのときには、トゥルー俺が麗にきちんとついていてあげたようで、さすがはトゥルー俺よ、と誇らしく。
いい迷惑だった。
ホント。
一緒に食べた綿あめも――
甘すぎたし。
……この言葉も、また例によって。「甘すぎた」ってところだけ、ある意味素直な表現かな、とも思えて、思わず笑みが。
そんなわけで、トゥルー兄の愛情の味をいい意味でしめてくれた麗は、さらに兄に甘えるべく(自覚なしに)、夏休みに鉄道イベントで連れまわしたい欲求をぶつけてきてくれております。それはそれで嬉しいのですが……この子はわりと本気で、トゥルー俺がまだポケモンスタンプラリーに興味を持っていると思っていそうなふしが。ええ、厭味の類ではなく、ごく純粋に。ああ、本当愛しい。
きょうは、
なつやすみの
さいしょの日なの。
あっついあっつい、
なつやすみ――
本当にあっつくて、
みんなたいへんさん。
おお、学生以下の人たちにとってはもうそんな時期でありますか――と、思わずリアル俺の加齢臭の混じった感想が出てきてしまいそうですが、ともあれ今日から一日中、家に姉妹達が溢れ続ける日々が始まったようです。土日はいつだってそうとはいえ、これが毎日続くとなると、やはり賑やかさが違いますよね。まだ幼稚園にも行っていない子たちには実に嬉しい時間なのでしょうが……どうやらみんな、それどころではないようですね。暑さで。
そんなわけで――
あんまり――
あついから。
みんなで、
かきごおりをしました!
えへへ♥
かきごおり! さくらも思わずえへへ笑いをこぼすほどに! さくらも別に普段笑わない子ではないんですけれど、こうして率直に嬉しい反応を見せてくれると嬉しいですよね。
さて、この夏に、甘いかき氷。さくらでなくとも、嫌う理由すら見当たりませんが、
しゅっ、しゅっ、
しゅっ、しゅっ、
って――
つめたい音♪
かきごおりの
できあがりなの♥
「しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ」でまずセルフ的な連想をしてしまった俺はまず猛省するとして、さくらが本当にご機嫌です。かきごおりが好きだというのは勿論として、「ちっちゃい子からもらえるじゅんばん」というのがちょっと嬉しい理由にあるのかもしれませんね。順番的にも相当先になるわけで。
あさひさんは流石にまだ無理として(冷たいのは刺激が強いのかな)、まず最初にもらえる青空には「みるくあじ」。次の虹子には「いちごあじ」。そして――
それでね、3番目は――
さくらのばん♥
えへへ――♥
うん。やっぱり、この順番が嬉しいみたいですね。とはいえ、順番があとになってしまう年長のトゥルー俺に対しても配慮してくれるやさしさがすでに備わっているさくらさん。
でも、お兄ちゃんのじゅんばんまで、
ずいぶんたくさんあるから――
さいしょのひとくちは、
おにいちゃんにあげる♥
おにいちゃん、はい、
あーん!
さくらのすきなのは――
カルピス味♥
おにいちゃんもすきだといいな♪
……さくらのカルピス。ええ、さくら「に」カルピスではないので何も。問題は。それよりもむしろ、さくらにあーんさせられることの喜びこそが禁忌レベルの快楽であり。
ついに夏休みが
始まりましたね!
毎日毎日暑くって
ジリジリするような
夏空。
空は真っ青で、
もくもく白い雲。
本当に――
まさに、夏休み!
っていう感じです♥
見よ! 星花のこの、すがすがしいまでのまっすぐさ! 毎日蒸し暑いにも関わらず、この溢れんばかりのポジティブなオーラ。こういう子が近くにいるだけで人生の幸福度はかなり違ってくるのだろうなあという自信がありますが――さて、そんな風に星花がシャッキリとしているのは多分、夏休みが始まった直後だからでしょうね。
人間には、夏休みに入って「さあ、休めるー。だらけよー」って思う人と、「さあ夏休み! 計画を立ててしっかり過ごさないと!」と思う人との二通りのタイプがいると思うんですが、星花はおおむね後者でしょうね。基本的にとてもしっかりしていて、マジメで、活動的で……でも度を過ごさない程度には普通の子という、どこにでもいそうで実はそうはいないってタイプの小学生ですよ。
さて――そんな星花は、早くも夏休みの宿題を、計画的に手がけ始めた様子。……ま、眩しすぎる……! さすがに夏休み最後に地獄を見るような過ごし方こそしてきませんでしたが、それでも7月中にはあまり宿題をやった記憶のないリアル俺には、この子のまじめさは眩いばかりです。
いちおう、計画にはそれなりに余裕を持たせているようなのですが……
あ、でも毎年――
できるところはなるべく
早めにやっつけておいて――
夏の旅行前には、
すっきり♥
終わってることが多い
星花なんですけど――
えへへ♥
嗚呼っ! まばゆい、まばゆすぎるよ星花! なんというか、同じ姉妹でこうも違うものかと、改めて名前をあげるまでもない姉妹の顔が数人分思い浮かんできてしまいますが……まあそれは、オチに来そうな予感があるのでおいておくとして。こりゃあ偉いなあ。本当にマメだ。まあ、基本マジメな子の多いトゥルー姉妹ですから、こういう理想的な夏休みの宿題対処を行っているのは星花だけではないと思うのですが(氷柱とか、あと小雨。ホタや春風さんは、家事もあってそこまで早くはできなさそうかな?)、それにしてもこれは、本気で褒めてあげたいところです。口調がやけに嬉しそうなのも、きっと無意識に褒めてもらえたらなあ……という気持ちの現れでしょうし、ここはひとつ、トゥルー俺の気配りに期待。
……さて。さっき、この手の話題であればオチ担当はきっと……と予想したとおり、姉妹のあの子の名前がさっそくあがってきました。ええ、もちろん夕凪さんのことですが――
でも、夕凪ちゃんは――
せっかくの夏休み、今日は
この前テレビで見てから
ずーっとずーっと温めてた
人が入れるくらいのビッグシャボン玉を
作る計画を実行するんだ〜〜!
って言って――
観月ちゃんたちを連れて
駄菓子屋さんに行っちゃった。
……どこまでも期待通りの夏休みをエンジョイしておられる。つか、ビッグシャボン玉とかなにげにスケールでかいですね夕凪さん! 行動力とポジティブさでは、ある意味宿題をまじめにしている星花と同じなんですよね。そのベクトルが思い切り本能寄りというだけで。この子たちが気が合うっていうの、こういうのを見てると分かりますよね。
さすがに観月たちには、夏休みの宿題もせいぜい知れたものでしょうけれど、小学三年生の夕凪さんはそうも言ってられないはず。さすがに星花が心配して……
……
お兄ちゃん――
あの、星花がこんな事
言うのは変だと思うし、
たぶん大丈夫だとは
思うんですけど、でも、
あの――
……うあっ、あっ。いい子すぎるよ星花! いや、夕凪さんを心配して手伝ってあげて、という気持ちも大変優しさが伝わってくるのですが、それ以上に注目すべきは、「星花がこんなこというのは――」って部分と、「たぶん大丈夫」というところ。いやあ……この子は本当、気苦労が多くなりそうだなあと、ちょっと気が気でないぐらい、気配りとか、ものの道理みたいなものを弁えています。こういうのももしかしたら、憧れている武将とかの世界から学び取ったものだったりするのでしょうか。もちろん基本的な性格が大きいのでしょうけれど。
そしてもう一つ泣かせてくれるのが――
星花、万一、が心配で――
……
えへへ♥
やっぱり、心配性すぎるでしょうか――
この心配が当たらないのが1番いいとは
思うんですけど――
……まさしく「火を見るよりも」、あるいは「HBの鉛筆をベキッとヘシ折れる」ぐらいに明らかと思える、夕凪さんの8月31日――ですが、星花はあくまで、それを「万が一」と主張するんですよ。たぶん、星花自身も、いうまでもなくアレだろうと分かっているはずなのに。……ああ、本当、この子はどこまで気配りの神経が完成されてしまっているのか。もう全力で慈しんであげたいぐらいです。
無理!
無理無理。
無理だってば!!
バッカじゃないの!?
いきなりの氷柱大ハッスル。この子のこういう反応はいつものことといえばいつものことですが、書き出しからいきなりと言うのはさすがに珍しいというかいったいどうしたことか。
こういうパターンだと、だいたい麗が、わがままを言ったり、海晴姉さんに無茶振りされたり、といったパターンが多いのですが、麗と同じく、「とりあえず突っかかる」的リアクションを取り得る氷柱ですからして、そういう感じの状況なのかも知れません。
で、一体何をそんなに無理無理と嫌がっているのかというと、どこかに「行くこと」の模様。
やってられないってば。
いくらきょうだいだからって――
朝っぱらからそんな――
恥ずかしいこと。
だいたい下僕ごときに
付き合う義理なんてないし。
は、恥かしいこと……? 思わず妄想の翼が広がってしまいそうですが、どうやらこれは、トゥルー俺が誘っているというシチュエーション? なるほど、それなら納得のリアクションですが、だとしたらこれはこれで珍しいパターンですよね。基本トゥルー俺って受身なので。
ともあれ、すでに夏休みに入っているわけで、宿題を理由に断ろうと必死な氷柱。……うむ、先日指摘したとおり、やはり氷柱は真っ先に宿題を片付ける派の急先鋒のようですね。
とまあ、小学生にだってわかることと、皮肉交じりにその提案をしたトゥルー俺を非難する氷柱ですが……表現は冴えているものの、やはりどこか必死すぎですね。
で、一体何を恥かしがっていたかといえば――
そうよ!
私、小学校なんて
もうとっくに卒業して――
そういう恥ずかしいこととは
すっかり、さよならできたって
思ってたのに――
……
やだってば!
いくら妹たちに
ねだられたからって、
朝からあんな恥ずかしい――
ラジオ体操なんか!!!!
……なるほどなるほど、これはまたムホホ。……いや、思わずキモい笑いが出てしまいましたが、いかにも氷柱らしいというか、中学生の女の子らしいというか――。この分だと氷柱って、ジャージの中にTシャツを入れたりするのも恥かしがりそうな感じがしますよね。トゥルー家はかなり素直で素朴な子が多い中で、氷柱はバッチリ多感なお年頃って感じが丸出しであり、これはまたいじらしくて可愛いなあ、と。
ええ、まあ、確かにラジオ体操が許されるのは小学生までだよねーキャハハ的な印象は俺にもありますし、まして家族みんなで行こうっていうのは、けっこうな恥かしさがあると思います。トゥルー俺が誘ったのもどうやら妹たちに頼まれたって感じのようですね。
まあ、小学生とちがって、さすがに義務ってわけでもないので、嫌だというなら行かなくてもいいかなー、と思うのですが、そこはそれ、そういう露骨な拒絶反応を示すと――
だから――ほら。下僕。
ご主人様のお使いよ?
海晴姉様に言っておいて。
私、ラジオ体操のガニ股ポーズなんて。
絶対に絶対に許せないんだから――!!!!
やはり海晴姉さんが少々噛んでおられました。きっと、小学生以下の子たちがトゥルー俺もいっしょに、と誘っていたりした中で、「いっそ家族みんなで行こう」みたいな話の流れになったのでしょう。海晴姉さんが話に割り込んで、鶴の一声といった風に。
しかしながら、中学生でラジオ体操なんてとか、家族みんなと一緒なんて、といった部分で恥かしいのも分かりますが、そこはやはり中学生女子、「ガニ股ポーズ」が許せないとか――ああああ、この子は本当、歳相応以上に女の子らしい繊細さを持っているなと改めて。
――吹雪ッ!?
毎日――
高温――
すぎる――
のです。
私には――
少々――
暴走#$
……
ああ――
してしまう。
私は――
……
落ちま――
す――
……
……
――――
――――
――――
……え、え、えらいこっちゃあ……!? 恐らくは即時、トゥルー緊急救護体制を全家族で一斉に取っていることと思うのですが、しかしやはり今年の猛暑は過酷過ぎたということでしょうか。よく今までの年も吹雪は夏に耐えてこれたなあ、とも思うのですが、それこそ限界ギリギリだったのでしょうね。
ええ。まあ。この猛暑ですから、誰が倒れたって、全く不思議ではありません。まして暑さ――というか、熱さ全般に弱い吹雪にとってはいわずもがなであり、ある意味なるべくしてなってしまったといっても過言ではない状態ではあったのですが……
…………はい。やはり、言及しないわけにはいきませんね。吹雪のこの倒れる挙動が、やっぱり……なんというか……コンピューターがダウンするときみたいだということには。
とはいえ、かつてはかなり気にしていたこともありましたけれど、今ここに至っては、改めて、その体に秘密があるのか、どんな秘密があるのか――という部分を追求していく気はありません。少なくとも、そうしなくては吹雪を助けられないという状況でもない限りは。
とまあそんなわけで、吹雪の症状は気になりますが、ここはひとつ、トゥルー俺も含めてですが、頼れる家族の看護に全幅の信頼を寄せるとしましょう。そして、以前に吹雪が倒れたときに、色々としてくれたっぽい霙姉さんにも。
吹雪姉じゃは――
大丈夫じゃ。
きっともうすぐに――
戻って来るであろ。
……とりあえずの安堵報告。いやまあ、トゥルー俺の身としては、単純に吹雪が心配というだけではなく、もっと色々なことが気になってしまってもいるわけなのですが、そのあたりを察して、「気にするな。いつものことじゃ」――と言ってくれるのは、幼児組でありながら、色々と知っていても不思議ではなさそうな観月。
なんというか……吹雪の体に、それが何であれ、ちょっとした特徴というべきか、秘密があるというのは、この家族の中でも、知ってる子と知らない子がいるみたいなんですよね。少なくとも、以前の反応からして、綿雪は詳しく知らないみたいですし。あと、夕凪さんも。
霙姉さんはもちろん、海晴姉さんあたりは、全ての事を知っていそうなんですが……そこから下だと、一体誰が知っているのやら。観月がそこに加わっているのは、本来見えざるものまで見えてしまうその体質ゆえでしょうか。少なくとも、あれほど心を許してくれているトゥルー俺にさえ秘密にしている以上、小さい子たちには基本的に知らせない方向なんでしょうが。
とまあ、それはさておき。「熱が体に溜まってる」「冷やせば治る」というのは、通常の熱中症に対しても不自然ではない表現なのですが……やはりどこか思わせぶりな言葉でもあり。
さすがに、そこから先を知りたくなってしまうというのは、家族として当然な思いではありますが――
そんなに――
吹雪姉じゃの様子が気になるのか?
それでも――
今、姉じゃの部屋に
行ってはならぬぞ?
そこで兄じゃは――
きっと。
この世ならぬ――
見てはならぬものを
見るであろ。
……こんな風におどかされてしまっては。
もっともそのすぐ後、
なにしろ――
冷却作業中、なのじゃ♥
どのような姿で
休んでおるか――
フフ。
わかるじゃろ?
……なんてからかわれてもいるのがなんとも。これは本当、掌で踊らされているというか……いやまあ、それも吹雪自身やトゥルー俺を気遣っているがゆえの遠まわし表現なんでしょうけれど。
まあ、たとえ家族であっても。女の子の秘密な部分とか、男兄弟に知られたくない的なこともあったりしますし。その逆や、もっと別のパターンもまたしかり。知りたい、気になるという気持ちは、今までどおり、なるべく押さえておこうかなと改めて思う次第です。
もうすぐ――また。
地獄の釜の蓋が開く、
盆の季節がやってくる。
熱い熱い地獄の釜が開いて――
悪人どもは百鬼夜行に取られるぞ?
姉じゃの体を――
熱くさせるようなことは、
決して決して――
してはならぬぞよ?
……たぶん、それを知ることが、吹雪にとってよくない影響を及ぼしかねないんでしょうしね。それならば、家族であっても、あえて踏み込まないという気持ちは必要かなと。
今日も暑かったな。
ふぅ。
夏バテなんて――
私はあんまり縁がないけど。
梅雨明けからずっと
こんな感じで――
運動しなくても
汗が噴き出すこの暑さ。
さすがにちょっと
疲れてきた気がする。
ヒカルの汗! 汗! ……って、ヒカルとともに暮らしていたなら、それこそヒカルの発汗しているところなんてそれこそ毎日のように見るのでしょうけれど、それでもなお、このスポーツ系乙女の流す汗には、そのかぐわかしい香りを想像してしまったりと、ロマンを?き立てられざるを得ません!
……と、先日吹雪が倒れてしまったばかりだというのにこんな変態言動ばかりでどうなのよという自問が沸いてきますが、そこはそれ、観月が言うように「冷やして落ち着かせれば大丈夫」という言葉を信じる次第でして。
さて、恐らくは家族の中でも暑さに最も強い方であろうヒカルでさえ、いくらかバテ気味になってしまうという今年の猛暑。そんな中、ヒカルが思うことはというと――トゥルー俺の心配。それも……
うん――
元気ならいいんだけど、さ。
いつも元気なヤツって――
好きだよ。
なんか――ホッとするっていうか。
安心するよな?
フフ♥
…………「好きだよ」、とか。ごく何の気もなしにナチュラルにいえてしまうこの天然乙女! この大らかでイケメン度ありありな態度、そりゃあ学校でファンズとかついちゃおうってものですよ。
一応トゥルー俺とヒカルとは、もうそれなりにフラグ的なイベントも進行してしまっている間柄であり、こういう単語で思わず意識してしまう――ということがあってもおかしくはないのですが、そこはそれ、ヒカルの天然乙女なところが効果を発揮しているということで。
さて、それはさておき――暑いせいで、最近は毎日3回のシャワーが欠かせないというヒカル。そりゃあ、暑いのに加えて、普通に運動もするわけですしね。
……ところで。「寝汗が500mlも」という発言に、ちょうどペットボトル一本分だな、ヒカルの汗がちょうどペットボトルに……飲みやすい量で……という妄想をすかさず行ってしまったトゥルー俺はそこに立っていなさい。はい。(自ら起立)
最近は夜も毎晩暑いけど――
なるべくクーラーは使いたくないから、
寝るときは――ほとんど
下着で寝ちゃうんだ。
そうすると朝のシャワーも
簡単だしさ。
私のおすすめ、だな♥
……ヒカルはきっと、このような赤裸々な発言で、同い年の男の子がドキドキしてしまうであろうということなど、一切思考にないのでしょうね。そういう無防備さがこれまた悶絶ものなわけですが、ヒカル自身がこれほどナチュラルな以上、それなりに長い家族の絆ができつつあるトゥルー俺も、即変態リアクションというのは控えるべき時期に来ているのかもしれません。
にしても、オマエは――
男だから。
パンツだけで寝られるのかと
思うと羨ましいよ――
私も今日から――
やってみようかな♥
……ええ。他意はない、他意はないんです。ヒカルのこの純粋すぎる発想は。あるのは俺たちの中に淀む妄想という名前の情念のみ。
私は――
オマエの秘密を知っている。
……
フフフ――。
……なんか言ってる人がいますよ。
はい、このお茶目っぷり。ぱっと見の外見や言動のクールっぷりからは考え難いぐらいにお茶目なところがありありな、僕たちの愛する霙姉さんが、なにやらとても嬉しそうに不穏な事を仰りつつトゥルー俺に迫ってきております。
いや、とりあえず心当たりが見つからないので、何の事かと詰め寄りたいところなのですが……
どうだ。
ものすごく――
困っただろう?
ああ――
この私に――
秘密を握られて
しまうなんて――
かわいそうなヤツ♥
……なんかこう、あまりにも嬉しそうなので、水を差すのがはばかられるぐらいです。いや、霙姉さんに知られて困ることなど、普段の日記を読んでる際のリアル俺の妄想の数々ぐらいですが……って、もしかしてそのへん筒抜けなんでしょうか。いやいやいやトゥルー俺はリアル俺とは違い明らかなリアル紳士であり!
それよりも、「だってなにしろ、私はオマエをいじめるのが――大好きだし」という、「えー、なんだってー」とリアクションしてしまいたくなるぐらいの事実が判明。……いや確かに、霙姉さんがこっちをからかうのはさりげに大好きなんだなとは常々思っていましたが、わりと自覚的にいぢめているつもりだったとは……っていうか、この言動まで含めて、霙姉さんのナチュラルな面白さというか、そのキャラが滲み出てきているかのようです。つか……可愛いよなあ霙姉さん。頼れるくせに、こういうところもあって。
とはいえ、今日の絡んでくる様子には、確かにいつもとはちょっと違う雰囲気もあったりして。何かと思えば――
だからもし、オマエが他の姉妹に
秘密をバラしてほしくなかったら――
ほら。
ほらほらほら――
なにかわたす物があっても
良いだろう?
――なんということでしょう。贈賄! 贈賄を要求しておられる! つか、そもそもその秘密って何なんですかと尋ねたいわけなんですが、それより先に、何を要求されているかが手に取るように分かることの方にまず意識が向かってしまうわけで。
魚心あれば水心。
私は氷柱のように――
堅いことは言わないのだ。
どうだ?
老舗のあんこ玉、一箱で――
手を打とう。
いや、もう、引用するまでもありませんでしたが、ここで氷柱を「融通のきかない例」としてあげているのがちょっぴり面白く。……っていうか、その知ってしまった秘密とやらが、氷柱の場合だとクリティカルな感じの事柄だったりするってことなのでしょうか。
さて、そのへんの内容を、さすがは霙姉さんというべきか、あんこにちなませて伝えてくれたのですが――
それなら、口があんこ玉で
いっぱいになって――
昨日の夜――
ヒカルの部屋の前で
見たことは誰にも言えなく
なるだろうからな。
フフフ――
………………? え、いや、昨日って…………
なんというか。直接的には何の心当たりもないのですが、経験則というかお約束から導き出される結論としては……ほら、いわゆるラッキースケベ的なあれやこれやが昨日のヒカルとの間で?
「パンツだけで寝てみようかな」――を実践してしまわれたのはいいとして。どうしてそこにトゥルー俺がいたのかどうか。そのへんがまだ謎であり、霙姉さんの口の中を餡子まみれにしつつ、そのあたりを究明しておかなければ。
何?
何なに何なに〜っ!?
なんか秘密の匂いがする〜♥
くんくん♪
ややっ、この匂いは――
……
海晴姉さんが立夏ばりにYASEI化しておられる! ……いやいやしかしながら、その嗅覚の方向性が、いわゆる食欲などではなく、もっとこうピンク色方面への反応なわけですが、これはこれで食欲と同じく本能直結な感性であり、やはりYASEI能力の一種と認識しても良いのではないでしょうか。
……って、冷静に考えている場合じゃありません。昨日の霙姉さんによる一件がますます尾を引いてしまってしまっています。この最も厄介な人にまで伝播してしまうとは。……いやまあ、氷柱あたりに悪い形で知られるよりはずっといいわけですけれど。……た、たぶん。
「うーん――今まで嗅いだことのない初めての不思議な匂い――」という表現からして、ああ、これは本当に立夏のお姉さんっていうか、血なんだなあというのを改めて思ってしまいます。トゥルーのDNA、恐るべし。
まあ、ニュアンスとしては、トゥルーの血がなくとも概ねわかりますが――って、
はっ、もしや!!
さては――
キミもついに
お姉ちゃんに言えないような
オトコノコのちょっとHな
大事な秘密の行動を
ついについに――
……
……
なんちゃって♪
……典型的な方向の誤解をしておられる。期待通りすぎるほどに!
というかですね。いかにトゥルー俺が極めて理性的な優しい男の子だからといって、さすがに高校一年生の男子が、これまで一度も、そういう男の子ならではの家族に見せられない(まして異性の)行動や秘密のひとつやふたつ、診られてしまったことがないかと言うと……どうなんでしょう。
冷静に考えれば、こんな姉妹の全員が何らかの形でたった一人の男である自分に行為を抱いてくれている家に暮らしていて、なお聖人君子というか「いい子」のままで暮らしていられるトゥルー俺は、なにげにその事実だけで賞賛されてしかるべき存在だと思います。小説版だと、陽太郎のキャラはまず背景設定からして、そういううわついた気持ちを抱き難いように設定されているわけですが、それも納得と思えるほどに、この家の環境は通常の男の子にとってヤバいと断言できるでしょう。
まあ、その「ヤバい」の筆頭が春風さんあたりであり、その次ぐらいにはきっと――場合によってはそれより上に――この海晴姉さんが来るのではないでしょうか。今日の言動を見る限り。
海晴お姉ちゃんは――
そういうのには理解が
あるんだから。
キミだって健康な一人前の
男子だものね!
もし、キミの部屋で――
ちょっぴりHな写真集を
見つけても――
許してあげる♥
……というだけならまだしも。
こーんなに近くに
ステキなお姉ちゃんがいるのに
そんな写真見てるのはちょっぴり
淋しいけど――でも、まあ、
弟って、そんなものよね?
フフフ――かーわいい♥♥♥
……これですからね。意図的な挑発と、無意識レベルの愛情とアピールとが入り混じっている、なんともピンク濃度の高い海晴姉さんの弟愛が感じられます。っていうか最初の発言だって、基本的に「本来ならば(私たちがいるのに)そんなのを見るなんて言語道断」っていう意識が強く強く感じられますし。ああ、なんという無意識レベルのハーレム状態。
とまあ、こんな感じで、ヒカルの薄着就寝話題から始まって、えらい誤解にまで至ってしまいましたが、心配しなくとも、たとえそういうエロスアイテムを持っていたってさすがに旅行まで持っていくような紳士は、それこそアマガミの橘さんクラスでないと無理ですよ……って、おお、今年も旅行のお話が。
と、そういうわけで――
今年も旅行のお知らせ♥
じゃーん、発表します!
今年の家族旅行は、8月9日から16日の1週間。
行き先はなんと――沖縄よっ♥♥♥
ついに来ました沖縄旅行! ……と、まず旅行と聞いて考えてしまうのは、移動手段に対する麗のリアクションだったり。期待にそぐえるのは……せいぜいモノレールぐらいでしょうか。
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