99-Y-1: 北上高地の雄峰                                **

                    早池峰山          1,917m


 早池峰(はやちね)山の由来は、「山頂に開慶水という霊池があって、お経を上げて祈願すると、忽ち水が湧くので早池の泉と呼ばれていた所から早池峰となった。」と言われており、古くからの信仰の山である。盛岡から宮古に向かって、30Km程東に進んだ道路の南側に位置する。

 眺望は良く、晴れると岩手山鳥海山までが一望できるとのことである。山の上半分は岩山で、かなり急な30度近くの急斜面を1時間以上も急登する事となる。近くの岩手山が昨年7月から、噴火の為登山禁止となっているので、週末などは登山客でごったがえしているとの事である。 特に夏場は、ここだけに咲く和製エーデルワイスといわれる「ハヤチネ・ウスユキソウ」は、必見の高山草である。標高は1,917mで北東北の山としては、岩手山についで高い山である。標高の割に梯子やチェーンを使った急登の岩場の連続で、中級のコースといえよう。


日時:   1999年8月26日(木)
参加者: 山下 単独行(記)
交通:  車:気仙沼(4:50)―>遠野―>早池峰(8:00)
  下山後、 早池峰(13:30)―>盛岡―>酸ヶ湯温泉・八甲田(18:00)

登山コース: 約4時間(除く昼食)    (15、640歩)

(河原坊〜早池峰山頂) 2時間15分(8:15〜10:30)

 登山コースは2つあり、小田越からの方が標高差が少なく、登りのきつさも緩やかである。しかし、小田越はパーキング・スペースがなく、河原坊からスタートした。山はあいにくガスがかかっており、どのような山容か見渡せないのが残念だ。単独行なので登山簿に記録して沢沿いに登り始めた。いつしか、流れの急な沢の中を歩く事になった。急な沢の中の岩を選びながら登って行くのは、会津七ヶ岳で経験しているが、今日の岩はいやに滑る。2度ほど滑って沢の流れに靴を突っ込んでしまった。30分も沢の中で悪戦苦闘していたが、「いや、待てよ?」岩は苔が生えているし、至る所にクモの巣がはっている。「もしかしたら、道を間違えたのでは?」沢の左側に上がってみた。そこに登山道があるではないか。さっきの悪戦苦闘は何だったのか?山は常に冷静に周囲に気を配り、道をはずしてないかどうか確かめながら進まなければ、何時危険にはまり込むか知れない。特に今日はウイークデイの単独行だから気を付けよう。

 やがて、急な岩場が現れてきた。ずっと上まで急な岩場は続いている。上の方は霧がかかっていて頂上までは見渡せない。30度くらいの岩場の直登コースであるので、手を使わないとうまく登れない。そんな中、「ハヤチネ・ウスユキソウ」「ナンブ・トラノオ」「ナンブ・トオツウソウ」特に、「ハヤチネ・ウスユキソウ」はここ早池峰山だけにしかない和風エーデルワイス。非常に淡い灰紫の奥床しい高山草だ。ここの山は沢山、高山草が花開くとの事。
(写真:9合目の急な岩場


1時間半にわたる直登で、やっと頂上に着いた。すばらしいはずの眺望も、あいにくのガスで台無しだ。
(写真:早池峰の頂上。剣の飾りが沢山立ててある)









(早池峰山頂〜小田越〜河原坊) 1時間50分(11:10〜13:00)

 小田越しコースは河原坊コースに比べ、比較的楽だ。南に位置する薬師岳を見下ろしながら余裕を持って、小田越まで1時間ちょっとで下山できた。下に降りきったら、晴れ間が出てきた。早池峰山と薬師岳に挟まれた山間を充足した達成感で河原坊まで歩いた。
(写真:7合目の田代平から頂上を振り返る)




(本日のハイライト)

早池峰から八甲田の酸ヶ湯温泉まで車を飛ばせたが、ここの温泉は出色だ。千人が一度に入れるという大きさの混浴温泉だ。但し、ン十年前の娘さんしか入ってこない。もー上がろう!茹っちゃうから。
(写真:酸ヶ湯温泉、後ろに八甲田山)





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