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Dream again! Turbo.PLL01 外部コントローラー

LastModified 02/10/14

「男って奴ぁ2種類しかいねェ。プロか、バカか。」

(矢作 俊彦監督「アゲイン」より)

 

今回ご紹介するのは真実のプロの業です。どんなに、この日を待ち焦がれた事でしょうか。夢にまで見たTurbo.PLL01 外部コントローラです。販売開始直前段階ですが、ヒロ坊さんより評価と製品紹介をという事で、最終製品版を送って頂きました。m(__)m  

以前、勝ちゃんさんが試作版のレビューは紹介されておられますが、今回は販売されるものとほぼ同じものです。ただ、部品やケーブル等のパッケージングによる製品構成については、販売開始の段階で修正される可能性がありますので、ご了承下さいませ。

同じ物は、勝ちゃんさん吉池さんの御両所の所にも行っています。私など比べ物にならない程のスキルをお持ちのお二人ですので、精緻な評価記事は近日中に記事が上がると思われる、お二人のサイトを御参照ください。

ここでは、未熟者なりにその素晴らしさをお伝えしたいと思います。

 


1 Turbo.PLL01 外部コントローラとは

Turbo.PLL01外部コントローラ は、[廃人の庵]のヒロ坊さんが開発され、FANATICさんで販売されている究極のOverClockingツール[Turbo.PLL01]用の外部コントローラです。これによりTurbo.PLL01の眠っていた能力を極限まで発揮させ、強化発展型(「ザクとは違うのだよ、ザクとは」みたいな)とするツールです。特徴や仕様についてはTurbo.PLL01 のHPをご覧下さい。

・・・・・・・・・・ああっ、またも3行で終わってしまった。^^; ・・・すみません、2度も同じネタを使ってしまいました。m(__)m

 

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これが、Turbo.PLL01外部コントローラです。見て頂ければその意味する所はご理解頂けるでしょう。液晶LCDとジョグダイアル、動作状態を示す3個のLEDと4個のスイッチ。Turbo.PLL01では3個のロータリースイッチで行っていた設定作業を、これらのスイッチを使う事で

別次元の操作性

が実現されています。また、Turbo.PLL01ではCPUクロック直読で 1MHz 単位での操作でしたが、外部コントローラでは CPU, FSB, OSC, PCI, AGP等の全てのクロックを表示可能であり、コントロールするFSB周波数の単位も0.025MHz(注)ステップで変更可能です。

(注)
FSB周波数の変更可能ステップは、0.001MHz単位で設定可能です。0.025MHzというのは、マザーボード設定FSB100MHz時のデフォルト値です。FSB周波数を変更するステップは、PLLの分解能で決定されるのでなかなかややこしいのですが、マザーに設定したFSBの1/5000程度の単位で変更可能と考えると良いみたいです。FSBを0.025MHz単位で変更すると、4.5倍速CPUで 0.1125 MHz 単位でのコントロールが可能という事になります。これ以上、CPUの限界を詰めたいという人おられますか?(笑)

1999.9.14
誤解されている方がいるので念の為書いておきますが、このコントローラは単体では動作しません。Turbo.PLL01(あるいは近くリリースが予定されている PLL02/03)と組み合わせて初めて機能します。間違えてコントローラだけ買ってしまう事がない様に。^^;

 


2 組立

今回のコントローラは販売価格を押える意味でキット形式での販売となります。実際の組立の手順は・・・・と言いたい所ですが、試作部品の数量確保に問題ありとの事で、今回はヒロ坊さん御自ら組み立てチェックされた貴重品を頂きました。
(注)デジカメのホワイトバランスの関係で下の写真はかなり緑がかっています。m(__)m また基板についている2本のスタッドは私がつけた物です。

cont_front.jpg (11716 バイト)

cont_back.jpg (12510 バイト)

という訳で、組立のインプレッションはお伝えできませんが、お話を伺い、現物を見る限りでは、それ程難しくはなさそうです。Turbo.PLL01を自分で取り付けられる方であれば、問題ないでしょう。

また、組立及び取り付け代行サービスも企画しておられるとの事です。

1999.11.14追記
組立方法についてはマニュアルがこちらで公開されています。組立済み版も販売されますが、キットの組立もなかなか楽しそうです。


3 取り付け

組立後の取り付けですが、こちらの方は簡単です。

cont_jumper.jpg (23165 バイト) 1 Turbo.PLL01 のROMを外す。

2 Turbo.PLL01のROMsocketの1,3pinをリード線で接続。

3  Turbo.PLL01とコントローラをケーブルで接続する。

ただ、これだけです。電源はTurbo.PLL01から供給される(逆に、コントローラからTurbo.PLL01に供給する事も可能)ので、電源接続も不要です。(ケーブルをPCケースの外に出してリモコン化する事も可能です)

PC本体への取り付けに関しては、5inchベイに取り付ける事になります。私の場合、5inchベイは一杯だったのですが、

「背に腹は変えられん!」
(島本和彦著「逆境ナイン」より)

という事で、TEACのスピーカアンプを外す事にしました。

cont_panel0.jpg (10683 バイト)

本来は専用パネルでこの様に格好良くなる筈ですが。

cont_panel1.jpg (18827 バイト) 今回はパネルが間に合わなかったとの事なのでとりあえず、スタッドで5inchベイの蓋に固定します。
cont_panel2.jpg (17071 バイト) ケースに付けてみると・・・無理矢理ですね^^; しかし、これはこれでなかなか・・・・

か・か・か・・・格好良いじゃないですか〜。

パネルは数量の関係で金型を起こす訳にもいかないという事なので、手作りで特注という事で少し高くなりそう(オプション)だというお話です。でも、より完璧なルックスを目指すのであれば必須でしょう。取り付け穴がかなり外側なので、自作をしようとするとかなり難しそうです。

また、腕に覚えのある方の為に、寸法図は公開される予定だそうです。私は素直に待ちたいと思います。(^.^)       

 

1999.9.12追記

cont_panel3.jpg (15251 バイト) とか言っている内に、ヒロ坊さんよりパネルを頂きました。m(__)m ケースのフロントパネル取り付け時に、ジョグダイアルが引っ掛からないかと思いましたが、全然問題ありません。通常の5inchベイデバイスと全く同じ感覚で取り付け可能です。いやあ、全然ルックスが変わってきますねー。

嗚呼、格好良い・・・・・・

1999.9.14追記
パネルについて書き忘れましたが、金属製です。5inchベイの大きさをギリギリまで有効に活用し、かつ強度も充分です。
基板上のスイッチ、LCD、ロータリーエンコーダとパネル面のクリアランスは、かなり絶妙な配置となっています。パネルに組み込んで改めて、コントローラのスイッチの配置(高さ)が計算され尽くしている事に気付かされます。うーん、御見事!(かなりご苦労されたそうです) という訳で、パネルについては、

普通の人には自作はまず無理だと思います。

折角コントローラを入手するのであれば、パネルもセットで入手される事を強くお勧めします。


4 Turbo.PLL01+外部コントローラでできる事

さて、実際に外部コントローラを搭載してできる事ですが、驚く程高機能(なにもここまで・・)です。全てを紹介する事は難しいので、私が利用するであろうごく一部の機能をご紹介します。

1 動作周波数のジョグダイアルによる変更

2 バックライト付きLCDによる周波数の表示(CPU, FSB, PCI, AGP, OSC)

3 動作周波数とは別に起動周波数を設定し、ディレイタイマー(最長9時間1秒単位で設定可能)で動作周波数へ移行(ペルチェによる予冷等に有効)

4 設定パラメータを8個のEEPROMに保持可能(CPUの交換時等に有効)

やはり、[動作周波数をバックライト付き液晶に表示しながら、ジョグダイアルでグリグリと変更する]という事に尽きるでしょうね。

CPUや各種デバイスの限界調査、安定性を無視したベンチマーク用の一発芸、安定性重視(BIOSupdate等)のClockダウン等々・・これだけ気軽にClockが変えられると、「常用安定周波数」という概念自体があやふやになってきそうです^^;


5 外部コントローラの操作

実際の操作ですが、全ての機能を使いこなそうとするならば、非常に高機能故なかなか難しいです。^^; しかし、20ページを超える精緻なマニュアル(PDF形式で配布予定)が用意されていますので、よく読んで自分に必要な機能を使う分には全然問題ないと思います。

ここでは、私が導入の際に行った操作について紹介します。

<設定条件>
    使用CPU        : Pentium3-450(4.5倍速)
    M/B設定FSB  : 117MHz(PCI 1/4設定の為) ← 以後ベースFSB(BsFSB)と呼称
    AGP設定        : 2/3
    動作目標        : 630 MHz

0 起動 c_setup_1.jpg (9064 バイト) 初回起動時には、外部コントローラのデフォルト値は、ベースFSB=100MHz, 倍率5倍です。実際には、M/Bの設定は FSB:117MHz、CPU倍率は4.5倍なので食い違っています。
2

 

パラメータ設定

 

 

c_setup_5.jpg (7895 バイト)

コントローラのセットアップモードに移行します。
BsFSB=117、Multi.(CPU倍率)=4.5, AGPdev=1/1.5(AGP 2/3), PCIdev=1/4.0)に設定します。設定したパラメータをPLLに反映させた後、オペレーションモードに戻ります。表示をFSBにして、FSBを117.0に設定します。
WCPUIDを利用してFSB周波数を計測します。ここでは、116.93MHzでありマザー側PLLとPLL01で多少の誤差がある事がわかります。再度セットアップモードに移行し、BsFSBを116.9MHzに設定します。
c_setup_2.jpg (8393 バイト) オペレーションモードに戻り、周波数表示をFSBとします。計算誤差の為、117きっかりにはなっていません。そこで、117に一番近い117.025にジョグダイアルを回して設定します。
ここでWCPIDで再計測してみますと、FSBが117.03MHzになりました。
3 周波数誤差修正 c_setup_4.jpg (8314 バイト) まだ、少し誤差が残っている様なので、再度セットアップモードに移行し、Err Adjパラメータを選択します。少し高目のFSBなので、-1を設定しPLLに反映させた後、オペレーションモードに戻ります。
c_setup_3.jpg (8019 バイト) 周波数がずれてしまったので、117.0にジョグダイアルを回して設定します。ここでWCPIDで再計測してみますと、今度はFSBが117.00MHzになりました。
4 動作周波数の設定 c_setup_6.jpg (8488 バイト) 表示をCPU周波数にして、ジョグダイアルでCPU周波数を630MHzに設定した後、設定値をEEPROMに記録します。

手順をイチイチ書いていくと煩雑に思えるかもしれません。しかし、見てわかる通り手順のほとんどが周波数の微妙な誤差を修正する為のものです。(Turbo.PLL01 では設定とWCPUIDでの表示に1.3MHz程の誤差がありました。この辺りにも、ヒロ坊さんの並々ならぬ拘りが感じられますね。)

思ったよりずっと簡単です。

実際に弄ってみると、楽しさの余りに、つい我を忘れてしまいます。ヽ(´ー`)ノ

とまあ、最初の設定さえしてしまえばあとは勝ったも同然。次回起動時には、最後に設定した周波数で起動しますので、調子に乗ってジョグダイアルをグリグリ動かしてハングしてしまっても安心です。^^; 実際に操作してみるとあまりの快適さに言葉を失ってしまいます。何というか、ジョグダイアルのクリック感が脳に響くのですよ。

 

「まわすまわす! ブンブンまわしてやるとも!!」
(島本 和彦著「ワンダービット」より)

 

やられた・・・・今迄のTurbo.PLL01の操作は一体なんだったんだ・・・今迄、ずっと騙されていた(おっと失礼)・・・・と思う事は請け合います。私の右手の人差し指は、ダイヤルの回し過ぎで、指紋がほとんど消えてしまいました。(嘘)

OverClockerなら誰もが夢見たであろう光景が現実のものとして目の前にあります。[今時のP3]や[SP5400 AGP限界の謎]でケース内部にドライバを突っ込んでTurbo.PLL01を操作して、ちまちまFSBを変えて実験していた時にコレがあれば・・・・・と思わずにはいられません。^^;

1999.11.14追記
操作マニュアルについては、オンラインマニュアルがPDF形式でこちらで公開されています。一見すると少し難しそうですが、実際の操作については百聞は一見に如かず。思ったよりずっと簡単ですのでご安心を。


6 さて諸君、用意はいいかな?

とまあ、御紹介してきた外部コントローラですが、現在(1999.9.9)は発売の為の最終準備段階に入っておられるとの事。お話を伺うと、部品の確保に相当ご苦労されている様子で、販売価格、販売時期の確定についてはもう少しかかりそうとの事です。基本的には、WEB通販での販売になるそうで、近日中に販売用HPを立ち上げられる予定だそうです。

Over Clocker's Tool 会議室

で告知があると思いますので、要チェックです。CPUを一個買うのを我慢して、お金を貯めておきましょう!!

1999.9.13追記
本日、Turbo.PLL01外部コントローラの販売サイトが開設されました。その名も、

プルポップ pull the potential power

コントローラの予約受付も開始されています。発売予定は9月末との事。さあ、さっさと予約予約!

1999.11.14追記
台湾の大地震の影響等もあり部品の調達でご苦労されていた様ですが、そろそろ部品も揃い、発送が開始される模様です。気になる価格は、キット版が \14800、組立済版が \19800 です。ううむ、どう考えても安いよなあ。現状 Turbo.PLl01の市場在庫が0という事で、Turbo.PLL01の既存ユーザの方のみがその恩恵に預かれるという事になりますね。後継機種のコントローラ専用 PLL02/03のリリースももう間もなくとの事なので、Turbo.PLL01を持っていない方はもう少しの我慢です。


7 独り言

さて、如何でしょう? 仮にもOverClockerを標榜する以上、欲しくならない方がおかしいですね。実際、これ程OverClockが流行してるのに、「どのロットがどーだ」という話ばかりが先行し(あまり人の事は言えんな・・・^^;)、Turbo.PLL01も付けてないという人が多いのには不思議でなりません。

ジョブスとウォズニアックがガレージで手作りで始めたPersonalComputer(この言葉を作ったのはIBMですが)の歴史が、企業の手に移って久しい物があります。しかし、たった独りの方の拘りと匠の業が、大企業でも為し得ないこれだけの製品を世に問う事ができるという事実に、正直感動を禁じ得ません。ヒロ坊さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございます。m(__)m

「男の体に血が流れている限り、不可能はないんだよ」

(デズモンド・バグリィ著 「高い砦」より)

という訳で、温度管理モジュールの開発の方も宜しくお願いしますね(核爆)

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