神保町 昼食ニュース

2009年6月号

2009年6月1日記

左隣の人

◆ 新 開 店

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 中身がたくさんあるので,いきなり「本題」とする。5月は,最初に連休があったからということもあるが,月の後半に立て続けに新しい店に遭遇した。

 靖国通りからランチョンの左脇の道を入り,次の四つ角の向こうにある蕎麦屋「満留賀」の地下に,「<インド&ネパール レストラン>ヒマラヤ」というのがあるのを見つけ,入ってみた(神保町 1-18)。4月28日の開店だという。店のスタッフはインド風の顔の人のみだった。
 ランチは,カレーのセットが6種類 \800〜\1000,ネパーリランチセット \1000 など。せっかくの「&ネパール」なので,「ネパーリランチセット」を注文した(調べたら,Nepal の形容詞には Nepalese のほか Nepali もある)。メニューには内容として「ダル,バット,タルカリ,サグ,アチャル,マトン,サラダ,デザート」と難解な説明がある。出てきたものを「検証」したところ,サフランライスの周りを,マトンの佃煮風の煮物,大根のゴマ炒め,ホウレンソウ,野菜カレー,ダル豆カレー,サラダ,デザートが囲むにぎやかな大皿だった。幕の内風でバランスのよいランチである。

 すずらん通りの「S ガスト」の角を南へ曲がってすぐの左側に,5月20日,ラーメンの「麺祥来」が開店した。2年前に右となりのビルに移転した蕎麦の「満留賀 静邨」があった場所である。昼は毎日行列ができていたが,開店の翌週,12時半過ぎに通りかかったらたまたま行列がなかったので入った。
 行列はないが,中は注文した品を待つ人だらけだった。実は,開店当日のブログに早くも,この店のドタバタぶりの報告があったので,少々案じつつ,文庫本を読んで待っていたら,意外と早く出てきた。しかし,左隣の人は私より前から待っているのにまだ出ていなくて,かなりいらいらしているような雰囲気だった。見ていると,店員さんは注文の品と数は一応把握しているが,順序は把握しきれていないようだった。たぶん,左隣の人のと間違えて出てきたのではないかと思う。
 食べたのは看板のとんこつ醤油ラーメン(並)(\650)にホウレンソウ(\100)をトッピング,といってもホウレンソウは別皿だった。「本体」に載っていた具は,のり,薄いチャーシュー,味玉半分,ほうれんそう,メンマで,スープの醤油は薄めの色で,麺は太い。量は,先月の「用心棒」のようにやたら多いということはなく,多めだがまあ適度。スープは濃厚ではあるが,しつこくはなく,全体としてバランス良好だが,行列してまで食べる気にはなかなかならない。結局,私が食べ終わっても左隣の人には出てこなかった。

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 すずらん通りの東端近く,三省堂書店の向かいの道を南へ入った右側の2階に「<ダイニングキッチン>Jo庵」が5月11日に開店した。前には天ぷらのチェーン「てんや」があった場所(神保町 1-19-1)で,2005年暮に火事があり(→参照),建て替えられた後は,これまで食べ物屋はなかった。上がってみるとかなり広くて,40席近くある。
 ランチは,パスタ3種 \780 丼4種 \900 で,サラダバー・スープつきである。まぐろステーキ丼がいいなと思っていたら売り切れで,食べたのはねぎとろ丼。パスタと同じ深皿に入り,アボカド・卵焼・レタス・ミニトマトがあしらってあって,味も彩りもよい。次はパスタを食べてみたい。サラダバーはレタス・ミニトマト&トマト・キュウリ・マカロニなどで,丼に載っている野菜と一部同じなのがちょっと残念。

 続いては,神保町の交差点の南東角のビルの2階に5月15日に開店した「<欧風カレー>カヴィアル」。元は焼肉の「そら」だったが,2006年春に岩盤浴の店になっていた場所である(神保町 1-9)。看板には「Since 1982」とあり,東神田から移転してきたそうだ。シックな室内で,かなりの席数があり,BGMはモーツァルトのヴァイオリン・ソナタだった。
 1階の入り口にはなにも案内がなかったが,メニューは,ビーフ,ポーク,チーズ が \1300,チキン,海老,あさり,ホタテが \1400,という具合で,ふだんの昼食としては高級路線である。ゆでた大きめのジャガイモが出てくること,ライスにチーズが入っていることなど,しばらく行ってないけれど,ボンディにそっくりである。辛さは4段階,薬味はラッキョウのみ。高級ついでにコーヒーも飲んでゆっくりした。
 夜は,カレーは同じだが,アルコールとオードブル,洋風のつまみなどもあるという(ラストオーダー 21:30)。

◆ 初 訪 問

 以下は少し前の開店だが,漢陽楼通り(正式には富士見坂)を上がって千代田通りに出る直前の左側,サラファンの向かいの「すしstyle Hachi」に入ってみた。短期間「陳麻家」,その前はカレー屋「indo-in」があった場所(小川町 3-20)で,3月3日に開店したという。すし屋ではあるが,「居酒屋」というちょうちんが下がっている。中は右は普通のすし屋のカウンターだが,壁に面した左側は「立ち食い席」で「50円引き」と書いてあるが,何の値段をいつ50円引きにするのか不明である。
 昼のメニューは,にぎり \680,ちらし \780 などのすし各種のほか,刺身定食,まぐろステーキ定食など(\780〜\880)があり,すし屋としては多彩である。食べたのは「限定5食」のねぎま丼(\780)。「ひげ勘」のようなマグロとネギを煮たものではなく,串のない串焼きのような感じのたれ焼がご飯に載っていた。

 小川町の交差点より東にはめったに行かないが,たまたま用があって出かけた帰りに「小川町食堂」に入った。靖国通り北側(小川町 1-8-3)に前からある店で,まずトレイをとり,おかずや小鉢をとり,最後にご飯(大中小)と味噌汁(豚汁)をもらうと,あかみさんが大きな声で値段を計算する,というカフェテリア式食堂である。塩鯖,揚げナス,奴,しらすおろし,青菜,といろいろ取りそろえたら \833(なぜか値段が細かい)になったが,\700 円ぐらいでバランスの良い食事ができそうである。

 その少し手前の南側,小川町の交差点東南の食べ物屋密集地帯(2006年8月号参照)にある「<つけ麺>蔦八」に入ってみた。元はすし屋の「こころ」があった場所(小川町 1-7)で,去年12月に開店したという。メニューは,つけ麺 \700,トロ肉入り \850,ほかにカレーつけ麺,トロ肉丼など。普通のつけ麺は,濃厚なかつお節味のスープに太い麺で,メンマ以外何も入らない。シンプルだが,味はまあまあ充実していた。

◆その他の動き

 山形そばの「河北や」(神田警察通り;2008年3月号参照)に,河北カツ丼と肉中華を始めたと書いてあった。カツ丼は「卵でとじていない」という説明がある。肉そば・ミニカツ丼セット(\780)を食べてみたら,ミニとは言えない大きめのカツ丼で,カツが4切れ載り,加わるのはソース・紅ショウガのみだった。

 そのすぐ西寄りの担々麺の店「辣椒漢」の前を通りかかったら,新メニューとして,香辣麺 \850,プレミアム正宗担々麺 \1000 というのが書いてあった。

 =====5月30日,ブログ別館「フォト日記――神保町の5月」を掲出しました====


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