第2日目(2001年1月14日 日曜日) 蕨宿〜浦和宿〜大宮宿〜上尾宿


★和楽備(わらび)神社 / 蕨城址碑

今日はJR蕨駅からのスタートである。西口からバスの通る道をしばらく行くと道沿いに和楽備(わらび)神社がある。この神社の境内一帯は蕨城跡であり、大きな石碑が建っている。室町時代から戦国時代にかけてここに蕨城があり、渋川氏が拠っていた。渋川氏は足利氏の一門で、名門であったが小田原の北条氏に降っている。
この神社の少し先で道は旧中山道と交差する。


★旧中山道の古い家(鈴木薬局) / 道沿いの煎餅屋(万寿)

このあたりの中山道旧道は、国道17号線と平行して約1Kmほど残されている。この区間に蕨宿本陣跡脇本陣跡などがある。また、市立の歴史民俗資料館などもあり、環境の保存と蕨宿のまちづくりに取り組んでいるようである。
道沿いには古い家もちらほら見られる。そのひとつ、鈴木薬局には大きな古い看板が掲げられていた。その少し先の煎餅屋の前に「地蔵の小径」の石標が立っている。


★子育て地蔵ほか / 三学院

先ほどの石標を右に曲がって少し行くと三学院というお寺がある。その門の前にお地蔵様がいくつかたっている。一番手前が子育て地蔵、次の6つが六地蔵、奥が地蔵石仏(目疾地蔵)で、それぞれ別の場所にあったが最近この場所に集められたという。上には立派な屋根がかけられている。
三学院は、正しくは金亀山極楽寺三学院で、本尊の十一面観音は平安中期の作と伝えられている。広い大きなお寺である。


★蕨宿「中山道ふれあい広場」 / 広場内の壁画

旧道に戻り少し行くと国道17号線とぶつかる。ここには中山道ふれあい広場というスペースが設けられている。周りの塀には大名行列を描いた大きな壁画もある。ベンチもあるのでちょっと一休み。
蕨宿の環境保存地区はここまで。これから先国道17号線を渡って旧道は続いているが、住宅街の普通の道である。


★調(つき)神社入り口(狛犬の代わりに兎が) / 同 本殿

浦和宿に入る手前に調(つき)神社がある。大昔に朝廷に納める御調物(みつぎもの)を集めた場所で、宮を建て調の宮と呼んだ。月宮殿に住む月宮命を祭神とし、狛犬の代わりに兎が置かれている。また、ここには鳥居がたっていないが、調物を搬入する妨げになるため取り払ったのだとか。
なお、神社の広大な境内林は、ケヤキやムクの木を主とする古木林で、市指定の天然記念物に指定されている。


★中山道浦和宿の標識 / 浦和駅近くの中山道風景

調神社の少し先に中山道浦和宿の大きな石の標識が立っている。この道をさらに行くと浦和駅近くの目抜き通りになり、車も人通りも多くなる。
2001年1月時点では、「浦和レッズJ1復帰」の赤いフラッグがずらりと並んでいた。


★JR線路沿いのケヤキ並木の中山道 / さいたま新都心駅(建設中)

浦和市街地を抜け、道はJR線路沿いになる。この辺の道はケヤキ並木となっており、「中山道遊々通り」という標識が立てられていた。左側にはさいたま新都心の新しい大きなビル群が見えてくる。少し先にさいたま新都心のJR新駅も建設中であった(2001年1月時点)。ここには「旧中山道」の新しい大きな道路標識も立てられていた。


★中山道と氷川神社参道の分岐点 / 氷川神社一の鳥居 / 鬱蒼とした並木の続く参道

さいたま新都心を過ぎて少し行くと、氷川神社への参道が右に分かれてゆく。この氷川神社の参道が初期の中山道だったといわれている。その後人通りが多くなったので現在の中山道に付け替えられたという。
ここはまず参道を通って氷川神社に詣でることにしよう。分岐点には「武蔵国一宮氷川大明神」の古い大きな石標が建てられている。参道に入ってすぐに大きな一の鳥居が建っている。一の鳥居からは鬱蒼とした並木が一直線に続いている。神社本殿まで約2Kmほどあろうか。

★二の鳥居 / 楼門 / 氷川神社本殿

途中の二の鳥居からは車は通れなくなる。氷川神社の歴史は古く、8世紀ころには「武蔵一の宮」と定められ、奈良時代には現在の参道に沿った場所に門前町である大宮の町ができていたという。境内は本殿をはじめ様々な建物が建ち並び広大である。なお、氷川神社は埼玉、東京、神奈川の南関東に200以上もあり、いずれも当社を勧請したものだという。


★大宮宿中心部の中山道 / 加茂神社

中山道に戻って旅を続ける。氷川神社参道に入らずに中山道をまっすぐ行くとやがて大宮宿の中心部に入る。しかし宿場関係の遺跡、標識などはまったくない。現在の高島屋の建っているあたりに本陣があったらしい。中心部の通りは交通量、人通りも多く足早に通過する。
宿はずれの加茂神社に立ち寄った。ここにはしばらく前に降った雪がまだ残っていた。


★上尾宿付近の中山道(中山道標識あり) / 氷川鍬神社

上尾宿付近の中山道は旧国道17号線であり交通量がかなり多い。しかし、道路沿いに「中山道」の素朴な標識が立っていてなぜかほっとした。道沿いにはあまり旧跡などはないが、氷川鍬神社があったので立ち寄った。境内に上尾郷二賢堂跡というのがあった。ここにも雪が少し残っていた。
ここからJR上尾駅まではすぐである。今日の旅はここまで。


歩行距離 約20Km   歩数  33,000歩