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No.157 裏燧林道 |
尾瀬沼キャンプ場にテントを張り、裏燧林道を歩きました。この日は最後に残っていた東北地方の梅雨が明け、全国的な猛暑になり、その暑さが山の上まで及んで、汗だくの1日になりました。裏燧林道を歩くのは6年ぶりで、前回はごく一部しか歩きませんでしたが、今回は全コースを歩きました。 日時 2012年(平成24年)7月26日(木) 天候 晴 同行 なし 所要時間 尾瀬沼キャンプ場(5.40) ←1時間→ (6.40)沼尻休憩所(6.50) ←1時間35分→ (8.25)見晴(9.00) ←40分→ (9.40温泉小屋(9.50) ←50分→ (10.40)三条ノ滝分岐(10.50) ←50分→ (11.40)渋沢温泉分岐(11.45) ←55分→ (12.40)上田代(12.50) ←30分→ (13.20)御池(14.30) ←バス15分→ (14.45)沼山峠口(15.00) ←1時間→ (16.00)尾瀬沼キャンプ場 山行概要
大江湿原へ出てすぐ、尾瀬ヶ原への分岐を左へ曲がり樹林帯に入って尾瀬沼沿いに歩きます。左手に尾瀬沼を見ながら樹林帯の歩くと小さな湿原に出ました。浅湖湿原です。ここで大江湿原では見かけなかった花が幾つか木道沿いに咲いています。まだ朝が早いせいか行き交う人は誰も居ない静か雰囲気を楽しめます。しばらく樹林帯の中を進むとやがて尾瀬沼越しに建物が見えるようになり、そのまま進むと目の前が開けその向うに先ほど見えた建物、沼尻休憩所が目の前に現れました。この休憩所で一息です。入ってみると軽食や飲み物のメニューが壁に貼ってあります。ここで、昼食ぐらいは頼むことができるようです。休んでいると管理人らしき中年の男性がやってきて、店開きの準備を始めましたので、管理人と入れ違いになるようにして、沼尻休憩所を後にしました。 沼尻休憩所を出て小さな湿原を過ぎると、下りが始まります。段小屋坂です。今まであった木道が時折途切れるようになり、ぬかるみの中を歩くようになりました。この頃になると尾瀬ヶ原の方から来る人達が多くなり、登山道が人の話し声や、チンチン、ジャラジャラの音で賑やかになってきました。結構長い下りが続き、そろそろ終わってくれないかなと思い始めた頃、下りが緩やかになり、幅広の立派な木道が現われました。やがて昨年歩いた燧ヶ岳へ向かう見晴新道の分岐が現われ、更に進んだところで見晴に着きました。 ここは尾瀬で山小屋が最も沢山あるところで、6軒の山小屋が営業しています。この中の原ノ小屋の休憩所に入り、山菜ソバを注文して、朝食がてら休憩をとりました。ソバを食べ一息入れて出発です。次の目的地は、温泉小屋です。休憩所の少し先で尾瀬ヶ原へ向かう道を右へ分かれます。しばらくの間、至仏山を左に眺め、木道沿いの花を写して進むと東電小屋への分岐が現われました。これを過ぎてしばらく歩いたところで、葦原の向うに温泉小屋が見えました。温泉小屋のある赤田代は葦ばかりが目立つ小さな草原で、目を惹くものは何もありません。
ここで、導標に従って段吉新道に入り御池方向に向かいました。明るい落葉樹林の中の道が続きます。段吉新道に入って三条ノ滝への分岐を過ぎ、更に同じような道を進み、しばらく緩い登りが続いたと思ったら目の前に比較的新しい吊橋が現われました。このつり橋を渡り、さらに緩い登りを上ると目の前に休憩用のベンチがある分岐が現われました。渋沢温泉への分岐です。この導標には御池まで3.3kmの表示があるので、先ほどの段吉新道へ入ってから約4km歩いたことになります。この間、地図では殆ど平坦と思われる道ですが、燧ヶ岳の山すその沢を何回となく横切るため、その都度小さなアップダウンが繰り返されました。 渋沢温泉への分岐を過ぎて30分ほどするとパッと目の前が開け、明るい湿原が目の前に現れました。西田代です。温泉小屋を過ぎてから2時間半ほど、見晴しがなく、これといった特徴のない樹林帯の中を歩いていたので、新鮮に感じました。西田代を過ぎるとすぐ池塘のある横田代が現われ、更に小さな沢を渡ると上田代に着きました。裏燧林道の中では最も大きな湿原で、明るく開放感のある素晴らしいところです。日差しは強いのですが心地よい風が吹いています。この後、御池までは僅かの距離で登りはありません。6年前と同じように草原の真中にあるベンチで、しばし時の経つのを忘れていました。 御池に着いて、バス停の前の売店で、冷えた牛乳を2本飲みましたが、その旨かったこと、最近の忘れられない味の一つになりました。牛乳を飲んだ後、御池ロッジで風呂に入って汗を流し、バスで沼山峠口まで行き、尾瀬沼キャンプ場に戻りましたが、風呂に入って緊張感が緩んだ体には、沼山峠までの登りは結構しんどいものがありました。 この日裏燧林道では、10名ほどの団体1グループを含め20名ほどの人と行き交いました。当初考えていたより、ここを歩く人は多いと感じました。それでも尾瀬ヶ原や大江湿原の人の多さに比べるとウソのように静かなところでした。裏燧林道は段吉新道から西田代まで、樹林の中を歩きます。この間、急な、或いは長い登下降はありませんが、小さなアップダウンが連続しているので、尾瀬ヶ原を歩く場合よりは、ずっと体力を要求されます。 尾瀬沼キャンプ場には7月25日の午前11時ごろ着き、キャンプ場の使用受付を行っている尾瀬沼ヒュッテに出向いたところ、受付けは午後1時からだと、2時間ほど待たされました。ここは、午後1時から部屋の受付とキャンプ場の受付を同時に始めていましたが、その間、利用者(お客)を建物外で平然と待たせているヒュッテの姿勢に疑問を感じました。当日は、時おり雨のぱらつく天気で、本降りにならぬようヒヤヒヤしながら受付を待ちました。 部屋については、掃除や整理の時間のために、入室についてある程度の時間制限を設けることは理解できます。一方、キャンプ場の方は、掃除や整理を行っているわけではなく、午後1時から受付を始める理由は、無いと思われます。尾瀬に3箇所あるキャンプ場のうち、このように受付時間を制限しているのはここだけです。 尾瀬沼ヒュッテは村営(因みにキャンプ場の方は施設の設置が環境省で管理は桧枝岐村)のためか、このヒュッテからは、利用者本位の姿勢が感じられません。ここは昨年に続いて2回目の利用になりますが、施設のハード面の立派さに比べ、これを管理するソフト面の見劣りが気になりました。 「山の花」に写真を収録した花: ショウキラン、チシマウスバスミレ、ケナツノタムラソウ、コンロンソウ、コアニチドリ、ヒオウギアヤメ |
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尾瀬沼キャンプ場を出ると、大江湿原の端を通って樹林の中へ入る 樹林の中へ入るとすぐ写真の長英新道の分岐が現われる 昨年はここから燧ヶ岳へ登った |
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登山道はを進むと、左側に尾瀬沼が眺められる これといった特徴はないが、静かな佇まいを見せてくれていた |
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沼尻平 昨年燧ヶ岳に登った際、箱庭のように見えたところである ナデックボ登山道経由で燧ヶ岳へ向かう分岐がある |
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沼尻休憩所 中は売店で飲み物や麺類などの軽食を販売している ここには私設トイレが設置されている |
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段小屋坂 山道としてはきつい坂ではないが、木道が設置されていない所があり、ぬかるみが多い |
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燧ヶ岳分岐(見晴新道) ここまで来ると見晴までは僅かである 昨年はここから燧ヶ岳を目指したが、途中でバテて引き返した |
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見晴 通りに面した山小屋がそれぞれ売店を出している この日は、写真奥に移っている原の小屋の売店で山菜ソバを食べた 写真手前側が尾瀬沼、向こう側が尾瀬ヶ原、昨年泊った見晴キャンプ場は写真左側の方にある |
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見晴キャンプ場の工事 尾瀬沼のビジターセンターに、昨年利用した見晴キャンプ場は工事中で使用できない、との掲示があったので、見晴キャンプ場を見に行ったら、ここにある公衆トイレの改修工事を行っていた 工期は平成24年4月6日〜平成24年11月30日と掲示してあった |
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温泉小屋方向への分岐 尾瀬沼の方から歩いてくると見晴の山小屋街(見晴には6軒の山小屋がある)の外れにある 写真の手前側に屋根つきの休憩用のベンチがあり、たいてい何人かのハイカーが休んでいる |
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尾瀬ヶ原 見晴から温泉小屋へ向うとしばらく尾瀬ヶ原の東端を歩く 左に至仏山が遠望でき、明るい景色を楽しみながら歩くことができる |
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東電小屋への分岐 見晴と温泉小屋の中間ぐらいのところにあった 導標には東電小屋まで1.2kmの表示があった |
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赤田代と温泉小屋 温泉小屋は2棟あり、思っていたより大きな山小屋だった 赤田代は単なる葦原で葦以外は何もない |
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![]() 手前の建屋は公衆トイレで奥側の建屋は売店 公衆トイレは右の写真のように中はキレイだった |
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裏燧林道(御池)への分岐 ここを真っ直ぐ進むと三条ノ滝でこちらの道は人通りが多い 導標には尾瀬ヶ原(見晴)まで2.0km、御池まで7.4kmの表示がある |
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裏燧林道の道 落葉樹林の中を歩く 秋の紅葉が楽しめそうだった 御池まで殆ど木道が設置されており、雪でも降らない限り道に迷うことはない このような感じの道が西田代まで、私の足で2時間半ほど続いた |
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三条ノ滝への分岐 三条ノ滝の方へは急な下りがずっと先の方まで延びていた |
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吊橋 裏燧橋と表示されている 比較的最近できたつり橋のようで、山中の橋としては場違いな感じがするほどの立派なつり橋である。 |
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渋沢温泉への分岐 休憩用のベンチがあるが、写真のように先客に占められていた 導標には御池まで3.3kmの表示がある 導標とベンチがある以外、特にこれといった特徴はない |
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西田代 ここから、横田代、上田代、姫田代と大小の違いはあるが、爽快感・開放感にあふれた素晴らしい湿原が続く |
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横田代 裏燧林道沿いの湿原で池塘を見かけたのはここだけだった |
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上田代 6年前は御池からここまで来て引き返した 大江湿原などとは比べようもないくらい小さな湿原だが、それを感じさせない爽快感・開放感がある |