ハルシャギク

梅雨の頃、河川敷や道端に小ぶりながら中心が濃紅色で周辺は黄色の蛇の目模様の派手な花が現れ、しばしば群生するので良く目立つ。
ハルシャギク(波斯菊)と呼ばれる北アメリカ原産の帰化種で明治時代初頭にヨーロッパ経由で来たとされる。
波斯とはペルシャのことで、ハルシャギクはペルシャの菊と名付けられた名前であるが、ヨーロッパ経由で来た為に間違えたか、あるいは意図的にそう呼ばれたのであろう。
別名、ジャノメソウとも呼ばれ、花びらの径が2−5p、高さ60−80p、葉は羽状に全裂し、花期は5月下旬から12月と長い。
性質は強く、一年草ではあるが、こぼれ種で翌年も自然生えが出る為、野の花として定着したのであろう。


キク科ハルシャ属の仲間にはオオキンケイギクがあり、こちらは特定外来生物に指定され、撲滅運動の対象となって、近年、毎年新聞紙上を賑わせている。( 「オオキンケイギクの駆除騒動」 の項参照)
一方、ハルシャギクのほうは特定外来生物に指定されず、したがって撲滅運動の対象にはなっていない。 ハルシャギクが一年草である一方、オオキンケイギクは多年草で繁殖力が強いという理由であろうが、目立ちすぎると杭を打たれると言う事であろうか。
いずれにせよ、ハルシャギクの方は幸運にも無事太平を謳歌している。

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