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kanon(PS2) プレイメモ(5)

 うぐぅ。
 オープニングとか見てると、実はキーパーソンな気がするんですけど、気のせいでしょうか。毎日の朝のアレのメロディもあゆのアレンジだし。

 1/7。部活に向かう名雪に、帰ったら街を案内してくれるようお願いする。
 街に出て、名雪が買い物を済ませる間にあゆ遭遇。リュックに羽ついてるー。
 追われているそうで。逃げ出すあゆに引っ張られて連れ回され、何故か一緒にファーストフード入ろうと言われる。よく判らないまま一緒に逃げてみる。
 追手が諦めて帰った後に話を聞けば…財布忘れたままたい焼き屋台でたい焼き受け取ってしまって、走って逃げて来たらしい。
 …それ、世間では食い逃げって言いますよ、お嬢さん…。
 盗んだものを勧められても食べにくいです…。
 自己紹介されたので、こっちもしておく。名前に心当たりがありそうな動揺ぶり…。うーん。
 夜。回想でしょうか。小さい頃の名雪と一緒に街に買い物に出ている祐一。商店街で、今日と同じように名雪の買い物を待っていたら、背中にぶつかって来た女の子がいた。
 そのまま泣き出してしまった女の子。名前はあゆ。通行人の目が冷たい…。俺じゃないのにー。

 1/8。学校帰りに通りかかった商店街で再びあゆと衝突する。ちなみに追われている理由はもちろん同じ。
 見知らぬ道まで来てしまってから戦利品をくれようとするあゆ。うー。まあ今日は貰ってみる。
 たい焼き食べ過ぎでお腹痛くなって来たあゆのために少し休憩。
 帰ろうとしたが、2人とも道を知らない。その時に話の流れて、引っ越して来たばかりということを話すと、あゆが「戻って来てくれたんだ、約束守ってくれたんだね」。
 そう言えば昔、あゆという女の子と会って遊んだ。でも、「遊んだ」こと以外は実はよく覚えていない。約束ねえ。
 あゆが抱きつこうとしたのを避けたせいで、木に衝突。その振動で落ちてしまった雪を被った栞に帰り道を教えてもらう。
 商店街で、また会おうね、昔みたいに指切りしようと言われて、指切りする。
 また回想。泣いている女の子を人垣から離す。泣き止んでも理由は教えてくれなかったけど、お腹が鳴っていた。好きなものは? と訊いたら「たいやき」。あゆに奢ってあげて、そしてまた翌日同じ時間に会う約束を。その時も、指切り。

 1/10。秋子さんの買い物に付き合って商店街、あゆと再会。秋子さんとお互い紹介するが、名前を聞いた途端に秋子さんがちょっと考え込んでる…何だろう…。昔のことを覚えていたとか?「そんなはずない、気のせい」とか言ってるけど、何??
 これからどうするのとあゆに聞かれて、引越の片付けと答えると、あゆが手伝いたいと。うん、人手は欲しい所だ。OKする。
 ダンボールの運び込みは祐一、荷ほどきをあゆに頼む。でも漫画読んじゃってちっとも進んでません。ら、らしいかも。
 2人がかりで何とか整理。役に立てた? と聞いて来るあゆに、少しはね、と答えておく。
 カステラで休憩してから、あゆは帰って行った。

 1/11。商店街であゆ遭遇。
 からかったことを謝った後、商店街にいつも来ている理由を聞いてみると、探し物だそうだ。大切なものなのに、何なのか判らないっていうのも変な話。
 探し物、付き合ってみるか。
 でも、いつ落としたのかすら思い出せないって言い出して。急に「大切なものを落とした」ということだけ思い出したらしくて。
 何なんだそれは。
 とりあえず、よく行く場所を巡り始める。最後にケーキ屋さんに行くと、そこは本屋だった。ついこの間までケーキ屋だったと主張するあゆ。うーん。
 また回想だ。幼いあゆと待ち合わせている。商店街でたい焼きを奢ってあげる。
 商店街を歩きながら、あゆが言った。母親が自分を置いていなくなってしまったと。
 …家出しちゃったの? お母さん。それとも、あの時泣いていた理由の話だろうか…。

 1/12。帰り、商店街に寄ってみた。あゆ、いたねえ。ぶつかりそうになったので避けてあげます(笑)。
 探し物続行中のあゆ。こっちもCD屋探したいので、ついでに探し物手伝ってあげることにする。
 真っ暗になるまで歩いても収穫ゼロ。あえて言うなら、あゆは暗い所が苦手、というのが判った。
 その夜も回想。あゆをとっておきの場所に連れて来た。森の大木の所。あゆは登って街を眺めていた。

 1/13。帰りに降り出した雪を見て、商店街で傘を買って帰ることにする。
 あゆいたね。今日も探し物? でも何かですら判らない探し物って…出て来る可能性、ゼロなんじゃないか? とついきついことを言ってみてしまう。
 自分でもおかしいと判っているけど、それでも大切なんだ、とあゆ。
 今日も探し物付き合ってみる。しかも相合傘で。
 結局収穫はなし。それにしても、モノは何なんだろうか…。
 そして回想〜。あゆはゲーセンのクレーンゲームを知らなかった模様。挑戦したけど、取れませんでした。主人公も大見得切って挑戦するが、撃沈。わはは。

 1/14。朝、真琴のために履歴書買ったついでにあゆ遭遇。たい焼き屋さんに食い逃げのお詫びをしたらもらった、と朝からたい焼き…。勧められたので仕方なく食べとく。

 1/15。何故か朝食の席にあゆが…。秋子さんが誘っちゃったらしいけど。何なんだよ(笑)。
 秋子さんの料理の話から、あゆも料理が特技という話を。あゆの手料理ねえ。まあ、食べるなんてこともいつかはあるかも知れないね。
 午後、出かける。行く先はもちろん商店街。そしてあゆに会う。まだ、落とし物探し中。
 その夜もまた回想。ゲーセンのクレーンゲームの雪辱戦で天使の人形を取る。その人形は願いを3つだけ叶えてくれると言われて、あゆが願ったこと。それは、祐一が自分のことを忘れないでいてくれること、だった。

 1/17。また朝食べに来てるし。あゆ…(笑)。食事を終えてこれからの予定を聞かれて、普通に「何もない」と答えてみる。
 映画に誘われた。予定ないし、いいよー。後で待ち合わせることにして、いったんあゆは帰った。
 待ち合わせて映画館へ。ちなみに、何を上映しているか判らないまま来ちゃったらしい。でも、入る直前にあゆは固まった。ホラー映画だったのだ。あゆはかなり苦手らしい…。
 あゆ、結局、まともにスクリーン見てすらいなかった…(笑)。

 1/19。朝、名雪の腕時計が止まっているのに気付いた。帰りに商店街まで電池交換しに行くという名雪と一緒に行くことにする。
 放課後、名雪は「たまには違うお店も」とか言いつつ、屋台のたい焼き屋を挙げた。たい焼きと言えばあゆ…。ふざけて「実はたい焼きアレルギー」などと言ったら信じてるし。名雪〜。
 彼女が時計屋で本来の目的を果たしている間にあゆに会う。名雪が出て来たので、互いを紹介する。
 名雪が、あゆに遊びに来るように誘っている。何なら泊まっちゃってもいいよ、と。こっちも名雪に加勢してみる。あゆは、いつもと違って何だか遠慮がちだけど。
 あゆも来る気になったらしい。
 早速みんなで家に。秋子さんは快諾。でも、親御さんには連絡しておかないとね。秋子さんと名雪がキッチンで準備している間に電話を。
 …電話の子機の使い方を知らない? うーん。やっとのことでかけても、相手が出ない。留守なのかなあ。後でかければいいよ。
 名雪さんって綺麗だね、私も大きくなったらあんな風になれるかな、とあゆ。同年齢だけど、と言ったら何だかショック受けていたらしい。一応フォローしておいた方がいい?
 たくさんの夕飯食べて、くつろいでからお風呂。あゆは、風呂上がりでも赤のカチューシャをつけている。大切な人にもらったものであるらしい。
 そして深夜。3時に目が覚めた。夢を見ていたような気がするけど、内容は思い出せない。
 ついでにトイレ行こうと部屋を出たら、あゆも起きてた。同じくトイレらしい。昔の夢を見ていたような気がする、らしい。大きな木が出て来るそうで。
 話して、トイレ行っているうちに眠気覚めちゃった。何か夜食でもと棚を漁るが、料理のうまい秋子さんのこと、インスタントものなど置いちゃいない。
 あゆが作ると言い出した。んー、まあ、頼んでみるか。得意だと一応言ってたしね。
 でも…。
 だ、だめだこりゃ。皮もむかないままニンジン刻んで、葉っぱごと鍋に入れて、ダシも入れずに味噌だけ入れて味噌汁って言われてもなあ(苦笑)。
 まだ挑戦する気でいるあゆを残して寝る。
 今度は夢、でしょうか。ベンチに座るあゆ。やって来た祐一に「人形のお礼」とプレゼントを渡す。手作りクッキーだと言うので開けてみるが…「碁石?」と言ってしまうような出来だった。硬くて食べられたもんじゃないらしい…。まあ、自分のために作ろうとしてくれた、というお気持ちは有難いですけどね…。

 1/20。あゆ、まだ台所で奮戦中でした。でも結局味噌汁すらマトモに作れないばかりか、台所が凄い状態に…。秋子さんが朝ごはんを作ることすらままならない。朝食抜きで学校に行くことに。あゆは、自分で片付けたいと残っていた。
 学校から帰ると、何故かあゆがまだいる。学校どうしたんだ? あゆ曰く「休みたい時に休んでいい学校」なのだそうだ。何それ…(フリースクール…?)
 何故か今夜も泊まることになってるし…。
 夜、話がしたいと部屋にあゆが来た。カチューシャをプレゼントしてくれた日のことを覚えているかと訊いて来た。覚えてないです。実はあゆもあまり覚えていないらしい。カチューシャ貰ったことは覚えてるけど。
 …ふたり同時に忘れてるの? いや、祐一はともかく、あゆ、風呂上がりにすら外したくないほど大切なカチューシャなのに…。
 まあそれはそれ。
 せっかく男女2人だから他にやることあるよな、などとふざけてみたり。もっとからかってみたり。女の子って感じではないんだよねえ、あゆは。
 あゆ、ベランダに出てみたいらしい。まあ、少しだけなら。高所恐怖症だからと壁にぴったりくっついてる祐一。あゆも高い所は苦手(だけど家の2階程度はOK)だそうです。
 満足したのか、部屋(名雪の)に帰って行く。

 1/21。朝食。コーヒーが熱過ぎて飲めないあゆ。冷たい牛乳を入れてあげようとする秋子さん…でもいっぱいで注げない。どうしよう。飲んであげようか(笑)。
 あゆ、家族に何度電話してもつながらないらしい。その時になって始めて母親が旅行していることを思い出したとか。母子家庭らしい…。1人で留守番しているんなら泊まってっていいよーと歓迎モードの秋子さんと名雪。結局押し切られて泊まることに。
 放課後、学校帰りのあゆと合流。あゆの学校は、街外れの森の近くにあるらしいことを聞く。
 夕飯をみんなで。先に食べ終わったあゆと名雪がリビングから出て行った後で、秋子さんが祐一に「7年前この街で起きたことを知っているか」と意味あり気な質問。正直に知らないと答えると、「木が1本切られた」と秋子さんは答えた。…木??
 夜。またあゆが部屋に。そしてまたベランダに連れ出された…。
 名雪や秋子さんに迷惑かけてて悪いなあと思っているらしい。2人が迷惑に感じていないから余計に恐縮すると。そんなもんかもね。祐一くんはどうなの? と聞かれて、まあ、賑やかだし楽しいと答えておく。
 …回想。商店街に寄ってプレゼントを買ってから、幼いあゆに会いに行く。あゆの希望で、街外れの森の木の所へ行く。木に登って街を見ながら、この冬、祐一に会えなかったら悲しいことばかりだった、だから会えて良かった、と話し出す。
 (…あ。母親、出て行ったって言ってたよね。
 ……7年後のあゆは、母親が旅行中だと言ってたけど…。
 幼い頃に出て行って、また帰って来たのかな。新しい母親?? …うーん??)

 1/22。朝食の席で、秋子さんが謎の手作りジャムをあゆに薦めて来た。名雪が逃げ出してる…何? 食べてみたけど、個性的な味でした…。
 学校に向かいながら、7年前の冬にこの街で何があったのか名雪にも訊いてみる。覚えてないらしい。
 放課後。真っ直ぐ家に。
 夜、秋子さん少し具合悪そう。珍しい。
 またあゆが部屋に来た。そしてまたベランダに連れ出された。そして、明日家に帰ると。母親が帰って来るのかと訊いたら、「もう2度と帰って来ない」。秋子さんたちに気遣われてしまうだろうと思って本当のことが言えないでいたらしい。
 悲しくないのにおかしいな、と言いながらあゆが泣いている。この家の団欒はきっと、あゆにとっては悲しい思い出を呼び覚ますものだったんだろうなあ。

 1/23。朝ごはん、あゆが作ってる…やっぱり秋子さん具合悪いのかー。でもやっぱり食えたもんじゃないので、遠慮してそのまま学校に。
 と思ったら、あゆが家から飛び出して来た。秋子さんが熱を出して苦しそうらしい。「お母さんみたいに」って…ひょっとして、お母さんって家出したわけじゃないのか…?
 まあいい、とにかくあゆの懇願に答えて一緒に家に戻る。秋子さんは辛そうだけど、風邪だから大丈夫と言う。あゆは、それでも1日看病すると決めたようだ。祐一も学校から電話すると告げて学校に向かう。
 少し遅刻。担任に事情を説明して着席。休み時間になってから名雪にも説明。電話するために公衆電話へ。あゆは自分の小遣いで風邪薬を買って来るつもりらしい。
 次の休み時間の電話は、薬が食後なのにどうしよう、という内容だった。名雪は、あゆを信じて料理の作り方を電話口で教えている。…大丈夫かなあ…。
 そんなこんなで放課後。急いで家に帰ると、看病疲れであゆは秋子さんのベットに凭れて眠ってしまっている。料理…雑炊は、何とかおいしいレベルに作れていた。
 あゆを部屋に運んでゆっくり寝かせてやる。

 1/24。昼まで寝ていて起き出す。秋子さんはだいぶ元気になったらしい。一緒に昼を食べる。
 そして、あゆは今日こそ家に帰ることに。
 秋子さんのために買った風邪薬、予防のために飲んでみる? と言ってみたり。「心配してくれてるの?」の言葉には「そうだ」と答えておこう。一応ね。
 途中まで送って行くと言ったら、じゃあ駅まで、と。駅…そこにはベンチがある。いつも幼い日にあゆと待ち合わせたベンチ。
 あゆは、秋子さんとのことを通して思いを語る。目の前で大切な人(母親)を失ったこと。もうあんな思いは2度としたくないと。
 そしてふと思い出す。主人公にも同じような経験があった…?(…そんなの初耳なんですけど…うわー嫌な予感…)
 あゆが目を閉じて欲しいと言った。閉じたら…キスされた。
 お互いに好きだと告げ合う。7年分を取り戻そうと。
 明日、放課後ここで会う約束をする。

 1/25。待ち合わせて商店街へ。一人称、「私」にしてみたらどーだ、とか提案したりしつつ。
 商店街を歩きながら、探し物のことを聞いてみる。でも、見つからなくてもいいような気がして来たらしい。今こうしていることが凄く幸せだから、もしかしたらそれは、幸せだと必要ないものなのかも知れないと。

 1/26。放課後にあゆと会う。初恋は実らないって話になる。祐一はそうだったらしい。初恋の子にまつわるのは悲しい思い出だけ。でもそれが誰なのかは思い出せない。
 夜。何故か窓をコンコン叩く音が。カーテン開けてみたらあゆがいた…よじ登って来たらしい。おいおい。1人が不安って…。
 結局泊まることに。あゆは祐一の部屋に、本人はリビングのソファに。

 1/27。朝、家族たちに気付かれないようにあゆは家を抜け出して外で待っていた。一緒に途中まで登校。あゆの学校を見てみたいと言ったら、放課後案内してくれるそうで。
 しかし、案内されて行った先は本気で森の中なんですけど。ホントにこんな所に学校なんて…。
 辿り着いたそこにあったのは、切り株。あの大きな木の。
 あゆは何やら「嘘だ」とか「ボク、ここにいちゃいけないの?」とか、泣き声で呟いている。一体何のことだか判らない…(うわーん嫌な予感が…)。
 今日も学校に行った、と言いながらリュックを開ける。空っぽだった。そこには、学校に必要な教科書などは一切なかった。
 リュックを置いて走り出したあゆを追いかける。ひたすら追いかけた先の遊歩道で、探し物、と言いながらあゆは地面を掘り返していた。
 手伝ってみる。でも何も出て来ない。
 あゆは、夜は明けないかも知れないと言っていた。そして、もう会えないと思う、とも。
 振り返った時、そこにあゆの姿はもうなかった。
 その夜見た夢。7年前、休みが終わり家に帰る前。
 あゆのリクエストで例の木に。あゆはその時、3つあった願いの2つめとして、今日1日だけ一緒に学校に行きたいと言った。この場所を2人だけの学校にしたいと…。
 (…そー来たデスカ…)

 1/28。体調悪し。
 夜。回想。暗くなるまで『学校』にいたせいで、すっかり道に迷いながら森から出た。あの遊歩道。変わった形の瓶を見つけたあゆは、それをタイムカプセルにしようと決めたらしい。願いを1つ残した天使の人形を入れて。残った願いは、未来の自分のために。
 明日は午前中なら会える。だとしたら、2人の学校で会おうと約束した。

 1/29。放課後、部活が休みという名雪に「人手が必要な頼みがある」と打ち明けた。香里と北川も来てくれた。3人を遊歩道に連れて来て、どれかの木の根元に埋まっているはずの、人形の入ったガラス瓶を探して欲しいと頼む。怪訝そうな3人はそれでも引き受けてくれた。手分けして探す。
 夜になってようやく見つける。瓶は割れてるし羽はもげてるし散々な姿だったけど。名雪が修復を試みてくれるそうだ。理由も聞かず付き合ってくれて、いい友達だなあ…。
 そして回想。閉ざしていた記憶。
 朝、あゆのために買ったプレゼントを手に『学校』へ向かった。でも、辿り着いたそこには、真っ赤な雪が。
 いつものように枝の上で街を見ていたあゆを襲った突風。重い音とともに落ちて来た小さな体と、真っ赤に染まった雪。
 プレゼントはカチューシャ。真っ赤な。
 その時に初めて気がついた。それが自分の初恋だったことに

 1/30。目が覚めた時はもう夕方だった。名雪は約束通り人形を直してくれていた。
 それを持って出かける。今日は帰らないかも知れないと名雪に告げて。
 2人だけの『学校』で待ち続ける。夜が明けて朝が来て、また夕日に染まるまでずっと動かずに。
 あゆは来た。リュックと、直された人形を返す。
 彼女は泣いていた。そして泣きながら、もう会えないと繰り返した。
 せめて最後の願いを叶えさせて欲しいと望んだ祐一の言葉に答えたあゆの「願い」は。
 自分を忘れて欲しい、ということだった。

 季節は春。いつもの食卓の風景。
 その席で秋子さんがニュースの話をした。
 大きな木から落ちた女の子。危険だからとその木は切られてしまった。
 その女の子はずっと意識不明だったのだが、今朝、7年ぶりに意識を取り戻したのだそうだ。

 そして、ベンチに座って、来ない人を待っていた少女は成長した。慣れない帽子をかぶってペンチに座る女の子。
 もう2度と来ないと思っていた、明けないと思っていた夜は、明けたのだ。

□■□

 うわーんある意味予想通りだった。ま、参ったなあ…。

 それにしても…こらこら。栞とネタが一緒ですよ(ラストが)。
 あれはあれで良かったような気がするんですが。あゆが「忘れて下さい」と告げて去ってしまうだけでも。…すいません、そういうの、自分が好きなだけですね。すいません。
 7年寝てたら筋肉落ちまくりですし、その、出かけてベンチに座って人を待つなんて器用なことは簡単には出来ないような気がします。まあはっきり時の経過が話されていたわけじゃないので、ちょっと長きリハビリの後だったのかなと、思うことにしましょうか…。
 しかしまあ。なるほど。朝を迎えるたびに出て来るあの「夢」で始まるテキストってやっぱりあゆだったんですね。覚めない夢…。
 確かにある意味キーストーリーだなあ(『お約束』でもありますね。大切な約束をド忘れする馬鹿主人公、というのは…)。


kanon(PS2) プレイメモ(6)

 名雪。あゆよりも更に恋愛色の見えない子だ…。

 オープニング。駅に迎えに来るはずの名雪を2時間も待ちぼうけ。大遅刻してやって来た名雪は、お詫びに缶コーヒーをくれた。

 1/7。部活の朝練に出て行く名雪に、学校終わってから引越しの片付けを手伝ってくれるよう頼んでみる。OK。
 帰って来た名雪を、女の子なのに力仕事させようとする祐一…。ちょっと無理っぽいので諦めた方がいいと態度を変えておく。
 運んだダンボールを荷ほどきする前に休憩。名雪は、手紙を書いたのに祐一が連絡をくれなかったと話している。
 片付け終わると、夕飯の買い物。名雪が一緒に行こうと言って来たので承知してついて行く。
 歩きながら、昔もこんな風に一緒に買い物したねーと。その時は鞄持ってくれたなどと言い出すので、鞄ぐらい持ってやるよと引き受ける。
 商店街で買い物する名雪を待つ間にあゆ衝突。巻き込まれてしまったせいで、名雪との待ち合わせ場所から離れてしまい、さんざん怒られる。
 夜、名雪に例の目覚まし借りる。

 1/8。名雪の、聞いてると逆に寝ちゃいそうな声の目覚ましで起きる。ははは。
 盛大に名雪の部屋で目覚ましが鳴り出すが、ちっとも起きないので部屋に入ってみる。粘りに粘って起こしておく。
 朝は道案内兼ねて一緒に登校。職員室寄って来てみれば同じクラスだし…。
 帰り、昇降口までのルートにまだ自信がないので名雪に送ってもらう。
 歩きながら部活の話に。走る以外に取り柄がないと謙遜する名雪に「そんなことない」と言っておく。部活に入らないの? と聞かれて、まあ考えておくことにする。

 1/9。朝、例によって時間のない中、名雪が朝ごはん食べ終わるまで仕方なく待っといてみる。

 1/11。近道探しはやめておく。
 昼休み、学食に案内してもらってランチ済ませた後、部活の用事という香里を名雪たちと一緒に待っておく。
 夜、貸したノートを返して欲しいと言う名雪。学校には取りに行かずに謝って過ごす。

 1/12。朝、かなりヤバイ時間になりつつ学校へ。いっそ学校に泊まったれーとか無茶言いつつ。

 1/13。朝、秋子さんお手製の謎のジャムが出て来るけど、逃げ出した名雪を追って外へ。
 学校で、名雪は日直だったのだが、相方が休んでいるとかで、手伝ってーと頼んで来た。条件次第では手伝ってもいいぞと答えてみる。昼飯1回、という条件を出すと「冷たくなった」と責められる。昔のことなんて…と言い出す祐一、変なことに気付く。幼稚園の頃のこととか覚えているのに、なのに…7年前に名雪と過ごしていた日々のことは、何故か思い出せない。
 名雪は仕方なく条件を飲んだようだ。日直手伝う。
 昼。学食混んでいるので、パン買って教室で。名雪、外に降る雪を見て、あの時駅に祐一を探しに行った時みたい、と呟く。祐一はつい1週間前のことだと思い、遅刻に苦言を呈するのだが、名雪は「7年前のことだよ」。それ以上は何も話さなかった。
 名雪が、お弁当作ってあげようかーと提案して来た。頼んでみる。でも、以前名雪が弁当持参の時は殆ど遅刻だったという香里の目撃談。…大丈夫なんだろうか。

 1/14。登校時、猫が道端に。名雪は猫好きの猫アレルギーなんだけど、…まあ好きにさせとく。
 放課後は、約束していたので名雪と商店街。CD屋さんに案内してくれることになっていた。
 小腹空いたなーなんて話している。何か食べてく? 間髪入れずに「イチゴサンデー」が帰って来た。あはは。
 名雪、1つ平らげて「あと3つは入る」と言い出してる。おいおい。あと1杯だけーとお願いされて、苦笑しつつもウェイトレスを呼んであげたり。

 1/19。朝、時計が止まっていることに気付いた名雪、放課後商店街に寄るそうだ。一緒に行こうと言われてOKする。
 授業中、寝こけそうになっている名雪を起こしておく。
 商店街で名雪が電池を変えている間にあゆが来る。戻って来た名雪とお互いを紹介。
 あゆと別れて、名雪と雑貨屋に入る。欲しいものはあるけど…という名雪、祐一がプレゼントしてくれるとか! と言い出す。そして、欲しいと手にしたのが、20円の赤いビー玉。…そんなんでいいの? 買ってあげる。

 1/20。朝、何故か名雪が横に寝てる…まさか!「私を驚かそうとして運んだんじゃないの?」って可愛い発想だなあ…(苦笑)。真相は、トイレに起きた名雪が寝ぼけて部屋を間違えたらしい(…ベッドの位置違うんじゃないですかと突っ込みたくなりませんか?)。
 パジャマ姿を同年代の男に見られるのは恥ずかしくないのか? と聞いてみる。祐一なら平気なんだそうで。…兄妹みたいなもんですからねえ。
 帰りのHR直前、たまには一緒に帰るか? と名雪に。名雪、凄く嬉しそう。
 商店街を歩きながら、冗談で「手つないでみるか」と言ったら、ホントにつながれちゃった。ほんの数秒だけど。クラスメイトとかに見られたらどうする気だったんだ…もう。

 1/21。朝。登校時にあゆと少しだけ一緒になった時に名前の話題になる。名雪っていい名前だよな。
 学校で、1/25にテストが実施されると言い渡された。1日で5教科。死ぬなあそれ。とにかく今日から勉強しなきゃなあ。
 夜、名雪に借りたノートのコピーで勉強しようとするが、転校生にはキツい。
 名雪が部屋に来た。試験勉強はかどってるかと聞いて来る。さっぱりでーす。それなら、と一緒に勉強することになった。
 …と言っても、何かこう、寝そうになる名雪の起こし係みたいな気配だったけどな(笑)。
 7年前も、一緒に冬休みの宿題したね、と思い出話が。でも、その表現…「最後の冬」って?…
 何故こうもすっぱりと思い出せないんだろう。その心を見透かされたように、名雪が言った。きっと心を閉ざさざるをえないような悲しいことがあったんだよ、と。

 1/22。遅くまで勉強していたせいで遅刻確定。急いで登校している間に、好きな男いないの? って話になる。昔はいたけど振られた、と言う名雪を慰めておく。まあそいつも今では変わってしまっただろうし。名雪は「変わってないと思う」と答えた。
 放課後。部活に向かう前に、名雪が見つけた雪うさぎ。心ない誰かに蹴飛ばされて壊れたそれを一生懸命修復しようとするので手伝った。赤い木の実が片方ない。名雪は、祐一から貰った20円のビー玉をその目に使う。何故か、雪うさぎが懐かしいと感じる祐一…。
 夜。今日も名雪の部屋にお邪魔して勉強…しようと思ったら、テーブルに向かったまま寝てるし(笑)。起こし役が必要そうだ…。
 しばらく勉強した後、少し頭をすっきりさせるのにいい場所があると名雪に連れて来られたのは…ベランダ。そ、そりゃすっきりするかもね…眠気も覚めるわね…。
 名雪はこの街が、そして冬が一番好きなんだそうだ。冬は特別なんだそうで。そんな話をしてから戻る。
 夜。夢を見た。三つ編みの、幼い頃の名雪が、また冬になったら会いに来て欲しいと言っている。そして「受け取って欲しい」と雪うさぎを持って来ている。

 1/23。TVの占いに夢中の名雪に誕生日を尋ねる。誕生日会何度もやったのに覚えてないの? と拗ねられてしまった…。
 登校時、あゆと会って占い話になる。いつもの通りあゆをからかってる祐一。その姿を見て、名雪「祐一、あゆちゃんのこと好きなんだよ」と…拗ねてるなあ(苦笑)。
 放課後。部活に行く前に、昨日の雪うさぎの無事を確認してホッとしているらしい名雪。雪うさぎの夢に引っかかってる祐一。
 そして夜。今夜も名雪の部屋で勉強。気分転換はベランダ。
 名雪は雪が好きだと言った。俺は嫌いだ、と言った祐一に「それは違うよ。祐一はこの街が嫌いなんだよ」と。言われてみればその通りだと何故か納得する。7年前のあの冬から、らしい。
 ふと目の前の名雪を見て、多分自分はこいつが好きだったんだ、と突然気付いた。霧が晴れるように。
 その夜の夢。雪うさぎのプレゼントと共に、ずっと祐一が好きだったと告げる幼い名雪の手から、幼い祐一は雪うさぎを叩き落としていた。雪が嫌い。この街が嫌い。全てを記憶から抹消してしまいたいぐらいの絶望が当時の自分の中にはあったから。
 名雪は、最後の日、ここでまた待っていると言った。駅のベンチ。ちゃんとお別れ言いたいからと。会って欲しいと泣いた。でも、祐一はそこには行かなかった。
 (これって…あれとリンクしているのかな…あゆと。)

 1/24。息抜きに散歩しようと名雪を誘う。彼女を連れて行ったのは約束の場所。駅前で謝る。7年前のこと。そして、今は名雪のことが好きだと告げる。いとことしてではなく、1人の女の子として。
 今頃そんなこと言うなんてずるい、と名雪は走り去ってしまった。拒絶、なんだろうな。
 その夜。部屋のドアではなくて窓がノックされた。続きのベランダに名雪がいた。外へ出る。
 考えたんだそうだ。そして出た結論。イチゴサンデー7つで許してくれるそうです。名雪の方もまだ、祐一のことが好きみたいだから。

 1/25。祐一が起こす前に名雪が起きている。奇跡だ。
 テストは無事に終了。放課後、秋子さんに買い物頼まれているから、何かついでがあれば頼まれるよと言った名雪に週刊誌を頼む。
 夜、頼まれていたのに渡すの忘れてたと名雪が部屋に。でも、いつもと違ってそわそわしている。何故か急にパジャマ姿が恥ずかしくなっちゃったらしく。
 あ。ここで入るんだ…。描写はしないけど、事実は残るんですね(笑)。
 ベッドでそのまま寝入ってしまっている名雪。
 (…どーでもいいですけど、オリジナルってこのシーンのCG、ちゃんとパジャマ着てるんでしょうか?「祐一なら…いいよ」とかものすごーく意味ありげで明けたシーンがパジャマ姿はちょっと可愛過ぎるような。)

 1/26。名雪の生声で起こされる朝。ちなみに名雪は既に制服。
 朝ごはん食べ損ねたまま学校に来る。
 昼休み、名雪が弁当を作って来た。教室で食べるのはかなーり恥ずかしいが、それでもここで食べる。うん。
 帰り、部活の途中の名雪に会う。商店街に寄って帰るけど買って欲しいものある? と訊くと、誕生日プレゼントをくれ、ってあーたもう1ケ月も前なのに(苦笑)。でもまあ、何か買ってやるよと約束して、商店街でイチゴのケーキを購入。

 1/27。朝、再び名雪に起こされる。朝はいつもより余裕で家を出られた。
 5時間目。教室に見慣れない先生が駆け込んで来て祐一と名雪は連れ出された。秋子さんが事故に遭ったと…。
 病院に行ったけど面会も許されない状態だった。

 1/28。朝、名雪は部屋から出て来なかった。ノックしてみるが反応なし。鍵がかかっている。先に行くと告げておいて、そのまま階下へ。自分でトースト焼いて食べて登校。
 放課後、帰宅してみると、キッチンは朝のままだ。名雪、何も食べてない。
 ありあわせのもので簡単な料理を作って、名雪の部屋の前へ。声をかけても、ドアを開けようとしても、鍵がかかっていて無反応。
 ドアの前に食事を置いて自分の部屋に。

 1/29。名雪の部屋。食事には手をつけてない。ドアを何度も叩くと「やめて」と反応があった。ごめん、と謝るだけでまた黙ってしまう名雪。
 学校で考えて自覚したことがあった。これは、7年前と逆なのだと。7年前は、祐一が絶望して名雪の全てを拒絶した。今は名雪が絶望して拒絶している。
 家に帰ると、名雪の部屋の前の食事が半分ぐらい減っていて、ドアに隙間が。部屋に入る。
 出て行ってと繰り返す名雪。秋子さんは必ず戻って来ると何度言っても聞く耳を持ってくれない。強くなんかなれない、もう笑えないと泣き出す名雪。

 1/30。今度は自分が待つ番、ということか。名雪の部屋の前で、返事がないドアに「あの場所で待ってる」と告げる。借りた目覚ましに何かを録音して部屋の前に返すと、そのまま家を出た。
 雪の中、駅前のベンチで待ち続ける。
 時計が日を越えた深夜、名雪が来た。祐一を支えにしていいのか、甘えてもいいのか、と聞いて来た。
 目覚ましに録音したこと。奇跡は起こせないけど、そばにいることは出来ると。もう何処にも行かないと。
 証拠残ってるからね、と名雪は笑っていた。

 そして春。秋子さんも無事に戻って来たこの家で、同じ日常がまた始まっている。
 違っていることは…名雪が『証拠』の目覚ましで毎朝起きるようになり、それで死ぬほど祐一が恥ずかしい思いをしていること、ぐらいでしょうか(笑)。

□■□

 國府田マリ子さんの声、ぐーです。感情の出し方すごく可愛かった。

 王道ー。ちょっと恋愛にスイッチする切っ掛けが唐突な感じはするけど。
 ただあの。メインの確執(?)というか、7年前の(祐一側の)「絶望」の話が…明かされてないよう。それが一番気になるのにー。

 CG1枚空いてるのは何だ。と思ってたら情報見つけてしまった。
 無事に真琴を再プレイ(殆どL1で飛ばしてましたが)。こんな所にCGあるとは(笑)。


kanon(PS2) プレイメモ(7)

 某隠しキャラ。途中までは舞ルート

 1/26。朝、登校する時、佐祐理さんがいつまでも後輩の自分に対して敬語で話す理由を訊いてみた。
 佐祐理さんは、男性に対しては常に敬語であるらしい。ある1人の例外を除いては。
 その例外は…弟の一弥。もう病気で亡くなっているそうですが。
 佐祐理が小学校に上がる時に産まれて来た一弥。父親は、産まれて来る子供は姉である佐祐理を見て育つことを忘れないように、姉として威厳を持つように、甘やかさないように、と言い聞かせていた。だから佐祐理は敬語を使わずに弟に接していた。
 父親はよく佐祐理を「大人の集まる場所」に連れ出していたらしい。「ありがとうございます」と頭を下げて回っていたらしい。父親の教育は厳しかったが、その厳しさのお蔭で自分は大人に認められる「正しい」子供になれたのだと思っていた。
 両親が忙しくなり始めた頃、佐祐理は姉として、自分こそが正しく弟を教育しなければならないと決意していたそうだ。
 だから一弥には厳しく当たった。泣き出すと叱り、泣き止むまでミルクを与えなかったりしたこともあった。佐祐理にとってはそれはすごく辛いことだったが、そうすれば「正しい」子供になれると信じていたから。
 二年たった時、一弥が言葉を話せないことに家族は気付く。聞いて理解はしているようだけど、自分からは発しない。
 幼稚園に入った一弥の送り迎えは佐祐理の担当。朝は元気がなく、夕方はいつも泣いていた。言葉を話せなくても特別な教室に通わせたりはしなかったせいだと思っていた。泣いている弟を見ているのは佐祐理も辛かったが、それが正しいことなのだと思っていた。
 佐祐理は弟の笑顔を見たことがなかった。
 やがて弟は幼稚園にも通えないほど体調を悪くして、入院生活に。
 佐祐理は父親に頼んだ。今の一弥の病気が治ったら、頭を撫でてあげていいか、駄菓子を買ってあげていいか、一緒に食べてもいいか、と。
 父親は許してくれたが、嬉しそうな顔ではなかった、らしい。
 でも弟の病状は悪くなる一方。佐祐理は耐え切れず、昼間に駄菓子を買い込んで夜に病棟に忍び込んだ。最初は、また叱られるのかと気難しい顔をしていた一弥だが、佐祐理に勧められて駄菓子を食べた。水の入った水鉄砲を弟に握らせて、佐祐理は撃つ真似をした。病気が治ったら一緒に遊ぼう、本当は一弥のこと大好きだよ、と佐祐理は言って聞かせた。
 一弥が初めて楽しそうな笑顔を見せた。最初で最後の笑顔。
 一弥亡き後、父親は「あの子は姉といつも一緒にいられて幸せだった」と言っていたが、佐祐理は「私は本当にいい姉だったんでしょうか」と父親に問いかけていた。
 佐祐理は、自分のしたことが正しくはなかったのだと判っていた。
 以来、佐祐理は全ての男性に対して敬語で話すようになった。敬語を使わない、ということは、佐祐理にとっては特別な行為なのだと言う。
 話をしているうちに舞がいなくなっていた。探して呼び戻す。舞は、悲しいお話だと泣きかけていた。
 その夜。いつもの校舎。舞と話す。舞は以前にもその話を聞いたことがあるらしい。そして「佐祐理を助けてあげて。祐一にも敬語を使わなくなれるように」。…いやそれは。無理じゃないかなあ。

 1/27。放課後、2人に会う。一緒に帰る? と話していたら、舞が突然脱兎のごとく走り去った。あはは。気を遣ったつもりなんだろうなあ、きっと。
 佐祐理さんと2人でゲームセンターで遊んだ。反射神経のいい彼女はコツ掴むのも早い。たちまち腕を上げ、ギャラリーが集まってしまって大変なことに…。
 ゲーセンを出た後、佐祐理さんに惚れ直したーと祐一がいくら褒めても、謙遜通り越して自虐的な佐祐理。佐祐理も祐一さんのこと大好きですよーとは言ってくれても、敬語を使うのだけは止められないと。
 そして、あの話には続きがあると言い出す。一弥が死んだ後、手首を切ったのだと。
 その頃から自分のことを「佐祐理」と呼ぶようになったのは、本当の自分が自分の中にはいないような感じがしたからだと言う。自分という存在を客観的にしか見られなくなったと。
 高校は家に近いという理由だけでここを選んだ。もっと上を狙えるのにと学校の先生には残念がられたらしいが。
 そして春、校門をくぐった所で、犬に手を噛ませている女の子に会う。舞だ。彼女が、不器用だけど優しいことにすぐに気付いてお弁当を提供する。
 代わりに舞が昼を奢ってくれると言うので学食に。メニューを選ぶ間もなく2人分の牛丼を舞が買って来ていた。
 2人でそれを食べている間、その朝の奇行から舞をからかう声が周りから聞こえていた。
 その時に佐祐理は思ったのだ。この子を幸せにしたいと。
 一弥を失って以来初めて、他人に興味を抱いたのだ。自分にすら興味を抱けなかったのに。
 だから待って欲しいと佐祐理は言った。いつか、他人を幸せにして自分も幸せになる、その目標が実現出来たと思える日が来たら、きっと敬語を使わないで話せる日も来ると思うから、と…。

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 手首の傷ってそれだったんですか…。
 舞は、自分と一緒にいると佐祐理が傷つく、と何度か言うので、てっきり手首の傷も舞絡みなのではないかと思ってました。
 自分の前では一度しか笑ってくれなかった一弥と、多分まだ一度も笑ったことがないであろう舞とが重なっていたんでしょうね。
 恋愛、というより、佐祐理自身の成長物語っぽいですね。
 このぐらいの余韻残して終わるのっていいなあ。この終わり方私は結構好きだ。

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