CANOPUS Spectra7400
パフォーマンス編
LastModified 02/10/14
という訳で CANOPUS Spectra7400 です。はあ・・・、Spectra5400PE買ってから半年しか経ってねーぞ、おい!とか言いつつ買ってしまいした。通な方々は
ELZA@「我がドイツの科学力はぁ〜、世界一いぃ〜」(荒木
飛呂彦著 「ジョジョの奇妙な冒険」より)のDDR版を待っている方も多いみたいですね。
搭載チップは nVIDIA の Geforce256
です。コンシュマー向けとしては初のGeometryEngine内蔵チップという事で期待を集めています。
現状対応ソフト、ベンチマークがほとんど無い事を考えると正当な評価は難しい(というか期待できない)所ですが、とりあえずざっとパフォマンスを見てみました。さーて、どんなもんでしょうか?
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比較は、Spectra5400PE と行います。但し、[Spectra5400PE AGP限界の謎]で示している様に、SP5400についてはFSB144.5に対応させる為にサイドバンド転送
OFF としています。SPECTRA7400 はデフォルト設定のままです。(AGP耐性は凄いっす) 上がSpectra7400,
下がSpectra5400PEです。7400の方は電源ケーブルを接続するのが笑えます。
Vsync のみOFFとしています。 |
1 2D系
Winbench99
1.0 High-EndGraphicWinmark
Ziff-Davis提供のベンチマークです、まあ業界標準という奴ですね。本来
Winbench は膨大なプログラムの集まりですが、今回は 2D性能を見るという事でHigh-EndGraphicWinmarkを実行しました。実際のアプリケーション動作時のパフォーマンスを見るという形式になります。
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Spectra5400PE |
Spectrs7400 |
AVS/Express 3.4 |
69.2 |
71.2 |
Frontpage98 |
173 |
168 |
MicroStation SE |
21.3 |
20.2 |
Photoshop 4.0 |
87.7 |
90.3 |
Premiere 4.2 |
84.8 |
86.5 |
Sound Forge 4.0 |
168 |
175 |
Visusal C++ 5.0 |
332 |
348 |
High-EndGraphicWinmark |
705 |
695 |
うーん、良かったり悪かったりですね。まあ、ほとんど一緒ってとこでしょうか。
2 Direct3D系
2-1 3DMARK99MAX lite
800×600 16Bit |
Spectra5400PE |
Spectrs7400 |
Unit |
3DMark Result |
6490 |
5312 |
|
Synthetic CPU 3D Speed |
9781 |
9283 |
CPU 3DMarks |
Rasterizer Score |
2381 |
3157 |
3DRasterMarks |
Game 1 - Race |
69.9 |
55.1 |
FPS |
Game 2 - First Person |
60.6 |
51.3 |
Fill Rate |
239.1 |
233.5 |
MTexels/s |
Fill Rate With Multi-Texturing |
232.3 |
398.8 |
2MB Texture Rendering Speed |
398.2 |
331.9 |
FPS |
4MB Texture Rendering Speed |
2751.1 |
253.2 |
8MB Texture Rendering Speed |
170.8 |
173.1 |
16MB Texture Rendering Speed |
111.7 |
119.9 |
32MB Texture Rendering Speed |
61.2 |
66.7 |
Bump Mapping Emboss, 3-pass |
109.8 |
135.0 |
Bump Mapping Emboss, 2-pass |
134.8 |
166.3 |
Bump Mapping Emboss, 1-pass |
228.5 |
262.0 |
あきませんな。ほとんどの項目で若干SP540PEより良いですが、Game1,2
のフレームレートが出ない為、トータルスコアは随分落ち込んでいますね。Fillrateはかなり上がってるんですけどねぇ・・・
2-2 FinalReality
|
Spectra5400PE |
Spectra7400 |
|
3D tests |
25 Pixel |
475.49 |
519.26 |
Kpoly/s |
Robots |
74.75 |
80.98 |
images/s |
Fillrate |
146.87 |
172.77 |
Mpixcels/s |
City scene |
103.26 |
111.73 |
images/s |
Visual appearance |
100.0 |
100.0 |
% |
2D image processing tests |
Radial blur |
56.24 |
59.73 |
images/s |
Chaos zoomer |
88.45 |
95.39 |
images/s |
Bus transfer rate |
3D transfer rate |
162.63 |
147.76 |
Mbytes/s |
3D transfer rate |
115.53 |
173.71 |
Mbytes/s |
Overall peformance |
2D image |
6.04 |
6.45 |
|
3D peformance |
5.49 |
5.75 |
|
Bustransfer |
6.59 |
7.75 |
|
Overall score |
5.82 |
6.26 |
Reality Marka |
僅かながら全体的に上がってはいますね。でもまあ、ほとんど一緒というレベルでしょう。
2-3 Incomingデモ版
ちょいと古目のゲームデモですが、手元にFramerateを測れるデモがこれしかなかったので使ってみました。1年半程前には
PWR128P で 15 frame/sec 程度しかでなかったんですけどねえ^^;(1024x768x16bit)
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Spectra5400PE |
Spectra7400 |
|
Frame rate |
117.07 |
128.65 |
FPS |
うーん、あんまり変わりませんねえ。
3 OpenGL系
3-1 TreeMark
nVIDIA がGeforce256の威力を示す為に作成したベンチマークです。ハードの製造元が作っているベンチマークですので、チューニングしまくってるのは目に見えていますが、まあやらん訳にもいかんでしょう(笑)
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Spectra5400PE |
Spectra7400 |
polygon/frame |
|
Simple |
9.87362 |
41.2882 |
35820 |
FPS |
Complex |
2.30512 |
12.1212 |
128080 |
大体4〜5倍になっています。体感でもはっきりその速度差がわかります。ここにきて初めて、GeometryEngine
の威力を見せつけられた気がします。しかしまあ、nVIDIA製ベンチマークという事でやっぱ嘘臭さは残りますな。(爆)
1999.12.11追記
TreeMarkがDirect3D系なんぞという大嘘をいけしゃあしゃあと書いていました。メイルでご指摘を受けて確認してみたらOpenGL系でした。Readmeには、しっかり"This standard mode will run on most 3D hardware that support opengl."って書いてありますね。いやあ、面目無い^^;
謹んで訂正させてもらいます。
3-2 FogCity
Direct3D/OpenGL対応のベンチマークデモです。霧の中を飛行機を飛ばしてFramerateを調べます。今回は
OpenGLでチェックを行います。(1280x1024x32bit)
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Spectra5400PE |
Spectra7400 |
|
LOW DETAIL |
37.34 |
37.34 |
FPS |
NOMAL DETAIL |
29.42 |
28.64 |
HIGH DETAIL |
12.18 |
11.38 |
OpenGLではGeometryEngineが効くはずなので、さぞかしと思っていたらこの結果です。んー、Windows98用
OpenGLドライバの問題でしょうか?
3-3 QuakeV Arena test
言わずと知れたOpenGL系ゲームのキラータイトルのデモ版です。今回は、1024x768
32bit-color texturedetail-maximum texturequality-32bitというかなり重い設定にしてみました。
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Spectra5400PE |
Spectra7400 |
|
demo1 |
35.9 |
41.8 |
FPS |
demo2 |
42.9 |
47.4 |
確かに良くはなっていますが期待した程でもないですねえ。まあ、現在のゲームのポリゴン数程度では
GeometryEngineの威力があまり効いてこないという事かもしれないですね。まあこの結果を見ると、[現在のゲームでFPSを稼ぐには Fillrate の性能の方が重要]という
3dfx の主張もある意味うなずけますね。
3-4 ViewPerf
6.1.1
コンピュータ業界全般における業界標準のベンチマークを作成/管理するSPECによるOpenGLベンチマークです。どちらかというと、3D-CADや3D-CGソフトにおける性能を見るベンチマークです。
このベンチマークのみは、CPU-450MHz WindowsNT4.0
環境で実行しています。これは、この手のアプリがほとんどNTをプラットフォームとしている為です。450
MHz にしているのは、SP5400 のサイドバンド転送をNTでOFFにする方法が未確認な為、650MHzで動作しない為です。
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今回に限り、3dlab の Oxygen402
を比較対照として加えています。知人のつてで借用したものです。もう1年程前のボードですが、業務用OpenGLボードとして当時30万円程で購入したそうです。 それにしても・・・・デカイ・・・ |
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3dlab Oxygen402 |
Spectra5400PE |
Spectra7400 |
AWadvs-03 |
8.346 |
10.51 |
65.25 |
DRV-06 |
3.440 |
7.144 |
20.64 |
DX-05 |
6.787 |
11.47 |
26.12 |
Light-03 |
0.7237 |
1.322 |
2.940 |
ProCDRS-02 |
4.195 |
10.72 |
8.682 |
何というか・・・・・Spectra7400 爆速です!
数値で現れる以上の速度差を体感で感じます。ちょっと感動してしまいました。ProCDRS-02でSpectra5400よりも悪い数値となっているのですが、なんででしょうね?
見る限りは速度は遥かにSpectra7400の方が早い様に思うのですが・・・充分、大規模な3D-CAD等にも使えると思います。というか
SGI Impactクラスよりも早いかも・・・・
わざわざ借りてきた Oxygen402 は駄目駄目ですね。全ての項目でSPectra5400にすら劣っています。ううむ、高けりゃいいってもんでもないか・・・
4 考察
という訳でざっとパフォーマンスをチェックしてみましたが、やっぱ現在の所
Direct7 環境下でのGeometryEngine
の威力を評価する事は難しいですね。あとTNT系もドライバの熟成で大分速度が向上したので、今後のドライバの熟成にも期待大ですね。という訳で結論です。
2D性能についてはTNT2とほぼ同様
Direct3Dについては、DirectX6.1環境ではTNT2とほぼ同様、DirectX7
環境においては対応ソフト待ち
NT環境下における OpenGL性能は爆速!
といった所でしょうか?
ゲームのパフォーマンスが欲しい人にはお勧めできません。DirectX7対応ゲームが出てくれば状況も変わるでしょうが、その頃にはもう
NV-15 が出てくるでしょうから(爆)
一方、NT環境下でOpenGL の 3D-CAD や3D-CG
を使っている方には文句なくお勧めできます。別次元の快適さを体験できるでしょう。(アプリ側のOpenGLの使い方にも影響を受けるでしょうが)
5 独り言
という訳で如何だったでしょうか。まあ、新しいものが常に良いという訳でもないですわね。しかし、対応ソフトがないにも関わらずGeometryEngine内蔵チップをリリースしてきた
nVIDIA
のアグレッシブな姿勢は大いに評価できると思います。それに他社がプレスリリースばっかりでいつまでたっても現物が出てこない中、比較的予定通りに製品リリースも行っていますし・・・
特にOpenGLの性能は、ここまでとは予想もしていなかっただけに驚異的ですらあります。近くリリースされるWindows2000とあいまって、[コンシュマーレベルでのホビーとしての3次元]という分野の新しい展開が楽しみです。
「今は、君に恨みはないが・・・・そのうち必ずできる!!
そうなる前に・・・・俺は君を倒そう!!」
(島本 和彦著 「炎の転校生」より)
ううむ、どこの業界でも先手必勝という事か・・・
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