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No.83 丹沢主脈 |
早いもので、山歩きを再開して5年目に入りました。今年最初の山行は丹沢主脈縦走です。蛭ヶ岳山荘に一泊してヤビツ峠から西野々まで歩きました。丹沢は先週末に雪が降り、塔ノ岳から焼山まで雪道でした。 日時 2007年(平成19年)1月8日(月)〜9日(火) 天候 1月8日 晴 1月9日 晴 同行 なし 所要時間 1月8日 ヤビツ峠(8.20) ←1時間20分→ (10.00)二ノ塔(10.05) ←15分→ (10.20)三ノ塔(10.25) ←55分→ (11.20)行者ヶ岳(11.20) ←50分→ (12.10)新大日で昼食(12.30) ←15分→ (13.15)塔ノ岳(13.25) ←55分→ (14.20)竜ヶ馬場(14.25) ←30分→ (14.55)丹沢山(15.00) ←1時間→ (16.00)不動ノ峰(16.00) ←35分→ (16.35)鬼ヶ岩(16.35) ←40分→ (17.15)蛭ヶ岳山荘 1月9日 蛭ヶ岳山荘(7.05) ←1時間10分→ (8.15)原小屋平(8.15) ←25分→ (8.40)姫次(8.55) ←15分→ (9.10)青根分岐(9.10) ←20分→ (9.30)青根分岐(9.35) ←5分→ (9.40)黍殻(園地)避難小屋(9.50) ←30分→ (10.20)平丸分岐(10.20) ←25分→ (10.45)焼山(11.20) ←35分→ (11.55)東海自然歩道副道分岐(11.55) ←35分→ (12.30)焼山登山口バス停分岐(12.30) ←15分→ (12.45)西野々 山行概要 1月8日 前回の山行と同様、朝5時30分に自宅を出て、秦野で7時35分発のヤビツ峠行きの始発のバスに乗りました。今年の1月8日は成人の日で休日です。ヤビツ峠行きのバスは満員で座席に座れた人より座れなかった人の方が多いように感じられました。
このあたりで、当初の予定より遅れているのが気になりだしました。木の又大日小屋が開いていたら休憩する積りだったのですが、ここを素通りして塔ノ岳へ向かい、塔ノ岳ではトイレタイムを取っただけで、丹沢山へ向かいました。頂上から尊仏山荘の脇へ入った途端、雪が解けて凍った道が現れました。アイゼンをつけるかどうか迷ったのですが、すれ違った登山者に聞いたところ、道が凍っているのは塔ノ岳を下りきったところまでで、その先は竜ヶ馬場まで道は凍っていないと言われたので、そのまま慎重に凍った道を下りました。 先へ進むにつれて、少しずつ雪が多くなってきますが、確かにアイゼンをつけるほどではありません。竜ヶ馬場を過ぎ、雪で覆われた丹沢山へは当初の思惑より1時間ほど遅れて着きました。ここまで来れば、やれやれと大休止を取りたいのですが、この先、不動ノ峰、蛭ヶ岳と二つの登りがまだあります。持参した一口羊羹と魔法瓶の湯で一息入れ、簡易アイゼンをつけて不動ノ峰へ向かいました。 丹沢山を越えると更に雪が多くなります。時間が時間ですから、今日はもう登山者に会うことはないだろうと丹沢山を下っていると、登ってくる登山者に行き交いました。西洋系の人ですが、流暢な日本語で先に挨拶され、少々驚きました。こんな時間ですと今日の泊まりは何処だろうと、自分のことは棚に上げて、他人のことを考えてしまいました。 やがて不動ノ峰の登りが始まりました。登りかけたところでGPSのバッテリが気になり取り出してみると、案の定バッテリ切れで止まっています。塔ノ岳でバッテリ残量が少ないのに気がついていたのですが、丹沢山でチェックし忘れたことを悔やみました。仕方がありません。ここでバッテリを交換しました。 時間が遅くなっていると気が張っていたためか、不動ノ峰の登りは思ったより早く休憩小屋が目の前に現れ、そのあと一息で不動ノ峰の頂上に着きました。ここまで来ると今日の目的地の蛭ヶ岳と山頂の蛭ヶ岳山荘がだいぶ間近に見えるようになると共に見晴らしの良い稜線歩きが蛭ヶ岳まで続きます。時間があればのんびり歩きたいのですが、午後4時を過ぎましたので、先を急ぎました。棚沢ノ頭を過ぎて鬼ヶ岩で眼前の蛭ヶ岳を見て一息ついて鬼ヶ岩を下りました。下りきったキレットで、富士山の左側に日が沈みました。日没です。日没の写真を何枚か写し、蛭ヶ岳山頂まで今日の最後の登りを登りましたが、あたりはドンドン暗くなってゆきます。蛭ヶ岳山荘に着いたとき、あたりはすっかり薄暗くなっていました。 小屋へ着いてみると既に夕食が始まっていましたが、小屋番の計らいで、一息入れさせて貰えました。夕食後、部屋のストーブの周りで暖を取りました。今日の宿泊客は私を入れて3人ですが、登山客同士の話はあまり弾みません。小屋番と少し雑談をして7時半ごろ眠りにつきました。 1月9日 昨日は食堂で寝たので起床が5時半で、朝食は6時からでした。今日も晴れで、小屋の軒下の温度計は氷点下8度とのことです。朝食後魔法瓶に湯をつめてもらい、日の出まで小屋で一息入れ、頂上で日の出の写真を写してから小屋を出発しました。昨日の泊り客の一人は、私より少し早く西丹沢へ向かいましたが、もう一人は私が小屋を出るとき、まだ頂上で写真を写していました。 蛭ヶ岳の頂上直下は雪の吹き溜まりになっていて、雪はかなり積もっていますが、トレースができていて雪が程よく締まっているので、簡易アイゼンでも不安感はありません。写真を写しながら気持ちよく下りました。急坂を下る途中で何回か目の前が開け、富士山、南アルプス、奥秩父、八ヶ岳などの山岳パノラマを楽しめます。これから向かう姫次や西野々はまだ遥か先です。長い木製の階段状の桟道を過ぎると、急坂が終わりしばらく緩やかな下りが続きます。やがて小さな広場が現れました。原小屋平です。更に進むと、少しきつい登りがあり、これを登りきったところが姫次でした。ここは2004年10月に我が家の飼い犬と共に来たところです。そのときは生憎富士山を望むことができませんでしたが、今日は目の前に素晴らしい姿を見せています。 ここで、チョコレートをかじり小屋で今朝入れた魔法瓶の湯を飲んで一息入れました。無風、無人、一面の雪、目の前に広がる素晴らしい景観、まさに至福の時と言っても過言ではないと思いました。今日はまだ先が長いので、名残を惜しみつつ姫次を後にしました。 ![]() 更に少し歩くと右手に白い避難小屋が現れます。小屋の前は大きな広場になっていて休憩用のベンチが幾つか設置されています。避難小屋の中を覗いてみましたが、中はきれいに清掃されています。これまで丹沢の避難小屋を幾つか見ましたが、いずれも小屋の中は整理整頓が行き届いています。この避難小屋は昭文社の地図では黍殻避難小屋とありますが、ここの標識では園地避難小屋とあります。 避難小屋を過ぎて植林帯の中を進むとやがて大平分岐と水場を示す導標が現れ更に下ると、黍殻山を示す標識が現れました。標識に従って斜面を登ると稜線まではすぐでしたが、稜線上を更にしばらく歩くようでしたので、黍殻山へ登るのは中止して、元の道に戻りました。しばらく歩くとまた黍殻山を示す標識が立っていましたので、稜線沿いに黍殻山を登る道があるようです。 このあと植林帯と落葉樹林の中を何度か交互に歩き、平丸分岐、鳥屋分岐と過ぎ、展望台のある焼山に着きました。ここには遅くとも10時半には着くつもりだったのですが着いたのが10時45分で、昨日に続いて今日も少々遅れ気味です。ここで湯を沸かして、カップラーメンの昼食をとり、しばし休憩を取りました。 あとは西野々まで歩くだけです。焼山を下りたところで、雪が完全になくなったのでアイゼンを外しました。ここから西野々まで時折落葉樹林が現れますが、ほとんどは薄暗い植林帯の中の道が続きます。焼山登山口バス停の分岐を2箇所やり過ごしたところで、小さな沢を越え、僅かに登ると林道へ出ました。林道を下るとやがて右手に最初の人家が現れ、更に先へ進むと舗装道路に出て、ここを左折すると50mほどのところに西野々のバス停があります。バス停の前のベンチにザックを置いて荷物と衣服の整理をして一息つくと13時17分西野々発三ヶ木行きのバスが来ました。 ヤビツ峠から蛭ヶ岳までは、地図上で、距離約13km、登り累計約1660mで、下りも累計約760mあり、ある程度時間がかかるのは覚悟していましたが、思った以上に時間がかかりました。幸いばてることなく歩きとおせましたが、小屋に着くのが午後5時を過ぎてしまったので、これは反省しなければなりません。歩く速度は、これが今の私の限界のようです。蛭ヶ岳はいずれまた行くことがあると思いますが、コースやアクセスについてはよく考えなければ、と思いました。 今回の山行は、標題の丹沢主脈の通り、まだ一度も歩いたことがない蛭ヶ岳から西野々までを歩くのが主たる目的でした。目的どおり歩いてみましたが、この間で楽しめたのは姫次までです。姫次からから先は多くが見晴らしのない檜や杉の植林帯の中を歩くため、楽しさを感じられません。今回は好天だったため植林帯の中にも木漏れ日があり、比較的明るかったのですが、曇天や雨の場合は薄暗く陰気で、歩けたものではないでしょう。姫次から焼山までは、緩やかな下りが続くのが唯一の救いですが、これも焼山までで、焼山を過ぎると急坂が現れます。姫次から先は、もう一度歩いてみたいという気持ちにはなれません。 姫次から西野々までは東海自然歩道に指定されているためか、導標はよく整備されています。しかし歩く人は最近それほど多くはないようです。特に焼山〜西野々間では、最近折れた木の枝が道をふさいでいたり、落ち葉に覆われて道が不明瞭なところがありました。メインルートでもこんな状態ですから、あまり利用することがないと言われている副道や、姫次〜西野々間に幾つかあった分岐から先がどのような状態か、推して知るべしと言っても良いかも知れません。 |
1月6日 ヤビツ峠〜蛭ヶ岳 | |
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登山道入口 導標には、塔ノ岳6.1km、三ノ塔2.0km、ヤビツ峠1.7kmとの表示がある |
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三ノ塔頂上 この日は家族連れなどで賑わっていた ここまでだったら危険を感じさせる鎖場のような所はなく、小さな子供連れでも安心して来ることができる |
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三ノ塔頂上から見た表尾根 眼下に烏尾山小屋がありその先に塔ノ岳続く表尾根が一望できる 表尾根の向うには雪の付いた丹沢山が見える |
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行者ヶ岳鞍部の崩壊地 行者ヶ岳の鎖場を過ぎ、書策小屋の登りにかかるところにあり、木の桟道が架けられている ここはいつ全面崩壊が起きてもおかしくない感じがする |
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塔ノ岳頂上 相変わらずここは人が多い この日は、これから向かう蛭ヶ岳がまだ随分遠くに見えた |
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凍った道 表尾根に雪は全くなかったが、尊仏山荘の脇に入った途端、雪が現れ、道は凍っていた アイゼンなしで、トレッキングポールを頼りに、慎重に下ったが、アイゼンをつけた方が正解だった |
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竜ヶ馬場 時間があれば十分時間を取って休憩を取りたい場所だが、この日は一息入れただけ |
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丹沢山 頂上は雪に覆われていたが、休憩用のベンチはまだ顔を出していた この日、頂上のみやま山荘は営業していた |
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丹沢山を越えると途端に雪が深くなった |
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不動ノ峰 丹沢山を下って小さなピークを一つ越えると目の前に現れる ここから見る不動ノ峰はボリューム感たっぷりの頂である |
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不動ノ峰頂上付近 ここから蛭ヶ岳まで素晴らしい眺望を満喫できる |
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棚沢ノ頭付近から見た蛭ヶ岳 棚沢ノ頭を過ぎると眼前に蛭ヶ岳を見て歩くようになる ここを歩くのはこれで3回目だが、何回歩いても楽しいところである |
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鬼ヶ岩から見た蛭ヶ岳 ここまで来れば、目的地の蛭ヶ岳山荘まではあと一息だが、頂上までの結構な登りが待っている |
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夕日 鬼ヶ岩と蛭ヶ岳の間のキレットで、富士山の脇に日が沈んだ 時間は16時40分ごろ このあと辺りはドンドン暗くなった |
1月9日 蛭ヶ岳〜西野々 |
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蛭ヶ岳頂上から見た日の出直後の富士山 |
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蛭ヶ岳頂上 カメラを素手で操作したら寒さであっというまに手が痛くなった 小屋番は気温は氷点下10℃ぐらいだろうと言っていた 雪はまだ多くはない |
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蛭ヶ岳頂上直下 吹き溜まりで積雪量は多い 斜面はきついがトレースがしっかりついているので軽アイゼンでも気持ちよく歩けた |
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蛭ヶ岳から下ってくると時折、目の前が開ける 御正体山の向うに南アルプスが遠望できる 一昨年登った赤石岳と悪沢岳をはっきり識別できた |
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焼山方向 写真左端側のピークが袖平山 姫次は袖平山の右側の裾にある 写真右端側の小さいピークは黍殻山? 今日のゴールはまだずっと先にあることが実感できる |
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蛭ヶ岳の急坂 頂上から続いた急坂が終点近くなると木製の階段状の桟道が多くなる |
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原小屋平 写真向こう側が蛭ヶ岳、手前側が姫次 ここから姫次までは登りに変わる |
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姫次 カラマツに囲まれた見晴らしの良い広場で、休憩用のベンチが設置されている ピークではないが、ここだけを目的に登ってきても、十分満足できる |
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姫次から見た富士山 ここからは蛭ヶ岳山荘も眺められる |
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最初の青根分岐 姫次から下ってくると最初に現れる分岐 導標が立っているだけで、他には何もない 青根方向にはしっかりしたトレースが残っていた |
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二番目の青根分岐 休憩用のベンチが設置されている 一見、上の最初の分岐よりはこちらの方が、青根へのメインルートに見えるがふみ跡はあまり定かではなかった |
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![]() 蛭ヶ岳から下ってくると2回目の青根分岐(上の写真)を過ぎて5分も歩かないうちに、右手下側に見えてくる 小屋の中は綺麗に掃除されており、ストーブが設置されている 小屋の前はすり鉢状の広い広場がある |
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大平分岐 薄暗い木立の中に導標が立っている この少し先に、水場を示す導標が立っている 導標には東海自然歩道、焼山2.6km、姫次2.3km、大平2.3kmの表示がある |
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平丸分岐 道の脇に導標がぽつんと立っているだけ 特にこれという場所ではない |
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鳥屋分岐 ここまで来ると、焼山まではあと一息 休憩用のベンチがあり、明るく気持ちの良い場所である |
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![]() 展望台と休憩用のベンチが設置されている 展望台に登ると宮ヶ瀬湖やその先に広がる市街地が眺められるが休憩用のベンチからは樹木にさえぎられ眺望はほとんど得られない |
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焼山登山口バス停分岐 焼山から下ってくると最初に現れる分岐 東海自然歩道副道、焼山登山口バス停2.3km 西野々2.5km、焼山1.6kmの表示がある |
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林道出口 焼山から導標の西野々方向に従って歩くとこの林道に出る 導標には東海自然歩道、焼山3.5km、西野々0.6kmの表示がある ここから林道を道なりに歩くと西野々バス停に着く |
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西野々バス停 バス停の前に飲料の自動販売機はあるが、近くに商店は見当たらない |