★メール紹介・Q&A 第18回(つづき)

 出来レースの噂は、よく耳にしますが、少なくとも小説の世界においては、ほぼありえないことだと考えておいて大丈夫です。
 同じ出版界でも二流のコミック誌の賞などでは、時々「入選決定済のシード作品」の話を耳にすることもあるのですが、その場合でも、大賞はシード作品で、金賞銀賞は一般応募作品が受賞というのが普通なので、本当に実力があれば、気にしなくて大丈夫です。

 たまに「○○賞は出来レースだから応募しても無駄」というような発言もみかけますが、そんなことは絶対にありません。これなどは、もしかしてライバルに応募させないようにするために誰かが確信犯で流しているのではないか、などとさえ思ってしまいます。
 こんな噂に惑わされて応募を断念するようなことのないように、じゅうぶんに注意してください。

 それから、自分の作品がシード作品になった場合に注意してほしいことがあります。
 いきなり最終選考にエントリー、そして担当編集者も「たぶん入選すると思いますよ」と言ってくれている、というような状況であったとしても、決して「すでに入選した気」になってはいけません。
 編集者はシード作品の人全員に同じことを言っています。
 そもそも入選枠よりもシード作品数のほうが多いのが普通ですし、激戦を勝ち抜いて上がってくる一般応募作品もあるわけです。
 結果の連絡が来るまで、来年もまた応募するつもりで、一枚でも多く新作を書いていてください。

 あと、出来レースの話に関して、入選後に注意してほしいことです。
 もしも自分が入選した賞が出来レースだというようなデマを流している人を見かけても、決して関わり合いになってはいけません。
 相手はあなたが入選した賞に悪意を抱いている人間です。うっかり、その噂はデマだなどと指摘すると、あなた自身が悪意の標的にされる危険性があります。
 こういうデマを流している人を見かけたら、すみやかに編集部に連絡し、知らんぷりをしていてください。
 犯人の特定が容易な状態なので、必要だという判断があれば、編集部のほうで善処してくれます。

 さて、どんなに強力なシード作品がスタンバイしていたとしても、一般応募者は、それよりも、もっと面白い作品を書けばいいだけのことです。
 面白ければ官軍です。
 つまらない噂なんか気にせずに、マイペースでがんばってください。


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