キク

11月も中頃になり、花の少ない季節に散歩道で目立つ花は何と言ってもキク(菊)の花で、道端、畑、田の畦等いたるところに植栽され、良い香りと豪勢な花で散歩をする人の目と鼻を楽しませてくれる。
カントウヨメナ等の野菊も可愛い花を咲かせているが、やはり、華やかに咲くのは園芸種のキクである。( 「カントウヨメナと野菊達」 の項参照)

散歩道のキクいろいろ

菊は二千年以上前から中国では薬用や食用として栽培され、日本に渡来し、平安時代ごろに鑑賞の対象として独自の品種が育成されるようになった。
育種が一気に展開されたのは江戸時代で、これが西洋に渡りさらに改良され洋菊となり、日本の和菊と区別されている。
古今和歌集の頃から盛んに歌にも詠まれるようになり、後鳥羽上皇が身の回りの調度品に菊を施したことから次第に天皇及び皇室の紋章となった。
旧暦9月9日の重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ、キク酒が飲まれ、菊合わせも盛んに行われた。
菊の名の由来は「きわまる」を語源とし、一年の最後に咲くからとか、中国で「クク」と呼ばれていた等諸説ある。
この地方の11月の散歩道で目につく花は圧倒的に菊の花で上記の写真はその半分ほどを載せたに過ぎない。

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