ハヤトウリ

ハヤトウリ雌花

10月も中頃になると、土手の所々に蔓(つる)と葉を鬱蒼(うっそう)と茂らせ、可愛い白い花をいっぱい付け、洋ナシに似た果実を付けるウリ科の植物が目立つようになる。 調べてみたらハヤトウリであった。
元々は畑にあったものであろうが、畑からかなり離れた土手や廃屋のフェンスにからまって茂っている様を見ると相当強い植物であろう。
熱帯アメリカ原産で、大正六年鹿児島に導入され、薩摩隼人の名を取ってハヤトウリと命名された。 苗一本から100個以上の果実が取れる事からセンナリウリ(千成ウリ)とも呼ばれる。
主として漬物用として用いられ、又油炒め等で食べられる。
通常、キュウリ、スイカ、カボチャ、マクワウリ等、食用となる瓜(うり)はほとんど中国経由で日本に渡来したが、ハヤトウリだけはアメリカ大陸から渡来した変り種である。( 「ウリ科の野菜」 の項参照)
種子は果実の中にひとつあり、果実の養分だけで発芽するので、それが野生化している原因であろうか。
雌雄同株で、下の写真上段が雄花、下段が雌花と果実である。 果実にも緑色と白色があり、洋ナシに似た面白い形をしている。

ハヤトウリの雄花

雌花と果実

ウリ科の植物は畑を離れて土手等に進出している例が多いが、ハヤトウリがその代表であろう。

次へ

最初のページへ戻る