キツネノボタン

4月に河原や田の畦で金色に光り輝く花畑を見つけたら、それはキツネノボタンかウマノアシガタか、あるいはタガラシの群落であろう。
いずれもキンポウゲ科の花で、花弁の下のデンプンを含む細胞層が太陽光を浴びて金色に照り輝く。 この金色に輝く様子を写真で表現するのはなかなか難しく、照り輝く群落を未だうまく表現できずにいるが、毎年、来年の楽しみと負け惜しみを言っている。

キツネノボタンの群生

葉がボタン(牡丹)に似ていて、花はボタンではなく、又、キツネがでそうな野原に咲くのでキツネノボタン(狐の牡丹)の名があり、又、写真に見られるように花の終わった後の実(み)の形がコンペイトウのようなのでコンペイトウ草の別名がある。
日当たりの良い湿気のある川原や田の畦に生え、日本各地、朝鮮半島、中国に分布する。
この仲間には花や形はそっくりであるが、毛の多いケキツネノボタンや、背丈はキツネノボタンより高いが花が小さく、花期が遅く、夏の頃山裾に咲くヤマキツネノボタンがある。 ヤマキツネノボタンについてはキツネノボタンの変種として区別しない学者もいる。

キツネノボタンと蝶    キツネノボタンの葉と実     ヤマキツネノボタン

キンポウゲ科の花はトリカブトに代表されるように有毒であるが、この花も毒性があり、セリ等と一緒に摘んで食べると胃腸炎を起こすので注意を要するが、葉や茎をつぶして塗ると扁桃炎に効く薬草にもなる。
仲間のウマノアシガタ、タガラシと共に、合せて春を金色に彩る。( 「ウマノアシガタは金鳳花?」、 「タガラシと痩せた水田」 の項参照)

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