第Ⅰ分冊の続きとして、 等角写像と解析接続、Riemann の写像定理について述べる
本書の最初にある、§3.1 等角写像で、著者はこのように書き始める:
`w = f(z)` を或る領域 `D subset CC` で定義された正則関数とする. 複素平面 `CC` 上の点を文字 `z` で表わしたとき `CC` を `z` 平面,`w` で表わしたとき `w` 平面とよぶことにすれば, 正則関数 `f` は `z` 平面上の領域 `D` に属する各点 `z` をそれぞれ `w` 平面上の一つの点 `w = f(z)` に移す写像(mapping)である. 関数 `f` も写像 `f` も `z in D` に `w = f(z)` を対応させる対応であるという意味では同義であるが, 複素解析では対応 `f` の幾何学的性質を考察するとき `f` を写像という場合が多い.
この最後の文章には写像も関数も形式的には同義であるがその nuance は異なるのである.
という脚注がある。
厳密を是とする数学でも、ニュアンスということばを出して含みを持たせることもあり、安心するのだった。
本書でも、そして複素関数入門や 複素関数論Ⅱでも、 本書では (3.25) 式である次の形の変換
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 複素解析Ⅱ |
著 者 | 小平 邦彦 |
発行日 | 1973 年 2 月 1 日 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | |
サイズ | A5版 124 ページ |
ISBN | |
その他 | 岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む |