タカサブロウ

タカサブロウという気になる名前が付いている。 タカサブロウ(高三郎)の名前は人名で、武士の名であったようにも見えるが、由来は定かでない。
別名をボクトソウ(墨斗草)と呼び、搾汁が黒色になり汁で字が書けるのでその名がある。 タカサブロウ(高三郎)が貧しくてこれを使って字を書いたとの説も有るが、定説ではない。
稲の穂が実る頃、水田の脇の湿った場所にいっせいに花を咲かせる水田雑草のひとつで、一年草であるが、種子が水で散布され、翌年もあちこちに花を付ける。
世界の暖帯から熱帯にかけて広く分布し、日本でも北海道を除く本州以南の水田、溝等、湿気のある所に生え、下の写真のように濃い緑色の果実をつけるが、この種子が水に運ばれて生殖地を広げる。
最近の農業は農薬を多く使うので、水田雑草も少なくなってきているが、タカサブロウだけは今でも散歩道の田の畦の周りのいたるところに繁茂している( 「チョウジタデと水田雑草」 の項参照)。

タカサブロウの花と実と水田

面白い形の花と、特徴の有る果実を持ったキク科の花で、現代では雑草でしかないが、かっては煎じて飲むと止血の効果があるとされ、皮膚のただれにも効くという薬草でもあった。
タカサブロウと一風変わった名前をもち、その由来を調べても分からないのは気になる事である。

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