『かしゃぐら通信』 Khasya Rreport     KhasyaはPinusKhasyaのことで松の木の一種。熱帯原産で3葉、幹と枝はすらりとした樹形を作る。松はシンハラ語でデーワ・ダーラ、神の枝を意味する。Khasya-gulaでStage of Godsのこと。スリランカの神は古代、山の岩穴に住んだ。  かしゃぐら通信 Khasya Report シンハラ語の話し方フォロー講座
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シンハラ語の名詞も活用する、を学ぶ       C名詞格変化の実際1 2006-01‐13
かしゃぐら通信2006.01.13, 2007-Dec-21 2008-Jan-16
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C名詞格変化の実際
かしゃぐら通信2006.01.13, 2007-Dec-21 2008-Jan-16

たしかに名詞は格変化するけど

 この下の表はシンハラ語の名詞九格を例文とともに表したものです。主格から処格までの七格は文の中の動詞と関連付けられる本来の格で、別表にした属格・呼格は文の中の動詞とは直接の関連付けを持たない格で、属格はほかの句を修飾し、呼格はそれのみで独立する格。この二つは格としては特殊な存在です。
 
以下、順に例文を紹介しながら名詞格変化(ワラナギーマ)の実際をご紹介します。  



       ※日本語を学習するシンハラ人には「日本で有名な」を「日本に有名な」と誤る助詞の使用例があるという。上の一覧で見るようなニパータと助詞の関係を名詞の格と共に理解すればそのような誤用が生じる余地はないだろう。日本語の助詞「で、に」がシンハラ語ではどの格にふり分けられるかを対照して学習することで、日本語の助詞の誤用はなくなる。

 次の2つの格は述語動詞と関連を持ちません。属格は名詞、名詞的用法をする用言を修飾し、呼格はそれのみで独立しています。


 
 主格には主格表示のニパータがありませんから他の格との混用誤用という問題は起こりえないのですが、対格を元にして作られる具格・与格・奪格は格表示を示すニパータを共用することがありますからどうしても混乱が生じてしまいます。
 この混乱は日本語で起こる助詞の混用誤用と相通じるところがあります。
 日本語の助詞は常に新たな使われ方をするので(属格の「「が」はいつの間にか主格になった)、また、方向を表す朝鮮語の「エ」が日本語でも「〜へ」となって「京へ、筑紫に、関東さ」という助詞の住み分けを生んだりします。
 日本語の助詞との関連で言えば、「あなた読んだ本」と「あなた読んだ本」は意味として同じですが、そこに使われているのは属格「の」と主格「が」の違いがあります。シンハラ語では「あなた読んだ本」という言い回しが出来ても「あなた読んだ本」という言い方は出来ません。日本語の助詞は流用・転用を簡単に許してしまいますから主格も属格もへったくれもない。シンハラ語では主格が属格と入れ替わることなど絶対に(今のところ)ありません。属格は連体修飾しか出来ないからです。
 ところが、シンハラ語では「あなた読んだ本を私も読む」と言う場合、「あなた読んだ本を私も読む」という言い回しをします。文の前節に置かれる主語は対格を取る、と強制的に覚えさせられるしかない文語的統語ルールです。

 名詞も動詞のように活用する。それをワラナギーマと言う。と、およそ日本語の名詞とはかけ離れたシンハラ名詞の文法規則から話を始めましたが、こうしてシンハラ名詞を眺めて来ると、文の中では日本語の名詞と同じように使える場面がいくつもあることが分かってきます。名詞が文の中で作る様々な格も、名詞+助詞(格ニパータ)として捉えてみれば、そこには日本語の名詞と同じ名詞句作りの作法がある。日本語の助詞もシンハラ格文法のように整理して分別すれば、今ほどの日本語の混乱は防げたのではないかとさえ思えます。


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