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No.111 北八ヶ岳 |
黒百合ヒュッテと稲子湯に泊まって、雪の中山峠を諏訪側から佐久側へ越えました。山小屋の話しでは、例年より雪は少ないとのことでしたが、雪山歩きを堪能することが出来ました。 日時 2009年(平成21年)1月14日(水)〜15日(木) 天候 1月14日 晴 1月15日 曇後晴 同行 なし 所要時間 3月1日 渋の湯(11.30) ←30分→ (12.00)高見石分岐(12.05) ←40分→ (12.45)八方台分岐で昼食(13.05) ←30分→ (13.35)唐沢鉱泉分岐(13.40) ←1時間→ (14.40)黒百合ヒュッテ 3月2日 黒百合ヒュッテ(7.30) ←15分→ (7.45)中山峠(7.50) ←1時間30分→ (9.20)しらびそ小屋(10.10) ←1時間5分→ (11.15)こまどり沢(11.20) ←5分→ (11.25)昼食(11.50) ←30分→ (12.20)林道(12.20) ←25分→ (12.45)みどり池入口バス停(12.50) ←15分→ (13.05)稲子湯 山行概要 1月14日
登山指導所の前で川を渡って山道に入り、高見石分岐を過ぎ、八方台分岐に着いたところで昼食にしました。幸い今日は食欲があり、魔法瓶の湯でインスタント味噌汁を作り、八王子駅で買ったおにぎり2個を食べることが出来ました。高見石分岐から八方台分岐まではきつい登りが続きますが、八方台分岐から先は緩やかな登りの道になります。快晴で明るく、心が浮き立ちます。素晴らしい雪景色を楽しみながら歩きました。やがて、登りの道が少し下りになり、下りきったところが唐沢温泉分岐です。いつものようにここで一息入れました。 この道はこれまで何回か歩いていますが、渋の湯から登ってくると、この唐沢温泉分岐を過ぎたところから、疲れが出てきます。今回もその例に漏れず、唐沢温泉分岐を過ぎてしばらくすると、少々息が苦しくなってきました。多くなってきた雪の中を、写真を撮るための小刻みの休憩を入れながら歩きました。やがて辺りの木が疎らになり、左に中山へ続く斜面が見えるとまもなく、今度は右手に黒百合ヒュッテの前の2433mの小高い丘の斜面が眺められるようになり、目の前に黒百合ヒュッテが現れました。 ![]() 黒百合ヒュッテの今日の泊り客は私一人です。5時30分からの夕食は炬燵で1人で食べました。食事後炬燵で持参したラジオを聞いたり、小屋番と少し雑談をして時間をつぶしましたが、少々時間を持て余しました。消灯は8時30分なので、8時に2階に準備してくれた布団にもぐりこみました。 1月15日 夜中に何回か目が覚めましたが、小屋で準備してくれたあんかを布団に入れていたので、布団の中にいる限り寒さは感じません。5時45分にセットした携帯電話が鳴ったところで、布団から起き出しました。朝食は6時半です。食事のために下へ降りてゆくと、小屋番から、上は吹雪だと言われました。昨日は素晴らしい好天で、夕方の天気予報も晴れとのことだったので一瞬信じられなかったのですが、外を見ると小屋番の言うとおり、曇天で青空は見えません。小屋番の勧めもあり、早々と東天狗岳へ登るのをやめにして、このまま中山峠から下へ下ることにしました。東天狗岳へ登れないのは残念ですが、これまで何回か登っているので、悪天の中を無理に登る積りはありません。
中山峠は冷たい風が吹き抜けていました。東天狗岳の方は雲がかかっていて見えません。ここで身支度をもう一度確認して中山峠を下りました。中山峠の直下は急坂が続きます。ピッケルで体を確保しながら慎重に下りました。急坂を下るとすぐ木の生えていない開けた斜面に出ます。ここまで来ると峠にあったトレースが分からなくなりましたが、この辺りの様子は昨年7月に来た時、頭に刻み込んでおいたので、道から外れる不安は感じませんでした。開けた斜面を僅かに下り、右手の樹林の中に入ります。樹林の中に入ると、雪の中に道跡がはっきり分かり、テープも目に付くので迷うことはありません。積雪期に中山峠を佐久側へ下るのは今回が初めてで、道の状況が気に懸かっていたのですが、この道の状態を見て緊張感が和らぎました。このあとは、途中で稲子岳の景観を楽しみ、しらびそ小屋まで写真を写しながら雪道をのんびり歩きました。 しらびそ小屋でコーヒーを頼み、小屋番をしていた奥さんと雑談をして少々長い休憩を取りました。小屋番をしていた奥さんの勧めで、ここからこまどり沢までは、夏道を通らずに小屋が荷揚げに使っている道を下りました。荷揚げ道へ入るとすぐトレースがなくなり新雪が積もっています。少し歩くとひざ下まで足が潜るようになったので、アイゼンをスノーシューに履き替えました。スノーシューで歩くのは、初めての経験です。思ったより足は雪の中に潜るのですが、雪を踏み抜くことがなく、潜り方が一定していて、楽に歩くことが出来ます。こまどり沢まで緩い下りを気持ちよく歩きました。 こまどり沢の少し先にあった陽だまりで、ホットレモンとアンパンの昼食を取り、稲子湯まで雪道をのんびり下りました。稲子湯には午後1時に着いてしまいましたが、宿の人は気持ちよく部屋に案内してくれました。部屋に案内されて、着替えや荷物の整理もそこそこに、温泉に飛び込みました。湯船を一人で占領して手足を伸ばし、まさに天国、そんな気持ちになりました。稲子湯も黒百合ヒュッテと同じくこの日の泊り客は私一人でした。チェックインには早すぎるかと思ったのですが気持ちよく迎えてくれ、雪が付いたアイゼンやスノーシューをストーブで乾かしてくれました。また、翌日は駅にストーブがあるからと、松原湖駅ではなく小海駅まで車で送ってくれました。 |
1月14日 渋の湯〜黒百合ヒュッテ | |
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渋の湯登山口と登山指導所 渋の湯のバス停から川沿いに歩いて数分の所にあり、登山カードが備えられている 黒百合平へはこの登山指導所の前を右折し、川を渡る |
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登山道へ入ると新雪が積もっていた |
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高見石分岐 ここから八方台分岐までは、渋の湯〜黒百合ヒュッテ間で最もきつい登りが続く |
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八方台分岐 明るい広場 ここから唐沢鉱泉分岐までは、緩やかな登りになる この日はここで昼食にした |
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八方台分岐から唐沢鉱泉分岐までは、見晴らしは無いが、明るく気持ちの良い道が続く |
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この日は雲ひとつ無い好天の中を歩いた いつもはこの辺では汗をかいて下着が濡れているのだが、この日は気温が低く汗はかかなかった 気温は−5℃〜−10℃ぐらいと思われるが、風が無いため歩いている限り寒さは感じない |
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唐沢鉱泉分岐 ここまで来ると雪が深くなる しかしトレースがしっかり出来ていて、軽アイゼンでも歩くのに支障はない |
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この日は雪が降った直後で、周りの樹木は雪で真っ白だった |
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中山の斜面 左手にこの中山の斜面が見えるようになると黒百合ヒュッテまであと僅かの距離である |
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黒百合ヒュッテの前の標高2433mの丘の斜面 黒百合ヒュッテの前からこの丘に登ると東西天狗岳が良く見える |
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黒百合ヒュッテ 小屋番は男女二人で、小屋の仕事を始めて女性は3ヶ月、男性は夏の経験もあるが、冬は未だ数日とのことだった 山小屋では珍しく、宿泊費の領収書を発行している |
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天狗の鼻と東天狗岳 黒百合ヒュッテに着いた時は、ヒュッテの前から天狗の鼻と東天狗岳の頂上が良く見えた |
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中山峠から少し中山よりに歩いたところから見た東西天狗岳 |
1月15日 黒百合ヒュッテ〜中山峠〜稲子湯 |
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黒百合ヒュッテ 昨日の好天とは打って変わり、上空は雲に覆われ、冷たい風が吹いていた ヒュッテから中山峠までトレースはきれいに消えていた |
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中山峠直下の斜面 中山峠の直下は急斜面が続く このあと右手の樹林に入らないと道を外すことになる |
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樹林の中の道 雪は深いが道跡ははっきり分かる また目印のテープも頻繁に目に付くので迷うことは無かった |
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ダケカンバの林 ここまで下ってくると道は殆どフラットになる 雪で石ころなどが覆われるので夏よりはるかに歩きやすい |
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トロッコ軌道跡との分岐 雪で覆われているが、ここから写真右手方向にトロッコの軌道跡が残っている |
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本沢温泉分岐 ここからしらびそ小屋までは歩いて数分の距離 |
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しらびそ小屋 通年営業の山小屋 従業員は雇わず家族だけで経営している八ヶ岳では小さな山小屋 この日、ご主人は下に降りたとのことで、奥さん1人で小屋番をしていた |
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みどり池と東天狗岳 黒百合ヒュッテを出る時、雲の中だった、東天狗岳がうっすらと姿を現していた 雲の動きから、頂上の風は相当強そうだった |
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夏道と荷揚げ道 真っ直ぐ伸びているのが荷揚げ道で、夏道はここから右へ下っており、こまどり沢まで割合きつい坂道が続く |
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荷揚げ道 無雪期は小さなキャタピラ車用の荷揚げ専用で、登山道ではないため途中にテープなどのマークは何も無い |
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こまどり沢 今回の山行では、しらびそ小屋からここまで、上の写真の荷揚げ道を下ってきた |
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昼食 上の写真のこまどり沢から数分歩いたところの陽だまりでホットレモンとアンパンの昼食にした ザックにつけた温度計では−6℃ぐらい 写真は今回持参した用具 ピッケル、アイゼン、スノーシュー、トレッキングポール等で、持参した用具は一通り使用した |
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昨年7月に歩いた時、道を間違えた場所 今回はトレースがしっかり付いていて間違いようはなさそうだった |
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林道出口 みどり池方向と白駒池方向を示す導標が立っている |
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みどり池入口 バス停があり、この日は車が2台止められていた |
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稲子湯 昨年7月にここの風呂に入ったが、泊まるのは今回が初めて 年配の女将をはじめ従業員はいずれも感じの良い人たちだった いずれまた、来たいと思っている |