7. 旅 行 ア ル バ ム (32)


手軽に登れる3000級の山「乗鞍岳と温泉の旅」

2008.7.26 〜 7.27

「乗鞍や 霧に霞んだ その先に」



    
  私にとって、この乗鞍岳(3026m)登山は大変重要な登山であった。  

   2008年5月、私は「癌の告知」を受けていた。
 
   私は会社勤めの64歳。有給休暇の殆どを癌の検査に費やし、それでも足りなく
 て病休を何日か無給で取って検査を繰り返していた。

  そんな中、夏休みとして年休の他5日の有給休暇が7月〜9月の間に出た。
  ありがたいことである。
  この夏休みを利用して、もしかして最後になるかも知れない登山に行こうと決
 意した。
  担当の医師に相談したら、手術前は「登山でも旅行でも何でもやっていいです。」
 とのことだった。

  どうせなら、3000m級の山に登りたい。しかし、余りに難易度が高い山では怪
  我をしたりして手術に支障があるので、アプローチの容易な山を幾つか検討した。
  結論は、「バスで高所の登山口まで行ける『乗鞍岳』がベスト!」であった。

  【注】詳しい内容は、末尾をご覧下さい。









◆◆◆◆◆ ご あ ん な い ◆◆◆◆◆


◆【交通・往復】マイカー
 【上信越自動車道から】   ◆2008.7.26〈松本I.C. から国道158号を右折→高山・平湯方面へ〉    ※国道158号・道の駅「風穴の里」(長野県松本市安曇3528-1)に立ち寄り。       ※安房(あぼう)トンネルの注意事項。       トンネルの長さは5.6km。「料金投げ込み形式」(硬貨をキッチリ用意し       ておかないとあわてる!ETC非対応!)        ◆料金:普通車:750円、軽600円。 《参考:コースタイム》      南浦和駅西口発5:30 〜 外環道「戸田西」IC5:50発 〜関越道練馬6:05      〜 (上信越道→長野自動車道) 〜 横川SA7:20着/7:50発 〜 梓川SA9:      10着/9:40発 〜 松本IC9:15着 〜 道の駅「風穴の里」10:20着/10:30発      〜 平湯温泉バスターミナル着11:30       ※合計6時間00分(休憩を含む)        ※初日、平湯温泉に宿泊 

平湯バスターミナル
 
《「乗鞍岳行きバス」にここで乗換え》      「乗鞍山頂バス停=畳平」へは、マイカーからシャトルバスに、      ここ「平湯バスターミナル」からにて乗り換えるのが一般的。


平湯温泉「愛宝館」の建物
《「愛宝館」は「平湯バスターミナル」から徒歩2分》      平湯温泉の中心地にあるこじんまりした旅館。      「乗鞍岳」登山にはバス停に近く非常に便利。




 ◆【交通・2日目】    ◆2008.7.27     《「畳平行き」バス=シャトルバス:往復2000円》      平湯バスターミナル発0540→畳平着0635(トイレ) 「シャトルバスの案内」はこちら!       【注】始発は「あかんだな駐車場」(マイカーで野宿する場合は始発の「あ かんだな駐車場」利用(1日500円)がよい。「ほうのき駐車場」は無料 だが、平湯温泉の中心部から遠くて不便。かつ「ご来光用バス」には 満員で乗れないことがある。)      《登山》       ※登山開始0645(「お花畑コース」を行くこと。散策をゆっくり)→肩の小屋 着0740/0750→乗鞍岳山頂着0850      ※下山開始0910→肩の小屋0950/1000発→畳平着1030     《「平湯バスターミナル行き」バス》      畳平発1050→平湯バスターミナル着1140

   《参考:コースタイム》      平湯温泉の旅館「愛宝館」(中心部)発1230→沢渡温泉着1310/1320→道の駅 「風穴の里」着1320/1340〜(暴風雨、徐行)〜横川SA着1700/1730(トイレ、 食事)〜(暴風雨、徐行・渋滞)〜南浦和駅着2050 


    【平湯温泉の情報】          ■平湯温泉旅館協同組合             「平湯温泉旅館協同組合」の公式ホームページはこちら!
          ※平湯温泉の人気の理由             ・23の旅館、民宿に約40の温泉の源泉や井戸!            ・乗鞍へ60分、上高地へ25分!




◆温泉データ: 平湯温泉「愛宝館」 ※ 住 所 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯650  ※ 電 話 0578-89-2628 ※ 休 業 日 無休 ※ 施 設 内湯(男女別)、露天風呂(男女別    ※ 交 通  前記「ご案内」の【交通・往復】マイカーの項参照。    ※ セールスポイント ・平湯温泉の中心部にあり交通至便。              ・「平湯温泉バスターミナル」に徒歩2分。     ・こじんまりした旅館でアッホームな雰囲気。登山客の対応に慣      れていて、ご来光目的の装置用一番バスに間に合うように「お      にぎり」もOK!(野菜ジュースが付いてきた!)。









§写真で見る『乗鞍岳登山』(岐阜県・長野県)



◆登りの風景


『畳平バスターミナル』

『乗鞍岳』への登山口「畳平」にある『畳平バスターミナル』
トイレもあり、売店、食堂もある(始発バスに合わせて開店)。






『乗鞍岳』のお花畑

『乗鞍岳』のお花畑がこんなにも見事だとは予備知識がなく、
もっと時間を割いて沢山の写真を撮ればよかったと反省した。


コバイケイソウ、ミヤマキンポウゲ、チングルマ、黒百合、イ
ワツメグサ、ハンサンイチゲ、トウヤクリンドウ、ヨツバシオ
ガマ、ウサキギク、ショウジョウバカマ等が咲き乱れていた。






『ハンサンイチゲ』の大群落

『乗鞍岳』のお花畑にはこんなに沢山
の『ハンサンイチゲ』が咲いていた。






『ハンサンイチゲ』と『クロユリ』

『ハンサンイチゲ』に混じり『クロユリ』の花も!





『イワカガミ』

『イワカガミ』は花も葉も生き生きと輝いていた。





『ヨツバシオガマ』

『ヨツバシオガマ』は、漢字で書くと「四葉塩竃」。浜で塩
を焼く塩竃(しおがま)に似ている。通常は三つ葉である。






『乗鞍岳』の雪渓

お花畑を抜けて不消ガ池の近くに最
初の雪渓が霧に見え隠れしていた。






 『コマクサ』

高山植物の女王の名に相応しい『コマクサ』の花。可憐で優美な花
が「肩の小屋」を過ぎた辺りの斜面一面に這うように咲いている。










◆頂上付近の風景


晴れ間に中腹を振り返る

『乗鞍岳』頂上を前に、今来た道を振り返る。
宇宙船観測所、コロナ観測所等が見えた。






『乗鞍岳』の頂上を望む

『乗鞍岳』へあと少し。頂上が見えてきた。





『乗鞍岳』のスキー

『乗鞍岳』での夏スキー。どこからどうやってあそこへ行くのか?





『乗鞍岳』(剣が峰)山頂

『乗鞍岳』(剣が峰3026m)山頂に到達。記念撮影は順番待ち!





『乗鞍本宮』に参詣

『乗鞍岳』(剣が峰)山頂を極めても、この『乗鞍神社』本宮に参詣しな
いで下山してしまう登山客が多いらしい。記念撮影したすぐ裏にある。
ちなみに、お守りはここで販売。狭い所に宮司さんが1人詰めていた。












§写真で見る『平湯温泉』の情景(岐阜県)



◆旅館『愛宝館』


『愛宝館』の内湯と露天風呂

こじんまりした宿。夏休みの土日にも関わらず、この旅館だけが1人旅の登
山客を快く受け入れてくれた。アットホームでなかなか感じのよい宿である。






『愛宝館』の露天風呂

源泉掛け流しの温泉。小さいが本格的な温泉!無類の
晴れ男の私。深夜に露天風呂から星空を垣間見た。






『愛宝館』のお弁当

チェックイン後に「朝飯を朝5:00にお弁当で・・・」とお願いして、
快く引き受けていただき、お弁当になんと野菜ジュースが付き、
「朝ごはんがお弁当ですから・・・」と宿泊料も、黙って1000円
くらい値引きしていただいていた。本当に感じのよい宿だった。













◆ 『平湯温泉』の共同浴場『神の湯』


共同浴場『神の湯』に是非入浴を!

『平湯温泉』の外れにある共同浴場『神の湯』は登山の前か後に、
是非一浴されたい。平湯温泉で最も古くから湧き出ている源泉だ。






共同浴場『神の湯』に癒されて!

「平湯温泉バスターミナル」から安房(あぼう)ト
ンネルのすぐ近くまで戻り、平湯神社を右手に見
て、じき右折して「神の湯食堂」が見える頃から、
その辺り一帯は鬱蒼とした林の真っ只中となる。

「神の湯」の「男湯」の建物が見え、いよいよひなび
た共同浴場として雰囲気が漂って来る。「岩風呂」
と「家族風呂」があって、「女湯」はその奥にある。
温泉街のすぐ近くに格別の癒し系の温泉がある。

※入浴料500円 「岩風呂」と「家族風呂」は別料金。


『平湯温泉』の共同浴場『神の湯』の紹介はこちら!













◆ 『前立腺癌』と登山

  私にとって、この乗鞍岳登山は大変重要な登山であった。    2008年5月、私は「癌の告知」を受けていた。     ここに至るまで、2007年10月下旬に人間ドックで『前立腺の異常を示すマーカー  値のPSA』が75.3(正常値は0〜4)と、普通の人の29倍にも達していたが、精密検査  を繰り返しても、半年以上癌細胞が発見されていなかったのである。   PSA値は平均80.0であった。   幸い、他の臓器への転移は画像診断の上では現れていなかった。     しかし、2回目の細胞検出の検査で悪質ながん細胞が2つ発見された。   それでも、画像診断の上他の臓器への転移がないように見受けられたのが微か  な望みであった。   当初、「現段階で転移は画像診断の上では出ていないが、PSAの平均値が80.0で  は経験豊かな医師の直感からすると、「他に転移していない訳がない!」という。   セカンドオピニンとして、他の病院で診察してもらったが、やはり『前立腺癌』  でしかも癌の顔つきが悪いという。   癌の顔つきが悪いとは、すなわち転移したり、癌の進行が早い性質の癌であると  いうことだった。   手術か、放射線療法かホルモン療法か、それぞれの治療法の特性とメリット、  デメリット等の説明を受けて、「治療方法を自己決定しなさい。」という。   医学に全くの素人が癌の告知を受けて、少しばかりの説明を聞いただけで治療  方法を自己決定せよとは、非常に酷な話である。   悩みに悩んだ結果、私の選んだ「自己決定」は「手術+ホルモン療法」である。   「前立腺の全摘出手術(骨盤底筋温存法)」である。   担当医師の「他に転移していない訳がない。放射線療法+ホルモン療法が妥当」  という判断に対し、あえて、「手術+ホルモン療法」を選択した。   その理由は、放射線療法は一時期に良くても3年くらいすると30%位の比率で  直腸癌や膀胱癌などを誘発しやすいという。手術も危険や合併症が心配されるが、  担当医は手術の名医として有名で、尿失禁やその他の機能温存のきめ細かな手術  を得意としているというので、「もしかして他に転移していないのなら、前立腺  を全摘出してハッキリさせたい。」という気持ちを医師も理解してくれて、2回  目の面接では、「この選択でよいでしょう!登山などされるくらい未だ体力的に  お若いようだし、手術でいきましょう。ただし、手術だけではまずいときは、放  射線もホルモンも全部やりまょう!」という説明だった。   私が、「先日の決定で良かったのか、迷っています!命が助かるなら先生のお  っしゃる方法にします!」と申し出たことへの回答だった。   私は会社勤めの64歳。有給休暇の殆どを癌の検査に費やし、それでも足りなく  て病休を何日か無給で取って検査を繰り返していた。   そんな中、夏休みとして年休の他5日の有給休暇が7月〜9月の間に出た。   ありがたいことである。   この夏休みを利用して、もしかして最後になるかも知れない登山に行こうと決  意した。   担当の医師に相談したら、手術前は「登山でも旅行でも何でもやっていいです。」  とのことだった。   どうせなら、3000m級の山に登りたい。しかし、余りに難易度が高い山では怪 我をしたりしたら手術に支障があるので、アプローチの容易な山を幾つか検討し  た。   結論は、「バスで高所の登山口まで行ける『乗鞍岳』がベスト!」であった。 ※2008.7.27  乗鞍岳登山・・・剣が峰(3026m)に登頂!  ※2008.8.18  埼玉県立がんセンターにて、「前立腺がん」の手術方法を相談。          → 「全摘出手術(骨盤底筋温存法)」+「ホルモン療法」を基 本とする手術とすることとした。=9/16以降ベッドが空き 次第入院。  ※2008.8.30  さいたま市の「関根医院」にてPSA検査の結果が出た(8/23に 血液採取=検査機関にて検査)。・・・PSA88.2とやや上昇!         【注】事実をあるがままに素直に受け入れ、手術の妥当性を信じ ることとした。思ったより落胆しなかった! 










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