小島定吉:3 次元の幾何学

作成日:2022-11-22
最終更新日:

概要

まえがきから引用する。

本書は表題の通り「3 次元の幾何学」を解説する書である.

本文中には「課題」がある。解答はない。

感想

私は頭が弱いので、本書に書かれていることは皆目わからない。

第 1 章は「多面体を貼り合わす」である。少しずつ読んでいったが、「1.1.3 仮想貼り合わせで曲面を」でもうわからない。 p.9 には本章でただ一つの課題がある。それは次のとおりである。

課題 1.4 `n ge 7` とするとき,`n` 角形を何枚かこれまでに記した条件をみたすように貼り合わせて閉曲面を構成し, その種数を計算せよ.

もちろんわからない。ただその先には、コメント 1.5 がある。抜粋すると、たとえば 24 枚の七角形を貼り合わせて, 辺にそって進む道が左折右折を交互に 8 回繰り返すと必ずもとに戻るという対称性をもつ種数 3 の閉曲面が得られる. これはクラインが深く研究した 4 次代数曲線で,(中略)アメリカのバークレイにある数理科学研究所の庭にはこの 4 次曲線の彫刻が置かれている. とある。

この彫刻を WEB で見たのだが、一方向からのばかりで、種数が 3 には見えないのだった。

第 2 章は「かどをとる(幾何化)」である。サークルパッキングを使った幾何学的構造を示しているが、私にはわからない。 図 2.16 に「サークルパッキングの展開図」があり、これを見ていると和算の算額に似た絵があったような気がする、 と思っただけである。少しあとで、p.44 にこのような記述がある。もちろん、わからない。

最初に簡単な三角形の性質から.かってな正数 `a, b, c gt 0` に対し, `a+b, b+c, c+a` を 3 辺の長さとする双曲(またはユークリッド)三角形を `/_\ABC` で表す. ここで頂点 `A` は長さ `a+b, a+c` の辺の交わりとし,その角度を `alpha` で表す.頂点 `B, C` も同様とし,その角度を `beta, gamma` で表す.このとき次がなりたつ.証明は読者の課題としよう.
補題 2.9 `b, c` を一定におき,`a` を短くすると,頂点 `A` は三角形 `ABC` の内側に入る. とくに `alpha, alpha + beta, alpha + gamma` はいずれも増大し,`beta, gamma` は減少する.

第 3 章は「3 次元双曲多様体」である。2 次元の双曲幾何すらわからないので、3 次元の双曲多様体などわかるはずもない。

第 4 章は「体積をめぐって」である。第 1 章から第 3 章までがわからないので第 4 章も当然わからない。p.105 をみると、こんな記述がある。

体積の表示を対称的にするため,

`Л(theta) = -int_0^theta log|2sinu|du`
で定義されるロバチェフスキー関数を考える.

数学の記号にはラテン文字のほか使われるのはギリシャ文字やヘブライ文字ぐらいで、キリル文字が使われることはないと思っていたが、 やっと巡り合えた。 この関数の名前にあるロバチェフスキーとは、ボヤイとともに非ユークリッド幾何(の一つである双曲幾何)を生み出した ニコライ・イヴァノビッチ・ロバチェフスキー(Никола́й Ива́нович Лобаче́вский)のことだろうか。

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数式記述

数式記述は ASCIIMathML を、 数式表現は MathJax を用いている。

書誌情報

書名3 次元の幾何学
著者小島定吉
発行日2002 年 10 月 15 日(初版第 1 刷)
発行元朝倉書店
定価3600 円(本体)
サイズ200 ページ
ISBN4-254-11602-0
その他草加市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi