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2008年に上演した作品


2008年1月例会
銃口 劇団文化座 天国までの百マイル 
原作/浅田次郎 脚本/八木柊一郎 演出/原田一樹
出演/佐々木愛米山実有賀ひろみ阿部敦子阿部勉佐藤哲也酒井美智子青木和宣田村智明鳴海宏明前田海帆小谷佳加姫地実加青山真利子長束直子高橋未央後藤晋
1月22日(火)6時30分 
  23日(水)1時30分・6時30分 
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 「鉄道員(ぽっぽや)」(1997年直木賞受賞)をはじめ、「壬生義士伝」「蒼穹の昴」など精力的な執筆活動で、数々のベストセラーを世に送り出し、幅広い年齢層の人々に圧倒的な支持を受けている浅田次郎氏。氏の作品の根底にある人間を見据える視点には、鋭くありながらも常に優しく、包み込んでくれるような温かさがあります。その作品群の中でもひときわ光彩を放つこの「天国までの百マイル」も、そんな浅田氏の優しさが満ち溢れた作品です。
 バブルで何もかも失った主人公が、母親の病気をきっかけに、真の人間らしさ、無償の愛情の存在に気付いていくというこの物語には素晴らしい人間賛歌があり、人間への無上の信頼が感じられます。

 城所安男は何時死んでもおかしくない心臓病の母・きぬ江をワゴン車に乗せ、房総半島の漁村・鴨浦に向かっている??。
 バブル華やかなりし頃、何億もの金を動かし、毎日のように銀座へ繰り出していた安男も、バブルが崩壊するや会社も金も失い、妻子とも別れてしまう。別れた妻・英子に月々三十万円の仕送りを続ける彼を支えているのはマリというキャバレー勤めの女だ。
 そんな折、四人の子供を女手ひとつで育て上げた母が、重度の心臓病で入院する。実の兄弟も東京の高名な医師も見放してしまった母の命を救うには、もはや奇跡に頼るしかなかった。
 天才的な心臓外科医がいるという鴨浦のサン・マルコ病院をめざし、奇跡を信じて百マイルの道のりをひたすら駆ける安男。
 その道のりの中で、安男は、無償の愛情、そして人の善意というものが確かに存在し、それに支えられて生きてきたのだと気付いて行く。


2008年3月例会
劇団NLT 嫁も姑も皆幽霊 
作・演出/池田政之
出演/田村亮鳳八千代音無美紀子岩田翼眞継玉青川端槇二木村有里山田敦彦葛城ゆい、渡辺陽子、川島一平加納健次山田登是平松慎吾弓澤公望桑原一明、瀬田吉史、ほか
3月26日(水)6時30分 
27日(木)1時30分・6時30分 
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 

 人情喜劇の決定版『嫁も姑も皆幽霊』抱腹絶倒の爆笑と、思わず涙が流れる家族の愛の深さ、この両方をお盆に近い数日間の出来事として凝縮して舞台化。誰にも訪れる永遠の別れを、哀しくもしかし、生きるという現実には必ず避けられないこととして受け止め、喜劇として共感を呼ぶ作品に仕上げた池田政之の会心の作です、タイトルからくる作品のイメージをいい意味で裏切る、NLTの自信作です。翻訳コメディを主に上演してきたNLTの意外な一面がみえる作品が『嫁も姑も皆幽霊』です。

あらすじ  
 四代続いた和菓子屋の若旦那・水澤亮輔は恋愛小説家。18歳も若い妻をもらってウキウキ気分だが、そこへ先妻の幽霊が現れた。「嫉妬して出てきたのか」「まさか、お義母さんよ。わたしはあの世でも姑で苦労しているのよ」  
 そこへ母の幽霊も現れて…。下町の老舗和菓子屋を舞台に起こる幽霊騒動。居座る嫁と姑たちは、買い物に出かけるは、店先で客の応対をしようとするは幽霊らしくもなく我が物顔。近所の人に悟られないように、来客のたびに慌てる亮輔夫婦たち。しかし、なぜ二人はあの世から舞い戻ってきたのか。一見、嫁と姑の確執騒動のように見せかけて、家族や夫婦の愛の深さを訴えるNLT文芸部の劇作家池田政之の意欲作。笑いと涙の人情喜劇。 

関連サイト
劇団NLTサイト内作品解説  


2008年5月例会
足摺岬 劇団俳優座 足摺岬 
原作/田宮虎彦 脚色/堀江安夫
演出/袋 正
出演/浜田寅彦遠藤剛渡辺聡蔵本康文来路史圃斎藤深雪若井なおみ平田朝音荒木真有美中井澤亮、松田佳祐 
5月15日(木)6時30分 
  16日(金)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 劇団俳優座創立60周年記念公演として上演した『足摺岬』は、「俳優座らしい好舞台で勧めたい」(毎日)、「幅広い世代が所属する大所帯の強みが舞台の味を深めた」(朝日)、など、好評を博した作品です。「人との触れ合いで絶望からの再生」(スポニチ)の見出の通り、人の優しさ、心の美しさが青年を立ち直らせる物語です。厳しい現実、閉塞感が漂う昨今の状況を踏まえ、人との絆や優しさを共有できる舞台です。老遍路役の浜田寅彦はとりわけ高い評価を博し、紀伊國屋演劇賞を受賞しました。  

 物語は、昭和8年。絶望した帝大生は足摺岬の近くにある遍路宿にたどり着きます。そこで病いが再発します。娘らの懸命の努力や人情に触れながらも自己と格闘する青年に、老遍路は初めて自分の過去を語りはじめるのでした。


2008年6月例会 青少年のための芸術劇場 風間杜夫ひとり芝居
トム・プロジェクト 風間杜夫ひとり芝居

四部『コーヒーをもう一杯』・五部『霧のかなた』 

作・演出/水谷龍二 出演/風間杜夫
6月9日(月)6時30分 
  11日(水)1時30分・6時30分
  12日(木)1時30分
アートピアホール(名古屋市青少年文化センター 栄・ナディアパーク内)
 
 人情喜劇の旗手として注目を集めている、水谷龍二作の風間杜夫のひとり芝居は過去3作(『旅の空』『カラオケマン』『一人』)上演されました。いずれも大きな評価を得ています。それに続く 風間杜夫があらたな夢を追い続ける待望の新作!ご期待下さい。

トム・プロジェクトウェブサイト内 風間杜夫ひとり芝居 四部・五部

風間杜夫(Wikipedia)


2008年7月例会 劇団昴 アルジャーノンに花束を 

原作/ダニエル・キイス 脚色/菊池准
演出/三輪えり花
出演/平田広明服部幸子石波義人田中正彦辻つとむアルジャーノンに花束を石田博英、鉄野正豊、奥田隆仁、中西陽介、寺内よりえ、江川泰子、林佳代子松谷彼哉田村真紀 

7月15日(火)6時30分 
  16日(水)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)
    
 32歳になっても幼児の知能しかないチャーリー。昼はパン屋で働き、夜は知的障害者センターで勉強の日々。そんなある日、彼のもとに夢のような話が舞い込む。偉い先生達が、手術で彼の頭を良くしてくれるというのだ。しかし、人体実験選考のテストで彼は“アルジャーノン”と名付けられた一匹の白ねずみに負けてしまう。それでも彼は懇願し人類初の実験台に選ばれる。
 手術後の経過は目覚ましく、やがて彼のIQは189を超える。だが、夢にまで見た現実の世界は決して美しいものではなかった……。
 ダニエル・キイスによるベストセラー小説の舞台化。

 劇団昴では1990年の初演以降、再演を重ねてきました。(名演では1992年4月例会で上演)2001年には主役チャーリー役を牛山茂から平田広明にバトンタッチ。そして2004年から演出も変更、菊池准から三輪えり花に引き継ぎました。
 原作の持つ力強い世界と脚本のもつ滑らかな言葉と展開を盾に「誰もが名誉欲という迷路にはまり込んでいる世界を粒立てて表現」していこうとする演出三輪えり花の視線を軸に、繊細な感性でチャーリーを演じる平田広明をはじめ俳優陣・スタッフ総力を上げて挑みます。 

関連サイト
2007年上演稽古場日記(劇団昴ブログ)
くしろ演劇みたい会 アルジャーノンに花束を稽古場訪問


2008年9月例会 俳優座劇場プロデュース 
東京原子核クラブ

作/マキノノゾミ
演出/宮田慶子
出演/田中壮太郎石井揮之若杉宏二小飯塚喜世江西山水木田中美央二瓶鮫一檀臣幸佐川和正渡辺聡外山誠二佐藤滋

9月18日(木)6時30分 
  19日(金)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)


 1997年、東京国際フォーラムのこけら落しとして上演された『東京原子核クラブ』。ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士の若き日々をモデルに、本郷の下宿屋の住人達の青春の日々を描いたドラマで、好評を博し、同年の読売文学賞も受賞しています。  
 この名作を、青年座公演『MOTHER』・『フユヒコ』・『赤シャツ』と手がけ、マキノ作品の魅力を知り尽くしている宮田慶子の演出で上演します。  
 個性溢れる俳優陣を迎え、青春を謳歌する若者の姿と、戦争に突き進んだ国の歪みを炙り出す、注目の話題作です。  
 昭和7年、東京本郷にある下宿屋「平和館」。理化学研究所に勤める若き物理学者・友田晋一郎は、研究所のレベルの高さに自信を失い、故郷の京都に帰ろうとしていた。また同じ平和館の住人・富佐子も、レビューで踊っていたのだが若い踊り子に人気を取られ、失意のなか東京を去るところだった。  
 そんな折、やはり同じ下宿人で理研の同僚・武山が、友田の提唱した物理学上の仮説が主任の西田に認められたという朗報を伝える。友田はあらためて研究所に残る決心をするのだった。  
 下宿にいるピアノ弾き、新劇青年、野球に熱中する東大生らと共に、愚かしくも美しい青春の日々が始まる。だが、日本は少しずつ戦争に向かって歩んでいた………。


2008年11月例会 加藤健一事務所 
音楽劇『詩人の恋

作/ジョン・マランス 訳/小田島恒志
訳詞/岩谷時子 演出/久世龍之介
出演/加藤健一畠中洋

11月20日(木)6時30分 
  21日(金)1時30分・6時30分

中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 ウィーンに住むマシュカン教授(加藤健一)は、ピアノは下手くそで、声楽家としても峠を過ぎたボイストレーナー。ある日、そんな彼の前に、かつて神童と言われたピアニストのスティーブン(畠中洋)が現れる。スティーブンは音楽の壁に突き当たって、ピアノが弾けなくなってしまい、クラシック伴奏者への転向を考えていた。そのためのレッスンを受けるのに、何故かマシュカン教授を紹介されたのだ。  
 ピアニストであるスティーブンに、マシュカン教授は何を思ったのか、シューマンの連作歌曲「詩人の恋」を全編歌いこなすことを課題とする。
“ピアニストが何故、歌を?!”と強く反発するスティーブンだが、嫌々ながらも歌のレッスンを始める。最初はマシュカン教授の考えが全く理解できなかったが、数ヶ月のレッスンを通してスティーブンは次第に音楽の心をつかみ、二人は互いに閉ざしていた心を開いていく。年齢も国籍も全く異なる二人の間に、友情とも呼べるべきものが生まれる。そして、マシュカンとスティーブンの秘められていた過去も立ち現れて………。

関連サイト

加藤健一事務所サイト内作品解説

加藤健一事務所サイト内作品解説(2006年上演時)
第11回読売演劇賞選考委員特別賞サイト


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最終更新日 2008/12/01