★メール紹介・Q&A 第5回(つづき)

 自分がA賞を受賞した作品は実は以前にB賞で落とされた作品だった、などという場合、ここらへんを勘違いして、酔った席などで、自分の作品を落としたB賞の悪口を言ったりすると、編集者というのは地獄耳なので、そういう話はたちまち業界中に知れ渡り、本人の知らないうちに裏では「あいつはそういう人間だ」という評価が定着し、売れてお金になるうちはみんなチヤホヤとしてくれますが、落ち目になればもうどこからも相手にされなくなる、ということになったりします。

 自分には才能があるのに選考委員に問題があるからプロになれないんだ、とか、自分は正しいのに他人が悪いから社会的に認められないんだ、というような考え方をしている人間を、まともに相手にする編集者はいません。

 下読みさんへの不信感という話はよく耳にするのですが、少なくとも、自分のところの賞で入選する可能性のあるような作品を、ミスをして一次選考で落としてしまう、などという下読みさんだけは、絶対にいません。
 でも、他の賞でなら入選する可能性のある作品を、カラーの違う自分ところの賞では正しく一次選考で落とす、そういう下読みさんなら、いくらでもいます。
 一次選考で落とされる作品には、落とされるだけの理由が必ず存在しています。小説そのものに欠点があるか、小説以外の部分で自滅しているか、応募する賞を間違えているか、いずれかです。
 そして、その賞で本当に入選する作品というのは、誰が下読みをしても関係なく一次選考を通過するという作品です。下読みさんが悩んだり、下読みさんによって評価が割れるような作品は、たとえ一次選考で残したとしても、必ず二次選考では落ちています。
 間違ってガラス玉まで拾ってしまう下読みさんはいても、本物のダイヤモンドを見落とすような下読みさんは絶対にいません。
 よく覚えておいてください。


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