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No.129 北八ヶ岳 |
諏訪側から佐久側へ、雪の中山峠を越えました。前日までに降った春の大雪で、素晴らしい雪景色を楽しめましたが、中山峠からの下りは、登山道が雪で完全に消えており、考えていた以上に時間がかかりました。 日時 2010年(平成22年)3月11日(木)〜12日(金) 天候 3月11日 晴 3月12日 晴 同行 なし 所要時間 3月11日 渋の湯(11.35) ←30分→ (12.00)高見石分岐(12.05) ←45分→ (12.50)八方台分岐で昼食(13.05) ←35分→ (13.40)唐沢鉱泉分岐(13.40) ←1時間10分→ (14.50)黒百合ヒュッテ 3月1 2日 黒百合ヒュッテ(6.50) ←10分→ (7.00)中山峠(7.10) ←3時間→ (10.10)しらびそ小屋(11.10) ←1時間30分→ (12.40)こまどり沢(12.45) ←55分→ (13.40)林道(13:40) ←30分→ (14.10)みどり池入口バス停(14.20) ←15分→ (14.35)稲子湯 山行概要 3月11日
茅野で、これもいつもの10時20分発のバスに乗りましたが、珍しく登山者が10人ほど乗車しており、いずれも終点の渋の湯まで一緒でした。渋の湯は新雪直後で、青空をバックに白く雪化粧をした樹木が、メルヘンチックな雰囲気を漂わせています。なんとなくわくわくするような気持ちになりました。 スパッツと簡易アイゼンをつけて歩き始めました。1月の高見石と違い、勝手知ったる道、しかも好天なので、気持ちに余裕が持てます。高見石分岐を過ぎ、八方台分岐で、おにぎりとコンソメスープの昼食を取り、次の目標の唐沢鉱泉分岐まで、新雪の素晴らしい雪景色を楽しみながら歩きました。やがて頭上に中山が現れ、その先を下ると唐沢鉱泉分岐が現れます。いつもはここで休憩を取るのですが、今日は時間が中途半端だったので、写真を写しただけで先へ進みました。ここから再び登りが少しきつくなり、疲れを感じるようになります。雪がいっそう深くなり、やがて左手が開けて中山の山腹が現れ、次に右手が開けると黒百合ヒュッテが目の前に現れました。 ![]() この日、黒百合ヒュッテには私も含め13人が泊り、結構賑やかでした。夕食後例によって、ストーブを囲んで泊り客の山談義が始まりました。私は最近この手の話しに加わらないことにしているので、一人炬燵で時を過ごしました。やがてこの山談義に飽きた一人が炬燵に入ってきたので、この人としばらくお互いの日常生活や趣味の話などをして、8時30分の消灯少し前に布団にもぐりこみました。 3月12日 朝4時頃一度目がさめましたが、そのまましばらくウトウトして5時に布団から起き出しました。前日までは、天狗岳に登ってから中山峠を下る積りだったのですが、新雪の多さ、また最近中山峠〜しらびそ小屋間を歩いた人がいないとの小屋番の話から、天狗岳を登るのは止めにして、朝食後すぐ中山峠を下ることにしました。
中山峠の佐久側は最初急な雪の壁をトラバースしながら下ります。右下がりの斜面なので利き腕が右の私はピッケルを支点にすることができません。足元の雪を一歩一歩踏み固めるようにして慎重に下りました。急な雪の壁を下ると木の生えていない開けた斜面に出ます。この斜面に出るとすぐ右手の樹林に入るのですが、入口を示すテープやリボンが見当たりません。代わりに真っ直ぐ下った先の木に赤いリボンが見えます。怪訝な気持ちに襲われましたがここから樹林の中に入りました。 昨年、樹林の中の登山道は雪が窪んでいてすぐそれと分かったのですが、今回は完全に雪に覆われていて、道跡は分かりません。テープやリボンだけが頼りになりますが、これが見当たりません。30分ほどウロウロして、そろそろ下るのをあきらめて引き返そうかと思い始めたとき、下から2人組のパーティーが登ってきました。声をかけると、しらびそ小屋から登ってきたとのことで、これを聞いて心底ホッとしました。これから先はトレースがあります。これで今日は、道が分からなくなる不安がなくなりました。 このあとは、この二人が付けたトレースを辿り、稲子岳を眺め、ダケカンバの林の景観を楽しみ、しらびそ小屋までのんびり下り、しらびそ小屋でラーメンとコーヒーを頼んで1時間ほど小屋の主と雑談をして過ごし、今日の目的地の稲子湯に向かいました。昨年と同じようにもしらびそ小屋の荷揚げ道をスノーシューで歩きました。スノーシューをつけても膝の中程までもぐります。今年は雪が重く昨年ほど快適には歩けません。夏道へ出た時は結構へばっていました。昨年は、夏道へ出た先でスノーシューをアイゼンに代えましたが、今年は雪が多いのでスノーシューを着けたままみどり池入口まで歩きました。トレースがあるのでスノウシューは沈みません。抵抗なく滑らせることができ、雪を踏む抜くことがなく、軽アイゼン並みのグリップ力があるので快適です。 稲子湯で気持ちよく迎えられ、のんびり湯につかり、満足感に浸りました。翌日、小海駅まで送ってもらい、今回の山行は終わりました。 |
3月11日 渋の湯〜黒百合ヒュッテ | |
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渋の湯登山口 空一杯に青空が広がり、雪の季節は必ずといってよいほど吹いている冷たい風もなかった 気温は5℃で、絶好の登山日和 |
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登山指導所 私の前を歩いていた2人組のパーティーが登山カードを出していた そう言えば、最近私はここで登山カードを出していない 次回からは出す準備をして来なければならない |
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高見石分岐 ここから八方台分岐までは、渋の湯〜黒百合ヒュッテ間で最もきつい登りが続く |
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八方台分岐までの登り この写真では分かり難いが、少々きつい登りがしばらく続く |
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八方台分岐 明るい広場 ここで昼食にしたが、この日は3人組のパーティーも昼食を取っていた ここから唐沢鉱泉分岐までは、緩やかな登りになる |
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黒百合平まで、途中殆ど見晴らしは無いが、下の写真の唐沢鉱泉分岐の手前まで来ると頭上が開け、中山の稜線を眺められる |
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唐沢鉱泉分岐 ここまで来ると雪が深くなる しかしトレースがしっかり出来ていて、軽アイゼンでも歩くのに支障はない |
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中山の斜面 左手にこの中山の斜面が見えるようになると黒百合ヒュッテまであと僅かの距離である 今回は降雪直後で素晴らしい景観を楽しめた |
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黒百合ヒュッテの前の丘の斜面 上の写真の中山の斜面が見えるようになると、今度は右側に黒百合ヒュッテの前の丘の斜面が現れる この辺りは私の好きな景色の一つである |
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黒百合ヒュッテ 今回、小屋番は男2人、女1人の計3人で、いずれも初めて見る顔だった この日の宿泊者は私を含めて13人 |
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黒百合ヒュッテから中山峠方向 中山峠方向へ向かった一人分のトレースが残っていた |
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中山峠から東天狗岳 中山峠から少し天狗岳よりにある岩付近から見た東天狗岳 ここからは天狗の鼻が目立つ |
3月12日 黒百合ヒュッテ〜中山峠〜稲子湯 |
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中山峠 中山峠の佐久側は諏訪側(黒百合平側)と違って急な雪の壁を下る 右手がそぎ落ちた結構キツイ壁で、しらびそ小屋の主人の話では、しらびそ小屋から登ってきて、この壁を登れずに引き返す人もあるとのことで、ここは登りも下りも、ピッケルが欲しくなる この写真では壁のきつさが表現できていない |
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樹林帯入口 上の写真を下ると一度開けるが、すぐ樹林帯に入る ここには赤いリボンが木につけられている ここから樹林に入ると左方向が下山ルートだが、私は逆の右方向が下山ルートと思い、右方向のリボンを探したため、リボンが見つからなかった |
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樹林の中の道 雪が深く、昨年はあった道跡がすっかり消えており、トレースがなければリボンだけが頼りになる リボンはかなり頻繁に現れる |
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稲子岳 あまり知られていないが、大きな岸壁を持つ山で、しらびそ小屋の主の話では頂上まで登る入口が中山峠としらびそ小屋の間にあるとのこと ここまで下ってくれば、後はテープやリボンのマークがなくても、迷うことは無い |
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ダケカンバの林 上の写真の稲子岳が見えると、すぐその先にこのダケカンバの林が現れる この林が終わると短い急な下りがあるが、その先はしらびそ小屋まで道は殆どフラットになる |
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トロッコ軌道跡との分岐 雪で覆われているが、ここから写真右手方向にトロッコの軌道跡が残っている 導標が立っており、中山峠から下ってくるとここで道は直角に左に曲がる |
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本沢温泉分岐 ここからしらびそ小屋までは歩いて数分の距離 本沢温泉方向にトレースは無かった |
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しらびそ小屋 みどり池畦にある通年営業の山小屋 従業員は雇わず家族だけで営業している八ヶ岳では小さな山小屋 この日は、ご主人と奥さんが小屋番をしていたが、奥さんは屋根の雪下ろしの真っ最中で会えなかった |
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みどり池と東天狗岳 みどり池は写真のように雪原に変わっている その先に天狗岳とその左に根石岳が見える |
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しらびそ小屋付近の登山道 明るい樹林の中をフラットな道がしばらく続く |
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夏道と荷揚げ道 左が荷揚げ道で、右が夏道 夏道にはトレースがあったが荷揚げ道にはトレースがない 荷揚げ道は小さなキャタピラ車の専用道で、登山道ではないため途中にテープなどのマークは殆ど無い 昨年はスノーシューで快適に歩けたが、今年は雪が重くて、スノーシューを滑らせる抵抗が大きく、だいぶくたびれた |
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荷揚げ道 リボンやマークは殆ど見かけないが、前述の「小さなキャタピラ車が通る道」、をしっかり頭に入れておけば、雪があっても迷うことは殆ど無い |
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雪による倒木 今回は荷揚げ道のあちこちで、木が雪の重みで横になり、写真のような通せんぼをしていた |
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こまどり沢 ここで荷揚げ道と夏道が一緒になる 今回の山行では、しらびそ小屋からここまで、上の写真の荷揚げ道を下ってきた 写真左手が、夏道のしらびそ小屋方向、右手が白駒林道方向、 荷揚げ道は写真奥の方に延びている |
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登山道入口 ここから下の写真の白駒林道まで、時間にして5分ほど車が通れる広い道を歩く |
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白駒林道 みどり池方向と白駒池方向を示す導標が立っている |
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白駒林道 上の写真の林道出口から白駒池方向を写した 緩い登りでトレースは無い スノーシューをつけていたので、試しに少し歩いてみた くるぶしの上までもぐり、雪が重く、スノーシューでは、結構なアルバイトになりそうだった |
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みどり池入口 白駒林道の入口で、県道に面しており、駐車場になっている この日は車が4台駐車していた 写真の黄色い門柱は林道のゲート |