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名演2008年7月例会 劇団昴公演 

原作/ダニエル・キイス (早川書房刊)
脚色/菊池准 演出/三輪えり花

世界中が涙したSFが舞台になって
新たな感動を届けます。
嵐の運命を生きたチャーリーの人生に
あなたは何をみつけますか……

 1990年にダニエル・キイスのベストセラーを舞台化。その静かな感動の波は瞬く間に広がり人々を魅了し続けてきました。(名演では1992年4月に上演)2005年に作品を一新。原作の魅力と脚本にある豊かな科白展開を盾に、「誰もがはまり込む名誉欲という迷路の世界を粒立てて表現」した三輪演出。新生“アルジャーノン”の誕生でした。
 …並みの知能は持たないけれどお人好しで心優しいチャーリーは、人類初の手術によって天才に生まれ変わる。夢にまでみた人生。そして直面する現実。その果てに待っていたものは……嵐の運命を生きたチャーリーの人生にあなたは何をみつけますか。…

嫁も姑も皆幽霊
7月15日(火)6時30分
  16日(水)1時30分
        6時30分
 
中京大学文化市民会館プルニエホール
(名古屋市民会館中ホール)          地図
あらすじ
解説
キャスト・スタッフ
関連サイトリンク
会費 月額一般 2600円 22歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  2900円 22歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
新入会の方は、会費と入会金が必要です。それ以外の入場料は必要ありません。  くわしい名演の入会方法はこちら
 日程申込フォームはこちら(会員専用)

あらすじ

 チャーリー・ゴードンは32歳になるが、生まれつきの障害で、8歳くらいの知能しかない。お人よしで心優しい彼は、パン屋でときにばかにされつつ、こき使われているが少しも挫けず明るく働いている。
 大学で脳医学の教授たちがアルジャーノンという名の白ねずみに脳外科手術を施し、その結果アルジャーノンの知能指数が大きく向上したのを受けて、人体実験の対象にチャーリーが選ばれる。
 未知の危険を伴う実験だったが「頭が良くなれば今より幸せになれる」とチャーリーはすすんで受け入れる。
 手術は成功し、彼は天才へと生まれ変わる。だがチャーリーは、知能が高くなるにつれ、今まで気がつかなかったものが見えてくる。たとえば教授たちの名誉欲と保身の醜さ、だんだん思い出す両親と妹からの疎外感。パン屋の同僚の親切ごかしの背徳……。
 社会の矛盾の中で、チャーリーは現実の闇の迷宮にはまり込んでいく。
 一方、アルジャーノンの知能が急速に後退し始める。いつかチャーリーも……。
 


解 説

 1927年ニューヨーク・ブルックリンに生まれたダニエル・キイスは、1959年に『アルジャーノンに花束を』を発表。新たな可能性を示す作品としてSF界に衝撃を与え、その年のヒューゴー賞を受賞。キイスは一躍脚光を浴ぴることとなる。その後、1966年に長編化に挑みSF界最高の名誉であるネビュラ賞を受賞した。
 主人公チャーリーが、実験的な脳外科手術によって天才となり、その過程の中で恋愛や家族などの再会を経験していくが、その結果が幸せとはいえない。というストーリーが原作では主人公自身の報告書というスタイルで進行し、チャーリーの変化に伴って、彼の内面的葛藤のみならず周囲の人間的側面が、時には叙情的に時には残酷に綴られてゆく。この作品が今日までSFファンの枠にとどまらず、幅広い読者を魅了している要素は、フィクションを感じさせない状況設定と、すべての傑作がそうであるように時代を貫く普遍的なテーマ性にある。
 日本書店商業組合連合会が一般読者を対象に実施した“心が揺れた1冊の本”アンケートで毎年のようにベスト10に入っている。
 
 この作品を劇団昴では1990年に舞台化(名演では1992年に上演)し、その後91年・92年・93年・94年・95年・97年・2001年と長期にわたり上演されるという、劇団の財産演目になった。そして2005年には、演出が菊池准から三輪えり花に変わり、新たな『アルジャーノンに花束を』として今回登場する。

 主演のチャーリーは、舞台の他声優でも活躍の平田広明
主な舞台・『ハムレット』(ハムレット)、『宮澤賢治・宛名のない手紙』(チュンセ)『夏の夜の夢』(パック)、『紙屋悦子の青春』(明石少尉)
アニメ『ワンピース』(サンジ)、海外ドラマ『ER緊急救命室』(カーター)。吹き替えではジョニー・デップ、マット・デイモンなど)
 
 1968年にはラルフ・ネルソン監督によって映画化され一原題『Charly』邦題「まごころを君に」一チャーリーを演じたクリフ・ロバートソンは、この作品によってアカデミー主演男優賞を獲得している。2000年にもカナダでも映画化されている。(ジェフ・ブレックナー監督)2002年には、日本で翻案のうえテレビ化されている。(主演/ユースケ・サンタマリア)。
 舞台では劇団昴での上演のほか、2006年にはミュージカル化されている。(脚本・作詞・演出/荻田浩一 主演/浦井健治)


演出ノート……三輪えり花 

 『アルジャーノンに花束を』は、知能で人間性を判断しがちな現代に疑問を投げかけた、ダニエル・キイス原作のベストセラーを、劇団昴の菊池准が脚色した、当劇団のヒューマニズム溢れる代表作です。この度、主演に平田広明を迎え、演出・美術・音楽等すべて一新して再登場します。
 主人公は生まれつき知能が低いせいで親にも捨てられた、心の美しいチャーリー・ゴードン。彼は最先端医療の実験台となって天才の知能を得、動物案験の被検体だったねずみのアルジャーノンを伴い、失われた記憶と育春を取り戻そうとします。青春をもう一度与えられれば、手に入らなかった幸せを全て手中にできる筈。しかし、直面した現実は知能の高さでは解決できないことばかり。苦悩の中で彼は、個としての白分の存在を確かめようと走り続けます。
 この物語が描くのは、ロケット花火のように登りつめて散ったチャーリーと、彼をめぐる人々の心のせめぎあいです。功名心先走る医者、極めて普通な日々を食い潰すパン屋、夢敗れたチャーリーの両親と妹、売れない芸術家フェイ、満たされない生活を送るアリス。チャーリーを含め、誰もが、自分にはもっとよい人生が用意されていていいはずだ、と叫んでいるかの様です。彼らの生き方の縮図となるのが、まさにチャーリーの人生なのです。
 今回の演出では、チャーリーの周りの人間たちを丁寧に描くことにより、チャーリーの心の変化を浮き影りにするつもりです。原作の持つカ強い世界と、脚本の持つ滑らかなことばと展開を盾に、誰もが自分の存在の理由を確認できないという迷路にはまり込んでいる世界を、粒立てて表現していきます。美術的には、戯曲の設定である60年代らしく、色彩豊かな心の世界と、灰色の現実を対比させることになるでしょう。現在の私たちが共感できる、わかりやすい舞台を目指します。

劇団昴発行「DARTS」NO.210より転載


<キャスト> 

チャーリー・ゴードン
ストラウス博士
ニーマー教授
父親マット
ジンピィ
ジョー・カープ
フランク・レリィ
バート・セルドン
ウィンズロウ/女性委員/看護婦/パーニス
パン屋の主人ドナー/家主の婦人
母親ローズ
フェイ・リルマン
アリス・キニアン
妹ノーマ/若い女

<スタッフ> 

原 作
脚 色
菊池 准
演 出
美 術
小松 主税
照 明
古宮 俊昭
渡辺 省吾
衣 裳
萩野 緑
音 楽
日高 哲英
音 響
振 付
小牧 らん
演出補
村田 元史
舞台監督
黒木 辰男
宣伝美術
北村 武士
制 作
協 力


関連サイト

劇団昴ウェブサイト
http://www.theatercompany-subaru.com/

劇団昴公式BLOG
http://www.theatercompany-subaru.com/blognplus/

三輪えり花の玄関 http://members.jcom.home.ne.jp/yours/

平田広明 OFFICIAL WEBSITE http://www.hiratahiroaki.com/

石波義人の俳優日誌 http://scrooge990.exblog.jp/

田中正彦ホームページ S.P.Q.R. http://caesar.asu-one.com/

鉄野正豊BLOG「自然回帰」 http://blog.goo.ne.jp/mstytnk/

田村真紀ブログ http://ameblo.jp/tamuramaki-blog/

松谷彼哉の「Kaya's Garden」 http://homepage1.nifty.com/Kaya-M/

奥田隆仁 OTOK!!  〜奥田隆仁さんを応援する会〜`
http://otoks.fc2web.com/

くしろ演劇みたい会 アルジャーノンに花束を稽古場訪問インタビューhttp://homepage3.nifty.com/mitaikai/arujyanon_keiko_20070322.html

ダニエル・キイス著作リスト
http://www.asahi-net.or.jp/~ue4k-ngt/bnavi/keyes.html


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最終更新日 2008/07/07