11/24(金)

【前泊ホテルにて】

 残業にだけはなるなと念じ続けたのが奏功し、午後6時の終業と同時に会社を飛び出した。7時過ぎの新幹線に乗り、関空日根野ステーションホテルを目指す。
 明日の朝の出発に備え、両親とともに、ここに前泊することにしていた。それほど早朝の出発ではないのだが、少しでも疲れを分散させることとと、当日待ち合わせをする危険性を考慮した。
 実は今朝から、なんとなく体調が悪い。頭がぼおっとして、悪寒がする。風邪の前兆だ。珍しく朝御飯をしっかり食べて、昼休みには薬を買ってきて飲んだのに、まだどこかおかしい。関空までの電車に揺られながら、なんとか回復してくれと祈り続けた。

 ホテルに着き、チェックインをしながら、両親はもうとっくにホテルに入っているはず、とフロントに確認してみると、
「まだですね」
と言われた。もう9時半近くになっている。午前中には家を出ているはずなのに、おかしい。何かあったのかと、不安になる。とりあえず実家に電話するしかないかと思っていると、
「あ、間違えました。いらっしゃってます」
とフロント係員。びっくりさせないでよー。

 部屋に入り、隣の部屋にいる両親と会う。これでまずは一安心。二人は昼12時ぐらいに着いていて、チェックイン前なのに運良く部屋に入れてもらい、ずっと寝たりテレビを見たりして過ごしていたらしい。翌朝はホテルから空港までのバスに乗ること、朝食はとらずに空港で済ませることなど、簡単な打ち合わせをし、早々に眠ることにした。
 部屋で一人になるが、悪寒はまだ去らない。パソコンで日本での最後のサイト更新を済ませた後、うがい薬を使って丹念にうがいをし、薬を飲んでベッドに入る。
 なんだか、しんどくて寝付かれない。のどの痛みも激しくなってきた。完璧にやばい。こんな調子だと、明日からの日程をこなせるのか、行ったとしてもずっと寝たきりになるかも、などと不安で不安で仕方なくなる。
 それでも、旅先での体調不良はいつも根性で直してきた経験がある。今回もなんとか、なんとか回復してくれ、と体に願いを込めた。すると、嘘みたいな話だが、熱が一気に高まったかと思うとすーっと抜けていき、それ以後は見違えるように楽になった。願いが通じたのだ。その後、安心し、いつしか眠りに落ちていた。


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