*** 没後250年特集 *** タルティーニをクレモナの名器で聴く |
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コロナ渦に苦しむイタリアのクレモナで、箕面市出身のヴァイオリニスト
横山令奈さんが、大聖堂の鐘楼や病院の屋上から、“祈り”のヴァイオリン演奏をした映像が、テレビやネットで世界中に配信されて、大きな感動を呼びました。 |
昔から、クレモナの名器には神秘的な力があって、神に捧げるべき楽器とも言われました。グァルネリのデル・ジェスという名称は、“イエスの(del
Ges)”という意味ですし、楽器の f 字孔から内部を覗くと、サインとともに、十字架を描いたラベルが貼られています。いかにも祈りに相応しく、その音色は心を癒やす力がある楽器なのです。 |
![]() トリオレコード PAC-2023 (1963年頃の録音) |
タルティーニは、この曲を作曲した頃、まさに油の乗り切っていた時期ですが、この第2楽章は、とくにヴァイオリンの音色の美しさを堪能させる名旋律です。 |
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今年は、タルティーニの名曲をクレモナの名器で演奏するリサイタルが、日本でもいくつか予定されました。6月には、兵庫県芸術文化センターでも、実力派の米元響子さんが、タルティニの《悪魔のトリル》などを、1727年製のストラディバリウス(サントリー芸術財団より貸与)を駆使して演奏する予定でしたが、コロナ渦により、こちらは中止になってしまいました。 |
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![]() 、 RCA BVCC-37334 (1959年1月録音) |
タルティニがまだ20歳の頃、夢の中に悪魔が現れてヴァイオリンを弾き、その美しさに目が覚めて、すぐに譜面に書き取ったという有名な伝説がある曲です。 |
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![]() OPUS111 MOPS30-95 (1993年12月録音) |
最後に、タルティーニ晩年の作品を古楽器で鑑賞します。モダン楽器とは一味違います。 |
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*タルティーニの作曲年代には諸説ありますが、ここではジャケット記載どおりとしました。(選曲&文責:中野 哲男) |
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