シリーズ薄井裕自然写真教室
第3回 構図の考え方とバリエーション2
☆三角形構図
どっしりとした安定感が得られる
構図パターン | 説明 | 作例 |
![]() |
堂々とした安定感をもたらす構図だが、逆に平凡な画面になりがちな側面がある。近景をいれたり、三角形以外の場所にアクセントを置いたりと、ちょっとした画面変化をつけたい。 末広がりとなり、安定感と先端へ向かうリズムを引き出しやすい。風景では広角レンズで、例えば木々に近寄ると、この構図になりやすい。 |
三角形構図作例 (クックすると拡大します) |
☆遠近法構図
直線でまとめた構図で緊張感がある
構図パターン | 説明 | 作例 |
![]() |
広角に適した構図。自然の地形や人工物を利用して、遠近感を強調する方法。絵画の基本技法のひとつである。透視図法につながる。 直線的な構図のため、緊張感も出 しやすい。 |
遠近法構図作例 (クリックすると拡大します) |
*構図作りには大胆さや柔軟性も必要
三角形構図や遠近法構図は、絵画の世界でもよく用いられるテクニックで、写真にも応用できます。しかし、無地のキャンバスに好きなように描ける絵画とは違って、写真を撮るときは「安定感のある三角形構図で撮ろう」と思っても、難しいことのほうが多いはず。大事なのは、どのような構図があって、それがどのような効果をもたらすのかを知っておくことなのです。
勿論、ここまで紹介してきた法則は、あくまでも目安のようなもので、それらを無視しても構図として成り立つ写真はたくさんあります。自分の意思を反映したバリエーション豊かな作品づくりに挑戦しましょう。
☆「間を作る」
紅葉を主役に雰囲気を醸し出す
構図パターン | 説明 | 作例 |
![]() |
これまで解説してきた法則はあくまでも目安みたいなものであって、それを無視しても構図として成り立つ写真はたくさんあります。要は作品の中に撮影者の意思が存在していればよいのです。 | 「間を作る作例」 (クックすると拡大します) |
☆「斜めにする」
見慣れた光景が非日常的な感覚に変わる
構図パターン | 説明 | 作例 |
![]() |
カメラの水平をしっかり出す構図は安定する。しかし、時にはあえてカメラを傾けて構図に動きを出してみるのも面白い。ただし、「斜めになってしまった」ではなく、意思を持って斜めに構えることで、写真に表現力を生み出されることが重要だ。 | 「斜めにする」作例 (クックすると拡大します) |
☆日の丸構図
中央1点でバランスがよい
構図パターン | 説明 | 作例 |
![]() |
画面の中心に被写体がくる日の丸構図は、通常はよくないとされるが、あえて、中心に被写体を置いたほうがいい場合もある。その代表例がシンメトリーな構図。 左右同じ大きさのアクセントがある場合、バランスを考えると画面中心に被写体がくるのは自然なことといえる。 |
日の丸構図作例 (クックすると拡大します) |
★次回は風景の基本構図テクニックを学びます