スズメノヤリとスズメノカタビラとスズメノテッポウ

スズメノヤリ

春になると、散歩道のあちこちにスズメの名の付く草本が目立ち始める。 スズメノヤリ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、スズメノエンドウ等々である。
もっとも、野草にスズメの名が付くと小さいという意味で、いずれも小さく、注意して見ないと見過ごされてしまうが、花期に群生しているのを見たり、あるいは拡大して見たりすると思わぬ表情を見せる。

この内、スズメノヤリはイグサ科、スズメノカタビラとスズメノテッポウはイネ科、スズメノエンドウはマメ科と多岐に渡っている。( 「ノエンドウ3姉妹」 の項参照)

スズメノヤリ

スズメノカタビラ

スズメノテッポウ

スズメノヤリは花序の形を大名行列の毛槍に見立てて名付けられた。 雌性先熟で、雌しべが萎びて褐色になり始めるとオシベの葯が出てくる。 自家受粉を避けて強い子孫を残そうとする植物の知恵である。
スズメノカタビラは小さい穂を付けた花序を雀に着せた帷子(かたびら・・・裏地の無い単衣の着物)に見立てて名付けられたものである。 世界中に分布し、日本には麦と共に帰化したと考えられるが原産地は定かでない。
スズメノテッポウは細長い花序を鉄砲に見たてた名前であるが、田んぼに多く、稲作と一緒に渡来した帰化植物と考えられている。 穂を抜いて吹くと草笛になり、昔はピ−ピ−とよく鳴らしたものである。
これらにスズメノエンドウを加え、スズメと名の付く植物はあちこちに茂っていても雑草として注目される事も無いが、早春の一時期、気を付けて見ると思わぬ表情を見せる。

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