99-Y-2: 東北の高層湿原で高山散歩                          *

                  八甲田山           1,584m


 私の八甲田山は、陸軍津軽師団が訓練で冬遭難した「冬の八甲田、死の彷徨」のイメージが強く、「東北の尾瀬」と言える高層大湿原は訪れてみるまで心の片隅にも存在しなかった。
しかしながら、ここは百名山と言うよりは、「日本の十湿原」と言う方が当を得ているように思える。ここも尾瀬と同様女性に大変人気が高いところのようである。山自体は、大岳が八甲田を代表する山のようであるが、尾瀬のヒウチヶ岳の様な存在で、どちらかと言うと脇役のようである。ここの毛無岱(ケナシタイ)高層湿原には、300種にのぼる高山水生植物が生息しているとの事。高山植物愛好家にとっては垂涎の散策地と言える。大岳の登山コースは難もなく一般向けコースといえよう。

日時:   1999年8月27日(金)
参加者: 山下 単独行(記)
交通:  車: 下山後、酸ヶ湯温泉・八甲田(15:00)―>嶽温泉・岩木山(16:30)「嶽の茶屋」泊


登山コース: 約5時間    (16、750歩)

(酸ヶ湯温泉〜仙人岱〜大岳山頂) 1時間50分(9:00〜10:50)

 酸ヶ湯温泉が登山コースの出発点で、先ず、朝風呂を浴びて、車を旅館のパーキングにおいたまま9時という遅いスタートとなった。初めはだらだらとした林間の緩やかな上りで、昨日の早池峰の疲れの残る体には、程よいウォーミングアップとなった。このコースは、余り一般コースではないと見えて、殆ど一人旅となった。渓流に沿って1時間程登ると、仙人岱という湿原に着いた。ここは日光の戦場ヶ原を思わせる湿原で高山草を眺めながら静寂の中の休憩となった。

ここから大岳山頂は東に一望でき、「あと1/3の行程はあそこの頂上か。」と簡単に時間の計算ができる程丸見えだ。しかしそこから頂上までの登りはきつかった。決して昨日の早池峰の様な急勾配ではないが、昨日の疲れが残っているようだ。山頂に近づくにつれて、今まで晴れていた空が、にわかに曇ってきて眺望は瞬く間にガスの彼方に消え失せてしまった。ァーあと1時間早く出発していりゃ青森湾、陸奥湾も一望できたものを!
(写真:仙人岱から大岳を望む)


(大岳山頂〜上毛無岱〜酸ヶ湯温泉) 2時間 (11:15〜13:15)

 山頂から上毛無岱までは一気に下山した。上毛無岱はすばらしい高層湿原だ。尾瀬のように有名ではないが、どこから集まってきたのか沢山の高中年の女性ハイカーがにぎやかに湿原を楽しんでいる。今はシーズンオフで余り花はないが、マルモモウセンゴケ、ウメバチソウやキンコウカが見つけられた。300種の高山水生植物が生息しているとの事。是非7月頃にもう一度訪れてみたいものだ。下山して、酸ヶ湯温泉で、もう一度温泉に浸かって、2日目の疲れを癒した。
(写真:上毛無岱湿原から大岳を振り返る)


(写真:毛無岱から下毛無岱湿原を望む)

(本日のハイライト)

青森の女性: 

 八甲田から岩手山に向かう途中、青森ナンバーの車が後ろに着いた。若い女性が2人のっている。信号が黄色になった。止まらずに交差点を通過した。後ろの車もついてくる。2度目の黄色信号でも又ついてくる。3度目はほぼ赤になりかかった。しかし、後ろは止まる気配なく突進してくる。あきれて道側に寄って、ストップし、側を悠然と通り過ぎて行く車を驚嘆の眼差しで見送った。青森の女性は何と強気なんだろう!



次へ(岩木山)

トップページへ戻る

「登山」トップへ戻る