7. 旅 行 ア ル バ ム (33)


初めての「自炊の湯治」

2009.5.23 〜 5.25

「塩原や 明日は治す 湯治旅」




    
  私にとって、この「塩原元湯湯治旅」が生まれて始めての「自炊の湯治」だっ  
    た。  

   2008年5月、私は「前立腺癌の告知」を受けていた。
  
  当時私は会社勤めの64歳。
  65歳まで働くことができたが、悔いが残らないよう、2009年9月12日限りで退
  職し癌の治療に専念する道を選んだ。

  2008.9.16入院、18日手術と事が進み、順調なら10日くらいで退院という予定
  だったが、9月下旬から合併症で「リンパ浮腫(ふしゅ)」というやっかいな病
  気にかかり、退院は10月7日しなってしまった。
  結局入院生活は22日にも及ぶ結果となった。

  その後も「リンパ廃液」の腹部滞留など、いろんなことがあったが、懸命にリ
  ハビリを重ねて、最近は旅行も出来るまでに体力が快復した。

  入院の際に大変お世話になった同郷の友人の「湯治の達人Jさん」からのお誘
  いもあって、今回の「自炊の湯治旅」が実現した。

  本当に、同行の「湯治の達人・Jさん」と「剣玉未達人さん」にはお世話にな
  りました。感謝、感謝であります。









◆◆◆◆◆ ご あ ん な い ◆◆◆◆◆


◆【交通・往復】マイカー
 【東北自動車道から】   ◆西那須野塩原I.C. から国道400号を「塩原 元湯」まで車で約30分

   ※国道400号線沿いに「塩原温泉」(「門前温泉」、「中塩原」等)経由で、「塩原海洋センター」        の手前を左折〜西那須野塩原I.C.から約30分〜で「塩原 元湯」着。



《ボタンの名所「妙雲寺」に寄り道》

ボタンの名所「妙雲寺」
 
《「妙雲寺」の参門》
     「妙雲寺」は、国道400号線で「門前温泉」を目指      して行き、「支所前」の信号のすぐ先の公共駐車場      (進行右側)に車を止めて北方向すぐの場所にある。


「妙雲寺」のボタン
《「妙雲寺」は「ボタンの寺」として有名》
     JR東北新幹線那須塩原駅又はJR宇都宮線西那須      野駅からJRバス塩原温泉行きで1時間9分(西那 須野駅からは44分)、塩原小学校入口下車すぐ。 5月中旬の「ボタン祭り」の頃には、境内からボ      タン苑、そして墓地にも沢山のボタンの花が咲 く。(ボタン祭りの時期(5月中旬)=拝観料 400      円)5月の連休の頃は桜が綺麗だ→拝観料無料。     


《湯 治 宿 の 紹 介》


湯治の旅館「えびすや」
 
《湯治の旅館「えびすや」の夕景》
     「塩原 元湯」は、平安時代の834年、「空海」によって      発見されたと伝えられている。江戸時代初期までは、「元      湯千軒」といわれるくらい賑わっていた。しかし、1659年      の大地震の際に起きた山津波によって、現在の「梶原の湯」      を除いて皆埋没した。したがって、「えびすや」に残る      「梶原の湯」が塩原温泉郷で最古の源泉ということになる。


 ◆【温泉データ】    ※日 程 2009.5.23(土)〜25(月)    ※旅 館 塩原 元湯「えびすや」    ※住 所 栃木県那須塩原市湯本塩原153 ※電 話 0287-32-3221    ※交 通  前記「ご案内」の【交通・往復】マイカー の項参照。    ※料 金 (1)完全自炊(素泊り。調理用具、食器は無料貸出し。           食材と調味料のみ各自持参)          1人 3880円         (2)半自炊(朝夕のご飯、味噌汁と香物付)          1人 4510円         (3)日帰り入浴(AM11:00〜PM3:00)          1人 1回 500円    ※セールスポイント     関東では数少ない、完全自炊の出来る宿で、食材、調味料以     外は殆ど無料で借りられる。     【注】洗濯機の借用が有料くらいで、冷蔵庫(冷凍室あり)も        無料借用可能。 2〜3人の完全自炊の場合、お皿、はしまで借りられる。

「えびすや」の源泉掛け流しの湯船
 
《塩原最古の源泉「梶原の湯」》
     「えびすや」には、2つの源泉があり、1つが塩原温泉郷で      最古の源泉「梶原の湯」。もう1つは珍しい「間欠泉」(5〜      6分の間隔で温泉が噴出)の源泉で「弘法の湯」である。


『えびすや』の公式ホームページはこちら!










§写真で見る『塩原 元湯』(栃木県)



『え び す や』




『えびすや』の玄関

『えびすや』は、塩原元湯の中で、塩原方面から行って最初の
旅館である。近くに、「源泉館」、「大出館」の2軒の旅館もある。






『えびすや』の湯治部屋

気になる湯治部屋は、超格安の割りに立派なものであった!
一同先ずは安心!肝心の調理場はすぐ目の前だった。






『えびすや』の調理場

「調理場、調理場!」と下見に行った調理場は、達人が推
薦するだけあって、お客のマナーのよさで綺麗であった。






『達人の料理』

「湯治の達人」が、さっと作り上げた夕食の料理。
食材・調味料は西那須野塩原I.C. から「矢板市」
の「ヨークベニマル」というスーパーに行って求
めた。料理は刺身、キャベツの油炒め、モヤシの
油炒め、地元の豆腐の冷奴、キャベツのザク切り
(私のダイエット食。味噌で食す)と超シンプル。
味は麺つゆと塩胡椒が主流。これが実に旨い!





『えびすや』の浴室

「えびすや」の浴室は、男女1室ずつ。写真は、男湯の浴室。
左が超ぬる湯の「梶原の湯」の源泉風呂。右は間欠泉の「弘
法の湯」で、どちらも源泉掛け流し。「梶原の湯」は体感温度37
度くらい。「弘法の湯」は47度くらいか?という猛烈な熱さだ。
左側の「梶原の湯」の源泉近くに位置取り奥の幅が狭い場所で
両脚を伸ばし、頭と足先を湯船の端に掛けて長時間「ぬる湯」
に浸る。・・・これぞ「湯治の醍醐味」とは「湯治の達人」の言。





『梶原の湯』の湯口

「梶原の湯」は塩原温泉最古の温泉の源泉である。
「その由緒正しき源泉の湯口がこれだ!」と思うと、湯治気
分も一入感慨深いものであった。超ぬるいが冷たくはない。





『弘法の湯』は間欠泉

「弘法の湯」は珍しい間欠泉の温泉の源泉である。
この間欠泉は、湯口から5〜6分の間隔で温泉が噴出する。
間隔が短いので、一浴の間に数度の温泉噴出が見れる。
写真は、間欠泉が止まっている湯口。超高温47度くらい。





間欠泉噴出の 『弘法の湯』

写真は、「弘法の湯」の湯口から間欠泉が噴出した瞬間!





『弘法の湯』にある「間欠泉の説明板」

写真は、「弘法の湯」の間欠泉に関しての説明板。
「間欠泉、五、六分ごとに吹き出ます」と記載あり。





『弘法の湯』にある「間欠泉の説明板」

写真は、「弘法の湯」の間欠泉に関しての説明板。
「間欠泉、五、六分ごとに吹き出ます」と記載あり。





『えびすや』の「立ち寄り湯」の看板

『えびすや』は「日帰り入浴」も可能!
午前11:00〜午後3:00の間、1人1回 500円。





『えびすや』の「飲泉所」

『えびすや』の「飲泉所」は浴室の前にある。飲泉用のプラス
チックコップが備え付けの装置にセットされていて、それで飲む。
梶原の湯は、通称「ラムネの湯」(炭酸泉)と呼ばれ、特に胃腸
病に効く名湯として大正時代は、この湯を釜で煮詰めた胃腸薬
も作るれていたという。何とも飲みにくい独特の味と匂いである。
正に「良薬は日に苦し!」とはこのことかと思う。飲めたら立派!





『えびすや』の昔の「胃腸薬販売許可書」

『えびすや』の「飲泉所」の側に、昔の「胃
腸薬販売許可書」のコピーが掲げてある。
写真はその時の胃腸薬「長命丸」の許可証。













§ 癌 と 共 に 生 き る
2009.6.20
        
  私にとって、この「塩原元湯湯治旅」が生まれて始めての「自炊の湯治」だっ   た。   そして、温泉との親しみ方に新たな道を教えてくれた。    2008年5月、私は「前立腺癌の告知」を受けていた。   セカンドオピニオンの意見を求めても、「血液データのPSA値が平均80.0もある   から、転移の可能性が高く手術は適合しない。放射線療法+ホルモン療法が最   も推奨される。」との見解であった。 【注】PSA値の正常値=0〜4以下。   落胆の気持ちは大きく、インターネットと医学書であらゆる情報を集め、「や   はり手術で開いてみないことには分からないことが多い!体力もウォーキング   と登山で50代並にあるし、手術に賭けよう、そのあと必要なら放射線やホル   モン剤も受け入れると「自己決定」して医師に希望を申し出た。   そうしたら医師も、「私も再度検討しました。黒田さんの決定が正しいと思い   ます。体力がおありで手術に耐えられそうです。それに放射線を先に当てると   手術は出来ませんが、その逆で手術をした場合は、放射線を後から当てること   も必要なら出来ますから。」と説明があり、手術に賭けた。     私は会社勤めの64歳。65歳まで働くことができたが、悔いが残らないよう、   2009年9月12日限りで退職した。   2008.9.16入院、18日手術と事が進み、順調なら10日くらいで退院という予定   だったが、9月末頃から合併症で「リンパ浮腫(ふしゅ)」というやっかいな病   気に罹り、10月7日の退院まで入院生活は22日にも及ぶことになってしまった。 【注】手術の結果、左鼠頚部(腿の付根)にある「リンパ節」5個の癌細胞の転移     があり、肉眼で分かる癌細胞は切除したが、「病期は4期の前半」で最終     期の「病期は4期の後半」の1段階手前だった。   その後も同年の12/23〜2009.1.13まで「リンパ廃液」の腹部滞留などで39度も   の高熱が出るなど、いろんなことがあったが、懸命にリハビリを重ねて、最近   は旅行も出来るまでに体力が快復した。   【注】「リンパ節」は左右の鼠頚部に各20個以上あって、体内の細菌等から身     体を守る役目をしているが、私は左の鼠頚部から5個の「リンパ節」を切     除しているので、時折突然の左脚の「むくみ」や「左腰の激痛」に襲われ     る。     「リンパ浮腫(ふしゅ)」は一度罹患すると根治することはなく、現在のと     ころ、いい治療法というものはなく、せめて身体を温めずに、リンパ液の     流れをよくする「リンパマッサージ」や「ウォーキング」、「医療用タイ     ツ着用によるリンパ液の循環促進」などが有効なリハビリテーションであ     るとされている。   入院の際に大変お世話になった同郷の友人の「湯治の達人Jさん」からのお誘   いもあって、今回の「自炊の湯治旅」が実現した。   本当に、同行の「湯治の達人・Jさん」と「剣玉未達人さん」にはお世話にな   りました。感謝、感謝であります。









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