★メール紹介・Q&A 第21回 2002/06/09
下読みさんからメールが届きました!
ご本人の希望により「下読みの鉄人列伝」ではなく、こちらのコーナーで紹介します。
●ひらひらぺーぺー さん からのメール
このたび初めて某賞の下読みのお手伝いをさせていただきました。以前から、こちらのサイトを読ませていただいておりましたので、心構えはできているつもりでしたが、実際にやってみると大変な仕事でした。
和田さんは、事前に全作品の梗概をチェックして面白そうなものから読まれるとのことでしたが、私は、初めてだったので、予備知識ゼロの新鮮な気持ちで原稿に接したいと思い、梗概は読まずに、番号順に本文から読み始めました。
しかし、これが大失敗でした。まるで地雷源を渡るような気分……。一歩進むごとにドカン! また一歩でドカン!
あまりに精神的ダメージが大きかったため、とりあえず面白い作品を読みたい思い、途中で梗概チェックに作戦変更。
しかし、これまた大失敗。残り全部の梗概を読んだ時点で、本文を読みたいと思えるような作品が一本もない!
どれも読みたくない! と言うわけにもいかず、まともそうなものから、また読み進みましたが、四十数本あったうち、結局、A評価を付けたのは二本だけ。
下読みの仕事をしていた二週間で、いつもの二ヶ月ぶんぐらいのエネルギーを消耗しました。いくつもの賞を掛け持ちして年に何回もこれをやっているという下読みの先輩がたを、私は尊敬のまなざしで見てしまいます。せめて私が残した作品が入選でもしてくれないと救われない気分です。
今回の仕事で感じたことは、ひとりよがりな作品が多いということでした。一回でも誰かに読んで感想を聞かせてもらっていたら、こんな原稿は応募できないだろうというような作品ばかりでした。
それから、梗概と本文とが一致しない作品がかなりあったことです。小説本文から読み取れる物語のポイントと、梗概として書かれているポイントが一致していない、書きたかったことと、実際に書けたことが、違ってしまっている。習作以前の作品が非常に多かったです。
あと、一読して、この作者は「下読みの鉄人」を読んでいないとわかる応募原稿が大半でした。せっかくこれだけの情報が公開されているというのに、知らない人がいるというのは、もったいないことだなあと思いました。
○和田曜介のコメント
ひらひらぺーぺー さん、メールありがとうございます。
とても長いメールだったので、短く編集させていただきました。
何事も初めては大変なものです。
仕事で何か大ヘマでもしない限り、きっと次回もまた声がかかるだろうと思います。
今回の体験を教訓にして、是非、次回からもがんばってください。
そして、今度は「下読みの鉄人列伝」のほうに原稿をお願いいたします。