★メール紹介・Q&A 第19回 2002/04/14

 以前にも取り上げているのですが、「落選原稿の再応募の是非」と「一次選考は通過したが二次選考で落ちた場合」という、2つの内容のメールがコンスタントに来ているので、代表でお二人を紹介します。

●かじらやみかん さん からのメール
 今回、最終選考で落ちた作品は、私にとって大変に思い入れの強い作品でした。できればこれを私のデビュー作にしたいと考えています。でも、一度落選している作品を改稿するよりも、新作で勝負したほうがいいのでしょうか?

○和田曜介のコメント
 入選するだけなら、賞の数だけ入選者がいます。しかし、プロの作家になるためには、作品単体の出来よりも、作者自身の安定した実力が重要になります。
 新作を応募して入選できる実力がなければ、旧作を改稿して応募しても入選はしないだろうと思います。
 逆に、本当にデビューできるレベルに達しているならば、新作でも旧作でも、どちらを応募しても入選することでしょう。
 ただ、旧作の改稿に使うエネルギーがあるならば、そのぶん新作を書くことに使ったほうが、間違いなく実力はアップします。
 過去の落選作品も、プロになったあとのレベルで、プロの編集者のアドバイスを受けて、全面改稿すれば、じゅうぶんに商品として通用する作品に仕上げることができます。
 落選作品は立派な財産です。
 プロの作家になる! という思いがあるならば、一枚でも多く新作を書くべきです。
 そして余力があるならば、旧作の改稿も並行してやればいいと思います。
 なお、一発屋で終わってもいい、と考えている人は、お気に入りの一本を応募し続けるのがいいと思います。編集部にとっては、迷惑な話ですが……。

 以下、雑談ですが、私の知っている作家さんの中には、後年「デビュー作が恥ずかしい」と言っている人が、けっこういました。
「早く絶版になってほしいと密かに思っていた」とさえ言った人もいました。
 デビューした時には自己最高傑作だと思っていたけれど、ベテラン作家になったあとの目で見たら、もう恥ずかしくなるような出来だった、という話なんですね。
 何が言いたいかというと、まあ、そういうことです。
 がんばってください。


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