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No.77 蓼科山 |
今年の5月の連休明け、北横岳で引き返した蓼科山(2530m)へ再度登りました。お盆を過ぎて、今年の夏山シーズンも終わりのようで、山で行き交う人は疎らでした。 日時 2006年(平成18年)8月24日(木)〜8月25日(金) 天候 8月24日 晴 8月25日 晴 同行 なし 所要時間 8月24日 ロープウェイ山頂駅(9.15) ←25分→ (9.40)北横岳分岐(9.40) ←40分→ (10.20)北横岳ヒュッテ(10.20) ←20分→ (10.40)北横岳(10.50) ←1時間5分→ (11.55)大岳分岐(12.00) ←10分→ (12.10)大岳で昼食(12.55) ←1時間25分→ (14.20)天狗の露地(14.25) ←45分→ (15.10)双子池ヒュッテ 8月25日 双子池ヒュッテ(6.10) ←45分→ (6.55)双子山(7.10) ←30分→ (7.40)大河原峠(7.50) ←1時間40分→ (9.30)蓼科山荘(9.30) ←45分→ (10.15)蓼科山(10.30) ←5分→ (10.35)蓼科山頂ヒュッテで昼食(11.00) ←20分→ (11.20)森林限界(11.20) ←40分→ (12.00)2156mのピーク(12.05) ←1時間→ (13.05)女乃神登山口 山行概要 8月24日 我が家を
山頂駅で登山者カードを提出し、ガスが立ちこめている坪庭の中を歩き始めました。歩き始めるとすぐ、咲いている花が目に留まります。いわゆるお花畑ではありませんが、そこ、ここに一株、二株と咲いています。北横岳までは、今年の5月に歩いたばかりで、かって知ったる道です。今日は時間に余裕があるので、花を写しながら坪庭をのんびり歩きました。坪庭から北横岳の登山道へ入り、一汗かいたところで北横岳から続く稜線にある雨池峠分岐へ出ました。緩やかになった登りを歩いて北横岳ヒュッテを過ぎると、北横岳まであと僅かです。北横岳の手前のピークは素通りして、北横岳に向かいました。 北横岳の頂上からは、蓼科山が目の前に見えます。また蓼科山と双子山の鞍部には赤いとんがり屋根の大河原ヒュッテも良く見えます。南の方も一望できますが、こちらは雲が多く赤岳や阿弥陀岳は見えません。これから向かう大岳の方を見て少々がっかりしました。北横岳〜大岳間は眺望を楽しめる稜線か草原が続いているのを期待していたのですが、登山道は樹林の中のようです。 頂上で10分ほど過ごして大岳に向かいました。頂上を出るとすぐ双子池ヒュッテから来たという5人組のパーディとすれ違いました。「岩だらけで大変だ」、と言われましたが、このときは気にもしていませんでした。北横岳から一度ドンと下ると、道は平坦になりますが、大きな岩がゴロゴロしていて、歩きにくいことこの上ありません。しかも岩は湿っていて気をつけて歩かないと滑ります。大岳と双子池の分岐まで、予想以上に時間と体力を使いました。ここで一休みして、大岳へ向かいましたが、ここから大岳までは、10分ほどの岩場の登りが続きます。 大岳の頂上も見晴らしの良いところで、明日登る双子山が手に取るように眺められます。ここまでくれば今日の目的地の双子池ヒュッテまではあと僅かですから、のんびり昼食をとりました。昼食の最中にオコジョが出てきて、こちらをじっと見つめたり、目の前を歩き回るのに、しばし見とれていました。 適当なところで昼食を切り上げ、双子池ヒュッテへ向かいました。ところが、ここからが大変で、これまでより更に岩だらけの道が双子池ヒュッテまでずっと続きます。途中の休憩も入れ、大岳から双子池ヒュッテまで2時間以上かかり、双子池ヒュッテに着いた時は、足がヘロヘロで立っているのもいやなぐらい、足に来ていました。北横岳の頂上近くですれ違ったパーティに言われた、「岩だらけで大変」、というのは、本当でした。小屋について受付を済ませ、小屋の主と少し雑談をし、主の勧めに従って荷物を部屋に入れる前に双子池を眺めたり、小屋の周りに咲いている花を写して、時間を潰しました。 この日の双子池ヒュッテの泊り客は、最初私一人だったのですが、夕方大河原ヒュッテが閉まっていて泊まれなかったという登山者が来て、都合二人になりました。小屋の主は、泊り客が少ないので、サービスだといって温水シャワーを使わせてくれました。 今日、山中で会った登山者は北横岳までが3パーティー5人、北横岳〜双子池までが1パーティー5人でした。 8月25日 朝5時前に目が覚めました。いつもの小屋泊まりのように、起きるとすぐ湯を沸かして魔法瓶につめ、荷物の整理が終わって一息ついていると、朝食の知らせがありました。朝食は午前6時と昨晩言われていましたが、5時40分です。とにかく、山では朝早いのはありがたいと、自分は思っています。朝食の後、小屋の主人に形どおりの挨拶をして、双子山に向かいました。双子山は頂上まで緩やかな登りが続き、朝のウォーミングアップに調度良い感じです。体が温まって汗をかき出すと、目の前に山頂の草原(ホーロク平)が広がりました。頂上は見晴らしの良いところで、昨日難渋をした大岳の下りや、これから向かう蓼科山の山頂が手に取るように眺められ、更に浅間山や奥秩父の山々が雲の中に浮かんでいます。この草原にはハクサンフウロやマツムシソウなど、山でおなじみの花が沢山咲いています。周りの風景や花を楽しんで、誰もいない山頂でしばらく時間を過ごしました。 いつまでも見飽きない風景に心を残し、次の目標の大河原峠へ向かいました。双子山の頂上から樹林帯へ一度入りますが、これはすぐ途切れ、思っていたより間近に大河原峠が目の前に現れました。大河原峠への下りも緩やかで、気持ちよく歩けます。大河原峠へ着いてみると、車が数台止められていましたが、大河原ヒュッテともう1件の茶店は閉められていて、静まり返っています。峠にあった自動販売機から冷えた飲み物を1本買って飲み、一息つきました。 ここから蓼科山の登りは、シラビソなどの針葉樹林の中に続いています。最初のうちは、それほど急な登りではありませんが、徐々にきつくなり、きつい登りがひとしきり続きます。やがて登りが緩くなり、周りの樹林が疎らになって、蓼科山の山頂が眺められるようになると、赤谷への分岐が現れました。更に少し歩くと人声が聞こえてきて、蓼科山荘のある将軍平に着きました。 小屋の前では数人の登山者が休みを取ったり雑談をしています。休憩には中途半端な時間だったので、ここは素通りです。小屋を過ぎるといきなり蓼科山山頂直下の急登が始まります。岩の階段のような道をあえぎながら登りました。やがて森林限界を抜け、山頂を右に見てトラバース気味に少し歩くと、目の前に蓼科山頂ヒュッテが現れ、その少し先に頂上が見えます。蓼科山頂ヒュッテから岩の上のペンキのマークに従って、頂上に向かいました。 ![]() 一息ついて、下山です。ここから女乃神登山口まで、ガイドブックでは1時間40分、ここの小屋の主に聞いたら2時間といわれたので、11時にここを出れば、登山口を12時55分に通るバスに間に合うと考え11時ちょうどに小屋を出発しました。 小屋からトラバース気味に岩の上を歩き、やがて森林限界に着いて、樹林の中の急坂を下ります。予想通りの急坂が続き、いい加減、うんざりした頃、道が緩やかになり、ダケカンバの林に変わり、2156mのピークに着きました。この後もう一度急坂を下り、カラマツ林を抜け、笹原に出て女乃神登山口に着いたのは13時05分で、12時55分のバスには間に合いませんでした。途中であまり写真も写さず、1時間ほど下ったところでペースを速めたつもりだったのですが、頂上から女乃神登山口まで、2時間以上かかりました。次のバスまで時間があるので、登山口にある女乃神茶屋でそばを食べて時間を潰し、14時30分のバスでピラタス駐車場に戻りました。この後、尖石温泉縄文の湯で一風呂浴びて、帰宅したのは午後8時過ぎでした。 今回は登りより、下りがきつく感じられた山行でした。蓼科山からの下りは予想していましたが、北横岳〜大岳〜双子池ヒュッテ間は、予想外でした。地形図で見る限り、たいした標高差は無く、楽なルートに思えたのですが、前述したように大きな岩だらけの道が続き、体力を消耗します。 5月の連休明けに行った際は、北横岳で引き返しましたが、今回歩いてみてこれは正解だったと思いました。コースは、8割方眺望が得られず、テープが殆ど無いため、トレースが無ければ、夏道のルート上を歩くのは困難です。更に岩だらけですから、雪を踏み抜いて岩の隙間にでも落ちたら、大怪我をしかねません。 双子山の頂上付近は、見晴らしの良い明るい草原です。大河原峠までは舗装道路が続いていますので、車を使えば大河原峠まで楽に来られますし、大河原峠〜山頂も緩い登りで、標高差は100m少々しかありません。体力の無い人でも1時間もあれば、山頂に立つことができるでしょう。 双子池ヒュッテに、車が止まっていたので主に道のことを聞いたら、道が荒れているので、セダンでは無理(マフラーが無くなると笑っていました。)だが、車高の高い4WDだったらOKだと言っていました。 「山の花」に写真を収録した花: ハナイカリ 、ウツボグサ、シシウド、ヤツガタケアザミ、ヤツガタケタンポポ、シラタマノキ、メイゲツソウ、キオン、イワヒゲ、ハクサンフウロ、ガンコウラン、コケモモ、オヤマリンドウ、コウゾリナ、タカネマツムシソウ |
8月24日 ロープウェイ山頂駅〜双子池ヒュッテ |
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坪庭 ロープウェイの山頂駅を出ると坪庭が広がる 山頂駅を出発するときはガスがかかっていたが、このあとすぐに青空が広がった |
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![]() ここには右のような導標が立っている ここから北横岳ヒュッテまでは、緩やかな登りが続く |
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北横岳ヒュッテ 休憩用のベンチがあり、一息入れるのに調度良い |
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北横岳頂上 今年の5月は、この少し先で雪のために道が分からなくなり、引き返した ここからの眺望は言うことなし |
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北横岳頂上から見た蓼科山 ここから見る蓼科山は、なんとなく様にならない |
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北横岳頂上から見た双子山 この写真では分からないが、肉眼では双子山と蓼科山の鞍部(大河原峠)に赤い屋根の大河原ヒュッテがよく見える |
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七ツ池 北横岳を下って少し歩くと右手に七ツ池が見える 小さな水溜りといった感じで、これといった特徴は無い |
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北横岳〜大岳間の登山道 岩がゴロゴロして歩きにくい 岩を登ったり降りたりするので、想像以上に体力を消耗する |
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大岳分岐 北横岳の方から下ってくると、まっすぐ進めば大岳で左へ下ると双子池へ向かう |
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![]() 見晴らしは良い 北の方の眼下に雨池の一部が見えるが、直下にあるはずの双子池の方は見えない 頂上の標識の下には右の写真のような石像があり、賽銭が置かれていた |
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オコジョ 体長20cmぐらい、胴長ですばしこい 大岳の頂上で昼食をとっていたら、1.5m位まで近寄ってきてきた 双子池ヒュッテの主の話によると、結構獰猛な小動物で、ねずみや陸へ上がった双子池のサンショウウオを捕らえて食べるそうである |
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大岳〜双子池間の登山道 このような岩場はそう長くは無いが、樹林の中でも岩がゴロゴロしていて歩きにくい |
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天狗の露地 見晴らしが良く休憩にうってつけで、しばらく休んだ このあと双子池まで急降下する |
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双子池ヒュッテ前の大岳への登り口 ここへ着いた時は、心底ホッとした 双子池ヒュッテの主は、北横岳から双子池へ来る場合、亀甲池コースの方が大岳コースより楽だと言っていた ただし、亀甲池コースは眺望が全く無いそうである |
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双子池ヒュッテ 小屋はまだ新しい感じで広い 年寄り夫婦が小屋番をしていた 主は話好きで、こちらから水を向ければいくらでも話に乗ってくれる 押し付けがましいところが無く、気持ちよく話ができた |
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![]() 雄池と雌池がある こちらは雄池でサンショウウオがすんでいる ちなみに雌池(写真右)にはフナが放流されているとのことである 双子池ヒュッテは、以前この池の水を飲料水に使っていたとのこと 現在飲み水は、1kmほど先から車で汲んできている |
8月25日 双子池ヒュッテ〜蓼科山〜女乃神登山口 |
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![]() 双子池ヒュッテの脇の林道終点にある ここにはトイレも設置されている(写真右) |
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双子山の登り 緩やかな登りがずっと続く 写真は頂上間近の登山道 |
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![]() 蓼科山と北横岳が良く見える この先、大河原峠側に緯度、経度を表示した標識(写真右)が立っているが、国土地理院の地形図の双子山頂上はこの緯度経度の標識の立っている地点である |
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双子山から見た北横岳と大岳 大岳の左側には硫黄岳と横岳が遠望できる |
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![]() ここまで道路は舗装されている 写真は大河原ヒュッテで、写真左側に茶店がもう1軒建っている |
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大河原峠の蓼科山登山口 竜神橋へ向かう道が分岐している |
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急坂を過ぎてしばらく歩くと、樹間から蓼科山の山頂が見えるようになる |
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赤谷分岐 ここまで来ると蓼科山荘まで、ほんの一息 |
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![]() 数人の登山者が休んでいたせいか、何とはなしににぎやかさが感じられた ここでは天祥寺原方向とゴンドラ方向へ向かう道が交差している(写真右) |
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![]() 岩の階段の急坂が続く 写真右の標識が出てくると頂上までは一息 |
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蓼科山頂ヒュッテ 文字通り山頂直下にある ここのカキ氷は渇いたのどに美味かった 蓼科山は7合目から登ってくる人が一番多いといっていた |
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蓼科山頂ヒュッテから蓼科山頂上は指呼の間 頂上までペンキのマークをたどって歩く |
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蓼科山頂上 蓼科山頂上と表示した標識が立っている 標識右側の四角い白の看板は、山頂のルート図 頂上から直接女乃神登山口へ下るルートは無く、一度蓼科山頂ヒュッテまで戻らなければならない |
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蓼科山山頂 山頂は平らな岩場が広がっている |
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蓼科山頂上から見た北横岳と大岳 この後雲がどんどん涌いてきて、いずれも雲の中に隠れてしまった 南八ヶ岳は雲の中だったが、雲が無くても逆光になるためシルエット状にしか見えないと思われる |
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女乃神登山口へは、頂上から蓼科山頂ヒュッテへ下り、そこからからしばらくの間、写真のような岩場を歩く |
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![]() 蓼科山と大河原峠方向を示す導標とバス停がある 手前の道路はビーナスライン 道路を挟んで反対側に女乃神茶屋(写真右)が建っている |