トキワツユクサとツユクサ科の花々

トキワツユクサ

ツユクサの名から連想するのは朝露をつけて早朝に咲き夕方には閉じてしまう青い色をした花であるが、近年、日本各地で白色のツユクサが咲く。 青色のツユクサは花期が夏も終わりの頃であるが、こちらは初夏と花期も早い。( 「ツユクサと友禅染」 の項参照)
トキワツユクサと呼ばれる南アメリカ原産の帰化植物で、昭和初期、園芸種として導入された花が野生化し、現代では初夏の散歩道のいたるところで見られる。 葉が常緑なので常盤(トキワ)の名が付いていおり、別名ノハカタカラクサ(野博多唐草)とも呼ばれる。

通常のツユクサに代表されるツユクサ科の植物は熱帯を中心に世界に約40属500種類程度存在するが、現在、日本には、古来から自生しているツユクサや帰化種のトキワツユクサを含め、ツユクサ属、ムラサキツユクサ属、イボクサ属、ヤブミョウガ属の4属8種類程度が見られる。
散歩がてらに良く見られるのはツユクサ属のツユクサ、ムラサキツユクサ属に属するトキワツユクサ、ムラサキツユクサ、オオムラサキツユクサ、ムラサキゴテン、イボクサ属のイボクサ、ヤブミョウガ属のヤブミョウガ等である。

     ツユクサ       ムラサキツユクサ   オオムラサキツユクサ

ムラサキゴテン         イボクサ         ヤブミョウガ

北米原産のムラサキツユクサ、オオムラサキツユクサ、メキシコ原産のムラサキゴテンはトキワツユクサ程ではないが、一部野生化している。 トキハツユクサは同じムラサキツユクサ属に属するが、これだけは白い花を付ける。
水田雑草のひとつであるイボクサもツユクサのひとつでにイボクサ属に属し、茎や葉をちぎると出てくる液体を疣(イボ)に付けるとイボが取れるとされた事からその名があり、田の畦や池や沼等に生える。( 「コナギと水田雑草」 の項参照)

夏から秋にかけてヤブミョウガが野に咲き、葉がミョウガに似ているのでヤブミョウガの名があるが、れっきとしたツユクサ科ヤブミョウガ属の花である。( 「ヤブミョウガとミョウガ」 の項参照)
夏の早朝の土手や野原を青と白と紫で彩るツユクサの花々である。

次へ

最初のページへ戻る