ウマノアシガタ

「だんだんに 己かがやき 金鳳花」・・・・・中村汀女

上記の句にあるように、ウマノアシガタより俗称キンポウゲ(金鳳花)の方が通りがよく、その名の通り、太陽の下では金色に光り輝く。 花弁が光を浴びてキラキラ光るのは花弁の下のデンプンを含む細胞層が光を反射する事による。
キンポウゲはいかにもふさわしい名であるが、分類上は固体を指す言葉では無く、キンポウゲ科全体を指し、この花の正式名はウマノアシガタである。 一説にはウマノアシガタの八重咲きをキンポウゲと呼ぶのだと言う人もいる。  日本全土、中国、朝鮮半島に分布し、しばしば群生して野を黄金色に彩り、金鳳花の名にふさわしい花姿を見せる。

ウマノアシガタ

根生葉の形を馬蹄形に見立ててウマノアシガタの名があるが、葉は馬蹄形には見えず、むしろ、表題の写真の様に3裂したものが更に浅く裂けている葉は鳥の足跡の様に見え、トリノアシガタが間違ってウマノアシガタになったのではないかと言う説もあるぐらいである。
キツネノボタンと良く似ているが、ウマノアシガタのほうが花も全体像も大柄で、葉の形も異なる。( 「キツネノボタンの金色」 の項参照)
トリカブト、フクジュソウ、キツネノボタン等のキンポウゲ科の花は有毒である事が多いが、ウマノアシガタも有毒植物で、アルカロイド等の物質を含み、誤って口にすると、下痢、腹痛、嘔吐を催す。 しかし、砕いて塗ると腫れ物、皮膚病に薬効がある。
ウマノアシガタとどう考えても意味不明の名を持って、それが定着してしまったキンポウゲ科の花である。

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