ヒメジョオン

ヒメジョオン(姫女苑)は北アメリカ原産の小さな可愛らしいキク科の花で、しばしば群生し、初夏の散歩道に白いお花畑を作る。
花は受粉しなくても種子を作り、春から夏にかけて一気に成長し、一気に広がって群落を作る。
日本に古来から咲いている花の様に見えるが外来種である。
明治時代に入ってきて、鉄道と共に日本全国に広まった。 従って、テツドウソウ(鉄道草)、テツドウバナ(鉄道花)とも呼ばれた。

ヒメジョオンの群生

一方、大正時代にヒメジョオンとそっくりなハルジオンが帰化し、両者を花だけ見て区別する事は難しい。( 「ハルジオンと紫苑」 の項参照)
ただハルジオンが春に咲き始めるのに対し、ヒメジョオンの咲く時期が初夏にかけてと遅く、蕾はハルジオンのようにうなだれず、比較的真っ直ぐに付き、葉はハルジオンの様に茎を抱くことは無い。 又、茎がハルジオンが空洞であるのに対し詰まっているので、茎を切ってみればはっきり分かる。
ハルジオンは漢字で春紫苑と書くように、名前の由来は 「春咲く紫苑」 を意味し、牧野富太郎博士が命名した事ははっきりしているが、ヒメジョオン(姫女苑)の名の由来はもうひとつはっきりしない。 ヒメジョオンもやはり 「小さな紫苑」 を意味し、名前が付けられた時に姫紫苑の名の有る別の花があったので姫女苑の漢字が当てられたとされる説もあるが定かではない。 ただ現代では一般にヒメジオン(姫紫苑)とも呼ばれる。
ヒメジョオンは秋に発芽する越年草で、他の草が入り込み陰になると発芽できなくなるので、多年草のハルジオンに置き換わられたりして、現在ではハルジオンの方が優勢である。
それでも開墾地や造成地にしばしば群生して初夏の散歩道の野原を白く染める。

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