まえがきから引用する。
(前略)本書ではこのフーリエ解析を基礎からはじめ,特に多変数の場合に焦点を当てて解説している. (中略)この本では,そのような応用に使われている多変数フーリエ解析を純粋数学の立場から述べることを試みている.
文中には問がある。解答はない。
正誤表ほか付録が下記にある。
http://www.araiweb.matrix.jp/fourier2/fouri2.html
私のような、頭が弱い者にはわからない。ただ、少しは問題をやってみよう。p.5 にある次の問題だ。なお、 本書では R を実数全体のなす集合とし、C を複素数全体のなす集合としている。 また K により R または C により表すこととしている。 このページでは R、C、Kをそれぞれ `RR, CC, bbbK` で表す。
問題 1.1 `v_0, cdots, v_(N-1) in bbbK^N` を `bbbK^N` の基底とする.`x in bbbK^n` に対して, (1.1) の `alpha_0, cdots, alpha_(N-1)` は一意的に定まることを示せ.
理系のための線型代数の基礎の pp.17-18を参考にして次のように解答した。
ここで (1.1) 式はあるスカラー `alpha_0, cdots, alpha_(r-1)` とベクトル `x, v_0, cdots, v_(r-1)` に関する次の等式
`x = alpha_0v_0 + cdots + alpha_(r-1)v_(r-1)`
である。本書注意の 1.2 (p.5) により、線形代数の一般論から,`v_0, cdots, v_(r-1)` が `bbbK^N` の基底であれば `r = N` であることが証明できる
ので、以下 `r = N` とする。さて、以下解答である。
(1.1) で `r = N` としてよいので、
フーリエ変換は数学者だけでなく物理学者も工学者も取り上げるが、z 変換となるとほとんどが工学者しか取り上げない。 本書は第 3 部で z 変換やハーディ空間を取り上げていて、システムの安定性についても触れられている。数学書では珍しいと思う。
数式記述は ASCIIMathML を、 数式表現は MathJax を用いている。
書名 | フーリエ解析学 |
著者 | 新井仁之 |
発行日 | 2003 年 7 月 5 日(初版第 1 刷) |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3400 円(本体) |
サイズ | 276ページ |
ISBN | 4-254-11597-0 |
その他 | 草加市立図書館で借りて読む |
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