トウダイグサ

トウダイグサは春が来たことを実感させる花(雑草?)のひとつで、道端や野にその独特の姿を現す。
仲間にノウルシ、タカトウダイ、オオニシキソウ、コニシキソウ等があるが、これらトウダイグサ科の花は写真にも見るように、杯状花序と呼ばれる独特の風変わりな花序を持つ。( 「オオニシキソウの輝きの一瞬」 の項参照)
きわめて原始的な構造で、花弁やガクが見られず、総苞片の中の一本、一本の雄しべや雌しべが花そのものである。
一本の茎が伸び上がり、皿に菜種油を入れた灯明を置く灯火台(燈台)に似ているのでトウダイグサの名が付いているが、その形からスズフリバナ(鈴振り花)とも呼ばれる。 
野に咲いている様子は花と呼ぶには程遠く、雑草としか見られないが、この仲間に欧州から帰化したマツバトウダイと呼ばれる帰化種があり、下の写真は、たまたま野原で写したものであるが、こうなるとまさに花である。

マツバトウダイ

又、仲間のポインセチアは観葉植物として広く知られている。
トウダイグサやトウダイグサの仲間は 固体を傷つけると白色の乳液を出すが、有毒で、手がかぶれたり、誤って食べると胃腸炎を起こす。 一方、これを利用して、絞り汁を作物の駆虫剤に使ったり、又、植物全体を解熱、去痰、利尿等の民間薬として用いる。


灯明等も時代劇でしか見られなくなり、名の由来を言われても分からない世代が増えつつあるが、その独特の姿で春を象徴する植物のひとつであり、越冬前の茎や葉は紅葉して草紅葉の代表格でもある。

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